リンの多い食べ物はどんなものか、ご存じですか?
リンは体の中でカルシウムの次に多く存在するミネラル。あなたの体重が50kgなら、カルシウムは1kg、リンは0.5kgも存在しています。
そのうちの約85%がカルシウムやマグネシウムと結びついて骨や歯を作っています。
では身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりの含有量に換算して、リンの多い食べ物を30位までランキングでお伝えします。
このページを読めば、どの食べ物を、どのくらい食べると、1日に必要なリンの何%が摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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リンの効果とは?
リンの多い食べ物をお伝えする前に、まずはリンの効果、不足したらどうなる?摂りすぎたらどうなる?についてお伝えします。
リンの5つの効果
リンにはおもに次のような効果があるとされています。
- 強い骨や歯を作る
- 糖質の代謝を高める
- エネルギー作りを助ける
- 神経伝達をサポートする
- 筋肉の動きをサポートする
リンが不足すると?
リンが不足すると……
- 骨や歯が弱くなる
- 新陳代謝が低下
- 筋力が弱くなる
- だるさ、倦怠感
- 溶血性貧血
リンはほとんどの食べ物に含まれているので、不足することはまずありません。
それよりも、加工食品やスナック菓子には食品添加物の「リン酸塩」として含まれているので、摂りすぎに注意が必要です。
リンを摂りすぎると?
リンを摂りすぎると……
- カルシウムの吸収を妨げる
- 骨が弱くなる
- 腎臓の機能の低下
リンとカルシウムはバランスが重要。
リンを摂りすぎる
↓
血液中のリンが増える
↓
骨からカルシウムを溶かして血液へ放出してバランスをとる
↓
骨が弱くなる
※参考サイト:厚生労働省 ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「リン解説」
加工食品からのリンの摂りすぎが増えているので、「リンを摂りすぎないこと」と「不足しがちなカルシウムをしっかり摂ること」が重要ですね。
カルシウムの多い食べ物はこちら↓
カルシウムの多い食べ物ランキング【1食分で比較】摂取量や効果も!
リンは不足よりも摂りすぎに注意が必要。ではリンは1日にどのくらいの量を摂るのがよいのでしょうか?
リンの1日の目安量
リンは1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
1日に必要な量は?
リンの1日に必要な量(=目安量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて定められています。
リンの1日の目安量
女性:800mg
男性:1,000mg
では、私たちはリンをどのくらい摂っているのかというと……
リンをちゃんと摂れている?
私たちが実際に摂っているリンの量はこちらです!
実際に摂っているリンの量
女性:942mg
※ 142mg多く摂っています
(18%多い)
男性:1079mg
※ 79mg多く摂っています
(8%多い)
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともに1日に必要な量よりもやや多い程度なので、摂りすぎの心配はなさそうですね。加工食品やスナック菓子をよく食べる人はリンの摂りすぎに気をつけましょう。
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりの含有量に換算して、リンの多い食べ物を30位までランキングでお伝えします。
リンの多い食べ物ランキング
リンの多い食べ物を1食分あたりで30位までランキングで紹介します。
1~10位の食べ物
まずはリンの多い食べ物を30位までグラフにまとめてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
チーズはカルシウムを多く含むためランキングに入れていますが、ハムやかまぼこなどの加工食品やスナック菓子は入れていません。
では、この30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれるリンの量」をお伝えします。
まずは1~10位まで 。
リンの1日の目安量
女性:800mg
(142mg多く摂れています)
男性:1,000mg
(79mg多く摂れています)
1位:するめいか(焼いたもの)
イカ焼き1杯(150g)に
450mg
1日のリンの目安量のうちの女性なら56%、男性なら45%。
リンが非常に多いもののカルシウムはわずか21mg。リンの摂りすぎはカルシウム不足につながります。一緒にカルシウムの多い食べ物を摂りましょう。
カルシウムの多い食べ物はこちら↓
カルシウムの多い食べ物ランキング35【1食分】で比較!
2位:豚レバー
レバニラ炒め1皿
(豚レバー100g)に
340mg
3位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
330mg
4位:鶏レバー
鶏レバーの甘辛煮1皿
(鶏レバー100g)に
300mg
レバーは豚も牛も鶏もカルシウムはほとんど含まれていません。1食分にわずか5mgなので1日に必要なカルシウムの1%にも満たない量です。一緒にカルシウムの多い食べ物を摂りましょう。
4位タイ:うなぎ(蒲焼き)
うな重1人前に
300mg
6位:プロセスチーズ
プロセスチーズ40gに
292mg
1日のリンの目安量の56%(男性なら45%)が含まれています。
7位:かつお(たたき)
鰹のたたき6切れ(100g)に
280mg
8位:鮭(水煮缶詰)
サケの水煮缶詰1/2缶(90g)に
279mg
骨ごと食べられるサケの水煮缶詰なら、カルシウムも171mgと豊富に含まれています。
9位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れ(78g)に
265mg
10位:厚揚げ(生揚げ)
厚揚げ1/2枚(75g)に
262mg
1日のリンの目安量の33%(男性なら26%)になります。厚揚げにはカルシウムも232mgとたっぷりなので安心ですね。
厚揚げはほかにもマグネシウム、ナイアシン、ビタミンKも豊富。厚揚げの栄養価と効果はこちら↓
厚揚げの栄養がすごい!1枚あたりの栄養価と8つの効果とは?
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リンの多い食べ物を10位まで紹介しました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
リンの多い食べ物。
続いて11~20位です。
11~20位の食べ物には1日のリンの目安量の23~30%が含まれています。
リンの1日の目安量
女性:800mg
(142mg多く摂れています)
男性:1,000mg
(79mg多く摂れています)
11位:豚肉ヒレ(とんかつ)
豚のヒレカツ3枚
(ヒレ肉100g使用)に
260mg
1日のリンの目安量のうち女性なら33%、男性なら26%となります。
12位:あじ(あじフライ)
アジフライ2枚(100g)に
250mg
13位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き1切れ(78g)に
250mg
14位:わかさぎ(フライ)
わかさぎのフライ7尾(70g)に
245mg
わかさぎのフライは1食分あたりのカルシウムの量がトップ。315mgも含まれています。
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15位:豚肉ロース(とんかつ)
豚のロースかつ1枚
(ロース肉120g使用)に
240mg
1日のリンの目安量の30%(男性なら24%)になります。
16位:さば(みそ煮缶詰)
さばのみそ煮缶詰1/2缶(95g)に
238mg
さばのみそ煮缶詰も骨ごと食べられるので、カルシウムは200mgとたっぷり摂ることができます。
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17位:まぐろ(びんながまぐろの刺身)
刺身5切れ(70g)に
217mg
カルシウムはわずか6.3mgとほとんど含まれていません。カルシウムの多い食べ物を一緒に摂りましょう。
18位:玄米ごはん
お茶碗1杯(160g)に
208mg
19位:まぐろ(きはだまぐろの刺身)
刺身5切れ(70g)に
203.0mg
20位:とうもろこし
1/2本(75g)に
202.5mg
1日のリンの目安量の25%(男性なら20%)になります。
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リンの多い食べ物を11~20位まで紹介しました。次は21~30位です。
21~30位の食べ物
リンの多い食べ物。
最後は21~30位です。
21~30位の食べ物では1日のリンの目安量の18~23%となります。
リンの1日の目安量
女性:800mg
(142mg多く摂れています)
男性:1,000mg
(79mg多く摂れています)
21位:チェダーチーズ
チェダーチーズ40gに
200mg
1日のリンの目安量のうち女性なら25%、男性なら20% となります。
チェダーチーズはカルシウムが豊富。296mgも含まれています。
22位:ゴーダチーズ
ゴーダチーズ40gに
196mg
ゴーダチーズもカルシウムが豊富。272mgも含まれています。
23位:まいわし(蒲焼き)
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
192mg
24位:牛乳
200ml入り1パックに
192mg
25位:まぐろ(めばちまぐろの赤身の刺身)
刺身5切れ(70g)に
189mg
26位:そば(ゆでたもの)
そば1人前(230g)に
184mg
26位タイ:ほたてがい(貝柱の刺身)
ほたての刺身4粒(80g)に
184mg
28位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
181mg
さばの味噌煮は238mg。水煮のほうがリンは少なめです。
29位:高野豆腐(含め煮)
高野豆腐の煮物1皿(100g)に
180mg
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30位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹(76g)に
167mg
リンの多い食べ物を30位まで紹介しました。もう1度グラフで見てみましょう。
いかがでしたでしょうか。
リンの含有量が多いいか、レバー、かつお、鮭の塩焼きはカルシウムがほとんど含まれていません。
骨ごと食べられるサケ缶、サバ缶、わかさぎのフライはカルシウムも豊富で安心して食べられますね。
リンの多い食べ物:まとめ
リンの多い食べ物を1食分あたりに換算して、30位までランキングで紹介しました。
リンの多い食べ物:いか、レバー、うなぎ、チーズ、魚介類全般、厚揚げ、豚肉、牛乳、そば
リンの効果:骨や歯を強くする、糖質の代謝を高める、エネルギー作りを助ける、神経伝達をサポートする、筋肉のスムーズな動きをサポートする
不足すると?:骨や歯が弱くなる、新陳代謝や筋力の低下、だるさ、倦怠感、溶血性貧血
摂りすぎると?:骨が弱くなる(カルシウムの吸収をさまたげる)、腎臓の機能の低下
1日の目安量:女性で800mg、男性で1,000mg
加工食品やスナック菓子などの食品添加物をはじめ、ほとんどの食べ物に含まれていて「摂りすぎ」への注意が必要なリン。
ふだんの食生活に気をつけながら、カルシウムもしっかり摂るように心がけましょう。