オクラは夏が旬。納豆とならんでネバネバ食感の健康食材です。
そんなオクラにはどんな栄養が多いのか、どんな効果があるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- オクラにはどんな栄養が多い?
- 5本食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- オクラの効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。オクラの栄養をしっかり取り入れて健康な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】粒納豆に多い栄養は?1パックの栄養価と8つの効果とは?
オクラ5本の栄養価
オクラに多い栄養は、ビタミンK、葉酸、ビタミンE、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維、マグネシウム、カルシウム、カリウム、モリブデンなど。
なかでも葉酸やビタミンKが抜群に多く、食物繊維もしっかりと含まれています。
オクラの効果としては、心筋梗塞や動脈硬化の予防、高血圧の予防、血糖値をおさえる、便秘解消、貧血予防、疲労回復などが期待できます。
そんなオクラ。
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたり(オクラ12本)ではなく、一度に食べる量の目安として……
- オクラを5本食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - オクラに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてくわしくお伝えします。
一度に食べる量
=オクラ5本(42g)
1本は約10gで、へたの部分をとると可食部は8.5g。和え物などオクラを5本(42g)食べた場合の栄養価を紹介します。
オクラに多いビタミン
まずはビタミンから。
オクラを5本食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
オクラに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンK | 20% |
葉酸 | 20% |
ビタミンE | 9% |
ビオチン | 5% |
ビタミンC | 5% |
ビタミンKと葉酸がダントツ。わずかオクラ5本で1日に必要な量の20%も摂ることができます。
そのほか、サラサラ効果の高いビタミンEなども多く含まれています。
次はオクラにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
オクラに多いミネラル
オクラのごま和えなど5本(42g)食べると、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
オクラに豊富なミネラルは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
モリブデン | 9% |
銅 | 8% |
マグネシウム | 8% |
カルシウム | 6% |
マンガン | 6% |
ビタミンKや葉酸ほど豊富ではないですが、いろいろなミネラルがバランスよく含まれています。
では、オクラの食物繊維の量をお伝えしてから、オクラの7つの効果効能を紹介します。
オクラに多い食物繊維
オクラを5本食べるとどのくらい摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 13% |
水溶性食物繊維 | 10% |
オクラには不溶性と水溶性の2種類とも豊富。
特に、1日に必要な量の半分程度しか摂れていない水溶性食物繊維がオクラにはたっぷり含まれています。
では、
オクラに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
オクラに多い栄養とその効果
オクラ5本の栄養価のなかで、女性の1日分の栄養に対して多いのはこちら。
ビタミンK | 20% |
葉酸 | 20% |
不溶性食物繊維 | 13% |
水溶性食物繊維 | 10% |
ビタミンE | 9% |
モリブデン | 9% |
このほか、銅、マグネシウム、カルシウム、マンガン、カリウムなどが多く含まれています。
ではこの6つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- オクラでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンK
オクラにもっとも多い栄養はビタミンK。骨を丈夫にし、出血時の止血もサポートします。
オクラのビタミンKの量は?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
オクラ5本には31μg。
1日の必要量の20%です。
さて私たちは、普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、オクラでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、157%
オクラ5本には、20%
合計で、177%
男性が摂れている量は、164%
オクラ5本には、20%
合計で、184%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもなはたらきは次の2つ。
- 強い骨をつくる
- 切り傷など出血した血を固める
ビタミンKは不足しにくい栄養。ただし、抗生物質を飲んでいたり食生活が乱れている人は不足しないよう注意が必要です。
オクラのほか、納豆、春菊、白菜、ブロッコリーなどビタミンKの豊富な食べ物を意識しましょう。
葉酸
2番目の栄養は葉酸。胎児の正常な発育を守る、血液をつくるなどのはたらきがあります。
オクラの葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
オクラ5本には47μg。
では、普段からどのくらい摂れていて、オクラでどう増えるかというと……
女性が摂れている葉酸は、118%
オクラには、20%
合計で、138%
男性が摂れている葉酸は、123%
オクラには、20%
合計で、143%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸も不足しにくい栄養ですが、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は不足しがちな傾向があります。
妊活中のかたも授乳期のママもオクラなどの葉酸の多い食べ物を意識して摂るようにしましょう。
不溶性食物繊維
オクラに3番目に多い栄養で、野菜やきのこ類に豊富に含まれています。便秘解消やデトックスなどのはたらきがあります。
オクラの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
オクラ5本には1.6g。
オクラを食べると……
女性が摂れている量は、93%
オクラには、13%
合計で、106%
男性が摂れている量は、84%
オクラには、11%
合計で、95%
私たちにはやや不足ぎみですが、オクラ5本で不足分をほぼ補うことができます。
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性12g、男性14gとしています。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
便秘のなかでも、便の量や回数が少ないタイプの便秘に効果的。体内で大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしてくれます。
水溶性食物繊維
4番目の栄養は水溶性食物繊維。生活習慣量を防ぐはたらきの高さが注目されています。
オクラの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
オクラ5本には0.6g。
女性が摂れている量は、58%
オクラには、10%
合計で、68%
男性が摂れている量は、51%
オクラには、9%
合計で、60%
1日に必要な量のわずか半分ほどしか摂れていません。オクラにも豊富ですがまだまだ足りないですね。
オクラのほか、寒天、豆腐、納豆、枝豆など、多く含まれている食べ物を意識して摂りましょう。
水溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
便秘のなかでも、便がかたい、便がコロコロ、いきまないと出ない、といったタイプの便秘を解消するはたらきが高い栄養素。固い便に水分を与えて柔らかくしてくれます。
ちなみに便秘のタイプによって不溶性がいいのか水溶性がいいのか、こちらで解説しています↓
ビタミンE
5番目の栄養はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用で、血管をキレイにしなやかにしてくれます。
オクラのビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
オクラ5本には0.5mg。
女性が摂れている量は、108%
オクラには、9%
合計で、117%
男性が摂れている量は、100%
オクラには、7%
合計で、107%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
ビタミンEの効果は?
おもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
悪玉コレステロールをおさえてサラサラに、という血管のお掃除役がビタミンEですね。
モリブデン
オクラに6番目に多い栄養はモリブデン。貧血を予防したり有害物質を無毒化するはたらきを発揮します。
オクラのモリブデンは?
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
オクラ5本に1.7μg。
モリブデンは「私たちが普段の食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、不足も摂りすぎもまずないと考えられています。
モリブデンの効果
おもなはたらきは次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
聞き慣れないミネラルですが、食べ物の消化、エネルギー代謝のはたらきを担っているミネラルです。
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オクラに多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
オクラを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
- オクラを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
オクラの7つの効果効能
オクラには、私たちに不足している食物繊維、カルシウムやマグネシウムといったミネラル、そして葉酸やビタミンKなどが凝縮。
これらの栄養のはたらきから、オクラに期待される健康効果をまとめてみました。
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
ビタミンEや水溶性食物繊維がコレステロールをキャッチして排出して減らす - 動脈硬化の予防
ビタミンEの高い抗酸化作用でコレステロールや脂肪の酸化を防いで、血管を健康にしなやかに維持する - 高血圧の予防
水溶性食物繊維が余分なナトリウム(塩分)を排出する - 血糖値を下げる
水溶性食物繊維が体内で水に溶けてゼリー状になってほかの食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで、消化スピードをおさえる - 便秘解消
2種類の食物繊維が体内で大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にするとともに、腸のなかで固くなった便に水分をあたえて柔らかくする - 貧血予防
葉酸はビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作り、モリブデンは鉄分のはたらきを高めて血液(ヘモグロビン)をつくり、ビタミンEのサラサラ効果で血液を全身にいきわたらせる - 疲労回復
モリブデンが糖質や脂質の代謝を助けてエネルギーを作る
そこで、オクラをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそオクラを食べて!
オクラをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 血圧が高い
- 血糖値が気になる
- メタボリックぎみ
- 貧血ぎみ
- 便秘がち
- 肩こり、首こり、体がかたい
- 冷え性
- 疲れやすい
生活習慣病に注意が必要な人、なんとなく体調がよくない、といった方にぜひ食べてもらいたいのがオクラなのです。
オクラに多い栄養:まとめ
オクラに多い栄養と効果効能をお伝えしました。
オクラに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順に、ビタミンK、葉酸、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維、ビタミンE、モリブデン、銅、マグネシウム、カルシウム、マンガン、カリウムなど
オクラの効果:心筋梗塞や脳梗塞の予防、動脈硬化の予防、高血圧の予防、血糖値ケア、便秘解消、貧血予防、疲労回復
こんな人に食べてほしい:高血圧、メタボぎみ、血糖値が気になる、貧血、便秘、肩や首がこる、体がかたい、冷え性、疲れやすい
ネバネバ食材はやはり健康効果がたっぷり。ふだんの食生活にぜひオクラを取り入れてみてください。