豆苗とはエンドウマメの新芽を食べる緑黄色野菜。料理に使った後に水をはって、再収穫している人も多いでしょう。
そんな豆苗、実はビタミンと食物繊維の宝庫だってこと、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 豆苗に多い栄養は?
- 豆苗1/2パック食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな効果がある?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。豆苗にたっぷり詰まった栄養を活かして元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】もやしの栄養がすごい!1/2袋あたりの栄養価と6つの効果とは?
豆苗1/2パックの栄養価
豆苗に多い栄養は、ビタミンA、C、E、K、葉酸、鉄分、銅、不溶性食物繊維など。
1/2パックという少ない量にもかかわらず不溶性食物繊維がぎっしり!私たちに足りない栄養ですがその不足分を軽く補えるほど豊富に含まれています。
豆苗の効果としては、強い骨をつくる、有害物質のデトックス、便秘の解消、胎児の正常な発育を守る、感染症の予防、ストレスから守る、アンチエイジングなどが期待できます。
では、
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- 豆苗を1/2パック食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 豆苗に多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてお伝えします。
豆苗1/2パック=40g
豆苗は根元などスポンジ部分を除くと1パックの可食部は約85g。その半分を一度に食べる量として、サラダなど豆苗40gを生で食べた場合の栄養価を紹介します。
ちなみに豆苗に似ている「かいわれ大根」にはビタミンC、E、K、葉酸などが豊富。その栄養価はこちら↓
かいわれ大根の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは
豆苗に多いビタミン
まずはビタミン。
豆苗を1/2パック食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
豆苗に多く含まれているビタミンは次の4つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンK | 56% |
葉酸 | 20% |
ビタミンC | 17% |
ビタミンA | 14% |
骨を強くするビタミンKは豆苗わずか40gの中に1日に必要な量の半分以上も含まれています。
また、私たちにかなり足りないビタミンAもしっかり補えます。
次は豆苗にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
豆苗に多いミネラル
豆苗1/2パック(40g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
豆苗はビタミン類にくらべてミネラルは少なめ。1番多いミネラルは銅ですが女性の1日に必要な量の6%です。
では、豆苗1/2パックあたりの食物繊維をお伝えしてから、豆苗の7つの効果を紹介します。
豆苗に多い食物繊維
豆苗1/2パックで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 33% |
水溶性食物繊維 | 7% |
豆苗は私たちにやや不足している不溶性食物繊維がぎっしり!野菜やきのこ類などに多い栄養で、便秘解消やデトックスなどのはたらきがあります。豆苗なら1/2パックで不足分を十分に補えますね。
では、
豆苗に多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
豆苗に多い栄養とその効果
豆苗1/2パック(40g)に含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンK | 56% |
不溶性食物繊維 | 33% |
葉酸 | 20% |
ビタミンC | 17% |
ビタミンA | 14% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 豆苗1/2パックでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンK
豆苗にもっとも多い栄養はビタミンK。丈夫な骨をつくる、出血を止めるなどのはたらきがあります。
豆苗のビタミンKは?
1日に必要なビタミンKは
女性も男性も150μg。
豆苗1/2パックには84μg。
1日に必要な量の56%です。
さて私たちは普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、豆苗を食べるとどのくらい増えるのかというと……
女性が摂れている量は、157%
豆苗1/2パックに、56%
合計で、213%
男性が摂れている量は、164%
豆苗1/2パックに、56%
合計で、220%
ビタミンKはいろんな食べ物に広く含まれている栄養。私たちの腸のなかでも作られているので、不足しにくい栄養ではあります。
ただ、食生活がかたよっていたり、抗生物質を長い期間飲んでいる人はビタミンK不足の可能性も。ビタミンKの多い食べ物を意識しましょう。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもなはたらきは次の2つ。
- 骨を強くする
- 切り傷など出血した血を固める
食べ物に含まれているカルシウムを骨のところまで運ぶのがビタミンD。そのカルシウムを骨にペタッと貼りつけるのがビタミンK。このはたらきで骨を強く丈夫にしてくれます。
ちなみに骨粗しょう症を予防するはたらきが特に高いビタミンKは納豆にぎっしり!その栄養価はこちら↓
粒納豆の栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
不溶性食物繊維
2番目の栄養は不溶性食物繊維。野菜、玄米、きのこ類などに豊富で、有害物質をデトックスするはたらきなどがあります。
豆苗の不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
豆苗1/2パックに4g。
では普段からどのくらい摂れていて、豆苗でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、93%
豆苗に、33%
合計で、126%
男性が摂れている量は、84%
豆苗に、29%
合計で、113%
不足しがちな栄養ですが、豆苗1/2パックで十分に補うことができます。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- ダイエット
不溶性食物繊維は、お通じの回数が少ない、お通じの量が少ない、といったタイプの便秘に効果的。腸のなかで水分を吸って大きくふくらんで、便のカサを増やして腸の動きを活発にします。
ちなみに、便が固い、いきまないと出ない、といった便秘には水溶性食物繊維が効果的。固くなった便に水分を与えて柔らかくしてお通じをスムーズにします。
便秘のタイプによって不溶性と水溶性のどちらがいいのか、こちらで解説しています↓
葉酸
豆苗に3番目に豊富な葉酸。ほうれん草から見つかった栄養で、葉物野菜やレバーに多く含まれています。
豆苗の葉酸は?
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
豆苗1/2パックには48μg。
豆苗を食べると……
女性が摂れている葉酸は、118%
豆苗に、20%
合計で、138%
男性が摂れている葉酸は、123%
豆苗に、20%
合計で、143%
葉酸の効果は?
おもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
子供を授かりたい人、妊婦さん、授乳中のママはもちろん、貧血ぎみの人にも大切な葉酸。
お酒が好きな人やアスピリンをよく飲む人は不足しがちな傾向があります。葉酸の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンC
4番目の栄養はビタミンC。風邪を早く治したりストレスから守るなどのはたらきがあります。
豆苗のビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
豆苗1/2パックには17mg。
豆苗を食べると……
女性が摂れている量は、96%
豆苗に、17%
合計で、113%
男性が摂れている量は、91%
豆苗に、17%
合計で、108%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
おもに次の7つのはたらきがあります。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
高い抗酸化力で病気のもととなる活性酸素を除去したり、風邪などの感染症から守る栄養素ですね。
私たちにやや不足ぎみなうえに、ストレスによってビタミンCの消費量も増えていきます。体内にためておけない栄養ですので、ビタミンCの多い食べ物からこまめに摂るようにしましょう。
ビタミンA
豆苗に5番目に多く含まれるビタミンA。粘膜を保って免疫を高め、目の健康にも大切な栄養です。
豆苗のビタミンAは?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
豆苗1/2パックに100μgRAE。
豆苗を食べると……
女性が摂れている量は、74%
豆苗に、14%
合計で、88%
男性が摂れている量は、61%
豆苗に、11%
合計で、72%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
私たちはビタミンAがかなり不足。豆苗のほか、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など、ビタミンAが豊富な食べ物を積極的に摂りましょう。
ビタミンAの効果は?
ビタミンAのはたらきはおもに次の5つ。
- 風邪やインフルエンザなどの感染症を防ぐ
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
粘膜を強化してウイルスの侵入をブロック。感染症を予防してくれるビタミンAは冬こそ意識して摂りたい栄養です。
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豆苗に多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
豆苗を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
豆苗の7つの効果効能
豆苗はビタミンや食物繊維が豊富。豆苗に多い栄養のはたらきから期待される効果はこちら。
- 強い骨をつくる
ビタミンKが骨にカルシウムを取り込むはたらきを高めるとともに、骨からカルシウムが溶け出すのも防ぐ - 有害物質を排出する
不溶性食物繊維が重金属、食品添加物など体に有害なものを排出する - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して数倍から数十倍にふくらんで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 胎児の正常な発育を守る
葉酸がお腹の赤ちゃんの先天性異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らす - 免疫力を高めて感染症を予防する
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高め、ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - ストレスから守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する - 若々しく元気な体に
抗酸化作用の高いビタミンAとCが老化や病気のもととなる活性酸素を除去する
ということで、豆苗をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ豆苗を食べて!
豆苗を食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい
- 体調をくずしやすい
- 便秘がち
- ストレスが多い
- 子供を授かりたい
- 妊婦さん
- 授乳中のママ
私たちに不足しているけれど豆苗には豊富な栄養は、不溶性食物繊維とビタミンA。
便秘がち、風邪をひきやすい、インフルエンザになりやすい、といった方にぜひ食べてもらいたいのが豆苗なのです。
豆苗に多い栄養:まとめ
豆苗に多い栄養とその効果についてお伝えしました。
豆苗に多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンK、不溶性食物繊維、葉酸、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンEなど。
豆苗の効果:骨を強くする、有害物質のデトックス、便秘の解消、胎児の正常な発育を守る、感染症の予防、ストレスから守る、アンチエイジング
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、体調をくずしやすい、便秘がち、ストレスが多い、子供を授かりたい、妊婦さん、授乳中のママ
豆苗は切って料理した後も根の部分に水を張れば、10日ほどで再収穫できる楽しみもあります。
手頃で1年を通して手に入りやすい豆苗。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。