塩昆布はごはんのお供だけでなくお漬物やおつまみにもピッタリ。ミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。
そんな塩昆布、具体的にどの栄養が多いのかご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 塩昆布に多い栄養は?
- 小皿に一皿10gで1日分の栄養の何%が摂れる?
- 塩昆布の健康効果は?
- どんな人こそ食べるべき?
といったことが手に取るようにわかります。塩昆布の栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】昆布の佃煮の栄養がすごい!小皿一皿10gの栄養価と5つの効果
【関連記事】とろろ昆布は栄養の宝庫!ひとつまみの栄養価と7つの効果とは
塩昆布一皿10gの栄養価
塩昆布に多い栄養は、水溶性食物繊維、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、カルシウム、ビタミンKなど。
私たちに不足しがちな栄養も多く含まれていますが、塩分(ナトリウム)も高いので食べ過ぎには注意が必要ですね。
塩昆布の効果としては、筋肉をしなやかに動かす、中性脂肪やコレステロールを下げる、血糖値をおさえる、便秘の解消、強い骨や歯をつくる、などが期待できます。
では1日に食べる塩昆布を小皿に一皿10gとして……
- 塩昆布を10g食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - 塩昆布に多い栄養は何?
- どんなはたらきが期待できる?
についてくわしくお伝えします。
1日に食べる量=
塩昆布を小皿に一皿(10g)
塩昆布に多いビタミン
ではまずはビタミンから。
塩昆布を小皿に一皿10g食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
塩昆布に多く含まれているのはナイアシンとビタミンK。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンK | 5% |
ナイアシン | 3% |
昆布はミネラルや食物繊維は多いものの、ビタミンはあまり含まれていません。海藻全般に言えることですね。
次は塩昆布にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
塩昆布に多いミネラル
塩昆布を小皿に一皿10g食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?
塩昆布に豊富なミネラルは次の5つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
ナトリウム | 28% |
カリウム | 9% |
マグネシウム | 7% |
鉄 | 7% |
カルシウム | 4% |
塩昆布というだけあって塩分(ナトリウム)は多め。食べ過ぎには注意が必要です。
ただ、マグネシウムやカルシウムなど私たちに足りないミネラルも多く含まれています。
では、塩昆布10gに含まれる食物繊維をお伝えしてから、塩昆布の5つの効果効能を紹介します。
塩昆布に多い食物繊維
塩昆布10gには食物繊維はどのくらい含まれているのでしょうか?
水溶性食物繊維 | 18% |
不溶性食物繊維 | 2% |
水溶性食物繊維は生活習慣病の予防効果が高いものの、私たちは必要な量の半分ほどしか摂れていません。
塩昆布ならわずか10gのなかにもぎっしりと含まれています!
では、
塩昆布に多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
塩昆布に多い栄養とその効果
塩昆布10gの栄養価のなかで、女性の1日の必要量に対して多いのはこちら。
ナトリウム | 28% |
水溶性食物繊維 | 18% |
カリウム | 9% |
マグネシウム | 7% |
鉄 | 7% |
ではこの5つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 塩昆布10gでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ナトリウム
塩昆布にもっとも多い栄養はナトリウム。ミネラルバランスを維持したり筋肉をしなやかに動かす効果を発揮します。
塩昆布のナトリウムの量
ナトリウムを食塩相当量に換算すると、
その1日の必要量は
女性が6.5g未満、男性が7.5g未満。
塩昆布10gには1.8g。
※ 食塩相当量(g)=
ナトリウム(mg)×2.54÷1000
私たちは普段からナトリウムをどのくらい摂れていて、塩昆布10gでどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、139%
塩昆布10gには、28%
合計で、167%
男性が摂れている量は、140%
塩昆布には、24%
合計で、164%
もともとナトリウムを摂りすぎている私たち。塩昆布を食べるとさらに大幅に増えてしまいますね。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「ナトリウム」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ナトリウムの効果
摂りすぎに注意が必要とはいえ、ナトリウムは体にとって大切なミネラル。次のようなはたらきがあります。
- ミネラルのバランスをたもつ
- 筋肉をスムーズに動かす
- 神経の情報伝達
- 栄養を吸収して届ける
- カリウムと一緒に血圧を調整する
不足してしまうと、めまい、だるい、疲労、筋肉の痛み、脱水症状、食欲不振、筋肉のけいれん、といったことにも。
ナトリウムが足りないのか摂りすぎなのか、こちらでチェックしてみてください↓
水溶性食物繊維
2番目の栄養は水溶性食物繊維。生活習慣病の予防効果が高いものの私たちにもっとも不足している栄養です。
塩昆布の水溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
塩昆布10gには1.1g。
では、普段からどのくらい摂れていて、塩昆布10gでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、58%
塩昆布10gには、18%
合計で、76%
男性が摂れている量は、51%
塩昆布には、15%
合計で、66%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性6g、男性7gとしています。
わずか10gの塩昆布でもたっぷり補うことはできます。ですがそれでもまだ全然足りません。
ひじき、寒天、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
水溶性食物繊維の効果
おもなはたらきは次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前にキャッチして出す - コレステロールを下げる
コレステロールを排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 血糖値の上昇をおさえる
体内でゼリー状になってほかの食べ物の消化をゆっくりにすることで血糖値の上昇をおさえる - 便秘の解消
腸の中で固くなった便に水分をあたえて柔らかくする - 血圧を下げる
余分な塩分(ナトリウム)を出す(特に海藻の水溶性食物繊維にこのはたらきが高い) - ダイエット
中性脂肪やコレステロールが減らし、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
便秘の解消については、便が固い、いきまないと出ない、便がコロコロ、といったタイプに効果的。
逆に、便の回数が少ない、便の量が少ない、といったタイプには不溶性食物繊維が効果的。くわしくはこちら ↓
カリウム
塩昆布に3番目に豊富なカリウム。余分な塩分を排出し、心臓のはたらきを守る効果も発揮します。
塩昆布のカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
塩昆布10gには180mg。
塩昆布を食べると……
女性が摂れている量は、111%
塩昆布には、9%
合計で、120%
男性が摂れている量は、96%
塩昆布には、7%
合計で、103%
ふだんからほぼ必要量を摂れてはいますが、塩分の摂りすぎが気になる方は意識してカリウムを摂るようにしましょう。
カリウムの効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
塩昆布に豊富なカリウムと水溶性食物繊維が余分な塩分を排出してくれます。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
マグネシウム
4番目の栄養はマグネシウム。骨を強くするためには必須のミネラル。血圧を整えるはたらきもあります。
塩昆布のマグネシウム
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
塩昆布10gには19mg。
女性が摂れている量は、81%
塩昆布には、7%
合計で、88%
男性が摂れている量は、71%
塩昆布には、5%
合計で、76%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムも私たちにはかなり不足。多く含む食べ物はこちらで紹介しています↓
マグネシウムの効果
マグネシウムには骨を強くするなど、次のようなはたらきがあります。
- カルシウムとともに強い骨や歯をつくる
- 筋肉をスムーズに動かす
- 血圧を整える
- 体内の酵素のはたらきを助ける
- 神経の伝達を正常にして、神経を安定させる
- さまざまなホルモンを活性化させる
いくらカルシウムがあってもマグネシウムがなければ骨は強くなりません。
またマグネシウム不足は糖尿病やメタボのリスクが大きく高めてしまうとも。意識して摂りたい栄養です。
鉄分
塩昆布に5番目に多い栄養は鉄分。血液を作るだけでなく、骨を強くして免疫力も高めてくれるミネラルです。
塩昆布の鉄分
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
塩昆布10gには0.4mg。
女性が摂れている鉄分は、112%
塩昆布には、7%
合計で、119%
男性が摂れている鉄分は、107%
塩昆布には、6%
合計で、113%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 貧血の予防・改善
- 強い骨をつくる
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 美しい肌をつくる
貧血予防だけでなくいろんなはたらきで体を守っているのが鉄分なのです。
*-*-*-*-*
塩昆布に多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
塩昆布を食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
塩昆布の5つの効果効能
塩昆布にはいろんなミネラルや水溶性食物繊維などが豊富。
これらの栄養のはたらきから、塩昆布に期待される効果をまとめてみました。
- 体をしなやかに動かす
ナトリウムやカリウムが筋肉の動きをスムーズする - 中性脂肪やコレステロールを下げる
水溶性食物繊維がキャッチして便として排出する - 血糖値の上昇をおさえる
水溶性食物繊維が体内でゼリー状になって食べ物と一緒に腸をゆっくりと進むことで消化もゆっくりにする - 便秘を解消する
水溶性食物繊維が固くなった便に水分をあたえて柔らかくして、腸内環境も整える - 骨や歯を強くする
マグネシウムがカルシウムを骨や歯に届けるとともにしなやかな骨を保つ
水溶性食物繊維による生活習慣病の予防効果、豊富なミネラルが体を作って活動をささえるはたらき、といったものが塩昆布には期待できます。
そこで、塩昆布をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ塩昆布を食べて!
塩昆布をぜひ食べてほしい人はこちら。
- 足がつりやすい
- お腹まわりが気になる
- 白米・パン・麺類が好き
- 味つけの濃いものや脂っこいものが好き
- 海藻をあまり食べない
- 便秘ぎみ
- 骨粗しょう症を予防したい
40代を過ぎて生活習慣病や骨粗しょう症が気になる世代の方に食べてほしいのが塩昆布なのです。
塩昆布に多い栄養:まとめ
塩昆布に多い栄養とその効果についてお伝えしました。
塩昆布に多い栄養:1日の必要量に対して多い順番に、ナトリウム、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム、鉄、ビタミンK、カルシウム
塩昆布の効果:筋肉をスムーズに動かす、中性脂肪やコレステロールを下げる、血糖値の上昇をおさえる、便秘を解消する、骨や歯を強くする
こんな人に食べてほしい:足がつりやすい、お腹まわりが気になる、炭水化物が好き、味の濃いものが好き、海藻をあまり食べない、便秘ぎみ、骨粗しょう症を予防したい
塩分は多いものの健康効果も高い塩昆布。食べ過ぎに気をつけながらふだんの食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。