さつまいもといえば食物繊維が多い食べ物、と思っていませんか?
でもホントにそうなのでしょうか?さつまいもに本当に多い栄養は何なのでしょうか?
これからお伝えする内容を読むと、
- さつまいもに多い栄養は?
- 1本食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- さつまいもの効果は?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。さつまいもの栄養で元気な毎日を過ごしましょう。
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さつまいも1本の栄養価
さつまいもに多い栄養素は、ビタミンB6、C、E、パントテン酸、葉酸、カリウム、銅、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維など。
なかでもビタミンC、E、食物繊維など私たちに不足しがちな栄養素がたっぷり!
さつまいもの効果としては、中性脂肪やコレステロールを減らす、動脈硬化を予防する、血圧を下げる、疲労回復、ストレスから守る、美肌・美髪、女性特有のつらさをやわらげる、便秘解消などが期待できます。
そんなさつまいも。
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
さつまいもは生で食べませんので、ここでは、
- さつまいもの焼き芋を1本食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - さつまいもに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維についてお伝えします。
さつまいもの焼き芋1本=160g
さつまいもは1本が200gほど。焼き芋にすると重さは160gになります。
さつまいもに多いビタミン
まずはビタミンから。
さつまいもの焼き芋を1本食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
さつまいもに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンB6 | 48% |
パントテン酸 | 42% |
ビタミンC | 37% |
ビタミンE | 35% |
葉酸 | 31% |
意外かもしれませんが、さつまいもにはビタミンがたっぷり!ビタミンB群(B6、パントテン酸、葉酸)、ビタミンC、E、などが豊富です。
次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
さつまいもに多いミネラル
さつまいもの焼き芋1本で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
さつまいもに豊富なミネラルは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
銅 | 46% |
カリウム | 43% |
鉄 | 17% |
マンガン | 15% |
マグネシウム | 13% |
ミネラルのなかでは銅とカリウムがバツグンに多いですね。
カリウムは余分な塩分を体から出すはたらきなどご存じでしょうが、銅のはたらきはピンと来ないかも。のちほどご紹介します。
では、さつまいも1本あたりの食物繊維をお伝えしてから、さつまいもの9つの効果効能を紹介します。
さつまいもに多い食物繊維
さつまいもの焼き芋1本で1日に必要な量の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 32% |
水溶性食物繊維 | 30% |
イメージ通り、さつまいもにはぎっしりと含まれています!
特に水溶性食物繊維は私たちが1日に必要な量の半分程度しか摂れていない栄養。さつまいもで30%も補うことができるんです。
では、
不足しがちな栄養のなかで、
さつまいもでしっかり補えるものは?
その栄養をどのくらい補える?
どんな効果が期待できる?
さつまいもで不足分を補える栄養は?
さつまいもに多い栄養をお伝えしてきました。その中で2番目に多い栄養は「銅」なのですが……
ふだんから必要な量の150%も摂れています。
さつまいもが体にいいということは、「不足している栄養を補える」から。
そこでさつまいもで不足分をしっかり補える栄養はこの7つ。
- ビタミンB6
- カリウム
- パントテン酸
- ビタミンC
- ビタミンE
- 不溶性食物繊維
- 水溶性食物繊維
では、これらの栄養をどのくらい摂れているのか、さつまいもでどう補えるのか、どんなはたらきがあるのか、お伝えします。
ビタミンB6
さつまいもで私たちの不足分が補える栄養。1つめはビタミンB6です。
さつまいものビタミンB6の量は?
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
さつまいも1本に0.53mg。
私たちは普段からビタミンB6をどのくらい摂れていて、さつまいもを食べるとどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、99%
さつまいもの焼き芋1本に、48%
合計で、147%
男性が摂れている量は、90%
さつまいもの焼き芋1本に、38%
合計で、128%
ビタミンB6は不足しにくい栄養ですが、次のような人は不足しがち。
- プロテインをよく飲む人
- 妊婦さん
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
さつまいものほか、ビタミンB6の豊富な食べ物を意識して食べましょう↓
ビタミンB6の効果は?
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養等摂取量」、「ビタミンB6解説」
食べ物の代謝、肌や粘膜を整える、脳や感情を安定させる、というのがビタミンB6の効果です。
カリウム
2つめの栄養はカリウム。塩分とりすぎな日本人は積極的に摂りたいミネラルです。
さつまいものカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
さつまいも1本に864mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、さつまいもでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、111%
さつまいもに、43%
合計で、154%
男性が摂れている量は、96%
さつまいもに、35%
合計で、131%
カリウムの効果は?
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かもしれません。
カリウムはさつまいもなどのいも類、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉などに多く含まれています↓
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パントテン酸
3つめの栄養はパントテン酸。ビタミンB群のひとつです。
さつまいものパントテン酸は?
1日に必要なパントテン酸は
女性も男性も5.0mg。
さつまいも1本には2.1mg。
1日の必要量の42%です。
さつまいもを1本食べると……
女性が摂れている量は、106%
さつまいもに、42%
合計で、148%
男性が摂れている量は、121%
さつまいもに、42%
合計で、163%
パントテン酸はいろんな食べ物に含まれていて不足しにくい栄養。
ただ、ストレスの多い人、コーヒーなどカフェインを含む飲み物をよく飲む人、お酒をよく飲む人は不足しやすい傾向があります。
さつまいもなどのいも類、納豆、きのこ類、鮭、ぶり、豚肉、たまごなど、パントテン酸の多い食べ物を意識してみてください。
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パントテン酸の効果は?
- エネルギーを作る
- 免疫力を高める
- ストレスへの抵抗力を高める
- 肌や髪を美しく整える
- 生活習慣病の予防
シャンプーに配合されることも多い栄養なので美髪効果は期待できます。また 脂質・糖質・たんぱく質を代謝してエネルギーに変えることで疲労回復にも効果を発揮します。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
ビタミンC
4つめの栄養はビタミンC。抗酸化、感染症予防、ストレスから守るなどのはたらきがあります。
さつまいものビタミンCは?
1日に必要なビタミンCの量は
女性も男性も100mg。
さつまいも1本には37mg。
女性が摂れている量は、96%
さつまいもに、37%
合計で、133%
男性が摂れている量は、91%
さつまいもに、37%
合計で、128%
不足しがちなビタミンCですが、さつまいもならしっかりと補うことができます。
ビタミンCの効果は?
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
- 老化や病気を予防する
- ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンE
5つめの栄養はビタミンE。サラサラ効果の高い栄養です。
さつまいものビタミンEは?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
さつまいも1本に2.1mg。
女性が摂れている量は、108%
さつまいもに、35%
合計で、143%
男性が摂れている量は、100%
さつまいもに、30%
合計で、130%
血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などにうれしいビタミンEもさつまいもには豊富に含まれています。
ビタミンEの効果は?
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
食物繊維
6つめと7つめの栄養は2種類の食物繊維。
さつまいも1本食べると……
不溶性食物繊維は……
水溶性と不溶性のそれぞれのはたらきはこちら。
・水溶性食物繊維:
昆布など海藻のトロ~ッとした部分や果物に多い。血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防、便秘解消に効果を発揮する。
・不溶性食物繊維:
ポソポソした繊維質のもので野菜やきのこや未精製の穀物に多い。有害物質の排出、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮する。
私たちはどちらも不足ぎみ。特に水溶性食物繊維は必要な量の半分程度しか摂れていません。さつまいもならたっぷりと補うことができます。
*-*-*-*-*
さつまいもで私たちの不足分を補える栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
- さつまいもを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
さつまいもの9つの効果効能
さつまいもはビタミンB群、銅、カリウム、ビタミンC、E、食物繊維と、いろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、さつまいもに期待される効果効能をまとめてみました。
- 中性脂肪を減らす
食べ物の脂肪が中性脂肪となる前に水溶性食物繊維がキャッチして排出する - コレステロールを減らす
ビタミンEやパントテン酸や水溶性食物繊維が悪玉コレステロールをおさえて善玉コレステロールを増やして、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ - 動脈硬化を予防する
ビタミンEの強力な抗酸化力がコレステロールや脂肪の酸化を防ぎ、血管のダメージも防いでしなやかに保つ - 血圧を下げる
カリウムと水溶性食物繊維が余分なナトリウム(塩分)を排出する - 疲労回復
脂質と糖質とたんぱく質の分解・代謝を促進してエネルギーをつくる - ストレスから守る
パントテン酸とビタミンCがストレスへの抵抗力を高める「副腎皮質ホルモン」の分泌を促進する - 美肌・美髪
新陳代謝を高めて肌にハリとうるおいを与え、いたんだ髪を美しく整える - 月経前につらさや妊娠中のつわりをやわらげる
ビタミンB6がホルモンバランスを整えたり、妊娠中のアミノ酸代謝を支えてつわりをやわらげる - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が、腸のなかで固くなった便に水分を与えてやわらかくしたり、腸のなかで水分を吸ってふくらんで便のカサを増やして腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする
そこで、さつまいもをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそさつまいもを食べて!
さつまいもをぜひ食べてほしい人はこちら。
- お腹まわりが気になる
- 血圧が高い
- 便秘ぎみ
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- 体調をくずしやすい
- 揚げ物やラーメンが好き
- 和食より洋食が多い
- 毎日忙しい
40歳を過ぎた人、疲れやすい、今ひとつ元気じゃない、ストレスが多い、といった方にぜひ食べてもらいたいのがさつまいもなのです。
さつまいもに多い栄養:まとめ
さつまいもに多い栄養と効果効能をお伝えしました。
さつまいもに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンB6、銅、カリウム、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンE、不溶性と水溶性の食物繊維、葉酸
さつまいもの効果:中性脂肪やコレステロールを減らす、動脈硬化を予防する、血圧を下げる、疲労回復、ストレスから守る、美肌・美髪、女性特有のつらさをやわらげる、便秘を解消する
こんな人に食べてほしい:お腹まわりが気になる、血圧が高い、便秘ぎみ、肌荒れ、髪がパサつく、体調をくずしやすい、揚げ物やラーメンが好き、和食より洋食が多い、毎日忙しい
食物繊維だけでなく、さつまいもにはビタミンB群、C、E、銅、カリウムなど栄養がたっぷり含まれています。
生活習慣病が気になる年代にはうれしい効果が満載。ふだんの食生活に取り入れてみてください。