ビタミンKといえば骨を強くしたり止血をサポートする栄養素。
骨密度が低い、骨粗しょう症が心配、といった心配はありませんか?
海藻にはビタミンKだけでなく、生活習慣病予防に高い効果のある水溶性食物繊維もたっぷり!
そこで、身近な海藻の中から1食分あたりでビタミンKの多い海藻を10位までランキングしました。
このページを読むと、どの海藻を食べると1日に必要なビタミンKの何%を摂ることができるのか、手に取るようにわかります。
私たちに足りないミネラルも豊富な海藻で、強い骨を維持しましょう!
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ビタミンKの多い海藻ランキング
ビタミンKが多い海藻は、昆布の佃煮、わかめ、ひじき、焼きのり、味付けのりなど。
1食分あたりの含有量で10位までランキングにしたグラフがこちらです。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
どの海藻も1食分はわずかですが、それでもビタミンKはしっかりと含まれています。
ビタミンKの効果としては、強い骨をたもつ、出血した際に止血する、出血していない場所では血液の流れをスムーズにする、といったことが期待できます。
ちなみに、私たちは普段からビタミンKを十分に摂れているのでしょうか?
1日に必要なビタミンKと私たちが摂れている量を比べてみると……
摂取量は女性が242μg、男性が250μg。必要な量の1.6倍と十分に摂れています。
ではこの10位までの海藻の「1食分に含まれるビタミンK」をくわしくお伝えしていきます。
1~5位の海藻
まずは1~5位の海藻です。
ビタミンK:18歳以上なら……
女性の必要量=150μg
平均の摂取量=242μg
男性の必要量=150μg
平均の摂取量=250μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
1~5位の海藻には9~31μg。1日に必要なビタミンKの6%~21%を摂ることができます。
1位:昆布の佃煮
昆布の佃煮小皿一皿(10g)に
31μg
昆布の佃煮10gは大さじ一杯弱というわずかな量。それでも1日に必要なビタミンKの21%も摂ることができます。
昆布の佃煮にはヨウ素が1日分の8倍以上も!モリブデン、水溶性食物繊維も多く、疲労回復、貧血予防、中性脂肪を減らす、デトックスが期待できます。
昆布の佃煮の栄養がすごい!小皿1皿10gの栄養価と5つの効果とは
2位:わかめ(乾燥のカットわかめ)
味噌汁1杯分のわかめ
(乾燥カットわかめ1.5g)に
24μg
1日に必要なビタミンKの16%。わかめにもヨウ素や水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
3位:ひじき
ひじきの煮物小鉢一皿(40g)に
17μg
乾燥のひじきではなく「油で炒めたひじきの栄養価」を紹介しています。
ひじきにはカルシウムと水溶性食物繊維がぎっしり!鉄分やマグネシウムも多く、中性脂肪・血圧・血糖値など生活習慣病の予防、骨を強くする、貧血予防に効果を発揮します。
ひじきの栄養がすごい!小皿1皿の栄養価と7つのはたらきとは?
4位:焼きのり
おにぎりサイズ3枚
(3切×3枚で3g)に
12μg
5位:味付けのり
味付けのり1パック
(12切×5枚入り:1.3g)に
9μg
1日分のビタミンKの6%が含まれています。
*-*-*-*-*
ビタミンKの多い海藻を1~5位までお伝えしました。次は6~10位の海藻です。
6~10位の海藻
ビタミンKの多い海藻、6~10位です。
ビタミンKの必要量
女性も男性も150μg
男女ともに普段から必要量の1.6倍ほど摂れています。
6~10位の海藻には0.03~7.5μg。1日分のビタミンKの0.02%~5%が含まれています。
6位:とろろ昆布
お吸い物1杯分のとろろ昆布
(とろろ昆布5g)に
7.5μg
1日に必要なビタミンKの5%です。
とろろ昆布の一番のメリットは水溶性食物繊維!さらに私たちに不足しているカルシウムやマグネシウムもたっぷり!中性脂肪・血圧・血糖値をおさえる、強い骨をつくる、便秘解消におすすめです。
とろろ昆布は栄養の宝庫!ひとつまみ5gの栄養価と7つの効果とは
7位:塩昆布
塩昆布小皿一皿(10g)に
7.4μg
塩昆布10gは大さじ2杯ほど。同じ10gでも昆布の佃煮のほうが塩昆布の4倍の31μgも含まれています。
8位:もずく(もずくの三杯酢)
もずくの三杯酢1パックに
4.5μg
1パックが70g入りで、そのうちもずく自体は25gと仮定して栄養価を算出しています。
もずくには1日に必要なビタミンKの3%しか含まれていません。
もずくに豊富な栄養はヨウ素や水溶性食物繊維。美肌、子どもの成長を促進する、生活習慣病を防ぐはたらきが期待できます。
もずくに多い栄養はこれ!もずく三杯酢1パックの栄養価と5つの効果
9位:あおさ
あおさ小さじ1杯(1g)に
0.05μg
あおさは一度にたくさん食べるものではないので、摂れるビタミンKもわずか。1日に必要なビタミンKの0.03%です。
10位:青のり
青のり小さじ1杯(1g)に
0.03μg
青のりもあおさと同じように一度にたくさん食べるものではないですね。必要なビタミンKの0.02%に過ぎません。
*-*-*-*-*
ビタミンKの豊富な海藻をランキングで10位までお伝えしました。もう一度グラフを見てみましょう。
昆布の佃煮なら大さじ一杯程度に、わかめなら乾燥わかめひとつまみ程度にビタミンKがたっぷり。海藻は一度に少ししか食べないものの、ビタミンKをしっかり摂れる食材です。
ところで、ビタミンKには具体的にどんな効果があるのか、不足するとどんな影響があるのか、ご存じですか?
そこで、
- ビタミンKの3つの効果
- 不足するとどうなる?
- 摂りすぎるとどうなる?
さらに、
- 1日に必要なビタミンK
- 私たちの普段の摂取量
- ビタミンKが不足しやすい人は?
についてお伝えします。
ビタミンKの効果とは?
ビタミンKの効果には何があるでしょうか?また不足したり摂りすぎるとどんな影響があるのでしょうか?
ビタミンKの3つの効果
ビタミンKの効果は、強い骨を保つ、出血した時の止血を助ける、出血していない場所では血液をスムーズに流すなど。くわしくはこちらです。
- 強い骨を保つ
骨にカルシウムが沈着するのを助けるたんぱく質(オステオカルシン)のはたらきを高めることで、強い骨を保つ - 傷で出血した時に止血を助ける
血液を固めて血を止めるための物質を作って、素早く止血をする - 血液をスムーズに流す
出血していない場所では血液を固めるはたらきをおさえて、血液の流れを支える
ビタミンKが不足するとどうなる?
ビタミンKが不足すると骨が弱くなったり止血ができないなど、次のような影響があらわれることがあります。
- 骨密度の低下、骨粗しょう症
- 骨折しやすくなる
- 傷で血が止まりにくくなる
- 鼻血や胃腸内壁からの出血
- 月経時の出血が増える
とはいえビタミンKはいろいろな食べ物に広く含まれているので、よほど偏った食生活をしていなければ不足することはまずないでしょう。
ビタミンKを摂りすぎるとどうなる?
ビタミンKは摂りすぎても体調不良につながることはまずありません。上限(=これ以上は摂らないでという量)も定められていません。
ただ血栓を防ぐワーファリンを服用している方は医師の指示に従ってください。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンK解説」
では1日に摂るべきビタミンKはどのくらいでしょうか?
ビタミンKの必要量と摂取量
あらためて、1日に摂るべきビタミンKはどのくらいなのか、私たちは普段から十分に摂れているのか、お伝えします。
1日に摂るべきビタミンK
1日に摂るべきビタミンKは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて定められています。
ビタミンKの必要量
18歳以上なら、
女性も男性も150μg
※1μg(マイクログラム)は1mg(ミリグラム)の1000分の1。1gの100万分の1です。
そして私たちは普段から十分に摂れているのでしょうか?不足しているのでしょうか?
私たちの普段の摂取量
私たちの普段の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンKの必要量と普段の摂取量
18歳以上では……
女性の必要量:150μg
平均の摂取量:242μg
92μg(61%)多く摂れています
男性の必要量:150μg
平均の摂取量:250μg
100μg(67%)多く摂れています
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準-2020年版」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともに普段から十分に摂れています。
ビタミンKは不足しにくい栄養ではありますが、なかには不足しやすい人もいます。それは……
ビタミンKが不足しやすい人
ビタミンKが不足しがちな人はこちら。
- 食生活がかなり偏っている
- 抗生剤を長い間飲み続けている
腸内環境が乱れてビタミンKの吸収率が低下する - 胆道閉塞症、肝臓の病気をしている
ビタミンKの吸収率が低下する - 新生児や乳幼児
腸内細菌が未発達なので腸内で作られるビタミンKが少ない。また、母乳に含まれるビタミンKも少ない。
あてはまる人はビタミンKの多い食べ物をしっかり食べましょう。
ビタミンKの多い海藻:まとめ
ビタミンKの多い海藻、効果、必要量と私たちの摂取量についてお伝えしました。
ビタミンKの多い海藻:昆布の佃煮、わかめ、ひじき、焼きのり、味付けのり
ビタミンKの効果:強い骨を維持する、出血した時に止血をする、血液をスムーズに流す
不足すると?:骨密度の低下、骨粗しょう症、骨折しやすくなる、傷で血が止まりにくくなる、鼻血や胃腸内壁からの出血、月経時の出血が増える
摂りすぎると?:摂りすぎても体調不良につながることはまずありません。
1日の必要量:18歳以上の場合、女性も男性も150μg。男女とも普段から必要量の1.6倍も摂れています。
不足しやすい人:食生活がかなり偏っている、抗生剤を長い間飲んでいる、胆道閉塞症や肝臓の病気をしている、新生児や乳幼児
海藻はビタミンKだけでなく、私たちに足りないカルシウムや水溶性食物繊維もたっぷり!ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。