寝つきが悪い。布団に入ってもなかなか眠れない。疲れが取れないし、日中にすごく眠たくなる。
そんな悩みはありませんか?
寝つきを良くするのも、ぐっすり眠るのも、お風呂が大きなポイント。でもお風呂の入り方次第で、かえって寝つきが悪くなることもあるのです。
そこで寝つきを良くして睡眠の質を高めるための、お風呂に入るタイミング、お湯の温度、湯船のつかり方など、わかりやすくお伝えします。
【関連記事】寝つきが悪い2つの原因と寝つきを良くする7つの方法とは?
【関連記事】自律神経を整えるお風呂~湯温、湯船の時間、半身浴と全身浴など
体温が下がると眠気がくる
寝つきや眠気は私たちの1日の体温の変化と大きく関係しています。
朝と夕方で1度ちがう体温
朝は体温が低く、徐々に体温が上がってきて、夕方がもっとも高くなる。その差は1度ほどです。
ここでいう体温とは体温計で測ったときの体温ではなくて深部体温。つまり皮膚で測れる体温ではなく体の内部の体温のことですね。
この深部体温がスーッと下がっていくにつれて眠気がやってきて、眠りにつく。体温が下がるほどに寝つきは良くなって眠りは深くなります。
お風呂で上げた体温をスッーと下げる
深部体温が下がっていく環境をつくるためにも、お風呂に入って一時的に体温を上げることが寝つきや睡眠の質のためにとても重要。
しっかりと温まってお風呂から出て、体温がスーッと下がっていくと、心地よい眠気のなかで寝つくことができます。
もちろん寝つきや睡眠の質を高める以外にもお風呂には健康効果がたくさん!くわしくは「入浴の効果6選!自律神経、体内酵素、眠りを深く、ゆがみ解消など」を参考になさってください。
シャワーだけで済ますのはNG!
湯船につからずにシャワーだけで済ますのはNG!交感神経が優位になるので、寝つきが悪くなりますし、眠りも浅くなってしまいます。
朝のシャワーなら頭も体もシャキッとしていいかもしれません。でも夜寝る前にシャワーだけで済ますのは、たとえ暑い夏であってもおすすめしません。
温まった体温がスーッと下がっていくにつれて眠気がくる。でもシャワーだけでは十分に温まらないので、体温がスーッと下がっていくわけでもなく、眠気も現れにくくなります。
シャワーだけではなく、湯船に入ってちゃんと温めるようにしましょう。
さて、寝つきを良くして睡眠の質を高めるためには、お風呂に入るタイミングが大事。いつお風呂に入るのがいいのか、をお伝えします。
お風呂のタイミングは?
寝つきや眠りを深くするためにはお風呂のタイミングが大事。眠りたい時間に気持ちよい眠気がやってくるように、タイミングを合わせましょう。
夕食後1時間以上たってから
夕食後すぐのお風呂は体の負担となります。
食事の後は食べたものを消化するために胃腸に血液が集まってきます。そのタイミングにお風呂に入ると全身の血行がよくなるので、消化のために胃腸に集まってきていた血液も全身に分散。消化吸収がうまくはたらかなくなってしまうのです。
なので、夕食後は1時間ほどたってからお風呂に入るのがおすすめのタイミングです。
夕食の前のお風呂はダメ?
夕食の前にお風呂に入るのも悪くありません。
お風呂で血行がよくなって、副交感神経が優位になって、胃腸のはたらきも良くなります。このタイミングでの夕食なら消化吸収にもいいですね。
ただ、お風呂から出てご飯を食べて、のんびりテレビを見て……という間に体が冷えてしまうこともあるでしょう。
お風呂あがりの眠気がやってくるタイミングにテレビを見てしまうとまた交感神経が優位になって目が覚めてしまう、ということもあります。
「寝つきを良くする」「睡眠の質を高める」という目的であれば、夕食の後にお風呂に入る方が良いのでは?と個人的に思っています。
お風呂あがりの体の冷え方や過ごし方によって、夕食の前に入るのがいいのか、夕食の後に入るのがいいのか、ご自身で比べてみてくださいね。
寝る1時間ほど前にお風呂から出る
お風呂から出て、およそ1時間かけて体温が下がるとともに眠気がやってきます。
眠りにつきたい時間の1時間ほど前にお風呂から出るように、時間を調整してみましょう。
夕食を食べて1時間たってから、そしてお風呂から出て1時間たってから、なんて余裕のない忙しい方は、ご飯の前にお風呂に入るパターンがいいかもしれません。
次はお湯の温度。湯船のお湯の温度によって、寝つきや睡眠の質をよくすることもあれば、かえって悪くしてしまうこともあります。
そこで次は、お湯の温度についてお伝えします。
お風呂のお湯の温度は?
ご存じですか?お湯の温度次第では、かえって寝つきが悪くなることがあるのです。
39~41度のややぬるめのお湯
寝つきや睡眠の質を高めるためには、ややぬるめのお湯で湯船につかりましょう。
目安は40度ほどのお湯。「38~40度がいい」とか「39~41度がいい」とかありますが、要は、ちょっとぬるいかなぁと感じるお風呂につかりましょう、ということですね。
あなたが無理なく気持ちよくゆったりと入っていられる温度のお湯が一番です。
ややぬるめのお湯ならゆっくりと体の芯まで温まります。ゆっくりと温まった体はゆっくりと体温が下がっていくので、心地よい眠気が訪れるのです。
42度以上の熱いお風呂は逆効果
熱いお湯のほうがしっかりと温まるように誤解しがちですが……実は逆効果。
42度以上の熱いお風呂に入ると、
- 体の表面しか温まらず、体の中(深部体温)が上がりにくい
- 交感神経が優位になってしまい、目が覚めてしまう
ということで、寝つきや眠りには逆効果。冷え性の人ほどぬるめのお湯にじっくりつかって、芯まで温めましょう。
では次のポイント、湯船につかる時間とつかり方についてお伝えします。
湯船のつかり方は?
湯船には何分くらいつかるのがいいの? 全身浴と半身浴はどっちがいいの?と疑問に思うことありませんか?
湯船にゆったり15~20分
湯船にはゆったりと15分から20分ほどつかりましょう。
もちろん無理は禁物。ゆったり気持ちよくつかるためにもややぬるめのお湯がいいですし、お風呂の前にコップ1杯の常温のお水を飲むこともおすすめです。
前半は全身浴、後半は半身浴
全身浴で20分間つかっていると体の負担になったり、かえって血行が悪くなることも。15分も入っていられずに湯船から出てしまうこともあるでしょう。
15分~20分の湯船の時間のうち、前半は全身浴、後半は半身浴、という入り方が効果的です。
いつもより少なめに湯船にお湯をはって、体勢を工夫しながら全身浴と半身浴にわけてゆったりと過ごしましょう。
お風呂あがりはゆったりと
お風呂あがりはゆったりと過ごしましょう。
読書、音楽、間接照明、アロマ、ハーブティー……
お風呂で副交感神経も優位になり、徐々に眠気がやってきます。本を読んだり音楽を聴いたり。間接照明の暖かい明かりのなかで、ゆったりリラックスして過ごしましょう。
スマホ、パソコン、テレビはNG!
スマートフォン、パソコン、テレビはNG!交感神経を優位にするので、目が覚めてしまいます。
布団に入ってまでスマートフォンを見るようでは、寝つきが悪いのはもちろんのこと、睡眠の質が低くなります。たとえ眠れてもその眠りは浅く、新陳代謝も疲労回復も十分に進みません。
スマートフォンやパソコンやテレビは控えて、ゆったりと過ごしましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」
寝つきを良くするお風呂の入り方:まとめ
寝つきを良くして睡眠の質を高めるお風呂の入り方をお伝えしました。
- 体温が下がるにつれて眠気がやってくる
- シャワーだけではかえって目が覚める
- お風呂は夕食後1時間以上たってから
- 寝る1時間前にお風呂から出よう
- 39~41度のややぬるめがおすすめ
- 湯船の前半は全身浴、後半は半身浴
- お風呂あがりのスマホはNG!ゆったりと
お風呂の入り方を工夫して、寝つきを良く、ぐっすり眠って気持ちのいい朝を迎えてください。