お酢は健康効果の高い食材。とはいえ「お酢をたくさん飲むと体にいい!」なんて思っていませんか?
疲労を回復し、内臓脂肪を減らし、血糖値の上昇をおさえ、ダイエットをサポートし、便秘を改善し……とたくさんの健康効果を発揮してくれるお酢。
でも、飲み方、飲む量、飲むタイミングを間違えると、体にいいどころか負担となって逆効果になることも。
そこで、お酢の7つの効果、効果的な摂り方(飲み方)、飲む量、飲むタイミングについてわかりやすくご紹介。
今日からお酢の効果効能をしっかりと得ることができますよ。
お酢の7つの効果とは?
お酢の飲み方を紹介する前に、まずはお酢の健康効果から。
お酢の効果にはおもに、高血圧の予防、血糖値の上昇をおさえる、内臓脂肪をへらす、サラサラ効果、疲労回復、便秘の解消、食欲増進の7つがあります。
では順番にみていきましょう。
高血圧の予防(血圧をさげる)
酢の主成分である「酢酸」は、「レニン・アンジオテンシン系」と呼ばれる血圧を上げるホルモンのはたらきを穏やかにおさえる効果があります。このおかげで高血圧を下げる効果が期待できるのです。
もちろん、酢を飲んですぐに血圧が下がるということでなく、毎日続けることで血圧が安定していきます。
お酢の量は1日に大さじ1~2杯
1日に大さじ1杯から2杯が目安。
料理に使って食べたり、5倍以上にうすめてお酢のドリンクとして飲んだり。
1週間やそこらで改善を期待するのではなく、4週間、8週間、それ以降も毎日ずっと摂り続けるつもりで始めてみてください。
「血圧が安定してきたからもう大丈夫!と思ってお酢の生活をやめたらまた高血圧に」なんてことも。
高血圧に限らずお酢の効果は毎日摂り続けてこそ。しっかりと続けてみてくださいね。
なお「わたしは血圧が正常だから、毎日お酢を飲んだら低血圧になっちゃうの?」という心配はいりません。血圧が正常な人がお酢で血圧が下がりすぎることはありません。
血糖値の上昇をおさえる
糖尿病の方でなくとも、血糖値の上昇が体に大きな負担となっていることが広く知られてきました。
ここでもお酢が活躍!お酢には血糖値の上昇をおさえるはたらきもあるのです。
お酢が消化酵素のはたらきをおさえて消化をゆっくりに
お酢にはごはんやパンなどの糖質を分解する消化酵素のはたらきをおさえる効果があります。
その結果、糖質の分解がゆっくりになって、血糖値の上昇をおさえてくれるのです。
ブドウ糖の分解をおさえる
お酢には筋肉の中にある酵素のはたらきを高める作用があります。
血液のなかのブドウ糖が筋肉に取り込まれやすくなって、血糖値の上昇をおさえられます。
胃から腸への移動がゆっくりに
食事のなかにお酢が含まれていると、食べた物が胃から腸へ移動する時間が通常より長くかかります。
それだけ消化吸収もゆっくりになるので、食後の血糖値の上昇を防ぐことが期待できます。
お酢の量は1日大さじ1杯
血糖値の上昇をおさえるのには、毎日大さじ1杯のお酢が食事に含まれているだけで効果が期待できます。毎食大さじ1杯となるとちょっと大変ですが、1日に大さじ1杯のお酢でいいようです。
料理にお酢を使ったり、お酢を使ったドレッシングをサラダにかけたり、お酢のドリンクを飲んだり。1日に大さじ1杯のお酢なら手軽に取り入れられるのではないでしょうか。
内臓脂肪をへらす
年齢とともに代謝が低下してつきやすくなるのが内臓脂肪。お酢には内臓脂肪をへらすはたらきがあることもわかってきました。
お酢には「食べた物が脂肪にならないようにするはたらき」と「体の脂肪を分解するはたらき」によって、内臓脂肪をへらす効果が大いに期待できるのです。
サラサラ効果
お酢といえばやはり「サラサラ効果」がまずに思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
食生活の乱れ、食べすぎ飲みすぎ、ストレスなどで血液はドロドロになっていきます。
お酢に含まれるクエン酸やアミノ酸が、血管を広げたり、血液の中のゴミを回収したり、白血球や血小板が必要以上にドロドロに固まるのを防いだり。これらのはたらきでお酢が血液をサラサラにしてくれます。
疲労回復
酢にはクエン酸やアミノ酸が豊富。これらの成分が疲労回復をしっかりサポートしてくれます。
クエン酸が乳酸を分解
体が疲れた時は疲労物質である「乳酸」が体内にたまった状態。この乳酸を分解して疲労回復してくれるのがクエン酸です。
疲労回復の食べ物といって思い浮かぶものに「豚肉」がありますよね。でも良かれとおもって豚肉ばかり食べると「ピルピン酸」という疲労の元が増えて、かえって疲労が蓄積することに。
この時に活躍するのもクエン酸。ピルピン酸をクエン酸に変えてくれます。そしてクエン酸が疲労物質である乳酸を分解して体から排出してくれるので、疲労回復が促進されるということです。
なお「クエン酸に疲労回復効果がある」という考えには賛否あるよう。お酢で疲労回復の効果を体感された方は毎日の生活に取り入れていくのがいいと思います。
アミノ酸も疲労を回復
アミノ酸は血液になったりホルモンになったりすることで体をつくり、守ってくれます。スポーツ飲料などにアミノ酸が含まれているものが多いので、「アミノ酸=疲労回復」というイメージはお持ちでしょう。
長時間の運動をすると食べ物からのエネルギーでは足りなくなって、筋肉の中にあるたんぱく質をアミノ酸に分解してエネルギーにしています。逆にアミノ酸を補給すれば体の負担が軽くなるということですね。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」、「血糖値」、「便秘と食事」
便秘の解消
お酢が体の中に入ると胃や腸を刺激して便を出そうとする「ぜん動運動」が活発になるので、便秘の解消に役立ちます。
またお酢に含まれる「グルコン酸」は善玉菌のエサ。お酢には腸の中の善玉菌を増やして悪玉菌をおさえるはたらきも。善玉菌が元気にはたらいて腸内環境が整うので便秘の解消が期待できます。
さらにお酢のような酸っぱいものは体にとって「イヤなもの」。
「イヤなものが入ってきた。早く体から出さなきゃ!」という嫌悪反応がはたらくので、副交感神経が優位になって、胃や腸などの消化器系のはたらきが活発になって、便通がスムーズになる。このメカニズムでも便秘の解消が期待できますね。
食欲増進
暑い夏などの食欲がなくなりがちな季節に自然と食べたくなるのが「酢の物」などのさっぱりしたものではないでしょうか。
酢を使った料理を食べると唾液がたくさん分泌され、味覚や嗅覚も刺激されて食欲がわいてきます。
胃液の分泌も促進されて消化酵素のはたらきも活性化されるので、さらに食欲増進効果が増すということ。
食欲を増進させ、消化吸収も助け、血糖値の上昇もおさえ、便通もスムーズにする。トータルでうれしい効果をもたらしてくれるのがお酢なのです。
お酢の効果的な摂り方とは?
美容に健康にうれしいお酢ですが、飲み方(摂り方)によっては体に負担となることもあります。
そこでお酢の飲む量、飲むタイミング、飲み方についてお伝えします。
お酢を飲む量は?
お酢の飲む量は1日に15~30ml。大さじ1杯~2杯ですね。
お酢はたくさん飲めば飲むほど効果が高くなる、というものではありません。飲みすぎると胃に負担がかかってしまいます。飲む量には気をつけましょう。
夕食時だけに15ml、20mlと飲むよりは、朝食時に10ml、夕食時に10ml、といった摂り方がおすすめです。
もちろん飲むだけでなくおかずにかけたり料理に使ったり、という摂り方で1日に15~30mlということですね。
お酢を飲むタイミングは?
料理にお酢を使った場合は、食べるのはもちろん食事の時になりますね。これならいいのですが、問題なのはお酢のドリンクを飲むタイミング です。
お酢を飲むおすすめのタイミングは「食事中」と「食後」です。
反対に飲まないほうがいいタイミングは「空腹時」と「寝る前」です。
空腹時や寝る前がダメな理由は?
空腹時に飲むと胃や食道をいためてしまうことがあります。また寝る前は、お酢の酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてしまう可能性があります。
もし寝る前に飲んだ場合は、歯を磨いたりしっかりとうがいをしましょう。
お酢を飲む時に注意することは?
お酢をドリンクとして飲む場合は原液のまま飲まないで、かならず5倍~10倍を目安に薄めて飲んでください。
十分にうすめることなく飲んでしまうと胃や食道をいためることがあります。5倍~10倍を目安に、お手元のお酢のボトルに記載の飲み方を守って飲むようにしてください。
またお酢の酸が歯のエナメル質を溶かしてしまうことがあるので、飲むときはチビリチビリ飲むよりはゴクゴクと飲むのがいいですね。ストローを使って飲むのもおすすめです。
お酢の効果や飲むタイミング:まとめ
高血圧の予防・改善、血糖値の上昇をおさえる、内臓脂肪をへらす、血液サラサラ、疲労回復、便秘の解消、食欲増進など、お酢が持つさまざまな効果をご紹介しました。
そして体にうれしい飲み方、飲むタイミング、飲む量についてもご参考になりましたでしょうか。
値段も手頃で少しの量であらゆる効果を発揮してくれるお酢。大切なことは「毎日続けること」です。
料理に、ドレッシングに、ドリンクに。毎日の食生活にお酢のパワーを取り入れたいものですね。