みずみずしさとやさしい甘さのとうもろこし。その黄色い1粒1粒には栄養も健康効果もぎっしりと詰まっていること、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- とうもろこしはどの栄養素が多い?
- とうもろこし1本で1日の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。とうもろこしの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
とうもろこし1本の栄養価
とうもろこしに多い栄養素は何でしょうか?
ここでは、
とうもろこしを1本食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
とうもろこしに多い栄養素は何?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
とうもろこし1本=150g
茹でたとうもろこし1本の可食部(粒の部分)は約150g。「生」ではなく「茹でたとうもろこし1本の栄養価」を紹介します。

とうもろこしに多いビタミン
まずはビタミンから。
とうもろこしを1本食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

とうもろこし1本に多いビタミンは……
葉酸 | 54% |
ナイアシン | 34% |
ビタミンB6 | 16% |
ビタミンB1 | 16% |
パントテン酸 | 15% |
この5つ、すべてビタミンB群です。食べ物をエネルギーに変え、感情や脳を安定させる栄養素ですね。
次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
とうもろこしに多いミネラル
次はミネラル。
とうもろこし1本(150g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

とうもろこし1本に多いミネラルは……
カリウム | 22% |
銅 | 21% |
マグネシウム | 20% |
亜鉛 | 19% |
鉄 | 18% |
とうもろこしならマグネシウムや亜鉛など私たちに不足しがちな栄養素をしっかり摂ることができます。
最後に、とうもろこし1本で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、とうもろこしの健康効果を紹介します。
とうもろこしに食物繊維は多い?
とうもろこし1本(150g)で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

不溶性食物繊維 | 34% |
水溶性食物繊維 | 8% |
とうもろこしには不溶性食物繊維がぎっしり。ダイエットや便秘の解消に効果を発揮してくれます。
水溶性食物繊維は少なめ。血圧・血糖値・中性脂肪などに効果を発揮しますが私たちは目標量の55%ほどしか摂れていません。
海藻、寒天、里芋、大豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
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では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
とうもろこしでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
とうもろこしで私たちの不足分を補える栄養素は?

とうもろこしに多い栄養素をお伝えしてきました。その中で……
1位:葉酸
目標量の118%も摂れています。
2位:ナイアシン
目標量の233%も摂れています。
とうもろこしが体にいい、ということは、
「不足している栄養素が補えるから」
そこでとうもろこしを1本食べると、私たちに不足しがちな栄養素の摂取量がどう増えるかというと……
不溶性食物繊維 | 93% →127% |
カリウム | 111% →133% |
マグネシウム | 81% →101% |
亜鉛 | 96% →125% |
ビタミンB6 | 99% →115% |
ビタミンB1 | 79% →95% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
ではこれらの栄養素のはたらき、そしてとうもろこしの効果効能をお伝えします。
不溶性食物繊維
とうもろこしで私たちの不足分が補える栄養素。1つめは不溶性食物繊維。有害物質の排出、便秘解消などの効果があります。
とうもろこしの不溶性食物繊維は?
1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
とうもろこし1本に4.05g。これは、
女性:1日の目標量の34%
男性:1日の目標量の29%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日の目標量を上記の量として紹介しています。
私たちに不足しがちな不溶性食物繊維。とうもろこしを1本食べるとどこまで補えるかというと……

女性の摂取量=目標の93%
とうもろこし=34%
合計=127%
男性の摂取量=目標の84%
とうもろこし=29%
合計=113%
とうもろこし1/2本でも不足分を十分に補えますね。
不溶性食物繊維の効果は?
- 便秘を解消する
便のカサを増やして腸を刺激 - 有害物質を排出する
重金属、食品添加物、ダイオキシンなど - ダイエット
満腹感を得やすく持続する
※参考サイト::国立健康・栄養研究所「栄養素等摂取量」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維は便の量が少ない、便の回数が少ない、というタイプの便秘解消に効果的。
腸のなかで水分を吸って数倍にも数十倍にもふくらみます。便のカサが増えるので腸の動きが活発になって便秘の解消につながります。
なお便秘のタイプによっては、不溶性食物繊維の摂りすぎでかえって便秘がひどくなることもあります。くわしくはこちらをご参考に。
便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維とは
カリウム
2つめの栄養素はカリウム。余分な塩分を排出する、血圧を下げるなどの効果があります。
とうもろこしのカリウムは?
1日の目安量は
女性が2000mg、男性が2500mg。
とうもろこし1本に435mg。これは、
女性:1日の目安量の22%
男性:1日の目安量の17%
とうもろこしを1本食べると……

女性の摂取量=目標の111%
とうもろこし=22%
合計=133%
男性の摂取量=目標の96%
とうもろこし=17%
合計=113%
私たちは塩分を摂りすぎる傾向があります。余分な塩分を出すためにカリウムをしっかり摂りましょう。
カリウムの効果は?
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人もカリウム不足かもしれません。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
マグネシウム
3つめの栄養素はマグネシウム。骨を丈夫にし、糖尿病やメタボを予防する効果があります。
とうもろこしのマグネシウムは?
1日の推奨量は
女性が290mg、男性が370mg。
とうもろこし1本に57mg。これは、
女性:1日の推奨量の20%
男性:1日の推奨量の15%
とうもろこしを1本食べると……

女性の摂取量=目標の81%
とうもろこし=20%
合計=101%
男性の摂取量=目標の71%
とうもろこし=15%
合計=86%
マグネシウムの効果は?
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」
マグネシウム不足になると、糖尿病、メタボリックシンドローム、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなどのリスクが高まるとも。
とうもろこしのほか、マグネシウムの多い食べ物には豆腐、厚揚げ、豆乳、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗などがあります。
亜鉛

4つめの栄養素は亜鉛。感染症予防、糖尿病予防、デトックス効果を発揮します。
とうもろこしの亜鉛の量は?
1日の推奨量は
女性が8mg、男性が11mg。
とうもろこし1本に1.5mg。これは、
女性:1日の推奨量の19%
男性:1日の推奨量の14%
とうもろこしを1本食べると……

女性の摂取量=目標の96%
とうもろこし=19%
合計=115%
男性の摂取量=目標の84%
とうもろこし=14%
合計=98%
亜鉛の効果は?
- 味覚を正常に保つ
- 感染症を予防する
- 生活習慣病の予防
- 糖尿病の予防
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛の予防
- 生殖機能を高める
感染症の予防効果も注目されてきました。サプリメントで摂ると銅が排出されて銅不足による貧血になることも。摂る量に気をつけながら、食べ物で摂ることがおすすめです。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「亜鉛」、国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
ビタミンB6
5つめの栄養素はビタミンB6。脂肪肝の予防、肌荒れ・口内炎の改善などの効果があります。
とうもろこしのビタミンB6の量は?
1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
とうもろこしに0.18mg。これは、
女性:1日の推奨量の16%
男性:1日の推奨量の13%
とうもろこしを1本食べると……

女性の摂取量=目標の99%
とうもろこし1本=16%
合計=115%
男性の摂取量=目標の90%
とうもろこし1本=13%
合計=103%
ビタミンB6が不足しやすい人はこちら。
- プロテインをよく飲む人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果は?
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB1
6つめの栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を安定させる効果があります。
とうもろこしにビタミンB1は?
1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
とうもろこしに0.18mg。これは、
女性:1日の目標量の16%
男性:1日の目標量の13%
とうもろこしを1本食べると……

女性の摂取量=目標の79%
とうもろこし=16%
合計=95%
男性の摂取量=目標の74%
とうもろこし1本=13%
合計=87%
お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、玄米や全粒粉ではなく白いご飯やパンを食べる、といった人は不足しやすいので気をつけましょう。
【関連記事】ビタミンB1の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンB1の効果は?
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
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とうもろこしが私たちの不足分を補ってくれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- とうもろこしを食べるとどんな効果効能が得られる?
- どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
とうもろこしの7つの効果効能

とうもろこしにはビタミンB群、ミネラル、不溶性食物繊維などが豊富。
これらの栄養素のはたらきから、とうもろこしに期待される効能をまとめてみました。
- 便秘を解消する
便の量や回数が少ないタイプの便秘に対して、便のカサを増やして腸の動きを活発にする - 高血圧を予防する
余分な塩分を排出し、動脈をゆるめて血圧を下げる - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
筋肉をゆるめて動きをしなやかにする - 糖尿病・メタボ・脂肪肝の予防
糖質、脂質、たんぱく質の代謝を促進する - 有害物質を排出する
重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する - 肌荒れ・髪のパサつき・口内炎を予防改善する
コラーゲンを作って肌、髪、粘膜を整えて、メラニンの代謝も促進する
とうもろこしに多い栄養素:まとめ
とうもろこしに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
とうもろこしで不足分を補える栄養素:不溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1、B6
とうもろこしの効能:便秘解消、高血圧予防、不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ、筋肉のけいれんやつるのを予防、糖尿病・メタボ・脂肪肝の予防、有害物質の排出、美肌・美髪、口内炎の予防
夏が旬のとうもろこしですが、缶詰ならいつでも手軽に手に入ります。サラダやスープなどふだんの食生活に取り入れてみてください。