ビタミンB6は口内炎を予防するだけでなく、筋肉・肌・髪を作ったり、ホルモンバランスを整えたり、月経やつわりの症状をやわらげたりと、さまざまなはたらきをしています。
そんなビタミンB6の多い食べ物にはどんなものがあるか、ご存じですか?
ここでは身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく「1食分あたり」の含有量に換算して、ビタミンB6の多い食べ物を30位までランキングで紹介!
どの食べ物をどのくらい食べるとビタミンB6をどれほど補うことができるのか、手に取るようにわかります。
ビタミンB6の多い食べ物をしっかり摂って美しく元気な毎日を過ごしましょう!
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ビタミンB6の効果とは?
ビタミンB6の多い食べ物を紹介する前に……
ビタミンB6の効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンB6の7つの効果
ビタミンB6の効果は、疲労回復、脂肪肝の予防、イライラをおさえる、ホルモンバランスを整えるなど。具体的には次の7つの効果が期待できます。
- 疲労回復を促進する:
たんぱく質を分解してエネルギーを作る - 脂肪肝を予防する:
脂質の代謝を促進する - 貧血を予防する:
赤血球のヘモグロビンを作って酸素を全身に運ぶ - 肌荒れ・ニキビ・口内炎を予防する:
肌の新陳代謝を促進したり、健康な粘膜を守る - 月経前の体の悩みをやわらげる:
女性ホルモン「エストロゲン」の合成を助けてホルモンバランスの乱れを整える - 妊娠中のつわりをやわらげる:
妊娠中はアミノ酸の代謝が促進されて通常よりもビタミンB6が多く必要になるため、十分なビタミンB6はつわりをやわらげる - 気持ちをおだやかに安定させる:
神経伝達物質を作ることで感情を安定させる
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6が不足すると?
ビタミンB6が不足すると、たんぱく質の代謝が進まない、ホルモンバランスが乱れる、などが原因で不調があらわれることがあります。
- 疲れやすい、疲れがとれない
- 肝臓に脂肪がつきやすい
- 貧血による頭痛・立ちくらみ・疲労感
- 肌荒れ・吹き出物・口内炎になりやすい
- 生理前のイライラ・頭痛・腰痛などの不調
- 妊娠中につわりになりやすい
- 精神的に不安定になる
- やる気が出ない、精神的に不安定
ビタミンB6を摂りすぎると?
一般的な食生活であれば摂りすぎの心配はありません。余分なビタミンB6は尿と一緒に排出されます。
不足しないようにしっかりと摂りたいビタミンB6。どのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB6の1日の必要量
私たちに必要なビタミンB6はどのくらいでしょうか?
そして、私たちは実際にどのくらい摂れているのでしょうか?
1日に必要なビタミンB6は?
私たちに必要なビタミンB6の量(=推奨量)は厚生労働省にて次のように定められています。
1日に必要なビタミンB6
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
では、私たちはビタミンB6がちゃんと摂れているのでしょうか?
私たちが摂れている量は?
私たちが摂れているビタミンB6はこちらです。
実際に摂れているビタミンB6
18歳以上では……
女性の必要量:1.1mg
摂れている量:1.12mg
0.02mg(2%)多く摂れています
男性の必要量:1.4mg
摂れている量:1.3mg
0.1mg(7%)不足
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
女性は必要なビタミンB6が摂れています。男性はやや不足ぎみといったところでしょうか。
ビタミンB6が不足しやすい人は?
ビタミンB6は肉や魚などいろんな食べ物に広く含まれているので、比較的不足しにくい栄養素です。ただ次のような人は不足しやすい傾向があります。
- プロテインを多く摂っている人(アスリートなど)
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
プロテインをよく飲む人や妊婦さんは体内でたんぱく質を分解がさかんにおこなわれます。不足しないようビタミンB6の多い食べ物を意識したいですね。
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンB6の多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
ビタミンB6の多い食べ物ランキング
ビタミンB2の多い食べ物にはどんなものがあるのでしょうか?
まずは、ビタミンB2の多い食べ物を30位までまとめたグラフがこちら。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンB6の多い食べ物は、レバー、まぐろ、かつお、鮭、さば、豚肉が上位。
バナナやトマトジュースなど、ビタミンB6が比較的多いうえに料理も不要で手軽に食べられるものもありますね。
ではこの30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれるビタミンB6」を紹介します。
1~10位の食べ物
ビタミンB6の必要量と摂取量
18歳以上なら……
女性の必要量:1.1mg
摂れている量:1.12mg
男性の必要量:1.4mg
摂れている量:1.3mg
女性はちょうど必要量を摂れていますが男性は0.1mgだけ不足。ランキングの30位までの食べ物ならすべて男性の不足分をまるまる補うことができます。
1位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
0.89mg
1日に必要なビタミンB6の81%(男性は64%)を摂ることができます。
2位:かつお(たたき)
鰹のたたき6切れ(100g)に
0.76mg
3位:びんながまぐろ
びんながまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.66mg
必要なビタミンB6の60%(男性は47%)を摂ることができます。
びんながまぐろは抗酸化力が抜群のセレン、ビタミンB群、D、鉄分が豊富!疲労回復、動脈硬化や心筋梗塞の予防、肝機能を高める、貧血予防などの効果が期待できます。
びんながまぐろの栄養がすごい!刺身5切れの栄養価と7つの効果とは?
4位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本(鶏レバー100g)に
0.65mg
5位:豚レバー
豚レバー100g(レバニラ炒め1皿分)に
0.57mg
6位:めばちまぐろ
めばちまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.53mg
必要なビタミンB6の48%(男性は38%)。男性の不足分も0.1mgなので刺身1切れ食べるだけで補えてしまいます。
7位:きはだまぐろ
きはだまぐろの刺身5切れ(70g)に
0.45mg
びんなが、めばち、きはだなど、まぐろの刺身5切れで必要なビタミンB6の40~50%程度を補うことができます。
8位:白鮭(塩焼き)
白鮭の塩焼き1切れ(74g)に
0.42mg
1切れ100gで焼くと74gほどに。必要なビタミンB6の38%(男性は30%)も含まれています。
しろさけ(白鮭)とは一般的な日本産の鮭のこと。少し身が白っぽく、オレンジ色に近い色をしています。秋に海から遡上してくる白鮭のことを「秋鮭」。5月から7月ごろに少し早く遡上してきた白鮭を「時鮭(ときしらず)」と呼びます。
白鮭はビタミンB群とDが抜群の多さ!抗酸化力の高いセレンやカリウムも豊富。疲労回復、動脈硬化や脂肪肝の予防、集中力アップなどが期待できます。
白鮭は栄養の宝庫!1切れの栄養価と7つの効果とは?
9位:するめいか(焼いたもの)
イカ焼き1杯(150g)に
0.39mg
生イカは1杯が300gほど。ワタや軟骨などを取り除いて焼くと150gほどになります。
10位:豚肉ロース(とんかつ)
豚のロースかつ1枚
(ロース肉120g使用)に
0.37mg
1日に必要なビタミンB6の34%(男性は26%)になります。
豚ロースはビタミンB群のほか、ビタミンE、セレン、カリウム、亜鉛なども豊富な食べ物。疲労回復、心筋梗塞や糖尿病の予防、美肌などが期待できます。
豚ロースの栄養がすごい!ロースかつ1枚の栄養価と8つの効果とは?
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ビタミンB6の多い食べ物を1~10位までお伝えしました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
ビタミンB6の多い食べ物、11~20位です。
11~20位の食べ物では、1日に必要なビタミンB6の26~31%を摂ることができます。
ビタミンB6の必要量
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は必要量を摂れていますが男性は0.1mgだけ不足しています。
11位:バナナ
バナナ1本(90g)に
0.34mg
バナナ1本で1日に必要なビタミンB6の31%(男性は24%)を摂ることができます。
バナナはビタミンC、葉酸、カリウム、マグネシウム、銅、モリブデンなどもたっぷり!疲労回復、貧血予防、新陳代謝を促進する、気持ちをおだやかにするなどの効果が期待できます。
バナナの栄養がすごい!1本あたりの栄養価と7つの効果とは?
12位:さば(水煮缶詰)
缶詰1/2缶(95g)に
0.34mg
13位:玄米ごはん
お茶碗1杯の玄米ごはん(160g)に
0.34mg
朝と晩にお茶碗1杯ずつの玄米ごはんで、1日に必要なビタミンB6の55%ほどを摂ることができます。
14位:豚肉ヒレ(とんかつ)
豚のヒレカツ3枚
(ヒレ肉100g使用)に
0.33mg
15位:さんま(塩焼き)
さんまの塩焼き1匹(76g)に
0.32mg
さんまの中サイズ1匹が150g前後。焼いて頭や骨などを取り除くと76gほどです。
16位:さといも(煮っころがし)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
0.32mg
冷凍の里芋の場合は0.29mg。ビタミンB6の量はほとんど変わりません。
里芋はビタミンE、カリウム、鉄分、銅、食物繊維などあらゆる栄養が凝縮された食べ物!血圧・中性脂肪・コレステロールなどを改善、便秘解消、骨を強くする、美肌などが期待できます。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
17位:ブリの照り焼き
ブリの照り焼き1切れ(82g)に
0.31mg
ぶりの1切れが約100g。焼くと約82gになります。生ではなく焼いたブリの栄養価を紹介しています。
18位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れに
0.30mg
鮭1切れは約100gで塩焼きにすると78gに。紅鮭はロシアやアラスカ産のものが多い。
19位:ピスタチオ
ピスタチオ30粒(24g)に
0.29mg
ピスタチオの殻をむくと1粒は0.8gほど。間食でのカロリーを150kcal以下におさえたいので1日に食べる目安を30粒としました。
ピスタチオには、銅、ビタミンB6、不溶性食物繊維、カリウム、鉄分などが豊富。貧血予防、骨を強く、デトックス、感情をおだやかにするなどの効果が期待できます。
ピスタチオの栄養がすごい!1日分30粒の栄養価と7つの効果効能
20位:さば(みそ煮缶詰)
さば味噌煮缶詰1/2缶(95g)に
0.29mg
1日に必要なビタミンB6の26%(男性は21%)が含まれています。
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ビタミンB6の多い食べ物を11~20位まで紹介しました。最後に21~30位です。
21~30位の食べ物
ビタミンB6の多い食べ物、
最後は21~30位です。
21~30位の食べ物には1日に必要なビタミンB6の16~26%が含まれています。
ビタミンB6の必要量
18歳以上なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
女性は必要量を摂れています。男性は0.1mgだけ不足していますが、30位までの食べ物なら1食分に0.1mg以上含まれています。
21位:じゃがいも
じゃがバター1個(140g)に
0.28mg
皮ごとレンジで調理してから皮をむいて食べた場合の栄養価です。じゃがいも1個が150g。皮をむくと140gほどになります。
じゃがいもは意外にもビタミンCがたっぷり!カリウムや食物繊維なども多く、感染症の予防、貧血予防、血圧を下げる、ストレスの緩和などが期待できます。
じゃがいもの栄養がすごい!1個あたりの栄養価と8つの効果とは?
22位:さつまいも(焼き芋)
さつまいもの焼き芋1/2本(80g)に
0.26mg
さつまいもは1/2本が約100g。焼き芋にすると重さが80gほどになります。生ではなく焼いたさつまいもの栄養価です。
23位:天津甘栗
天津甘栗14粒(71g)に
0.26mg
天津甘栗の殻をむくと1粒は5gほど。間食でのカロリーを150kcal以下におさえたいので14粒が目安となります。
24位:すいか
すいか1/8玉(375g)に
0.26mg
25位:まいわし(蒲焼き)
いわしの蒲焼き2尾(64g)に
0.25mg
1日に必要なビタミンB6の23%(男性は18%)が含まれています。
いわし1尾は約100g。頭・内臓・骨・ヒレなどを取り除いて焼くと32gほどになります。生ではなく焼いたいわしの栄養価です。
26位:銀鮭(塩焼き)
銀鮭の塩焼き1切れに
0.24mg
27位:トマトの水煮缶詰
トマトの水煮200gに
0.20mg
28位:パイナップル
パイナップル1/4個(200g)に
0.20mg
パイナップルは抜群に多いビタミンCをはじめ、マンガン、銅、カリウム、不溶性食物繊維が豊富。疲労回復、感染症や貧血の予防、便秘解消、強い骨をつくる、美肌などの効果があります。
パイナップルの栄養がすごい!その栄養価と9つの効果とは?
29位:アボカド
アボカド1/2個(60g)に
0.19mg
アボカドはビタミンE、カリウム、銅、食物繊維などが豊富。動脈硬化や心筋梗塞の予防、血圧・中性脂肪・コレステロールなどの改善、貧血予防、便秘解消、美肌などが期待できます。
アボカドの栄養がすごい!その栄養価と7つの効果は?
30位:トマトジュース(食塩無添加)
トマトジュース200ml入りに
0.18mg
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ビタミンB6の多い食べ物を30位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフで見てみましょう。
バナナならいつでも簡単に食べることができて、なおかつ1日に必要なビタミンB6の30%も補うことができます。
ほかにも、さば缶、鮭の塩焼き、とんかつ、焼き芋、じゃがバター、ミニトマトなど、手軽に取り入れられる食べ物もいろいろとありますね。
ビタミンB6の多い食べ物:まとめ
ビタミンB6の豊富な食べ物のランキングやその効果をお伝えしました。
ビタミンB6の多い食べ物:レバー、かつお、まぐろ、鮭、いか、豚肉、バナナ、さば缶、玄米、さといも、じゃがいも、さつまいも、など
ビタミンB6の効果:疲労回復、脂肪肝の予防、貧血予防、肌荒れ・口内炎を防ぐ、月経前の悩みやつわりをやわらげる、精神を安定させるなど
ビタミンB6が不足すると?:疲労感、脂肪肝になりやすい、貧血、頭痛、肌荒れ、口内炎、生理前のイライラや不調、つわりになりやすい、やる気が出ない、精神的に不安定など
摂りすぎると?:特に悪影響はないでしょう。摂りすぎた分は尿として排出されます。
1日の必要量:18歳以上の場合、女性は1.1mg(0.02mg多く摂れています)、男性は1.4mg(0.1mg不足)
肉や魚をあまり食べない人、プロテインを飲んでいる人、妊娠中の方などはビタミンB6の多い食べ物を積極的に摂り入れてみてはいかがでしょうか。