ジューシーな甘さのパイナップルはビタミンCや食物繊維だけでなくいろんな栄養素がぎっしり。
どんな栄養素が多くて、どんな効能があるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- パイナップルにはどの栄養素が多い?
- パイナップルを食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- どう体にいいの?
- どんな人こそ食べると効果的なの?
といったことが手に取るようにわかります。パイナップルの栄養を上手に活用して健康な毎日を過ごしましょう。
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パイナップルの栄養価
パイナップルにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは一度にパイナップル食べる量を1/4個と仮定して、
パイナップルを1/4個(=1食分)食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?どの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
について、ビタミン → ミネラル → 食物繊維 の順にお伝えしていきます。
▼ 1食分(一度に食べる量)
パイナップル1/4個(200g)。
パイナップルは1個が約1500gで、可食部は825g。一度に(1日に)食べる量の目安を1/4個分の206gほどとしました。
一度にパイナップル1/4個を食べなくても 「朝と夜に食べる」など、1日に1/4個食べた場合にどのくらいの栄養がとれるのか、参考になさってください。

パイナップルに多いビタミンは?
パイナップルを1/4個食べると女性の1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか。

パイナップル1/4個に多いビタミンは……
ビタミンC | 70.0% |
ビタミンB6 | 18.2% |
ビタミンB1 | 16.4% |
葉酸 | 10.0% |
ビタミンCがダントツの70%。
南国の強い紫外線にも打ち勝って成長するパイナップル。活性酸素を除去するビタミンCが凝縮されてるのですね。
男性の1日の目標量に対しては……

次はパイナップルにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
パイナップルに多いミネラルは?
パイナップル1/4個食べると、女性の1日の目標量に対して何%のミネラルが摂れるのでしょうか。

パイナップル1/4個に多いミネラルは……
マンガン | 76.0% |
銅 | 31.4% |
カリウム | 15.0% |
マンガンは、食べ物をエネルギーに変える、骨を強くする、糖尿病から守る、といったはたらきのミネラルです。
ちなみに男性の場合は……

最後に、パイナップル1/4個でどのくらい食物繊維を摂れるのかをお伝えしてから、パイナップルの9つの効果効能を紹介します。
パイナップルに食物繊維は多い?
食物繊維には次の2種類があって、それぞれはたらきが違います。
▼水溶性食物繊維:
海藻や果物に多い食物繊維。血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロールなどをおさえ、固い便をやわらかくして便秘を解消する。
▼不溶性食物繊維:
野菜やきのこや未精製の穀物に多いポソポソした繊維質のもの。有害な物質を排出したり、便のカサを増やして便秘を解消する。
では、パイナップル1/4個で1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 16.7% |
水溶性食物繊維 | 6.7% |
私たち日本人は食物繊維不足。水溶性食物繊維は目標のわずか55%程度しか、不溶性食物繊維は90%しか摂れていません。
パイナップルには不溶性食物繊維がたっぷりなので、1/4個食べれば目標クリアとなります。
ただ、血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロールなど、生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす水溶性食物繊維がまったく足りません。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
ちなみに男性はこちら。

では、
パイナップルに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
パイナップルに多い栄養素とその効果効能

パイナップル1食分(1/4個)に、女性が1日に必要な栄養素の15%以上も含まれている8つの栄養素はこちら。
マンガン | 76.0% |
ビタミンC | 70.0% |
銅 | 31.4% |
ビタミンB6 | 18.2% |
不溶性食物繊維 | 16.7% |
ビタミンB1 | 16.4% |
カリウム | 15.0% |
葉酸 | 10.0% |
これらパイナップルに多い栄養素について、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、をお伝えしていきます。
マンガン
パイナップルにもっとも多い栄養素はマンガン。
食べ物をエネルギーに変える、骨を強くする、糖尿病から守る、といったはたらきがあります。
パイナップルのマンガンの量は?
マンガンの1日の目安量は、
女性が3.5mg、男性が4mg。
パイナップル1/4個(200g)の
マンガンの量は2.7mg。これは、
- 女性:1日の目安量の76.0%
- 男性:1日の目安量の66.5%
マンガンは「私たちがふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただいろいろな食べ物に含まれているので、不足したり摂りすぎたりすることはまずないと言われています。
ちなみにマンガンの多い食べ物はこちら。
マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マンガンの効果は?
マンガンのおもな効果は次の7つ。
- エネルギーを作る:
脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化 - 骨を強くする
- 美肌:
ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける - インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
元気と若さと美しさをサポートし、骨を強くし、糖尿病などから守ってくれるのがマンガンなのです。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マンガン解説」
ビタミンC

パイナップルに2番目に多い栄養素はビタミンC。
風邪予防、ストレスケア、貧血予防などあらゆる効能のある栄養素です。
パイナップルのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg。
パイナップル1/4個(200g)の
ビタミンCの量は70mg。
1日の目標量の70%になります。
では、私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?パイナップルを1/4個食べると摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=96%
パイナップル1/4個=70%
合計=166%
男性:
平均摂取量=91%
パイナップル1/4個=70%
合計=161%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
ビタミンCのおもな効果は次の7つ。
- 免疫力を高めて風邪や感染症を予防する
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化やいろんな病気を予防する
(抗酸化作用で活性酸素を除去) - コレステロールをおさえる
- ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- 骨・肌・血管を強くする
- シミを防いで白い肌に
ビタミンCは体内にためておくことができず、数時間で排出されてしまいます。またストレスが多い人や体調を崩している時はビタミンCの消費量も多くなります。
パイナップルのほか、ゴールドキウイ、柿、いちご、グリーンキウイ、柑橘類など、ビタミンCの多い果物をこまめに食べるようにしましょう。
銅
パイナップルに3番目に多い栄養素は銅。貧血予防や骨粗しょう症の予防にも役立つ必須ミネラルです。
パイナップルに含まれる銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
パイナップル1/4個(200g)の
銅の量は 0.22mg。これは、
- 女性:1日の推奨量の31.4%
- 男性:1日の推奨量の24.4%
では、私たちは銅がちゃんと摂れている?パイナップル1/4個で摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=149%
パイナップル1/4個=31%
合計=180%
男性:
平均摂取量=133%
パイナップル1/4個=24%
合計=157%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅の効果は?
銅の効果はなかなかイメージできませんよね。おもに次の5つの効果があります。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
貧血といえば鉄分不足と思いがち。でも銅が不足することで起こる「銅欠乏性貧血」もあります。
銅は不足しにくい栄養素ですが、こんな人は銅不足に注意が必要。
- ストレスが多い
→ 体から銅が排出される量が多くなる - 亜鉛のサプリメントを飲んでいる
→ 銅や鉄の吸収がさまたげられる
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べましょう。
ビタミンB6

4番目に多い栄養素はビタミンB6。脂肪肝の予防、肌や粘膜を整えるなどのはたらきがあります。
パイナップルのビタミンB6の量は?
ビタミンB6の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
パイナップル1/4個(200g)の
ビタミンB6は0.2mg。これは、
- 女性:1日の目標量の18.2%
- 男性:1日の目標量の14.3%
パイナップルを1/4個食べるとビタミンB6の摂取量は……

女性:
平均摂取量=99%
パイナップル1/4個=18%
合計=117%
男性:
平均摂取量=90%
パイナップル1/4個=14%
合計=104%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6は体の中でも作られるので不足しにくい栄養素。ただ次のような人は不足しがちな傾向もあります。
- プロテイン(たんぱく質)を多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果は?
ビタミンB6のおもな効果は次の6つ。
- たんぱく質を分解:
エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る - 脂質の代謝:
肝臓に脂肪がたまらないように守る - 肌・髪・粘膜の代謝:
肌荒れや口内炎から守る - ホルモンバランスを整える:
月経前の体の悩みをやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる
- 神経伝達物質を作る:
気持ちを安定させる
食べた物を代謝する、体を作る、エネルギーに変える、ホルモンバランスを整える、感情を整える、というのがビタミンB6のはたらきです。
不溶性食物繊維
パイナップルに5番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。ごぼう、きのこ、玄米などの繊維質のものに多い食物繊維です。
パイナップルの不溶性食物繊維は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は、
女性が12g、男性が14g。
※食物繊維の目標量が女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
パイナップル1/4個の
不溶性食物繊維は2.0g。これは、
- 女性:1日の目標量の16.7%
- 男性:1日の目標量の14.3%
パイナップル1/4個で不溶性食物繊維はどう増える?

女性:
平均摂取量=93%
パイナップル1/4個=17%
合計=110%
男性:
平均摂取量=84%
パイナップル1/4個=14%
合計=102%
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」
ちなみに不溶性食物繊維の多い食べ物には、干し柿、柿、ラズベリー、りんご、グリーンキウイ、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、里芋、玄米などがあります。
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があって、どちらも便秘の解消をサポートしてくれますが、便秘のタイプによっては「どちらの食物繊維が効果的なのか」が変わってきます。
さらには、不溶性食物繊維の摂りすぎでかえって便秘がひどくなることも。
便秘解消に効果的な食物繊維の摂り方はこちらでくわしく紹介しています。
食物繊維のとりすぎが便秘や下痢の原因?食物繊維の正しい摂り方は?
ビタミンB1

6番目に多い栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を支える栄養素です。
パイナップルのビタミンB1は?
ビタミンB1の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
パイナップル1/4個(200g)の
ビタミンB1は0.18mg。これは、
- 女性:1日の目標量の16.4%
- 男性:1日の目標量の12.9%
パイナップル1/4個でビタミンB1はどう増える?

女性:
平均摂取量=79%
パイナップル1/4個=16%
合計=95%
男性:
平均摂取量=74%
パイナップル1/4個=13%
合計=87%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1は不足しがちな栄養素。豚肉、レバー、(鶏・豚・牛)、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、枝豆、豆腐など、ビタミンB1の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンB1の効果は?
ビタミンB1のおもな効果は次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
パイナップル1食分に多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後にこれらのはたらきをまとめて「パイナップルの効果効能は?」「どんな人こそ食べると効果的?」についてお伝えします。
パイナップルの9つの効果効能
パイナップルにはビタミンC、ミネラル、食物繊維、そして酵素がたっぷり。
これらの栄養素のはたらきから、パイナップルに期待される健康効果をまとめてみました。
- 疲労を回復する
- 風邪や感染症を予防する
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 貧血を予防する
- 便秘を解消する
- 骨・肌・血管を強くする
- 生活習慣病を予防する
- ストレスから守る
- 若々しく元気な体に
- 美肌・美髪
ということで、パイナップルをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそパイナップルを食べて!
パイナップルをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 疲れやすい
- 風邪をひきやすい
- 貧血ぎみ
- 便秘がち
- 骨粗しょう症を予防したい
- ダイエットしたい
- きれいな肌でいたい
- ストレスが多い
元気でキレイでスリムな体づくりをサポートしてくれるのがパイナップルなのです。
パイナップルに多い栄養素:まとめ
パイナップルに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
パイナップルに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、マンガン、ビタミンC、銅、ビタミンB6、不溶性食物繊維、ビタミンB1、カリウム
パイナップルの効果効能:疲労回復、風邪予防(免疫アップ)、貧血予防、便秘解消、骨・肌・血管を強くする、生活習慣病の予防、ストレスから守る、若々しく元気な体に、美肌・美髪
こんな人こそ食べてほしい:疲れやすい、風邪をひきやすい、貧血ぎみ、便秘がち、骨粗しょう症を予防したい、ダイエットしたい、きれいな肌でいたい、ストレスが多い
1年を通して手に入りやすいパイナップル。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてくださいね。