いちじくはその健康効果の高さから「不老不死の果物」と呼ばれる果物。
そのいちじくを乾燥させたドライいちじくにはたっぷりの栄養がギューッと凝縮されています。
そんなドライいちじくにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ドライいちじくはどの栄養素が多い?
- 2個食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- ドライいちじくの健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
などわかりやすくお伝えします。ドライいちじくの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】いちじくの栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?8つの効果効能とは?
ドライいちじく2個の栄養価
ドライいちじくに多い栄養素は、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維、銅、カリウム、カルシウム、鉄分、ビタミンB6など。
効果としては、便秘解消、高血圧の予防、中性脂肪やコレステロールを減らす、心臓の動きを守る、貧血予防、デトックス、骨や歯を強くするなどが期待できます。
そんなドライいちじく。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、1日に食べる量として……
ドライいちじくを2個食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
ドライいちじくに多い栄養素は何?
どんな効能が期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
▼ 1日に食べる量は?
トルコ産ドライいちじく2個40g
トルコ産はサイズが大きめで1個が約20g、2個で40g。イラン産は小さめで1個7g、6個で42g。この約40g分を1日に食べる量として栄養価を紹介します。

ドライいちじくに多いビタミンは?
まずはビタミンから。
ドライいちじくを2個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、ドライいちじく2個に多く含まれているのは……
ビタミンB6 | 8% |
ビタミンは少なめ。ビタミンB6以外はどれも4%以下です。
次はドライいちじくにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ドライいちじくに多いミネラルは?
ドライいちじく2個40gで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

ビタミンと比べてミネラルのほうが多いですね。なかでも……
銅 | 18% |
カリウム | 17% |
カルシウム | 12% |
鉄 | 11% |
ドライいちじく2個40gというわずかな量にも、カルシウムや鉄分など女性にうれしい栄養素が豊富に含まれています。
では、ドライいちじく2個あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、ドライいちじくの8つの効果効能を紹介します。
ドライいちじくに食物繊維は多い?
ドライいちじく2個40gで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

不溶性食物繊維 | 24% |
水溶性食物繊維 | 23% |
ドライいちじくには食物繊維がぎっしり。水溶性と不溶性の両方ともたっぷりと含まれています。
特に、大幅に足りていない水溶性食物繊維をしっかり摂ることができるのが、ドライいちじくの一番のメリットかもしれません。
では、
ドライいちじくに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
ドライいちじくに多い栄養素とその効果

ドライいちじく2個40gに含まれている栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
不溶性食物繊維 | 24% |
水溶性食物繊維 | 23% |
銅 | 18% |
カリウム | 17% |
カルシウム | 12% |
鉄 | 11% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、ドライいちじく2個でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
不溶性食物繊維
ドライいちじくにもっとも多い不溶性食物繊維。体には吸収されないので厳密には栄養素ではないですが、その健康効果の高さから「第6の栄養素」と呼ばれています。
ドライいちじくの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
ドライいちじく2個に2.9g。
さて私たちは、普段から不溶性食物繊維をどのくらい摂れていて、ドライいちじくを2個食べるとどのくらい増えるのかというと……

女性が摂れている量は、93%
ドライいちじくに、24%
合計で、117%
男性が摂れている量は、84%
ドライいちじく2個に、21%
合計で、105%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日の目標量を上記の量として紹介しています。
ドライいちじく2個で私たちに足りない分を十分に補うことができます。
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やして腸の運動を活発に)
- 有害物質を排出する(重金属、食品添加物、ダイオキシンなど)
- ダイエット(満腹感が得やすい)
腸のなかで水分を吸って大きくふくらんで便のカサを増やすことで、腸が刺激されてお通じがスムーズになります。
特に「便の量が少ない」「排便の回数が少ない」というタイプの便秘の解消に効果を発揮します。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「食物繊維」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
水溶性食物繊維
2番目の栄養素は水溶性食物繊維。生活習慣病予防に大きな効果が期待されています。
ドライいちじくの水溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
ドライいちじく2個に1.4g。
では、普段からどのくらい摂れていて、ドライいちじく2個でどう増えるかというと……

女性が摂れている量は、58%
ドライいちじくに、23%
合計で、81%
男性が摂れている量は、51%
ドライいちじくに、19%
合計で、70%
ドライいちじく2個というわずかな量でもしっかりと摂ることができます。それでもまだ足りません。
ドライいちじくのほか、グリーンキウイ、干しプルーン、寒天、とろろ昆布、豆腐、納豆、枝豆など水溶性食物繊維が豊富な食べ物をこちらで紹介しています↓
水溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 便秘を解消して腸内環境を整える
- 血圧を下げる
- ダイエット
40代からの生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載です。
便秘解消については「便が固い」「便がコロコロ」「イキまないと出ない」というタイプに効果を発揮。腸のなかで固くなった便に水分をあたえて、柔らかく出しやすくしてくれます。
銅
ドライいちじくに3番目に豊富な銅。貧血予防や骨粗しょう症の予防効果のある栄養素です。
ドライいちじくの銅の量は?
1日に必要な量は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
ドライいちじく2個に0.12mg。
ドライいちじくを食べると……

女性が摂れている量は、149%
ドライいちじくに、18%
合計で、167%
男性が摂れている量は、133%
ドライいちじくに、14%
合計で、147%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅は一般的な食生活なら不足しにくいのですが、ストレスの多い人、亜鉛のサプリを飲んでいる人は銅不足に注意が必要です。
銅の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- いろんな病気や老化を予防する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
カリウム

4番目の栄養素はカリウム。余分な塩分を排出する血圧ケアのミネラルです。
ドライいちじくのカリウムの量は?
1日に必要な量は
女性が2000mg、男性が2500mg。
ドライいちじく2個に336mg。

女性が摂れている量は、111%
ドライいちじくに、17%
合計で、128%
男性が摂れている量は、96%
ドライいちじくに、13%
合計で、109%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
血圧の高い人、濃い味つけが好きな人はカリウムを意識して摂る必要があります。
ちなみにカロリーをみてみると、
ドライいちじく2個=116kcal
白米をお茶碗に1杯=234kcal
6枚切り食パン1枚=159kcal
ドライいちじくの甘さからイメージするほどにはカロリーは高くないので、カリウム補給にもおすすめです。
カルシウム
ドライいちじくに5番目に多く含まれるカルシウム。骨を強くし、高血圧を予防し、心臓の動きを守る効果のある栄養素です。
ドライいちじくのカルシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が650mg、男性が750mg。
ドライいちじく2個に76mg。

女性が摂れている量は、76%
ドライいちじくに、12%
合計で、88%
男性が摂れている量は、69%
ドライいちじくに、10%
合計で、79%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」
ドライいちじくは少しの量にもカルシウムがたっぷり。とはいえまだまだ足りません。
さば缶、厚揚げ、高野豆腐、大根の葉、しらす、小松菜、豆乳など、カルシウムの多い食べ物を積極的に摂りましょう↓
カルシウムの効果は?
カルシウムの効果はご存じでしょう。おもに次の5つですね。
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを規則的に維持する
- 血液の状態を正常にたもつ
鉄分

6番目の栄養素は鉄分。血液を作り、骨を強くし、免疫力も高めるミネラルです。
ドライいちじくの鉄分の量は?
1日に必要な量は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ドライいちじく2個に0.7mg。

女性が摂れている量は、112%
ドライいちじくに、11%
合計で、123%
男性が摂れている量は、107%
ドライいちじくに、9%
合計で、116%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による「鉄欠乏性貧血」とは?」
ふだんから1日に必要な量は摂れていますが、女性は月経時などは2倍ほどの鉄分を摂るよう推奨されています(通常時は6.5mg、月経時は10.5mg)。
ドライいちじくのほかにも、豆乳、豆腐、枝豆、納豆、さば缶、ぶりなど、鉄分の多い食べ物を意識しましょう。
鉄分の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 血液(ヘモグロビン)をつくる
- コラーゲンをつくる
- 骨をつくる
- 皮膚や粘膜をつくる
- 免疫力を高める
鉄分も銅も不足すると貧血の原因に。どちらも豊富なドライいちじくは貧血予防におすすめです。
*-*-*-*-*
ドライいちじくに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- ドライいちじくを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
ドライいちじくの8つの効果効能

ドライいちじくには食物繊維やミネラルが凝縮。
これらの栄養素のはたらきから、ドライいちじくに期待される効果をまとめてみました。
- 便秘を解消する
食物繊維が便のカサを増やして腸の動きを活発にしたり、固くなった便に水分を与えて柔らかくして、お通じをスムーズにする - 高血圧を予防する
カリウムや水溶性食物繊維が余分な塩分を排出し、カルシウムが血圧のバランスを整える - 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維が中性脂肪になる前の食べ物の脂肪分やコレステロールをキャッチして排出する - 心臓のはたらきを正常にたもつ
カリウムやカルシウムが筋肉の伸縮をスムーズにして心臓の動きをただしく維持する - 貧血を予防する
鉄分と銅が一緒になって血液(ヘモグロビン)をつくって全身に酸素を届ける - 有害物質を排出する
不溶性食物繊維が重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する。 - 骨や歯を強くする
カルシウムは骨や歯の主成分となり、鉄分や銅がもう1つの主成分であるコラーゲンを作る - 筋肉をスムーズに動かす
カリウム、カルシウムは筋肉の伸縮をスムーズにし、鉄分はコラーゲンを作って筋肉をしなやかに保つ
ドライいちじくで得られる効果は……
「ふだんは不足しているけれど、ドライいちじくでしっかり補える栄養素のはたらき」
が大きいのではないでしょうか。
となると、不足分をしっかりと補える食物繊維とカルシウムによる効果が大きい、ということになります。
そんなドライいちじくをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそドライいちじくを食べて!
ドライいちじくをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 便秘がち
- 貧血ぎみ
- 血圧が高い
- ぽっちゃりしている
- 骨粗しょう症を予防したい
40歳からの生活習慣病対策やいつまでも元気に動きたい方々に食べてもらいたいのがドライいちじくなのです。
ドライいちじくに多い栄養素:まとめ
ドライいちじくに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
ドライいちじくに多い栄養素:女性の1日の目標量に対して10%以上含む栄養素は、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、銅、カリウム、カルシウム、鉄
ドライいちじくの効果:便秘解消、高血圧の予防、中性脂肪やコレステロールを減らす、心臓を正常に保つ、貧血予防、デトックス、骨や歯を強くする、筋肉をスムーズに動かす
こんな人に食べてほしい:便秘がち、貧血ぎみ、血圧が高い、ぽっちゃりしている、骨粗しょう症を予防したい、といった人
わずかな量に食物繊維やミネラルがぎっしり詰まったドライいちじく。毎日のおやつに取り入れてみてはいかがでしょうか。