柿は栄養の宝庫。ビタミンCがぎっしりで、その量はかんきつ類よりも多く、果物のなかではトップランクです。
そのほか日本人に不足しているあの栄養素も豊富。効果効能も満載です!
これからお伝えする内容を読むと、
- 柿にはどの栄養素が多い?
- 1個食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- 柿の健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。柿の栄養と効果効能で元気な毎日を過ごしましょう。
なお、干し柿の栄養価と効能はこちら。
干し柿の栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?7つの効果効能とは?
柿1個の栄養価
柿に多い栄養素は、ビタミンC、B6、マンガン、クロム、カリウム、不溶性食物繊維、葉酸、パントテン酸など。
その効果として、風邪を早く治す、アンチエイジング、ストレスから守る、疲労回復、便秘解消、血糖値を下げる、などが期待できます。
そんな柿。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
そこで、
柿を1個食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
柿に多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?
について、くわしくお伝えします。
柿1個=184g
柿は1個が約200g。種なし柿の皮をむくと可食部は184gほどです。

柿に多いビタミンは?
まずはビタミンから。
柿を1個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、柿1個に多く含まれているのは……
ビタミンC | 129% |
葉酸 | 14% |
パントテン酸 | 10% |
ビタミンB6 | 10% |
柿はビタミンCの宝庫!柿1個で1日に必要なビタミンCが摂れてしまいます。風邪の予防には柿ですね。
ビタミンCの多い果物のなかでも、1位がゴールドキウイ、2位が柿。かんきつ系の果物よりも柿のほうがビタミンCが豊富です。
次は柿にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
柿に多いミネラルは?
柿を1個食べると女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

柿1個に多く含まれるミネラルは……
マンガン | 26% |
クロム | 18% |
カリウム | 16% |
マンガンやクロムはあまりなじみがないミネラルかもしれません。
マンガンもクロムも、食べ物をエネルギーに変えて疲労回復したり、インスリンのはたらきを助ける効果があります。
では、柿1個あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、柿の6つの効果効能を紹介します。
柿に食物繊維は多い?
柿を1個食べると、1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

不溶性食物繊維 | 22% |
水溶性食物繊維 | 6% |
柿には不溶性食物繊維がぎっしり。私たちにはやや不足がちな栄養素ですが、柿1個で不足分をまるまる補うことができます。
もう1つの食物繊維「水溶性」のほうは柿1個に6%。果物のなかでは多いほうです。
果物や海藻に多く、血圧・血糖値・中性脂肪など生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす栄養素。ただ私たちは目標の半分ほどしか摂れていません。
干し柿、干しいちじく、グリーンキウイ、ラズベリーなどにも豊富。意識して摂りましょう。
では、
柿に多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
柿に多い栄養素とその効果

柿1個(184g)に含まれている栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンC | 129% |
マンガン | 26% |
不溶性食物繊維 | 22% |
クロム | 18% |
カリウム | 16% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、柿1個でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
ビタミンC
柿にもっとも多い栄養素はビタミンC。風邪を早く治す、貧血予防、シミを防ぐなどあらゆる効果を発揮します。
柿1個のビタミンCの量は?
1日に必要な量は
女性も男性も100mg。
柿1個には129mg。
1日の必要量の129%もの多さです。
さて私たちは、普段からビタミンCをどのくらい摂れていて、柿を1個食べるとどのくらい増えるのかというと……

女性が摂れている量は、96%
柿1個に、129%
合計で、225%
男性が摂れている量は、91%
柿1個に、129%
合計で、220%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 風邪の治りを早くする
(ウイルスと戦う白血球のはたらきを高める) - 若々しく元気な体を維持する
(老化や病気のもととなる活性酸素を除去する) - ストレスから守る
(ストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの分泌を促進する) - 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ストレスを抱えている時や体調を崩している時は欠かせないビタミンC。
食べ物からの摂りすぎは心配ありません。体の中にためておくことができない栄養素なので、柿などビタミンCの多い食べ物からこまめに摂りましょう。
柿のほかにビタミンCの多い果物にはゴールドキウイ、いちご、柑橘類などがあります。
マンガン

2番目の栄養素はマンガン。食ベ物の代謝や美肌づくりに効果のある必須ミネラルです。
柿1個のマンガンの量は?

1日に必要な量は
女性が3.5mg、男性が4mg。
柿1個に0.9mg。
女性:1日の目安量の26%
男性:1日の目安量の23%
マンガンは「私たちが普段の食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、不足しにくく摂りすぎの心配もないようです。
ちなみにマンガンの多い食べ物はこちらで紹介しています↓
マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マンガンの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- エネルギーを作る
(脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化する) - 骨を強くする
- 美肌づくり
(ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける) - インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
不溶性食物繊維
柿に3番目に豊富な不溶性食物繊維。デトックスや便秘解消に効果的な栄養素です。
柿1個に不溶性食物繊維は?
柿には不溶性食物繊維がぎっしり。私たちの不足分をしっかり補ってくれます。
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
柿1個に2.6g。
柿を1個食べると……

女性が摂れている量は、93%
柿に、22%
合計で、115%
男性が摂れている量は、84%
柿に、19%
合計で、102%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
便秘解消もうれしいですが、有害物質を排出してくれるのも大きなはたらき。
デトックスには貴重な体内酵素が大量に使われてしまいます。不溶性食物繊維の多い食べ物をとって、デトックス作業をサポートしてあげましょう。
クロム

4番目に豊富な栄養素はクロム。魚介類や豆腐などの大豆製品にも多く含まれていて、血糖値や中性脂肪などに効果があります。
柿1個のクロムの量は?
1日に必要な量は
女性も男性も10μg。
柿1個に1.8μg。
1日に必要な量の18%です。

クロムもマンガンと同様に、私たちが普段どのくらい摂れているかの調査がありません。ただクロムも、不足しにくく、摂りすぎの心配もまずないと考えられています。
クロムの効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝をサポートする
- 血糖値を下げる
(インスリンのはたらきを促進) - 血液中のコレステロールや中性脂肪が増えないように調整する
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「クロミウム」
カリウム
柿に5番目に多く含まれる栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効果を発揮するミネラルです。
柿1個のカリウムの量は?
1日に必要な量は
女性が2000mg、男性が2500mg。
柿1個に313mg。

女性が摂れている量は、111%
柿に、16%
合計で、127%
男性が摂れている量は、96%
柿に、13%
合計で、109%
カリウムの多い食べ物といえばバナナをイメージしませんか?
重さは違いますが、柿1個(184g)とバナナ1本(90g)、含まれるカリウムの量はほぼ同じなんです。
カリウムの効果は?
カリウムの効果はすでにご存じでしょう。おもに次の5つですね。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
*-*-*-*-*
柿に多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- 柿を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
柿の6つの効果効能
柿は抜群に多いビタミンCをはじめ、ミネラルや食物繊維などいろんな栄養素が多い果物。
これらの栄養素のはたらきから、柿に期待される効果効能をまとめてみました。
- 風邪を早く治す
ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - 若々しく元気な体を維持する
マンガンやビタミンCの高い抗酸化作用が老化や病気の原因となる活性酸素を除去する - ストレスから守る
ストレスに対抗するために必要な副腎皮質ホルモンの分泌をビタミンCが促進する - 疲労回復を促進する
マンガンやクロムが脂質・たんぱく質・糖質の代謝を促進してエネルギーをつくる - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激する - 血糖値を下げる
マンガンがインスリン作りをサポートし、クロムがインスリンのはたらきを高めて血糖値を下げる
ということで、柿をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ柿を食べて!
柿をぜひ食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい
- 感染症をしっかり予防したい
- 毎日ストレスが多い
- 疲れがとれない、疲れやすい
- 便秘がち
- シミや肌荒れが気になる
- 若々しく元気でいたい
柿には免疫アップのビタミンAも豊富。風邪やインフルエンザなどの感染症を予防したい、という人にしっかり食べてもらいたいのが柿なのです。
柿に多い栄養素:まとめ
柿に多い栄養素と効果効能を紹介しました。
柿に多い栄養素:女性が1日に必要な量の多い順に、ビタミンC、マンガン、不溶性食物繊維、クロム、カリウム、葉酸、パントテン酸、ビタミンB6
柿の効果:風邪を早く治す、アンチエイジング、ストレスから守る、疲労回復、便秘解消、血糖値を下げるなど
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、感染症をしっかり予防したい、ストレスが多い、疲れがとれない、便秘がち、シミや肌荒れが気になる、若々しくいたい
筆者は「柿を食べていれば風邪をひかない」と思いこんでいます。
それほどビタミンCがぎっしり詰まった柿。旬を迎える秋の季節にはぜひ召しあがってください。