いよかんはビタミンCもクエン酸も豊富で疲労回復にぴったりの果物。
そんないよかんに多い栄養素はビタミンCだけじゃありません。
これから紹介する内容を読むと、
- いよかんにはどんな栄養素が多い?
- 1個食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- いよかんはどう体にいいの?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。いよかんの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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いよかん1個の栄養価
いよかんにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「いよかん100gあたりの栄養価」ではなく、
「いよかんを1個」食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?どんな効能が期待できる?
というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えします。
■ いよかん1個=150グラム
いよかんは1個が約250g 。皮と種を除くと可食部は150gほどです。
「朝に半分、夜に半分」など1日にいよかんを1個食べた場合にどのくらいの栄養がとれるのか、参考になさってください。

いよかんに多いビタミンは?
いよかんを1個食べると、女性にとって1日に必要なビタミンが何%摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対していよかん1個に多いビタミンは……
ビタミンC | 52.5% |
葉酸 | 11.9% |
パントテン酸 | 10.8% |
かんきつ類だけあってやはりダントツに多いのはビタミンC。ビタミンB群(葉酸、パントテン酸、B1、B6)なども豊富です。
では次に、いよかんにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
いよかんに多いミネラルは?
いよかんを1個食べると、女性の1日の目標量の何%のミネラルを摂ることができるのでしょうか。

女性の1日の目標量に対して、いよかん1個に多いミネラルは……
カリウム | 14.3% |
銅 | 8.6% |
マグネシウム | 7.2% |
カリウムが多いのもかんきつ類に共通しています。
銅には貧血や骨粗鬆症や動脈硬化の予防効果があり、マグネシウムには骨を強くしたり血圧の調整や精神を安定させるはたらきがあります。
さて最後に、いよかんを1個を食べるとどのくらい食物繊維を摂ることができるのかをお伝えしてから、いよかんの9つの効果効能を紹介します。
いよかんに食物繊維は多い?
食物繊維は2種類。そのはたらきも違います。
▼水溶性食物繊維:
海藻のヌルヌルした部分や果物に多い。血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロールをおさえたり、固くなった便をやわらかくして便秘を解消するなど。
▼不溶性食物繊維:
野菜やきのこや未精製の穀物に多い。有害な物質の排出、便のカサを増やして便秘を解消するなど。
では、いよかん1個で女性の目標量の何%の食物繊維を摂ることができるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 12.5% |
不溶性食物繊維 | 7.5% |
私たち日本人は食物繊維不足。不溶性食物繊維は目標の90%しか、水溶性食物繊維はわずか55%程度しか、摂れていません。
いよかんなら1個食べれば水溶性食物繊維を約13%も補うことができます。
では、
いよかんに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
いよかんに多い栄養素とその効果効能

いよかん1個に、女性の目標量の10%以上が含まれている栄養素は次の5つ。
ビタミンC | 52.5% |
カリウム | 14.3% |
水溶性食物繊維 | 12.5% |
葉酸 | 11.9% |
パントテン酸 | 10.8% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、いよかん1個でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ビタミンC
いよかんにもっとも多い栄養素はビタミンC。風邪や感染症の予防、ストレスから守る、貧血の予防、美肌・美白など、いろんな効能のある栄養素です。
いよかんのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg
いよかん1個(150g)の
ビタミンCの量は52.5mg。
1日の目標量の52.5%になります。
ところで……
私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?
いよかんを1個食べるとビタミンCはどう増える?

女性:
平均摂取量=96%
いよかん1個=53%
合計=149%
男性:
平均摂取量=91%
いよかん1個=53%
合計=144%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
ビタミンCの健康効果はご存じだと思いますが、次のような効果があります。
- 風邪や感染症を予防する
(免疫力を高める) - 活性酸素を除去して老化や病気を予防
(抗酸化作用) - 鉄分の吸収を助けて貧血を予防する
- 骨・肌・血管を強くする
- コレステロールをおさえる
- シミを防いで美肌・美白に
- ストレスから守る
ストレスから心身を守るためにビタミンCが使われていきます。人間関係、仕事のプレッシャー、疲れ、体調不良など、心と体のストレスが多い時はビタミンCをしっかり摂ることが大切ですね。
また、ビタミンCは体内にためておくことができず、数時間で排出されてしまいます。
果物ならこまめに食べるのに便利。いよかんのほかにも、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、柑橘類など、ビタミンCの多い果物をぜひ活用してみてください。
カリウム

いよかんに2番目に多い栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効能を発揮するミネラルですね。
いよかんのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
いよかん1個には285mg。これは、
- 女性の目安量の14.3%
- 男性の目安量の11.4%
では、私たちはカリウムがちゃんと摂れている?いよかんを1個食べるとカリウムの量はどう増える?

女性:
平均摂取量=111%
いよかん1個=14%
合計=125%
男性:
平均摂取量=96%
いよかん1個=11%
合計=107%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
私たち日本人は塩分の摂りすぎ。1日の目安の1.5倍も摂っている傾向があります。
カリウムは食べ物から摂りすぎても悪影響はありません(尿で排出されます)。余分な塩分を出すためにカリウムの多い食べ物をしっかり食べましょう。
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 体のなかの余分な塩分を出す
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
ちなみに、食欲がない、体にチカラが入らない、疲れやすい、足がつることが多い、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
水溶性食物繊維
いよかんに3番目に多い栄養素は水溶性食物繊維。海藻や果物に多い食物繊維です。
いよかんの水溶性食物繊維の量は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
いよかん1個(150g)に
水溶性食物繊維は0.75g。これは、
- 女性の目標量の12.5%
- 男性の目標量の10.7%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量としています。
いよかんを1個食べると水溶性食物繊維の摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=58%
いよかん1個=13%
合計=71%
男性:
平均摂取量=51%
いよかん1個=11%
合計=62%
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!?」
私たちは水溶性食物繊維がまったく摂れていません。いよかん1個で10%以上補えるとはいえ、それでもまだまだ足りません。
水溶性食物繊維が多い食べ物のなかには料理不要のものもたくさん。例えば、寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など。積極的に食べるようにしましょう。
水溶性食物繊維の効果は?
生活習慣病の予防に劇的な効果を発揮する水溶性食物繊維。おもな効果はこちら。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
なお、水溶性食物繊維だけでなく不溶性食物繊維も便秘の解消をサポートしてくれますが、便秘のタイプによっては「どちらの食物繊維が効果的なのか」が変わってきます。
どちらの食物繊維が効果的なのかは、こちらを参考になさってください ↓
葉酸

いよかんに4番目に多い栄養素は「葉酸」。お腹の赤ちゃんの発育だけでなく、貧血予防にも大切なビタミンです。
いよかんの葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
いよかん1個には28.5μg。
目標量の11.9%になります。

女性:
平均摂取量=118%
いよかん1個=12%
合計=130%
男性:
平均摂取量=123%
いよかん1個=12%
合計=135%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
お酒が好きな人、アスピリンやピルを飲んでいる人は葉酸不足になりがち。
レバー(鶏・牛・豚)、玉露、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、いちご、豆乳、納豆など 葉酸の多い食べ物を意識して食べましょう。
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸はお腹の赤ちゃんの成長を守る栄養素。妊娠する1ヶ月以上前から、つまり赤ちゃんを授かりたいと思ったらしっかり摂りたいですね。
ただし、レバーや生のほうれん草は葉酸は多いものの、この時期はおすすめしません。
レバーには妊娠中に摂りすぎてはいけないビタミンAが豊富。ほうれん草は生で食べると豊富なシュウ酸が尿路結石の原因になることも。
この時期は、枝豆、ほうれん草のおひたし、ブロッコリー、サニーレタス、いちご、マンゴー、天津甘栗、焼きのり、豆乳、納豆などの 葉酸の多い食べ物でしっかりと摂りましょう。
パントテン酸
いよかんに5番目に多い栄養素はパントテン酸。ビタミンB群のひとつで、美髪、免疫アップなどに効果を発揮します。
いよかんのパントテン酸の量は?
パントテン酸の1日の目標量は
女性も男性も5.0mg。
いよかん1個には0.54mg。
目標量の10.8%になります。

女性:
平均摂取量=106%
いよかん1個=11%
合計=127%
男性:
平均摂取量=121%
いよかん1個=11%
合計=132%
パントテン酸の効果は?
パントテン酸のおもな効果は次の4つ。
- エネルギーを作る(食べ物の代謝)
- ストレスに強くなる
- 肌や髪を美しくする
- サラサラ効果
(善玉コレステロールを増やす)
いよかんに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて「いよかんの効果効能は?」「どんな人こそ食べると効果的?」についてお伝えします。
いよかんの9つの効果効能
いよかんにはビタミンC、水溶性食物繊維、カリウムなど、いろんな栄養素が豊富。
いよかんに多い栄養素のはたらきをまとめると、いよかんで得られる効果効能は……
- 風邪や感染症を予防する
(免疫力を高める) - 疲労回復
- 貧血を予防する
- コレステロールをおさえる
- 中性脂肪を減らす
- 血圧を下げる
- 便秘を解消する
- ストレスから体を守る
- 肌や髪を美しくする
ということで、いよかんをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそいよかんを食べてほしい!
いよかんをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひきやすい
- 体調をくずしやすい
- 疲れがとれない
- 鉄分を摂っていても貧血ぎみ
- お腹まわりが気になる
- 外食やお酒が多い
- 便秘がち
- ストレスが多い
ストレスのなかで忙しくがんばっている人、食事のバランスに不安がある人、元気で若々しくありたい人にぜひ食べてもらいたいのが、いよかんなのです。
いよかんに多い栄養素:まとめ
いよかんに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
いよかんに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、カリウム、水溶性食物繊維、葉酸、パントテン酸、ビタミンB6、銅など
いよかんの効能:風邪予防、免疫アップ、疲労回復、貧血予防、コレステロールや中性脂肪を減らす、血圧を下げる、便秘解消、ストレスから体を守る、美肌・美髪
みずみずしい甘さが心も体もリフレッシュしてくれるいよかん。1月から3月の旬の時期にはぜひ食べてみてください。