南国の果物パパイヤ。酸味が少なく甘味の濃いパパイヤは、スイーツとしてもおなじみですね。
そんなパパイヤにはいろんな栄養が凝縮。でもどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
そこで今回は青パパイヤではなく、果物として食べられる完熟のパパイヤについて……
- どんな栄養素が多い?
- パパイヤを1個食べたら1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- どんな効果効能がある?
- どんな人こそ食べるといいの?
などをわかりやすくお伝えします。
パパイヤの栄養を上手に取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
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パパイヤに多い栄養素
パパイヤにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
栄養価のページで「パパイヤはβ-カロテンが豊富。100g中に67μg含まれていて免疫力アップや……」などと書かれていたりしますが、
- パパイヤ100gって、
どのくらいの量かわかります? - β-カロテンが67μgって、
どのくらい多いのかわかります?
そこで「完熟パパイヤ100gに栄養素が何mg含まれているか」ではなく、
完熟パパイヤを1個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
パパイヤにはどの栄養素が多いの?どんな効能が期待できるの?
というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
■パパイヤ1個=228g
パパイヤは1個が約350g 。皮と種を除くと可食部は228gほどです。
一度にパパイヤ1個を食べなくても 「朝に半分、夜に半分」など、1日に1個食べた場合にどのくらいの栄養がとれるのか、参考になさってください。

パパイヤに多いビタミンは?
パパイヤを1個を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
パパイヤ1個に多いビタミンはこちら。
ビタミンC | 114.0% |
葉酸 | 41.8% |
パントテン酸 | 19.2% |
ビタミンA | 13.0% |
ビタミンE | 11.4% |
ビタミンCが抜群に豊富!パパイヤ1個には1日に必要なビタミンCを超える量が含まれています。半分食べるだけでも十分ですね。
では次にパパイヤにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
パパイヤに多いミネラルは?
パパイヤを1個食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか。

パパイヤ1個に多いミネラルは……
カリウム | 23.9% |
マグネシウム | 20.4% |
銅 | 16.3% |
モリブデン | 11.4% |
パパイヤはミネラルもたっぷり。血圧を下げたりむくみを解消するカリウム、骨を強くして血圧を整えるマグネシウム、貧血予防や骨を強くする銅などが多く含まれています。
ビタミン、ミネラルと紹介しましたので、次は食物繊維。
パパイヤ1個で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、パパイヤの9つの効果効能を紹介します。
パパイヤに食物繊維は多い?
食物繊維には次の2種類があって、それぞれはたらきが違います。
▼ 水溶性食物繊維
海藻のヌルヌルした部分や果物に多い水溶性食物繊維。血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防、便秘解消に効果を発揮します。
日本人はかなりの不足。女性は58%、男性は51%しか摂れていません。
▼ 不溶性食物繊維
食物繊維というイメージどおりポソポソした繊維質のものが不溶性食物繊維。玄米・ごぼう・れんこん・おからなど、精製していない穀物や野菜に豊富。有害物質のデトックス、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮します。
こちらも不足がち。 女性は93%、男性は85%しか摂れていません。
では、パパイヤ1個で女性にとって1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか。

不溶性食物繊維 | 28.5% |
水溶性食物繊維 | 26.6% |
食物繊維が足りていない私たちですが、パパイヤならしっかりと摂ることができます。
なかでも目標の半分しか摂れていない水溶性食物繊維がパパイヤにはたっぷり。生活習慣病の予防にうれしい効能を発揮してくれるでしょう。
では、
パパイヤに多い栄養素にはどんな効果がある?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
パパイヤに多い栄養素にはどんな効果がある?

パパイア1個で、女性にとって1日に必要な量の20%以上が摂れる栄養素はこちらの6つ。
ビタミンC | 114.0% |
葉酸 | 41.8% |
不溶性食物繊維 | 28.5% |
水溶性食物繊維 | 26.6% |
カリウム | 23.9% |
マグネシウム | 20.4% |
では、私たちはふだんからこの栄養素が十分に摂れているのか、パパイア1個でどのくらい補えるのか、どんな効果効能があるのか、みてみましょう。
ビタミンC
パパイアに一番多い栄養素はビタミンC。
風邪や感染症の予防、ストレスから体を守る、肌を白く美しくするなど、いろんな効能のある栄養素です。
パパイアのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg
パパイア1個(228g)の
ビタミンCは114mg。
1日の目標量の114%になります。
ところで、
私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?
パパイアを1個食べるとビタミンCはどう増える?

女性:
平均摂取量=96%
パパイア1個=114%
合計=210%
男性:
平均摂取量=91%
パパイア1個=114%
合計=205%
私たちはビタミンCがやや不足していますが、ぎっしり詰まったパパイヤを1個食べると一気に目標の200%超えになります。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
ビタミンCにはさまざまなはたらきがありますが、おもな効能は次の7つ。
- 風邪や感染症を予防する
(免疫力を高める) - いろんな病気や老化を予防
(活性酸素を除去する) - 貧血予防(鉄分の吸収を助ける)
- 骨・肌・血管を丈夫にする
- コレステロールをさげる
- 美肌・美白
- ストレスから心と体を守る
ビタミンCは体内にためておくことができず、数時間で排出されてしまう栄養素。こまめに摂ることが大切です。
その点、果物ならこまめに食べるのに便利。パパイヤのほか、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、柑橘類など、ビタミンCの多い果物をぜひ活用してみてください。
葉酸

パパイヤに2番目に多い栄養素は「葉酸」。お腹の赤ちゃんの発育だけでなく貧血予防にも大切なビタミンです。
パパイヤに含まれる葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
パパイヤ1個には100μg。
目標量の41.8%になります。
では、私たちは葉酸がちゃんと摂れている?パパイヤを1個食べると葉酸の量はどう増える?

女性:
平均摂取量=118%
パパイア1個=42%
合計=160%
男性:
平均摂取量=123%
パパイア1個=42%
合計=165%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は葉酸不足の傾向があります。
また、葉酸はお腹の赤ちゃんの成長を守る栄養素。妊娠する1ヶ月以上前から、つまり赤ちゃんを授かりたいと思ったらしっかり摂りたい栄養素です。
ただ、確かに葉酸は妊活中~産後の授乳期までは大切な栄養素ではありますが……
パパイヤを妊娠中に食べるのはおすすめしません。パパイヤには子宮収縮を引き起こす成分が多く含まれているためです。
ほかにも、レバーには妊娠中に摂りすぎてはいけないビタミンAが豊富。ほうれん草は生で食べると豊富なシュウ酸が尿路結石の原因になることも。
妊活中~授乳期のママは、パパイヤやレバーや生のほうれん草ではなく、枝豆、ほうれん草のおひたし、ブロッコリー、サニーレタス、いちご、マンゴー、天津甘栗、焼きのり、豆乳、納豆などの 葉酸の多い食べ物からしっかりと摂ることがおすすめです。
不溶性食物繊維
3番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。
ごぼう、れんこん、きのこ、玄米など、食物繊維といわれてイメージする繊維質のものがこの不溶性食物繊維です。
パパイヤの不溶性食物繊維は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
パパイヤ1個(228g)には
不溶性食物繊維は3.4g。これは、
- 女性の目標量の28.5%
- 男性の目標量の24.4%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
パパイヤを1個食べると不溶性食物繊維の摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=93%
パパイア1個=29%
合計=122%
男性:
平均摂取量=84%
パパイア1個=24%
合計=108%
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!?」
男女ともに不足ぎみな不溶性食物繊維。パパイアを1個食べると目標量をクリアできますね。
ちなみに、不溶性食物繊維の多い食べ物にはパパイヤのほかにも、干し柿、柿、ラズベリー、りんご、グリーンキウイ、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、里芋、玄米などがあります。
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
水溶性食物繊維

4番目に多い栄養素は水溶性食物繊維。パパイヤには食物繊維が2種類とも多く含まれています。
玄米やごぼうに多い不溶性食物繊維とは違って、昆布のヌルヌルした部分など、海藻や果物に多い食物繊維です。
パパイアの水溶性食物繊維の量は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
パパイア1個には 1.6g。
女性の目標量の26.6%、
男性の目標量の22.8%です。
さて、パパイヤを1個食べると水溶性食物繊維をどこまで補えるかというと……

女性:
平均摂取量=58%
パパイア1個=27%
合計=83%
男性:
平均摂取量=51%
パパイア1個=23%
合計=74%
パパイヤ1個で目標量の20%以上も補えるのですが、ふだんの摂取量があまりに少なく、まだまだ足りていません。
水溶性食物繊維の多い果物には、干しいちじく、アボカド、いちご、グリーンキウイ、干しプルーン、りんごなどがあります。
食べ物全般でみれば、寒天、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要のものもたくさん。水溶性食物繊維が多い食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
水溶性食物繊維の効果は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載です。
ちなみに、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も便秘の解消をサポートしますが、便秘のタイプによっては「どちらの食物繊維が効果的なのか」が変わってきます。
どちらの食物繊維が効果的なのかは、こちらを参考になさってください ↓
カリウム
パパイヤに5番目に多い栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効能を発揮するミネラルですね。
パパイヤのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
パパイア1個には479mg。
女性の目安量の23.9%、
男性の目安量の19.2%になります。
パパイアを1個食べると摂取量は……
女性:
平均摂取量=111%
パパイア1個=24%
合計=135%
男性:
平均摂取量=96%
パパイア1個=19%
合計=115%
塩分の摂りすぎの傾向がある私たちにとって、カリウムは意識して摂りたい栄養素です。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。
カリウムは食べ物から摂りすぎても、余った分は尿として出るので悪影響はありません。意識して食べてみてくださいね。
マグネシウム
6番目に多い栄養素はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
パパイヤのマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
パパイヤ1個には59.3mg。
女性の推奨量の20.4%、
男性の推奨量の16.0%になります。
そして、パパイヤを1個食べると摂取量は……
女性:
平均摂取量=81%
パパイア1個=20%
合計=101%
男性:
平均摂取量=71%
パパイア1個=16%
合計=87%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
私たちはマグネシウム不足。特に男性はかなり不足していてパパイアを1個食べても目標に届きません。
マグネシウムの多い食べ物には、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類などがあります。
マグネシウムの効果は?
マグネシウムのおもな効果は次の6つ。
- カルシウムとともに、骨や歯の元となる
- 筋肉をスムーズに動かす
- 血圧を調整する
- 体の中のあらゆる酵素のはたらきを助ける
- 神経の伝達を正常にして、神経を安定させる
- さまざまなホルモンを活性化させる
パパイヤに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて「パパイヤを食べるとどんな効能が期待できるの?」「どんな人が食べるといいの?」についてお伝えします。
パパイヤの9つの効果効能
パパイヤにはビタミンC、葉酸、食物繊維、カリウムなどいろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、期待される効果効能をまとめてみました。
- 風邪や感染症を予防する
- 貧血を予防する
- 骨を丈夫にする
- 便秘を解消する
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血圧を下げる
- ストレスから心と体を守る
- 美肌・美白
ということで、パパイヤをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそパパイアを食べてほしい!
パパイアをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひかないようにしたい
- 骨粗しょう症を予防したい
- 血圧や中性脂肪が気になる
- 貧血ぎみ
- 便秘がち
- 肌荒れが気になる
- ストレスが多い
- 若々しく元気でいたい
忙しい毎日を過ごすあなたがいつも元気で若々しくいられるためにもぜひ食べてもらいたいのがパパイアなのです。
パパイアに多い栄養素:まとめ
パパイアに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
パパイアに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、葉酸、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム
パパイアの効果効能:風邪予防、貧血予防、骨を丈夫に、便秘解消、中性脂肪やコレステロールを減らす、血圧を下げる、ストレスから守る、美肌・美白
南国のつよい紫外線に打ち勝って成長するパパイヤは抗酸化作用の高いフルーツです。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。