アーモンドはコーヒーのお供やお酒のおつまみだけでなく、お菓子づくりにも活躍するナッツ。
その健康効果の高さはよく知られていますが、具体的にどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
そこで……
- アーモンドはどの栄養素が多い?
- アーモンド25粒で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
などわかりやすくお伝えします。アーモンドに満載の栄養を上手に取り入れましょう。
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アーモンドに多い栄養素
アーモンドにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
「アーモンド100gあたりにビタミンEが29mgも含まれていて……」などと書かれていたりしますが、
アーモンド100gは食べ過ぎ!
約100粒ですから(汗)
そこで「アーモンド100gに栄養素が何mg含まれているか」ではなく、
アーモンドを25粒食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
アーモンドにはどの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1日に食べる量の目安は?
アーモンド25粒(25g)。
アーモンド1粒が1g。1日の間食でのカロリーを150kcalでおさえるためには25粒が目安です。
※生ではなく炒ったアーモンド(無塩)の栄養価です。

アーモンドに多いビタミンは?
アーモンド25粒を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、アーモンド25粒に多いビタミンは……
ビタミンE | 120.8% |
ビタミンB2 | 21.7% |
ナイアシン | 15.6% |
ビタミンEがダントツ。アーモンドを5粒食べるだけでも、1日に必要なビタミンEの24%も摂ることができます。
次は、アーモンドにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
アーモンドに多いミネラルは?
アーモンド25粒を食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%を摂ることができるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、アーモンド25粒に多いミネラルは……
銅 | 42.5% |
マグネシウム | 26.7% |
マンガン | 17.6% |
リン | 15.0% |
鉄 | 14.2% |
アーモンドはビタミンよりもミネラルのほうがバランスよく豊富。
特に私たちはマグネシウムがかなり不足してますが、アーモンド25粒で不足分をまるまる補えてしまいます。
ビタミン、ミネラルと紹介しましたので、次は食物繊維。
アーモンドを25粒食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、アーモンドの6つの健康効果を紹介します。
アーモンドに食物繊維は多い?
では、アーモンド25粒で1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 20.8% |
水溶性食物繊維 | 4.6% |
アーモンドには不溶性食物繊維もぎっしり。有害物質のデトックス、便の量や回数が少ないタイプの便秘の解消、ダイエットにと効果を発揮する食物繊維ですね。
では、
アーモンドに多い栄養素にはどんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れているのでしょうか?
アーモンドに多い栄養素にはどんな効果があるの?

アーモンド25粒に含まれている栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
ビタミンE | 120.8% |
銅 | 42.5% |
マグネシウム | 26.7% |
ビタミンB2 | 21.7% |
不溶性食物繊維 | 20.8% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、アーモンド25粒でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ビタミンE
アーモンドにもっとも多い栄養素はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくしてくれる栄養素です。
アーモンドのビタミンEの量は?
ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
アーモンド25粒(25g)の
ビタミンEの量は7.25mg。これは、
女性:1日の目標量の121%!!
男性:1日の目標量の104%!!
ところで私たちは、ビタミンEがちゃんと摂れている?
アーモンドを25粒食べると、ビタミンEはどのくらい増える?
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=108%
アーモンド25粒=121%
合計=229%
男性:
平均摂取量=100%
アーモンド25粒=104%
合計=204%
アーモンドにはビタミンEがぎっしり!血圧が高い人、濃い味つけが好きな人、お酒をよく飲む人などはビタミンEをしっかり摂りたいですね。
アーモンドのほか、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉、アジ、サバ缶、鮭、ゴールドキウイなど ビタミンEの多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンEの効果は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
とにかく流れをよくするのがビタミンE、ということですね。そして高い抗酸化作用で若々しく元気な体をサポートします。
銅

2番目に多い栄養素は銅。貧血予防や骨粗しょう症の予防にも役立つ必須ミネラルです。
アーモンドの銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
アーモンド25粒には0.3mg。
女性の推奨量の42.5%、
男性の推奨量の33.1%もの量です。
アーモンドを30粒食べると、銅の摂取量はどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=149%
アーモンド25粒=43%
合計=192%
男性:
平均摂取量=133%
アーモンド25粒=33%
合計=166%
銅の効果は?
銅にはおもに次の5つの効果があります。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
貧血といえば鉄分不足と思いがち。でも銅が不足することで起こる「銅欠乏性貧血」もあります。
銅は不足しにくい栄養素ですが、こんな人は銅不足に注意が必要。
- ストレスが多い
→ 体から銅が排出される量が多くなる - 亜鉛のサプリメントを飲んでいる
→ 銅や鉄の吸収がさまたげられる
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べましょう。
マグネシウム
アーモンドに3番目に多い栄養素はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
アーモンドのマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
アーモンド25粒(25g)には77.5mg。
女性の推奨量の27%、
男性の推奨量の21%です。
アーモンドを30粒食べると、マグネシウムの摂取量はどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=81%
アーモンド25粒=27%
合計=108%
男性:
平均摂取量=71%
アーモンド25粒=21%
合計=92%
マグネシウムは私たちにかなり不足している栄養素。
女性はアーモンド25粒で不足分をすべて補えますが、男性はそれでもまだ足りません。
アーモンドのほか、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、落花生(ピーナツ)、天津甘栗、魚介類などマグネシウムの多い食べ物を意識して食べましょう。
マグネシウムの効果は?
マグネシウムのおもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
カルシウムを骨や歯に届けるとともに、しなやかな骨を保つ - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
筋肉をゆるめる - 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
動脈をゆるめて血圧を下げる - 気持ちをおだやかにする
神経の興奮をおさえてイライラをやわらげる
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。他にも、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなど。
目標の71%しか摂れていない男性は特に、意識して摂るようにしたいですね。
ビタミンB2

4番目に多い栄養素はビタミンB2。疲労を回復して脂肪も分解するビタミンB2は生活習慣病の予防にも効果を発揮します。
アーモンドのビタミンB2の量は?
ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
アーモンド25粒には0.26mg。
女性の推奨量の22%、
男性の推奨量の16%です。
アーモンドを30粒食べると、ビタミンB2の摂取量はどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=93%
アーモンド25粒=22%
合計=115%
男性:
平均摂取量=76%
アーモンド25粒=16%
合計=92%
女性はアーモンド25粒でビタミンB2の不足分をすべて補えますが、男性はまだ足りません。
レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
ビタミンB2の効果は?
ビタミンB2にはこのような効果が期待されています。
- 疲労回復:
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - ダイエット:
新陳代謝を高めて脂肪を燃焼する - デトックス:
体にたまった有害物質を排出する - 子供の発育促進:
細胞を再生する - 美肌・美髪:
細胞を再生する - 生活習慣病予防:
動脈硬化や老化を促進する脂質である「過酸化脂質」を防ぐ - 便秘予防:
腸内環境を整える
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変えることで、疲労回復、ダイエット、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
不溶性食物繊維
アーモンドに5番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。
野菜、きのこ類、未精製の穀物など繊維質の食べ物に多い食物繊維ですね。
アーモンドの不溶性食物繊維の量は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
アーモンド25粒には 2.5g。
女性の目標量の21%、
男性の目標量の18%になります。
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
アーモンドを30粒食べると、不溶性食物繊維の摂取量はどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=93%
アーモンド25粒=21%
合計=114%
男性:
平均摂取量=84%
アーモンド25粒=18%
合計=102%
私たちに足りない不溶性食物繊維ですが、アーモンド25粒でその不足分をしっかり補うことができますね。
ちなみに、不溶性食物繊維の多い食べ物として、干し柿、柿、ラズベリー、りんご、グリーンキウイ、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、里芋、玄米などもおすすめです。
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維には、体にとって有害な物質を吸着して便と一緒に出してくれるはたらきがあります。
すべての有害物質とまで言いませんが、重金属、食品添加物、発がん性が懸念されるダイオキシン、といった有害物質を排出する効果があると考えられています。
ちなみに私たちが紹介している健康食品『野菜力で輝け』も、Detoxをサポートするもの。日本産の5種類の有機野菜で作られています。合わせてご活用ください。
以上、アーモンドに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて「アーモンドを食べるとどんな効能が期待できるの?」、「どんな人が食べるといいの?」についてお伝えします。
アーモンドの6つの効能とは?

ビタミンE、マグネシウムなどのミネラル、不溶性食物繊維など、いろんな栄養素が豊富なアーモンド。
これらの栄養素のはたらきから、アーモンドに期待される効能をまとめてみました。
- 動脈硬化の予防
ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ - 貧血予防
銅が鉄分と一緒に血液をつくり、ビタミンEのサラサラ効果で全身に酸素を届ける - 血圧を下げる
マグネシウムが動脈をふわりとゆるめ、ビタミンEが流れを良くする - 不整脈や狭心症の予防
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 骨を強くする
銅やマグネシウムが骨や歯を丈夫にする - アンチエイジング
ビタミンE・B2・銅の高い抗酸化力で活性酸素を除去する
生活習慣病を予防し、体の流れをよくして、いつまでも若々しく。これがアーモンドの効果なのですね。
アーモンドに多い栄養素:まとめ
アーモンドに多い栄養素についてお伝えしました。
アーモンドに多い栄養素:女性の1日に必要な量の20%以上含まれているものは、ビタミンE、銅、マグネシウム、ビタミンB2、不溶性食物繊維
アーモンドの効能:動脈硬化の予防、貧血予防、血圧を下げる、不整脈や狭心症の予防、骨を強くする、アンチエイジング
手軽に食べることができて、健康にも美容にも効果が満載なアーモンド。毎日の食生活に取り入れてみてくださいね。
さて、栄養を吸収するには体の流れも大切。
疲れがとれない、体が重たい、いまひとつ体調が……というあなた、肩こり、背中がカチコチ、体が固くなっていませんか?
マッサージされて体が軽くなるように、体をほぐすことは元気でいるための基本中の基本。
41度くらいのお風呂にゆったりつかったり、お風呂あがりや寝る前にストレッチしたり。
家事や仕事の合い間に首・肩・腕をまわしたり、自分で体をもみほぐしたり。散歩などの軽い運動もいいですね。
ほかにも自分でしっかりとほぐす方法があります。自宅で簡単。時間もかけずにできるので試してみてください。
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この記事の執筆者:株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具の販売など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
自然のチカラで健康になろうをコンセプトに、内科医・医学博士の堀田忠弘先生監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」、オリジナルのリラックスジェル「プアーナ」など天然由来成分100%の健康商品を販売して今年で17年目を迎える。
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※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、e-ヘルスネット「マグネシウム」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」、「ビタミンB2解説」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」