くるみはおやつ代わりに食べたりパンやお菓子づくりにも活躍。オメガ3脂肪酸やポリフェノールなども豊富な健康食材です。
そんなくるみ。どんなビタミンやミネラルが多いのか、ご存じですか?
そこで……
- くるみにはどの栄養素が多い?
- くるみ7粒で1日分の栄養素の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことについてわかりやすくお伝えします。くるみの栄養をしっかりと取り入れて健康的な毎日を過ごしましょう。
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くるみ7粒の栄養価
くるみに多い栄養素は、銅、マンガン、マグネシウム、鉄分、不溶性食物繊維、ビタミンB6、葉酸、ナイアシンなど。
その効果として、感染症の予防、貧血の予防・改善、骨を丈夫にする、疲労回復、アンチエイジング、生活習慣病の予防、便秘の解消、美肌などが期待できます。
そんなくるみ。
どの栄養素がどれほど含まれていて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
100gあたりの栄養価がよく紹介されていますが、くるみ100gは33粒、713kcal。
1日でそんなに食べませんよね?
ここでは1日に食べる適量を
7粒(21g)として、
くるみを7粒食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
くるみに多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?
といったかたちで、くわしくお伝えします。
▼1日に食べる量は?
くるみ7粒(21g)
くるみ1粒が3g。おやつとしてのカロリーは150kcalにおさえたいので、1日の適量を約7粒としました。
炒ったくるみ(無塩)の栄養価をお伝えします。

くるみに多いビタミンは?
まずはビタミンから。
くるみを7粒食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、くるみ7粒に多く含まれているのはこちら!
ビタミンB6 | 9% |
葉酸 | 8% |
ナイアシン | 8% |
ビタミンB1 | 5% |
この4つはどれもビタミンB群。疲労回復、ダイエット、脳のはたらきに効果的な栄養素です。
次はくるみにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
くるみに多いミネラルは?

くるみを7粒食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

くるみ7粒に多く含まれるミネラルはこちら。
銅 | 36% |
マンガン | 21% |
マグネシウム | 11% |
鉄 | 8% |
骨を強くしたり貧血を予防するミネラルが多く含まれています。
では、くるみ7粒に含まれる食物繊維の量をお伝えしてから、くるみの8つの効果効能を紹介します。
くるみに食物繊維は多い?
くるみ7粒で1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

不溶性食物繊維 | 12% |
水溶性食物繊維 | 2% |
くるみはわずかな量にも不溶性食物繊維がぎっしり。私たちは目標量の90%しか摂れていませんが、くるみ7粒で不足分が補えます。
不溶性食物繊維は有害物質の排出、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮します。
では、
くるみに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
くるみに多い栄養素とその効果

くるみ7粒の栄養価のなかで、1日の必要量に対して多い順に、
銅 | 36% |
マンガン | 21% |
不溶性食物繊維 | 12% |
マグネシウム | 11% |
ビタミンB6 | 9% |
鉄 | 8% |
ではこの6つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- くるみ7粒でどのくらい補える?
- どんな効果がある?
についてお伝えします。
銅
くるみにもっとも多い栄養素は銅。骨や血液をつくり、免疫も高める効果があります。
くるみの銅の量は?
1日に必要な量は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
くるみ7粒に0.25mg。
私たちは普段から銅をどのくらい摂れていて、くるみ7粒でどう増えるのでしょうか?

女性が摂れている量は、149%
くるみ7粒には、36%
合計で、185%
男性が摂れている量は、133%
くるみ7粒には、28%
合計で、161%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」
銅の効果は?
銅にはおもに次のような効果があります。
- 風邪など感染症から守る
T細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを助ける - 貧血を予防する
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
骨や血管の壁を強くするコラーゲンやエラスチンをつくる - いろんな病気や老化を予防する
原因となる活性酸素を除去する - 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
銅はふだんから十分摂れていて、一般的な食生活なら不足しにくい栄養素。
ただ銅不足になりやすい人もいます。それは……
- ストレスが多い人
→ 体から銅が排出される量が多くなる - 亜鉛のサプリメントを飲んでいる人
→ 銅や鉄の吸収がさまたげられる
くるみなら7粒で1日分の銅の30%ほども摂ることができます。ストレスを抱えている、亜鉛のサプリを飲んでいる、といった方はくるみを取り入れるのもおすすめです。
マンガン

2番目の栄養素はマンガン。骨を強くし、高血圧や糖尿病から守る効果を発揮します。
くるみのマンガンの量は?
1日に必要な量は
女性が3.5mg、男性が4mg。
くるみ7粒に0.7mg。

マンガンは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありませんが、一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもまずありません。
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マンガンの効果は?
おもに次のような効果が期待されています。
- 疲労回復
脂質・たんぱく質・糖質の代謝を促進 - 骨を強くする
骨にミネラルが沈着するのを助ける - 肌を美しく
ヒアルロン酸づくりを助ける - 糖尿病予防への期待
インスリンを作るサポートをする - アンチエイジング
抗酸化作用で活性酸素を除去
不溶性食物繊維
くるみに3番目に多く含まれる不溶性食物繊維。野菜やきのこ類など繊維質の食べ物に豊富で、デトックスや便秘解消の効果があります。
くるみの不溶性食物繊維の量は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
くるみ7粒に1.45g。
では、普段からどのくらい摂れていて、くるみ7粒でどう増えるかというと……

女性が摂れている量は、93%
くるみには、12%
合計で、105%
男性が摂れている量は、84%
くるみには、10%
合計で、94%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
不溶性食物繊維は不足ぎみですが、くるみで不足分をしっかり補えます。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やして腸の動きを活発にする)
- 食品添加物や重金属などの有害物質を排出する
- 満腹感を得やすくしてダイエットをサポートする
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘解消に効果的。
水溶性食物繊維は、便が固い、便がコロコロ、いきまないと出ない、といったタイプの便秘に効果的です。
マグネシウム

4番目の栄養素はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
くるみのマグネシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が290mg、男性が370mg。
くるみ7粒に32mg。
くるみを食べると……

女性が摂れている量は、81%
くるみには、11%
合計で、92%
男性が摂れている量は、71%
くるみには、9%
合計で、80%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムはかなりの不足。
くるみをはじめとしたナッツ類全般、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、天津甘栗、魚介類などマグネシウムの豊富な食べ物をしっかり食べましょう。
マグネシウムの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
マグネシウムが足りないと糖尿病やメタボのリスクがぐんとアップするとも。このほか、疲労、不眠、動脈硬化、尿路結石、アトピーにも関係していると考えられています。
ビタミンB6
くるみに5番目に多く含まれるビタミンB6。疲労回復、肌や髪をつくる、女性特有の体の悩みをやわらげるなどの効果のある栄養素です。
くるみのビタミンB6の量は?
1日に必要な量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
くるみ7粒に0.1mg。

女性が摂れている量は、99%
くるみには、9%
合計で、108%
男性が摂れている量は、90%
くるみには、7%
合計で、97%
やや不足気味ですが、ビタミンB6は体の中でも作られるので不足しにくい傾向があります。
ビタミンB6の効果は?
ビタミンB6には次のような効果があります。
- 疲労回復
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎を予防する
- 月経前の体の悩みをやわらげる
- 妊娠中のつわりをやわらげる
- 感情をおだやかに安定させる
ビタミンB6が不足しやすいのはこんな人。
- プロテイン(たんぱく質)を多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
鉄分

6番目の栄養素は鉄分。骨を強くし、免疫力を高めるはたらきもあります。
くるみの鉄分の量は?
1日に必要な量は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
くるみ7粒に0.5mg。

女性が摂れている量は、112%
くるみには、8%
合計で、120%
男性が摂れている量は、107%
くるみには、7%
合計で、114%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
- 弾力のある肌をつくる
- 骨を丈夫にする
- 皮膚や粘膜をつくる
- 風邪などの感染症を予防する
*-*-*-*-*
くるみに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- くるみを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
くるみの8つの効果効能

くるみにはビタミンB群、ミネラル、不溶性食物繊維などが豊富。
これらの栄養素のはたらきから、くるみに期待される効果をまとめてみました。
- 風邪などの感染症から守る
免疫細胞のはたらきを助け、ウイルスと戦う白血球をサポートする - 貧血の予防・改善
鉄や銅が血液をつくって全身に酸素を届ける - 骨や歯を強くする
骨にカルシウムなどのミネラルを沈着させて丈夫にする - 疲労回復
食べ物の脂質・たんぱく質・糖質をエネルギーに変える - アンチエイジング
高い抗酸化力で老化の原因の活性酸素を除去する - 生活習慣病を予防する
糖尿病・高血圧・メタボなどを予防する - 便秘を解消する
便の回数や量が少ない便秘にカサを増やしてお通じ促進 - 弾力のある肌や健康な黒い髪をつくる
そして、くるみをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそくるみを食べて!
くるみをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい、体調をくずしやすい
- よく立ちくらみや頭痛がする
- 骨粗しょう症を予防したい
- 疲れやすい
- 白米や麺類をよく食べる
- 野菜やきのこ類をあまり食べない
- ストレスを抱えている
忙しい毎日を過ごす方、40歳を過ぎて生活習慣病に注意したい方に食べてほしいのがくるみなのです。
くるみに多い栄養素:まとめ
くるみに多い栄養素と健康効果をお伝えしました。
くるみに多い栄養素:1日の必要量に対して多い順に、銅、マンガン、不溶性食物繊維、マグネシウム、ビタミンB6、鉄、葉酸、ナイアシン
くるみの効果:風邪などの感染症予防、貧血の予防・改善、骨や歯を強くする、疲労回復、アンチエイジング、生活習慣病の予防、便秘の解消、美肌・美髪
こんな人こそ食べてほしい:風邪をひきやすい、立ちくらみや頭痛が多い、疲れやすい、骨粗しょう症を予防したい、白米や麺類をよく食べる、野菜やきのこ類をあまり食べない、ストレスを抱えている
ミネラル、不溶性食物繊維、オメガ3脂肪酸やポリフェノールなど抗酸化力の高い栄養が豊富なくるみ。
コーヒーや紅茶のお供やお菓子づくりなど、ぜひ召し上がってみてください。