手軽に食べられる甘栗。やさしい甘さにほっこりする甘栗は実は栄養豊富で美容にも健康にも効果を発揮する優秀な食べ物です。
そんな甘栗にはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 甘栗はどの栄養素が多い?
- 天津甘栗14粒で1日分の栄養素の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。甘栗の栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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甘栗14粒の栄養価
甘栗に多い栄養素は、ビタミンB6、葉酸、カリウム、マグネシウム、鉄分、銅、マンガン、不溶性食物繊維など。
その効果として、便秘解消、有害物質の排出、貧血の予防・改善、骨を強くする、美肌・美髪・粘膜を整える、高血圧の予防、心臓のはたらきを守る、などが期待できます。
そんな甘栗。
どの栄養素がどれほど含まれていて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
1日に天津甘栗100gというのはカロリーオーバーなので、ここでは、
甘栗を14粒食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
甘栗に多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?
といったかたちでくわしくお伝えします。
▼ 1日に食べる量は?
天津甘栗14粒(71g)
天津甘栗は殻をむくと1粒が5.1g。1日の間食でのカロリーを150kcal以内にするなら14粒。この栄養価をお伝えします。

甘栗に多いビタミンは?
まずはビタミン。
天津甘栗14粒で女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、甘栗14粒に多く含まれているのはこちら!
葉酸 | 30% |
ビタミンB6 | 24% |
ナイアシン | 13% |
ビタミンB1 | 13% |
ビタミンB2 | 11% |
この5つ、すべてビタミンB群。そのほかのビタミンはほとんど含まれていません。
次は甘栗にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
甘栗に多いミネラルは?
天津甘栗14粒(71g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

甘栗に多く含まれているミネラルはこちら。
銅 | 52% |
マンガン | 32% |
鉄 | 22% |
カリウム | 20% |
マグネシウム | 17% |
甘栗はビタミンよりもミネラルのほうが豊富。貧血予防に効果的な銅や鉄分、私たちに不足しているマグネシウムが多く含まれています。
では、甘栗14粒あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、甘栗の7つの効果効能を紹介します。
甘栗に食物繊維は多い?
天津甘栗14粒には食物繊維がどのくらい含まれているのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 44% |
水溶性食物繊維 | 12% |
甘栗には不溶性食物繊維がぎっしり!1日に必要な量のほぼ半分も摂れます。便の量や回数が少ないタイプの便秘解消に効果を発揮する食べ物です。
では、お伝えしてきたビタミン・ミネラル・食物繊維のなかで……
私たちには不足しがちだけど、
甘栗に豊富な栄養素は何?
その栄養素をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
についてお伝えしていきます!
甘栗で不足分を補える栄養素は?

甘栗に多く含まれる栄養素のなかで……
1位:銅
目標量の150%も摂れています。一般的な食生活なら銅が不足することはほぼありません。
3位:マンガン
一般的な食生活で不足することはほぼありません。
このように甘栗に豊富な栄養素のなかには、私たちがすでに十分摂れているものもあります。
甘栗が体にいいのは、
「不足している栄養素が補えるから」
そこで天津甘栗を1日分14粒食べると、不足しがちな栄養素をどう補えるかというと……
不溶性食物繊維 | 93% →137% |
葉酸 | 118% →148% |
ビタミンB6 | 99% →123% |
鉄 | 112% →134% |
カリウム | 111% →131% |
マグネシウム | 81% →98% |
なかでも、不溶性食物繊維やマグネシウムは、必要な量の8割ほどしか摂れていませんが、甘栗14粒で不足分をほぼ補うことができます。
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
では、これらの栄養素にはそれぞれどんな効果があるのか、甘栗を食べるとどんな健康効果が得られるのか、見てみましょう。
不溶性食物繊維
甘栗で私たちの不足分が補える栄養素。1つめは不溶性食物繊維。便秘解消、有害物質のデトックス効果があります。
甘栗の不溶性食物繊維の量は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
甘栗14粒には5.3g。
女性:1日に必要な量の44%
男性:1日に必要な量の38%
甘栗14粒で不溶性食物繊維をどこまで補えるかというと……

女性が摂れている量は、93%
甘栗14粒には、44%
合計で、137%
男性が摂れている量は、84%
甘栗14粒には、38%
合計で、122%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日の目標量を上記の量として紹介しています。
甘栗には不溶性食物繊維がたっぷり。14粒食べると不足分を十分に補うことができます。
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やして腸の動きを刺激する)
- 有害物質を排出する(重金属、食品添加物、ダイオキシンなど)
- ダイエット(体内で大きくふくらんで満腹感を得られやすい)
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
体にとって有害なものを便と一緒に出すだけでなく、残り物も吸着して排出してくれるので腸をキレイにしてくれます。
また便秘解消効果については、便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプに効果的。
なお便秘のタイプによっては、不溶性食物繊維の摂りすぎでかえって便秘がひどくなることもあるので注意が必要です。くわしくはこちらをお読みください ↓
葉酸

2つめの栄養素は葉酸。胎児の発育、子供の成長促進、貧血予防などの効果を発揮します。
甘栗の葉酸の量は?
1日に必要な量は
女性も男性も240μg。
甘栗14粒には71μg。
1日の必要量の30%です。
甘栗14粒で葉酸をどこまで補えるかというと……

女性が摂れている量は、118%
甘栗14粒には、30%
合計で、148%
男性が摂れている量は、123%
甘栗14粒には、30%
合計で、153%
私たちは必要な量の葉酸を摂れていますが、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は葉酸不足になりがち。意識して摂りましょう。
葉酸の効果は?
おもな効果は次の4つ。
- 妊娠中の胎児の先天性異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らす
- ビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作って貧血を予防する
- 細胞をつくるサポート
- 新陳代謝を高めて肌や粘膜を整える
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸は赤ちゃんを授かりたいと思ったタイミングから産後の授乳期まではしっかりと摂るようにしましょう。
ビタミンB6
甘栗の3つめの栄養素はビタミンB6。脂肪肝の予防、肌荒れや口内炎の予防などの効果があります。
甘栗のビタミンB6の量は?
1日に必要な量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
甘栗14粒には0.26mg。
甘栗を食べると……

女性が摂れている量は、99%
甘栗には、24%
合計で、123%
男性が摂れている量は、90%
甘栗には、19%
合計で、109%
ビタミンB6は不足しにくい栄養素ですが、次のような人は不足しがちな傾向も。
- プロテインを多く摂っている
- 妊娠している
- ピルを飲んでいる
- 抗生物質を長い期間飲んでいる
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- エネルギーや筋肉・肌・髪・爪を作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
鉄分

4つめの栄養素は鉄分。貧血予防、感染症の予防、骨を強くするなどの効果があります。
甘栗の鉄分の量は?
1日に必要な量は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
甘栗14粒には1.4mg。

女性が摂れている量は、112%
甘栗には、22%
合計で、134%
男性が摂れている量は、107%
甘栗には、19%
合計で、126%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
貧血予防だけでなく、感染症を予防したり、強い骨づくりにも効果を発揮します。
カリウム
5つめの栄養素はカリウム。高血圧の予防だけでなく心臓の動きを守る効果もあります。
甘栗のカリウムの量は?
1日に必要な量は
女性が2000mg、男性が2500mg。
甘栗14粒には398mg。

女性が摂れている量は、111%
甘栗には、20%
合計で、131%
男性が摂れている量は、96%
甘栗には、16%
合計で、112%
カリウムの効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
甘栗のほか、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、ぶり、鮭、豚肉などにも豊富に含まれています。くわしくはこちらをご覧ください↓
マグネシウム
甘栗の6つめの栄養素はマグネシウム。私たちにかなり不足しているミネラルです。
甘栗のマグネシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が290mg、男性が370mg。
甘栗14粒には50mg。

女性が摂れている量は、81%
甘栗には、17%
合計で、98%
男性が摂れている量は、71%
甘栗には、14%
合計で、85%
マグネシウムがないと骨は強くなりません。カルシウムばかり摂るとかえって骨が弱くなるとも言われています。
甘栗にも豊富に含まれていますが、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、魚介類などのマグネシウムの多い食べ物を意識して食べましょう。
マグネシウムの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。他にも、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなど。意識して摂りましょう。
*-*-*-*-*
甘栗が私たちの不足分を補ってくれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- 甘栗を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
甘栗の7つの効果効能
甘栗にはさまざまなミネラル、不溶性食物繊維、ビタミンB群などが豊富。そんな甘栗に期待される効果をまとめてみました。
- 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で数倍から数十倍にふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 有害物質を排出する
不溶性食物繊維が重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する - 貧血の予防・改善
鉄分がヘモグロビンつくり、葉酸がビタミンB12と一緒に赤血球を作って、全身に酸素を届ける - 丈夫な骨をつくる
鉄分が骨の主成分であるコラーゲンをつくり、マグネシウムがカルシウムを骨や歯に届けて、強い骨や歯を作る - 肌・髪・粘膜を美しく守る
ビタミンB群や鉄分が髪・肌・爪をつくり、肌荒れや口内炎から守る - 高血圧の予防
カリウムが余分な塩分を排出し、マグネシウムが動脈をゆるめて血圧を下げる - 心臓のはたらきを守る
カリウムやマグネシウムが筋肉の動きをスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ
ということで、甘栗をぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人こそ甘栗を食べて!
甘栗をぜひ食べてほしいのは……
- お酒をよく飲む
葉酸が体内で吸収されにくくなる - アスピリンやピルを飲んでいる
葉酸が体内で吸収されにくくなる - プロテインを多く摂っている
ビタミンB6のたくさん消費してしまいます - 妊婦さん、授乳中のママ
必要な葉酸をたっぷり摂ることができます - 風邪をひきやすい
免疫力アップに鉄分や銅が効果を発揮します - 立ちくらみ、頭痛、疲れやすい
鉄分、銅、葉酸が血液を作るので貧血改善に効果的です - 血圧が高い
余分な塩分を排出し、動脈をひろげて高血圧を改善する
甘栗はこのような方をはじめ、40歳を過ぎて生活習慣病を予防したい世代にはうれしい食べ物といえそうです。
甘栗に多い栄養素:まとめ
甘栗に多い栄養素と期待される効果をお伝えしました。
甘栗でふだんの不足を補える栄養素:不溶性食物繊維、マンガン、葉酸、ビタミンB6、鉄、カリウム、マグネシウム、ビタミンB1、水溶性食物繊維など
甘栗の効果:便秘解消、有害物質の排出、貧血の予防・改善、骨を強くする、肌・髪・粘膜を美しく守る、高血圧の予防、心臓のはたらきを守るなど
こんな人こそ食べてほしい:お酒をよく飲む、アスピリンやピルを飲んでいる、プロテインを多く摂っている人、妊婦さん、授乳中のママ、風邪をひきやすい、立ちくらみ、頭痛、疲れやすい、血圧が高い
不溶性食物繊維がぎっしりでいろんなミネラルも豊富な甘栗。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。