カシューナッツはコーヒーのお供、お酒のおつまみ、そして料理でも活躍するナッツ。
健康食材のイメージが定着してきたナッツですが、カシューナッツにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
そこで……
- カシューナッツに多い栄養素は?
- カシューナッツ16粒で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
などについてわかりやすくお伝えします。カシューナッツの栄養を上手に取り入れましょう。
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カシューナッツの栄養価
カシューナッツにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
よく100gあたりの栄養価が紹介されていますが……
カシューナッツ100gは食べ過ぎです!約65粒ですから。
ここでは、
カシューナッツを16粒食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
カシューナッツにはどの栄養素が多いの?どんな効能が期待できるの?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1日に食べる量の目安は?
カシューナッツ16粒(24g)。
カシューナッツ1粒が1.5g。1日の間食でのカロリーを150kcalでおさえるとすると、約16粒になります。

カシューナッツに多いビタミンは?
カシューナッツ16粒を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、カシューナッツ16粒に多いビタミンは……
ナイアシン | 14.0% |
ビタミンB1 | 11.8% |
ビオチン | 9.1% |
ビタミンB6 | 7.9% |
どれもビタミンB群。疲労回復、ダイエット、集中力を高めるなどのはたらきがあります。
次は、カシューナッツにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
カシューナッツに多いミネラルは?
カシューナッツ16粒で、女性の1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、カシューナッツ16粒中に多いミネラルは……
銅 | 64.8% |
モリブデン | 36.0% |
セレン | 25.9% |
マグネシウム | 19.9% |
鉄 | 17.7% |
亜鉛 | 16.2% |
カシューナッツはとにかくミネラルがぎっしり。貧血予防や骨を強くする銅は1日に必要な量の半分以上。私たちにかなり不足しているマグネシウムもしっかり補えます。
さて最後に、カシューナッツを16粒食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、カシューナッツの6つの効果効能を紹介します。
カシューナッツに食物繊維は多い?
カシューナッツ16粒で1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 11.8% |
水溶性食物繊維 | 3.2% |
カシューナッツには不溶性食物繊維も豊富。有害物質の排出、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮します。
私たちは1日に必要な量の90%程度しか摂れていませんが、カシューナッツ16粒で不足分を補うことができます。
では、
カシューナッツに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
カシューナッツに多い栄養素とその効果効能

カシューナッツ16粒で、女性にとって1日に必要な栄養素の15%以上も摂れるものは6つ。
銅 | 64.8% |
モリブデン | 36.0% |
セレン | 25.9% |
マグネシウム | 19.9% |
鉄 | 17.7% |
亜鉛 | 16.2% |
では、私たちはこれらの栄養素をちゃんと摂れているのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
銅
カシューナッツにもっとも多い栄養素は銅。免疫を高めたり貧血を予防する効果があります。
カシューナッツの銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
カシューナッツ16粒(24g)の
銅の量は 0.45mg。これは、
- 女性:1日の推奨量の64.8%
- 男性:1日の推奨量の50.4%
ところで私たち、銅はちゃんと摂れている?不足している?

女性:
平均摂取量は149%
カシューナッツ16粒に65%
合計で214%
男性:
平均摂取量は133%
カシューナッツ16粒に50%
合計で183%
銅は1日に必要な量を十分に摂れていますね。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」
銅の効能は?
銅にはおもに次の5つの効果があります。
- 風邪など感染症から守る
T細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを助ける - 貧血を予防する
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
骨や血管の壁を強くするコラーゲンやエラスチンをつくる - いろんな病気や老化を予防する
原因となる活性酸素を除去する - 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
銅は不足しにくい栄養素ですが、こんな人は注意が必要。
- ストレスの多い人:
銅が体から排出される量が増えます - 亜鉛のサプリを飲む人:
銅や鉄の吸収がさまたげられます
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
モリブデン

2番目に多い栄養素はモリブデン。
血液を作り、疲労を回復し、有害物質を排出する栄養素です。
カシューナッツのモリブデンの量は?
モリブデンの1日の推奨量は、
女性が20μg、男性が30μg。
カシューナッツ16粒には7.2μg。
女性の推奨量の36%、
男性の推奨量の24%になります。
モリブデンは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもないようです。
【関連記事】モリブデンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
モリブデンの効能は?
モリブデンのおもな効果は次の6つ。
- 貧血を予防する
鉄分のはたらきを助けて血液をつくる - 疲労回復、ダイエット
糖質や脂質の代謝をサポートする - 尿酸の代謝を助ける
食べ物のプリン体を分解して尿酸を作って排出する - 食べ物の消化を促進する
さまざまな消化酵素のはたらきを助ける - 体に有毒な物を分解する
- 余分な銅を排出する
「血のミネラル」とも呼ばれるモリブデン。血液をつくり、食べ物をエネルギーに変え、不要なものを排出するはたらきで私たちを守っています。
セレン
カシューナッツに3番目に多い栄養素はセレン。抗酸化作用がバツグンに高い必須ミネラルです。
カシューナッツのセレンの量は?
セレンの1日の推奨量は、
女性が25μg、男性が30μg。
カシューナッツ16粒(24g)には6.5μg。
女性の推奨量の26%、
男性の推奨量の22%です。
セレンは「私たちがふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただセレンはいろいろな食べ物に含まれているので、通常の食生活で不足することはまずありません。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「セレン解説」、厚生労働省 eJIM「セレニウム」
セレンの摂りすぎに注意
セレンは「不足」よりも「摂りすぎ」に注意が必要な栄養素。
女性の1日の目標が25μgで、上限はその14倍の350μgです。
通常の食生活では心配ありませんが、サプリメントで摂る場合は十分に注意しましょう。
セレンの1日の目安量、上限量、セレンの多い食べ物については、セレンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!で紹介しています。
セレンの効能は?
セレンにはおもに5つのはたらきが期待されています。
- アンチエイジング
抜群に高い抗酸化作用で、老化の原因の1つである過酸化脂質が作られるのをおさえる - 動脈硬化の予防
過酸化脂質が作られるのをおさえることで動脈硬化の予防にも効果を発揮 - 有害ミネラルから守る
体に入った水銀やカドミウムの毒性を弱める - 脳血栓や心筋梗塞の予防
血管を広げたり血栓を作りにくくする - 男性不妊の改善への期待
精子を作り、活動を活発にするはたらきが期待されている
マグネシウム

4番目に多い栄養素はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
カシューナッツのマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
カシューナッツ16粒には57.6mg。
女性の推奨量の19.9%、
男性の推奨量の15.6%です。
カシューナッツを16粒食べると、マグネシウムの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量は81%
カシューナッツ16粒に20%
合計で101%
男性:
平均摂取量は71%
カシューナッツ16粒に16%
合計で87%
マグネシウムは私たちにとってかなり不足していますが、カシューナッツでしっかりと補えます。
栄養面でのカシューナッツを食べる一番の目的は「マグネシウムを摂るため」と言えるかもしれませんね。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムの効能は?
マグネシウムのおもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。他にも、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなど。
豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、落花生、天津甘栗、魚介類などマグネシウムの多い食べ物を意識して摂りましょう。
鉄分
カシューナッツに5番目に多い栄養素は鉄分。骨を強くし、免疫力を高めるはたらきもあります。
カシューナッツの鉄分の量は?
鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
カシューナッツ16粒(24g)には1.15mg。
女性の推奨量の17.7%、
男性の推奨量の15.4%です。
カシューナッツを16粒食べると、鉄分の摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量は112%
カシューナッツ16粒に18%
合計で130%
男性:
平均摂取量は107%
カシューナッツ16粒に15%
合計で122%
ふだんから目標量は摂れていますが、月経のある女性、貧血ぎみな人、風邪をひきやすい人などは鉄分を意識して摂りましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効能は?
鉄分のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
血液(ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - しなやかで動きやすい体に
たんぱく質とビタミンCと一緒にコラーゲンを作って、骨、関節、筋肉、肌、粘膜などをしなやかに健康的に保つ - 骨をつくる
カルシウムとコラーゲンでできている骨。鉄分はコラーゲンを作ることで強い骨を作る。 - ウイルスや細菌から守る
ウイルスや細菌と戦うのはリンパ球や白血球。鉄分は白血球がしっかりはたらけるようサポートする。 - 美しい肌をつくる
コラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する。
亜鉛

6番目に多い栄養素は亜鉛。味覚、免疫アップ、子供の成長に欠かせないミネラルです。
カシューナッツの亜鉛の量は?
亜鉛の1日の推奨量は、
女性が8mg、男性が11mg。
カシューナッツ16粒には1.3mg。
女性の推奨量の16.2%、
男性の推奨量の11.8%になります。
カシューナッツを16粒食べると、亜鉛の摂取量は……

女性:
平均摂取量は96%
カシューナッツ16粒に16%
合計で112%
男性:
平均摂取量は84%
カシューナッツ16粒に12%
合計で96%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
亜鉛の効能は?
亜鉛のおもな効果は次の8つ。
- 味覚を正常に保つ
- 免疫力を高める
- 生活習慣病の予防
- 糖尿病の予防
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛の予防
- 生殖機能を高める
感染症の予防にも大切なミネラルですが私たちには不足ぎみ。
豚肉、厚揚げ、高野豆腐、木綿豆腐、さば缶、いわし、あじ、チーズ、玄米、枝豆など、亜鉛の多い食べ物を積極的に食べましょう。
以上、カシューナッツに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめてカシューナッツの効果効能をお伝えします。
カシューナッツの6つの効果効能

カシューナッツはナッツのなかではカロリーが低めでミネラルが豊富。
どんな健康効果が期待できるでしょうか?
- 風邪など感染症から守る
銅や亜鉛が免疫細胞のはたらきを助け、鉄分がウイルスや細菌と戦う白血球をサポートする - 貧血を予防する
鉄・銅・モリブデンが血液を作って全身に酸素を届ける - 骨や歯を強くする
マグネシウムや鉄分が強い骨や歯を作る - 生活習慣病を予防する
糖尿病・高血圧・メタボなどを予防する - アンチエイジング
セレンの高い抗酸化作用で、老化の原因の1つである過酸化脂質が作られるのをおさえる - 動脈硬化を予防する
セレンが過酸化脂質をおさえて銅が血管の壁を強くする
免疫を高め、生活習慣病を予防し、骨を強くして、若々しくいさせてくれるのがカシューナッツなのですね。
カシューナッツに多い栄養素:まとめ
カシューナッツに多い栄養素と効果効能をお伝えしました。
カシューナッツに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、銅、モリブデン、セレン、マグネシウム、鉄、亜鉛、リン、ナイアシン、不溶性食物繊維、ビタミンB1
カシューナッツの効果効能:免疫を高めて感染症から守る、貧血の予防、骨や歯を強くする、生活習慣病の予防、動脈硬化の予防、アンチエイジング
少しの量にもミネラルがぎっしりと詰まっているカシューナッツ。おやつ代わりになどぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか。