厚揚げは香ばしい風味とふんわりした食感で煮物にも炒め物にも大活躍。
油で揚げているためカロリーが気になるかもしれませんが、実は、大豆たんぱくやミネラルがぎっしり詰まった優秀な食品なのです。
これからお伝えする内容を読むと、
- 厚揚げにはどの栄養素が多い?
- 1枚食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- 厚揚げの健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
などがはっきりとわかります。厚揚げにぎっしち詰まった栄養を上手に摂って健康な体作りをしましょう。
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厚揚げ1枚の栄養価
厚揚げに多い栄養素は、ナイアシン、ビタミンE、K、鉄分、カルシウム、マグネシウム、銅などで、特にミネラルが豊富なことが特徴。
その効果として、骨や歯を強くする、心臓の動きを正常に保つ、高血圧の予防、糖尿病の予防、疲労回復、免疫力を高めるなどが期待できます。
そんな厚揚げ。
どの栄養素がどれほど含まれていて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、
厚揚げを1枚食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
厚揚げに多い栄養素は何?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
厚揚げ1枚=150g
正方形の厚揚げが2枚入って100円程度のものがあります。その厚揚げ1枚分(150g)の栄養価を紹介します。

厚揚げに多いビタミンは?
まずはビタミンから。
厚揚げ1枚で女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、厚揚げ1枚に多く含まれているのはこちら!
ナイアシン | 35% |
ビタミンK | 25% |
ビタミンE | 20% |
葉酸 | 14% |
ビタミンB6 | 11% |
このうち、ナイアシンやビタミンKは一般的な食生活をしていれば十分摂れています。
厚揚げに豊富なビタミンの中で私たちに不足しがちなものは、ビタミンB1とB6。
どちらも食べ物を分解・代謝してエネルギーに変えて、疲労回復やダイエットに効果を発揮する栄養素です。
次は、厚揚げにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
厚揚げに多いミネラルは?
厚揚げ1枚150gで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

厚揚げ1枚に多く含まれるミネラルは……
鉄 | 60% |
カルシウム | 55% |
銅 | 47% |
マンガン | 36% |
マグネシウム | 28% |
厚揚げにはミネラルがぎっしり!このうち私たちに不足しがちなものは、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛です。
では、厚揚げ1枚に含まれる食物繊維の量をお伝えしてから、厚揚げの8つの効果効能を紹介します。
厚揚げに食物繊維は多い?
厚揚げ1枚で食物繊維はどのくらい摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 6% |
水溶性食物繊維 | 5% |
食物繊維は少なめ。厚揚げに豊富な栄養素はビタミンB群とミネラル全般ということですね。
では、
不足しがちな栄養素のなかで、
厚揚げに多い栄養素は?
その栄養素をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
についてお伝えしていきます!
厚揚げで不足分を補える栄養素は?

厚揚げ1枚に多く含まれる栄養素は、鉄、カルシウム、銅、マンガン、ナイアシン、マグネシウムなどですが……
銅:
ふだんから必要な量の1.5倍も摂れています。
マンガン:
一般的な食生活ではまず不足しません。
ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
すでに十分ですね。厚揚げが体にいいということは、
「不足している栄養素を補えるから」
そこで厚揚げ1枚で不足分をしっかり補える栄養素はこの6つ。
- 鉄
- カルシウム
- マグネシウム
- 亜鉛
- ビタミンB6
- ビタミンB1
では、これらの栄養素をどのくらい摂れているのか、厚揚げ1枚でどう補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
鉄分
厚揚げで私たちの不足分が補える栄養素。1つめは鉄分。貧血予防、感染症予防、骨を強くするなどの効果があります。
厚揚げの鉄分の量は?
1日に必要な量は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
厚揚げ1枚には3.9mg。
私たちは普段から鉄分をどのくらい摂れていて、厚揚げ1枚でどう増えるのでしょうか?

女性が摂れている量は、112%
厚揚げ1枚には、60%
合計で、172%
男性が摂れている量は、107%
厚揚げ1枚には、52%
合計で、159%
鉄分は1日に必要な量を摂れてはいますが、月経のタイミングなどはふだんの目標量の2倍弱の鉄分摂取が推奨されています。厚揚げならしっかりと補えますね。
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鉄分の効果は?
おもな効果は次の5つです。
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
カルシウム

2つめはカルシウム。骨や歯を強くし、心臓のはたらきや血圧を整える効果を発揮する栄養素です。
厚揚げのカルシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が650mg、男性が750mg。
厚揚げ1枚には360mg。
厚揚げを食べると、不足しがちなカルシウムをどう補えるのかというと……

女性が摂れている量は、76%
厚揚げ1枚には、55%
合計で、131%
男性が摂れている量は、69%
厚揚げ1枚には、48%
合計で、117%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
厚揚げにはカルシウムがぎっしり!不足分を十分に補うことができます。
特に女性は40代から骨が弱くなる傾向があります。厚揚げを上手に活用しましょう。そのほかカルシウムが豊富な食べ物はこちらでくわしく紹介しています↓
カルシウムの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 心臓を規則的に動かす
- 高血圧を予防する
- 出血した時に止血する
- 気持ちをおだやかにする
マグネシウム
3つめの栄養素はマグネシウム。骨を強くしたり、血圧を調整する効果があります。
厚揚げのマグネシウムの量は?
にがり(塩化マグネシウム)を使って作る豆腐にはマグネシウムが豊富。厚揚げにも豊富に含まれています。
1日に必要な量は
女性が290mg、男性が370mg。
厚揚げ1枚には83mg。
厚揚げを食べると……

女性が摂れている量は、81%
厚揚げには、28%
合計で、109%
男性が摂れている量は、71%
厚揚げには、22%
合計で、93%
かなり不足がちなマグネシウム。運動が好きな人や暑い夏は汗とともにマグネシウムも失われて、さらに不足しがちに。
厚揚げのほかにも、豆腐、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、落花生などマグネシウムの多い食べ物はこちらで紹介しています↓
マグネシウムの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
亜鉛

厚揚げが不足分を補ってくれる4つめの栄養素は亜鉛。味覚、免疫アップ、子供の成長に欠かせないミネラルです。
厚揚げの亜鉛の量は?
1日に必要な量は
女性が8mg、男性が11mg。
厚揚げ1枚には1.7mg。

女性が摂れている量は、96%
厚揚げには、21%
合計で、117%
男性が摂れている量は、84%
厚揚げには、15%
合計で、99%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
亜鉛の効果は?
おもに次の8つの効果が期待されています。
- 味覚を正常に保つ
- 免疫力を高める
- 生活習慣病の予防
- 糖尿病の予防
- 有害物質の排出
- 弾力のある白い肌へ
- 抜け毛の予防
- 生殖機能を高める
ビタミンB6
5つめの栄養素はビタミンB6。肌や粘膜を整えたり脂肪肝を予防する効果を発揮します。
厚揚げのビタミンB6の量は?
1日に必要な量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
厚揚げ1枚には0.12mg。

女性が摂れている量は、99%
厚揚げには、11%
合計で、110%
男性が摂れている量は、90%
厚揚げには、9%
合計で、99%
ビタミンB6は不足しにくい栄養素ですが、次のような人は不足しがち。
- プロテインを多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 疲労回復
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎を予防する
- 月経前の体の悩みをやわらげる
- 妊娠中のつわりをやわらげる
- 感情をおだやかに安定させる
食べた物を代謝する、体を作る、エネルギーに変える、ホルモンバランスを整える、感情を整える、というのがビタミンB6のはたらきです。
ビタミンB1

6つめの栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を安定させる効果があります。
厚揚げのビタミンB1の量は?
1日に必要な量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
厚揚げ1枚には0.1mg。

女性が摂れている量は、79%
厚揚げには、10%
合計で、89%
男性が摂れている量は、74%
厚揚げには、8%
合計で、82%
厚揚げでも補えるものの、まだ1日の目標量には届きません。特に男性はかなりの不足。
ビタミンB1が不足しやすい人は、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、玄米ではなく白米、全粒粉のパンではなく白いパン、といった人。
厚揚げのほかにも、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギといったビタミンB1の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンB1の効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
疲れをとる。気持ちをおだやかにする。脳のはたらきを高める。これがビタミンB1の効果ですね。
*-*-*-*-*
厚揚げに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- 厚揚げを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
厚揚げの8つの効果効能

厚揚げには、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルやビタミンB群が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、厚揚げに期待される効果をまとめてみました。
- 骨や歯を作って強くする
主成分であるカルシウムをマグネシウムが骨や歯まで届けて、鉄分がつくるコラーゲンと一緒に骨や歯を強くする - 心臓の鼓動を規則的にたもつ
カルシウムとマグネシウムが筋肉をスムーズに動かして心臓のはたらきを正常にたもつ - 高血圧を予防する
カルシウムが血液のバランスを整え、マグネシウムが動脈をゆるめて血圧を下げる - 糖尿病を予防する
- 疲労回復
ビタミンB群が食べた物をエネルギーに変える - しなやかに動ける体をつくる
- 風邪などの感染症を予防する
- 気持ちをおだやかにする
イライラやストレスをやわらげて感情をリラックスさせる
しなやかに動く強い体を作り、生活習慣病やウイルスから守り、心をおだやかに安定させてくれるのが厚揚げの効果です。
そこで厚揚げをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそ厚揚げを食べて!
厚揚げをぜひ食べてほしい人はこちら!
- よく運動する
B1、B6、マグネシウムが不足しやすいため - 白米や白いパンを食べている
ビタミンB群が不足するため - 疲れやすい、毎日忙しい
ビタミンB群が代謝を促進してエネルギーを作ります - 骨粗しょう症を予防したい
カルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンKが骨を強くします - 生活習慣病を予防したい
高血圧や糖尿病を予防し、心臓の動きを守る - すぐイライラする、ストレスが多い
ビタミンB群やマグネシウムが感情をおだやかに安定させます
40歳を過ぎた世代、毎日忙しくがんばっている方にぜひ食べてもらいたいのが厚揚げなのです。
厚揚げに多い栄養素:まとめ
厚揚げに多い栄養素と効果を紹介しました。
厚揚げで不足分を補える栄養素:鉄、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB1、亜鉛、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維
厚揚げの効果:骨や歯を作る、心臓の動きを規則的にたもつ、生活習慣病の予防、疲労回復、しなやかな体づくり、感染症の予防、精神の安定
こんな人こそ食べて:運動が好き、白米や白いパンを食べている、疲れやすい、毎日忙しい、骨粗しょう症を予防したい、生活習慣病を予防したい、すぐイライラする、ストレスが多い
やさしい味でいろんな料理に合わせやすい厚揚げ。ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてください。