ヘルシーな食べ物というイメージの「おから」。卯の花のような炒りおからだけでなくお菓子づくりにも人気の食材ですね。
そんなおからには「あの栄養素」がぎっしり!ほかにも栄養が満載で効果効能もたくさんあります。
そこで……
- おからに多い栄養素は?
- 1食分で1日分の栄養素の何%が摂れる?
- おからの効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
についてわかりやすくお伝えします。おからに詰まった栄養をしっかり活用して健康に過ごしましょう。
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おから1食分の栄養価
おからに多い栄養素は、不溶性食物繊維、鉄分、銅、カリウム、カルシウム、マグネシウム、モリブデン、ナイアシンなど。
その効果として、貧血予防、疲労回復、ダイエット、有害物質のデトックス、便秘の解消、骨や歯を強くする、美肌効果などが期待できます。
そんなおから。
どの栄養素がどれほど含まれていて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、1度に食べる量として……
炒ったおからを1皿40g食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
おからに多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?
について、くわしくお伝えします。
1日に食べる量は?
おから(卯の花)1皿40g
1/2カップのおからが約40g。これを1食分として、その栄養価をお伝えします。

おからに多いビタミンは?
おから1皿40gを食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

女性が1日に必要なビタミンに対して、おから1皿に多く含まれているのはこちら!
ナイアシン | 5% |
ビタミンB1 | 4% |
ビオチン | 3% |
40gという少ない量なのでビタミンの量も少なめ。そのなかでも多いのはすべてビタミンB群。食べ物をエネルギーに変えて疲労回復とダイエットを促進する栄養素です。
次は、おからにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
おからに多いミネラルは?

おから1皿40gで、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

おから1皿に多く含まれているミネラルはこちら。
モリブデン | 90% |
銅 | 8% |
鉄 | 8% |
カリウム | 7% |
マグネシウム | 6% |
カルシウム | 5% |
ダントツに多いモリブデンは「血のミネラル」とも呼ばれる貧血予防の栄養素。銅も鉄分も貧血予防に効果的ですね。
では、おから1皿に含まれる食物繊維の量をお伝えしてから、おからの6つの効果効能を紹介します。
おからに食物繊維は多い?
おから1皿で1日分の食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 37% |
水溶性食物繊維 | 3% |
おからといえば不溶性食物繊維!この不溶性食物繊維がぎっしり含まれていることが一番のメリットではないでしょうか。
有害物質を排出し、便秘を解消して、ダイエットにも効果を発揮。私たちに不足しがちな不溶性食物繊維をわずか40gのおからがしっかり補ってくれます。
では、
おからに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
おからに多い栄養素とその効果

おから1皿の栄養価のなかで、女性が必要な量に対して豊富な栄養素はこの6つ。
モリブデン | 90.0% |
不溶性食物繊維 | 37% |
銅 | 8% |
鉄 | 8% |
カリウム | 7% |
マグネシウム | 6% |
ではこの6つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- おから1皿でどのくらい補える?
- どんな効果がある?
についてお伝えします。
モリブデン
おからにもっとも多い栄養素はモリブデン。貧血予防、有害物質のデトックスなどの効果があります。
おからのモリブデンの量は?
1日に必要な量は
女性が20μg、男性が30μg。
おから1皿に18μg。
女性:1日に必要な量の900%
男性:1日に必要な量の600%
モリブデンは一般的な食生活なら不足することも摂りすぎて悪影響が出ることもないようです。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
モリブデンの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 貧血を予防する
鉄分のはたらきを促進して血液をつくる - 疲労回復、ダイエット
糖質、脂質の代謝を助ける - 尿酸の代謝を助ける
食べ物に含まれるプリン体を分解して尿酸を作って排出する - 食べ物の消化を促進する
消化酵素のはたらきをサポート - 体に有毒な物を分解する
- 余分な銅を排出する
食べ物を消化・代謝してエネルギーに変えたり、有害物質や余分なものを排出するのがモリブデンのはたらきです。
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不溶性食物繊維

2番目の栄養素は不溶性食物繊維。野菜やきのこ類に多く、デトックスや便秘解消に効果を発揮します。
おからの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
おから1皿40gには4.4g。
私たちは普段から不溶性食物繊維をどのくらい摂れていて、おから1皿でどう増えるのでしょうか?

女性が摂れている量は、93%
おから1皿には、37%
合計で、130%
男性が摂れている量は、84%
おから1皿には、32%
合計で、116%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
不足ぎみの不溶性食物繊維ですが、おからで不足分を十分に補うことができます。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する
体内で大きくふくらんで腸の動きを活発にする - 有害物質を排出する
重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する - ダイエット
体内でふくらむので満腹感を得やすく、腸内環境を整えることでもダイエット効果が期待できる
不溶性食物繊維は体にとって有害な物質だけでなく残り物も吸着して排出。腸をキレイに掃除してくれます。
ちなみに私たちが紹介している健康食品『野菜力で輝け』もDetoxをサポート。日本産の5種類の有機野菜で作られています。あわせてご活用ください。
銅
おからに3番目に豊富な栄養素は銅。貧血を予防し骨を強くする効果のある必須ミネラルです。
おからに含まれる銅の量は?
1日に必要な量は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
おから1皿40gには0.06mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、おから1皿でどう増えるかというと……

女性が摂れている量は、149%
おから1皿には、8%
合計で、157%
男性が摂れている量は、133%
おから1皿には、6%
合計で、139%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅の効果は?
おもに次の5つの効果があります。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- 若々しく元気な体を維持する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
鉄分ではなく銅が不足ことも貧血の原因のひとつ。特に、ストレスを抱えている時や亜鉛のサプリメントを飲んでいると銅不足になりやすいです。
おから以外にも、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べましょう。
鉄分

4番目の栄養素は鉄分。貧血予防だけでなく免疫力を高める効果も発揮します。
おからの鉄分の量は?
1日に必要な量は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
おから1皿40gには0.5mg。

女性が摂れている量は、112%
おからには、8%
合計で、120%
男性が摂れている量は、107%
おからには、7%
合計で、114%
月経中の方や貧血気味の方は鉄分を多めに摂りたいもの。
レバー、豆乳、厚揚げ、木綿豆腐、さば味噌缶、そば、枝豆、大根の葉っぱなど、鉄分の多い食べ物はこちらで紹介しています↓
鉄分の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 血液(ヘモグロビン)をつくって貧血を予防する
- コラーゲンをつくる
- 骨を強くする
- 皮膚や粘膜をつくる
- 免疫力を高める
カリウム
おからに5番目に豊富な栄養素はカリウム。高血圧予防だけでなく心臓の動きも守る効果もあります。
おからのカリウムの量は?
1日に必要な量は
女性が2000mg、男性が2500mg。
おから1皿には140mg。

女性が摂れている量は、111%
おからには、7%
合計で、118%
男性が摂れている量は、96%
おからには、6%
合計で、102%
私たち日本人は塩分(ナトリウム)の摂りすぎ。「塩分はこのくらいまで」という目標の1.5倍も摂っているとか。余分な塩分を出すためにカリウムをしっかり摂りましょう。
加工食品、スナック菓子、調味料以外でナトリウムの多い食べ物はこちら。摂りすぎていませんか?
ナトリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウムの効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べましょう。
マグネシウム

6番目の栄養素はマグネシウム。骨を強くしたり、糖尿病やメタボの予防に効果的なミネラルです。
おからのマグネシウムの量は?
1日に必要な量は
女性が290mg、男性が370mg。
おから1皿には16mg。

女性が摂れている量は、81%
おからには、6%
合計で、87%
男性が摂れている量は、71%
おからには、4%
合計で、75%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
私たちはマグネシウムがかなり不足しています。おからでも補えますがまだ足りません。
マグネシウムは、豆腐、厚揚げ、豆乳、枝豆、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗などにも多く含まれています↓
マグネシウムの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- カルシウムと一緒に骨や歯を丈夫にする
- 筋肉をスムーズに動かす
- 血圧を調整する
- 体の中のさまざまな酵素のはたらきを助ける
- 神経の伝達を正常にして感情をおだやかにさせる
- さまざまなホルモンを活性化させる
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。他にも、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、骨粗しょう症、尿路結石、アトピーなども。意識して摂るようにしたいですね。
*-*-*-*-*
おからに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- おからを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
おからの6つの効果効能

おからには不溶性食物繊維、モリブデンや鉄や銅といったミネラルなどが豊富。
これらの栄養素のはたらきから、おからに期待される効能をまとめてみました。
- 貧血を予防する
モリブデン・鉄分・銅が血液をつくって全身に酸素を届ける - 疲労回復、ダイエット
モリブデンやビタミンB群が糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える - 体内の有害物質をデトックス
モリブデンや不溶性食物繊維が重金属・食品添加物などの有害物質を排出する - 便秘の解消
不溶性食物繊維が体のなかで数倍から数十倍にふくらんで腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 骨や歯を丈夫にする
鉄分・銅・マグネシウムがカルシウムと一緒に骨や歯を作る - 美しい肌へ
鉄分や銅がコラーゲンを作って弾力のある肌をつくる
そこで、おからをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそおからを食べて!
おからをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 貧血ぎみ
- 疲れやすい、疲れがとれない
- ダイエットしたい
- 便秘がち(便の量や回数が少ない)
- 肌荒れ、髪のツヤが気になる
- 40代を過ぎた骨粗しょう症に気をつけたい世代
- 食品添加物や洗剤・ハミガキなどに気をつけていなかった
おからの一番のメリットは不溶性食物繊維。便の回数や量が少ないタイプの便秘の人、今まで食べ物や生活用品に気をつけていなかった人(有害物質がたまっているかも?)はぜひ「おから」を食べてください。
おからに多い栄養素:まとめ
おからに多い栄養素と期待される効果を紹介しました。
おからに多い栄養素:1日に必要な量に対して多い順に、モリブデン、不溶性食物繊維、銅、鉄、カリウム、マグネシウム、ナイアシン、カルシウム、リン
おからの効果:貧血予防、疲労回復、ダイエット、デトックス、便秘解消、骨や歯を強くする、美肌
こんな人こそ食べてほしい:貧血ぎみ、疲れがとれない、ダイエットしたい、便秘がち、肌あれや髪のツヤが気になる、骨粗しょう症を予防したい、今まで食品添加物や洗剤・ハミガキなどの成分に気をつけていなかった
やさしい味のおからは体の中をキレイにして流れをよくしてくれます。ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。