たんぱく質豊富な大豆をまるごと焙煎して粉にしたきなこ。大豆イソフラボン、大豆サポニンと、女性にうれしい成分も豊富です。
そんなきなこ、具体的にどんな栄養素が多いのかご存じですか?
これから紹介する内容を読むと……
- きなこに多い栄養素は?
- 大さじ1杯で1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- きなこの効果効能は?
- どんな人こそ食べるといいの?
がはっきりとわかります。今日からすぐきなこの栄養を簡単に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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きなこの栄養価
きなこにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
きなこ100gの栄養価がよく紹介されていますが、1日にきなこ100gは食べませんよね?
そこで、
- きなこ大さじ1杯(7g)にはどの栄養素が多いの?
- それは1日に必要な栄養素の何%?
- どんな効能がある?
ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1回分の量は?
きなこ大さじ1杯(7g)
コーヒースプーンなら2杯ほどです。

きなこに多いビタミンは?
きなこ大さじ1杯で、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

きなこ大さじ1杯に多いビタミンは……
葉酸 | 6.4% |
ナイアシン | 6.4% |
ビオチン | 4.3% |
どれもビタミンB群。大豆加工品は共通してビタミンB群が多いですね。逆に、ビタミンA、C、Dはほとんど含まれていません。
次は、きなこにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
きなこに多いミネラルは?

きなこ大さじ1杯で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

きなこ大さじ1杯に多いミネラルは……
モリブデン | 133.0% |
銅 | 11.2% |
鉄 | 8.6% |
クロム | 8.4% |
カリウム | 7.0% |
マグネシウム | 6.3% |
血液をつくるモリブデンが1日に必要な量の100%以上も。これも大豆加工品の共通点ですね。摂りすぎた分は尿として出るので心配はいりません。
きなこはビタミンよりもミネラルのほうがバランスよく豊富です。
きなこ大さじ1杯で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、きなこの6つの効果効能を紹介します。
きなこに食物繊維は多い?
きなこ大さじ1杯で、女性にとって1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 9.0% |
水溶性食物繊維 | 3.2% |
便秘解消、デトックス、ダイエットに効果を発揮する不溶性食物繊維。
たった大さじ1杯のきなこには、1日に必要な不溶性食物繊維の9%。私たちの不足分をちょうど補ってくれます。
では、
きなこに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
きなこに多い栄養素とその効果効能

きなこ大さじ1杯の栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
モリブデン | 133.0% |
銅 | 11.2% |
不溶性食物繊維 | 9.0% |
鉄 | 8.6% |
クロム | 8.4% |
カリウム | 7.0% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、どんな健康効果があるのか、見てみましょう。
モリブデン
きなこにもっとも多い栄養素はモリブデン。貧血予防、有害物質の排出などのはたらきがあります。
きなこのモリブデンの量は?
モリブデンの1日の推奨量は、
女性が20μg、男性が30μg。
きなこ大さじ1杯(7g)に
モリブデンは26.6μg。
女性の推奨量の133%、
男性の推奨量の89%になります。
モリブデンは「私たちがどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ一般的な食生活なら不足することもなく、摂りすぎによる悪影響もないようです。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
モリブデンの効果は?
モリブデンのおもな効果は次の6つ。
- 貧血を予防する
鉄分のはたらきをサポートして血液をつくる - 疲労回復
食べ物の糖質・脂質の代謝を促進する - 尿酸の代謝を助ける
食べ物に含まれるプリン体を尿酸に分解して排出する - 食べ物の消化を促進する
消化酵素のはたらきを活発にする - 体に有毒な物を分解する
- 余分な銅を排出する
【関連記事】モリブデンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
銅

2番目に多い栄養素は銅。貧血予防や骨を丈夫にするミネラルです。
きなこに含まれる銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
きなこ大さじ1杯には0.08mg。
女性の推奨量の11.2%、
男性の推奨量の8.7%になります。
では、私たちは銅がちゃんと摂れている?きなこ大さじ1杯で摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=149%
きなこ大さじ1杯7g=11%
合計=160%
男性:
平均摂取量=133%
きなこ大さじ1杯7g=9%
合計=142%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「銅解説」
銅の効果は?
銅にはおもに次のような効果があります。
- 風邪など感染症から守る
T細胞やマクロファージなど免疫細胞のはたらきを助ける - 貧血を予防する
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
骨や血管の壁を強くするコラーゲンやエラスチンをつくる - いろんな病気や老化を予防する
原因となる活性酸素を除去する - 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
銅不足になると免疫も低下。注意が必要なのは「ストレスの多い人」や「亜鉛のサプリメントを飲んでいる人」。
銅の多い食べ物には、きなこだけでなく、ナッツ類、枝豆、豆腐、納豆、豆乳、おからパウダーなどの手間なく食べられるものもたくさん。意識して食べてみてください。
不溶性食物繊維
きなこに3番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。野菜やきのこ類や玄米など、いわゆる繊維質のものです。
きなこの不溶性食物繊維の量は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
きなこ大さじ1杯には1.1g。
女性の目標量の9.0%、
男性の目標量の7.7%です。
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
きなこ7g食べると、不溶性食物繊維はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=93%
きなこ大さじ1杯7g=9%
合計=102%
男性:
平均摂取量=84%
きなこ大さじ1杯7g=8%
合計=92%
やや不足ぎみな不溶性食物繊維。男性はきなこを大さじ2杯(14g)食べると目標量の100%に届きますね。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する
体内で水分を吸収して大きくふくらんで腸を刺激して、蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 有害物質を排出する
重金属、食品添加物、ダイオキシンなどの有害物質を排出する - ダイエット
繊維質なので自然とよく噛むことでも、体内でふくらむことでも、満腹感を得やすくなって食べ過ぎをおさえられる。腸内環境が整うこともダイエット効果を後押しする。
不溶性食物繊維は、便の量や回数が少ない、といったタイプの便秘に効果的。
ただ、便秘のタイプによっては、不溶性食物繊維の摂りすぎでかえって便秘がひどくなることも。水溶性と不溶性のどちらの食物繊維が効果的なのか、こちらを参考になさってください ↓
鉄分

4番目に多い栄養素は鉄分。
貧血予防だけでなく、免疫を高める、骨を強くする、といったはたらきもあります。
きなこの鉄分の量は?
鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
きなこ大さじ1杯には0.56mg。
女性の推奨量の8.6%、
男性の推奨量の7.5%です。
きなこ7g食べると、鉄分はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=112%
きなこ大さじ1杯7g=9%
合計=121%
男性:
平均摂取量=107%
きなこ大さじ1杯7g=8%
合計=115%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
鉄分の効果は?
鉄分のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
血液(ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - しなやかで動きやすい体に
コラーゲンを作って、骨、関節、筋肉、肌、粘膜などをしなやかに - 骨をつくる
骨はカルシウムとコラーゲンでできていて、鉄分はそのコラーゲンを作る - ウイルスや細菌から守る
ウイルスや細菌と戦う白血球がしっかりはたらけるようサポートする - 美しい肌をつくる
コラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する
【関連記事】鉄分の効果、多い食べ物、効果的な食べ方とは?
クロム
5番目に多い栄養素はクロム。
きなこのクロムの量は?
クロムの1日の目安量は
女性も男性も10μg。
きなこ大さじ1杯に0.84μg。
目標量の8.4%になります。
クロムは「私たちがどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ一般的な食生活なら不足するとこも摂りすぎることも、まずありません。
クロムの多い食べ物はこちら。
クロムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
クロムの効果は?
クロムのおもな効果は次の3つ。
- 血糖値を下げる
インスリンのはたらきを助ける - 血液中のコレステロールや中性脂肪をおさえる
脂質の代謝を活発にする - 糖質・たんぱく質の代謝をサポートする
カリウム

6番目に多い栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効果を発揮するミネラルですね。
きなこのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
きなこ大さじ1杯には140mg。
女性の目安量の7.0%、
男性の目安量の5.6%です。
きなこ7g食べると、カリウムはどう増えるのかというと……
女性:
平均摂取量=111%
きなこ大さじ1杯7g=7%
合計=118%
男性:
平均摂取量=96%
きなこ大さじ1杯7g=6%
合計=102%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人もカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
以上、きなこに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、きなこの効果効能は?どんな人こそ食べるといい?についてお伝えします。
きなこの6つの効果効能

きなこはわずかな量にもモリブデン、銅、鉄分、不溶性食物繊維などが豊富。
きなこから得られる6つの効果効能はこちらです。
- 風邪などの感染症から守る
銅が免疫細胞のはたらきを助け、鉄分がウイルスや細菌と戦う白血球を支える。 - 貧血を予防する
鉄分や銅やモリブデンが血液をつくる - 骨を丈夫にする
鉄分や銅がコラーゲンをつくって、カルシウムと一緒に骨を強くする - 有害物質をデトックス
不溶性食物繊維やモリブデンが体内の重金属や食品添加物などを排出する - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が体内で大きくふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 肌を美しく
鉄分や銅がコラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する
そこで、きなこをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそきなこを食べてほしい!
きなこをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひきやすい
- 貧血になることが多い
- 便秘(便の量や回数が少ない)
- 骨粗しょう症を予防したい
- 生活習慣病を予防したい
- 美しい肌でいたい
- ストレスが多い
大豆たんぱくやイソフラボンも豊富なきなこ。女性だけでなく男性の方にも広く食べてもらいたいのがきなこなのです。
きなこに多い栄養素:まとめ
きなこに多い栄養素と効果効能をお伝えしました。
きなこに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、モリブデン、銅、不溶性食物繊維、鉄、クロム、カリウム、葉酸、ナイアシン、マグネシウム
きなこの効能:感染症の予防、貧血の予防、骨を丈夫にする、有害物質をデトックス、便秘の解消、肌を美しくする
コーヒーに入れたり料理に入れたり。サッと手軽に使えて低カロリーなのに栄養はたっぷり。
きなこを身近に活用してみてはいかがでしょうか。