ビタミンB1の多い食べ物には何があるか、ご存じですか?
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えて疲労を回復したり、脳のはたらきを高めて勉強や仕事の能率を高める重要な栄養素。
ビタミンBといえば豚肉というイメージかもしれません。では「ビタミンB1の多い食べ物」と言われたら何を思いつくでしょうか?
この記事では、身近な食べ物の中から100gあたりではなく「1食分あたり」でビタミンB1の多い食べ物を30位までランキングでお伝えします。
どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要なビタミンB1の何%を摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
【関連記事】ビタミンB2が多い食べ物30選【1食分あたり】摂取量や効果も!
ビタミンB1の効果とは?
ビタミンB1の多い食べ物を紹介する前に……
ビタミンB1の効果は?
不足したらどうなる?
摂りすぎたらどうなる?
についてお伝えします。
ビタミンB1の7つの効果
ビタミンB1の効果は、疲労回復、感情の安定、集中力アップ、肥満予防など。具体的にはこちらの7つです。
- 疲労を回復する
- いつも元気な体を維持する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経のはたらきを守る
- 感情を安定させる
- 集中力を維持する
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 肥満を予防する
ごはん、パン、ラーメン、パスタ、うどん、といった炭水化物(糖質)をエネルギーに変えてくれるのがビタミンB1。
体だけでなく脳のエネルギー源としてもビタミンB1は欠かせない栄養素なのです。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1が不足すると?
ビタミンB1が不足すると食べ物の糖質をエネルギーに変えられなくなって、体だけでなく神経の面でも不調をきたすことがあります。
- 疲れやすい、疲れがとれない
- 腰痛、肩こり、目の疲れ、手足のしびれ
- 食欲がなくなる
- 筋肉痛や神経痛を起こしやすい
- イライラしやすい
- やる気や集中力がなくなる
- むくみ、太りやすい
ビタミンB1を摂りすぎると?
ビタミンB1は摂りすぎによる悪影響はまずありません。
一般的な食生活であったりサプリメントの用量を守っているのであれば、摂りすぎた分は尿として体から排出されます。
不足しないようにしっかりと摂りたいビタミンB1。1日にどのくらい摂るのがよいのでしょうか?
ビタミンB1の必要量と摂取量
1日に必要なビタミンB1はどのくらいでしょうか?
そして私たちの摂取量(摂れている量)はどのくらいなのでしょうか?
1日に必要なビタミンB1は?
1日に必要なビタミンB1(=推奨量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」にて次のように定められています。
1日に必要なビタミンB1
18~49歳なら、
女性:1.1mg
男性:1.4mg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
では、私たちはビタミンB1がちゃんと摂れているのでしょうか?
私たちの実際の摂取量は?
私たちの実際の摂取量(摂れている量)はこちら。
ビタミンB1の実際の摂取量
18~49歳では……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
0.24mg不足(22%不足)
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
0.32mg不足(23%不足)
※参考サイト:国立健康・栄養研究所
「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」
男女ともに20%以上も摂取量が不足しています。特に足りない人は……
ビタミンB1が不足しやすい人は?
ビタミンB1が足りていない人はこちら。
- お菓子をよく食べる人
- お酒をよく飲む人
- 運動をよくする人
- 白米や白いパンを食べる人(玄米や全粒粉パンを食べない人)
お菓子をよく食べる、お酒をよく飲む、インスタント食品をよく食べるといった人は、糖質を分解するためにビタミンB1が大量に使われてしまうので、不足しやすくなります。
あてはまるようでしたら、ビタミンB1の多い食べ物を意識して食べるよう心がけましょう。
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく「1食分あたり」の含有量に換算して、ビタミンB1の多い食べ物をランキングで30位まで紹介します。
ビタミンB1の多い食べ物ランキング
ビタミンB1の多い食べ物にはどんなものがあるのか、まずは含有量の順に30位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
ビタミンB1がダントツに多い食べ物は豚肉やうなぎ。次いでレバーや玄米に豊富に含まれています。
全粒粉やライ麦のパン、枝豆(冷凍もの)、豆腐、さば缶など、手軽に食べられる食べ物にもしっかりと含まれていますね。
ではこの30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれるビタミンB1」をお伝えします。
1~10位の食べ物
ビタミンB1の必要量と摂取量
18~49歳なら……
女性の必要量:1.1mg
摂取量の平均:0.86mg
男性の必要量:1.4mg
摂取量の平均:1.08mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足、ということを頭に置きながら読み進めてください。
1位:豚肉ヒレ(とんかつ)
豚のヒレカツ3枚
(ヒレ肉100g使用)に
1.1mg
ビタミンB1がもっとも多い食べ物は豚のヒレ肉。ヒレカツ3枚で女性が1日に必要なビタミンB1の99%も摂ることができます。
豚ヒレ肉はビタミンB群、E、亜鉛、カリウム、鉄分が豊富な食べ物。疲労回復や糖尿病の予防効果を発揮します。
豚ヒレ肉の栄養がすごい!ヒレカツ3枚の栄養と7つの効果とは?
2位:豚肉ロース(とんかつ)
豚のロースかつ1枚
(ロース肉120g使用)に
0.9mg
ビタミンB1が2番目に多い食べ物は豚のロース。1日に必要なビタミンB1の80%程度も摂ることができます。
疲労回復の食べ物といえば豚肉。でも食べ方によっては逆効果に。疲労を回復する食べ方はこちら↓
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3位:うなぎ(蒲焼)
うな重1人前(うなぎ100g)に
0.75mg
うな重1人前はうなぎ100g程度が一般的。スーパーの蒲焼は1尾150gほどが目安です。
4位:鶏レバー
鶏レバーの甘辛煮1皿
(鶏レバー100g)に
0.38mg
鶏レバーはビタミンAも豊富。鶏レバー100gには1日に必要なビタミンAの20倍も含まれています。
そのほか、鉄分、モリブデン、セレンも多く、貧血予防、疲労回復、動脈硬化や心筋梗塞の予防、口内炎の予防、美肌が期待できます。
鶏レバーは栄養の宝庫!焼き鳥3本分の栄養価と7つの効果を紹介!
5位:豚レバー
豚レバー100g
(レバニラ炒め1皿分)に
0.34mg
5位の豚レバーまでなら1食分で男性の摂取量の不足分(=0.32mg)をまるまる補うことができます。
6位:玄米ごはん
玄米ごはんお茶碗1杯(160g)に
0.26mg
玄米だけを炊いた場合の栄養価です。朝と夜にお茶碗1杯ずつ食べれば、1日分のビタミンB1の半分も摂ることができます。
6位の玄米ごはんまでなら1食分で女性の摂取量の不足分(=0.24mg)をまるまる補えます。
7位:全粒粉パン
全粒粉の食パン
(6枚切り2枚:130g)に
0.22mg
全粒粉のパンはビタミンB群、E、鉄分、マグネシウム、食物繊維が豊富。便秘解消や高血圧を防ぐはたらきがあります。
全粒粉パンには栄養が凝縮!2枚あたりの栄養価と7つの効果とは?
8位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
0.22mg
9位:紅鮭(塩焼き)
紅鮭の塩焼き1切れに
0.21mg
紅鮭1切れは約100gで塩焼きにすると78gほどに。ロシアやアラスカ産のものが一般的です。
10位:ライ麦パン
ライ麦パンの食パン
(6枚切り2枚:130g)に
0.21mg
女性の1日分のビタミンB1の19%。不足分(0.24mg)をほぼ補うことができます。
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ビタミンB1の多い食べ物を1~10位まで紹介しました。
次は11~20位の食べ物です。
11~20位の食べ物
ビタミンB1の多い食べ物、11~20位です。
女性の必要量:1.1mg
男性の必要量:1.4mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足しています。
11~20位の食べ物には0.15~0.2mg。女性にとって1日に必要なビタミンB1の13~18%を摂ることができます。
11位:えのきたけ(炒め物)
えのきたけの炒め物(1パック分)に
0.20mg
えのきたけ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると77gほどになります。
ビタミンB1のほか鉄分、カリウム、食物繊維も豊富。便秘解消、貧血や高血圧の予防が期待できます。
えのきたけの栄養がすごい!1パックの栄養価と9つの効果とは?
12位:ぶりの照り焼き
ぶりの照り焼き1切れに
0.20mg
ぶりの1切れは約100g。焼くと82gほどになります。
13位:ベーグル
ベーグル1個:100gに
0.19mg
14位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
0.18mg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)を1食分としました。さやを除いた豆の部分は65gほど。
おつまみ程度の枝豆で1日に必要なビタミンB1の15%も摂ることができます。
枝豆はビタミンB群、C、鉄分、銅、カリウム、食物繊維が豊富。貧血予防、疲労回復、便秘解消が期待できます。
枝豆の栄養がすごい!冷凍枝豆1皿分の栄養価と7つの効果とは?
15位:パイナップル
パイナップル1/4個(200g)に
0.18mg
パイナップルはビタミンCが抜群!カリウムや食物繊維も豊富で、疲労回復、感染症の予防、若々しさを維持する効果があります。
パイナップルの栄養がすごい!その栄養価と9つのはたらきとは?
16位:スパゲティ
ゆでたスパゲティ300gに
0.18mg
120gの乾麺を茹でると重さは2.5倍の300gに。乾麺ではなく茹でたスパゲティの栄養価です。
17位:とうもろこし
とうもろこし1本に
0.18mg
とうもろこし1本の可食部(粒の部分)は約150g。茹でると165gほどになります。生ではなく茹でたとうもろこしの栄養価です。
18位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
0.17mg
絹ごし豆腐は鉄分、銅、マグネシウム、カルシウム、食物繊維などの栄養が豊富。骨を強くする、生活習慣病や感染症の予防、イライラをおさえてくれます。
絹ごし豆腐は栄養が凝縮!1丁の栄養価と8つの効果とは?
19位:エリンギ(バター炒め)
エリンギのバター炒め(1パック分)に
0.15mg
エリンギ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると84gほどに。
女性の1日分のビタミンB1の14%。摂取量の不足分の2/3も補うことができます。
エリンギはビタミンB1のほか、ビタミンD、カリウム、食物繊維も豊富。骨粗しょう症の予防、便秘解消、血圧を下げる、デトックスが期待できます!
エリンギの栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
20位:さといも(煮っころがし)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個分:210g)に
0.15mg
里芋はビタミンB群、E、カリウム、鉄分、食物繊維など栄養が凝縮されたスーパー野菜!生活習慣病の予防、便秘解消ほか効果も満載です!
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
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ビタミンB1の多い食べ物を11~20位までお伝えしました。最後に21~30位の食べ物です。
21~30位の食べ物
ビタミンB1の多い食べ物、最後に21~30位です。
女性の必要量:1.1mg
男性の必要量:1.4mg
女性は0.24mg不足、男性は0.32mg不足。
21~30位の食べ物はビタミンB1の含有量が0.13mg~0.15mgでほぼ同じ。
女性の1日分のビタミンB1の12~13%で、不足分の1/2を補える量になります。
21位:豆乳(調整豆乳)
豆乳200mlに
0.15mg
女性の1日分のビタミンB1の13%。不足分の6割を補うことができます。
22位:さば(水煮缶詰)
さばの水煮缶詰1/2缶(95g)に
0.14mg
23位:天津甘栗
天津甘栗14粒に
0.14mg
天津甘栗は殻をむくと1粒が5gほど。1日の間食でのカロリーを150kcalでおさえるとすると14粒が目安です。
甘栗には、不溶性食物繊維、葉酸、カリウム、マグネシウムも豊富。便秘解消、デトックス、強い骨をつくる、貧血や高血圧を予防するはたらきがあります。
甘栗には栄養が凝縮!1日分14粒の栄養価と7つの効果とは?
24位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
0.14mg
絹ごし豆腐のほうが0.17mgと、やや多めですね。
25位:鮭(水煮缶詰)
サケの缶詰1/2缶(90g)に
0.14mg
サケの缶詰1/2缶で1日に必要なビタミンB1の12%ほど摂ることができます。
26位:するめいか(焼いたもの)
イカ焼き1杯(150g)に
0.14mg
27位:かつお(たたき)
鰹のたたき6切れ(100g)に
0.13mg
かつおにはビタミンB1のほか、ビタミンD、セレンが凝縮!鉄分、カリウム、マグネシウムも多く、疲労回復、脂肪肝や高血圧の予防、強い骨を作る、不整脈や狭心症の予防、貧血予防が期待できます。
かつおの栄養がすごい!鰹のたたき6切れの栄養価と8つの効果とは?
28位:カシューナッツ
カシューナッツ16粒(24g)に
0.13mg
1日の間食でのカロリーを150kcalでおさえるとすると、16粒ほどが目安です。
29位:五分づきごはん(炊いた米)
お茶碗1杯(160g)に
0.13mg
30位:ぶなしめじ(バター炒め)
ぶなしめじのバター炒め(1パック分)に
0.13mg
ぶなしめじ1パックは100g。いしづきを除いて油で炒めると75gほどになります。
女性の1日分のビタミンB1の12%。摂取量の不足分の1/2を補えます。
しめじにはビタミンB群、不溶性食物繊維、カリウムが豊富。便秘解消、高血圧予防、疲労回復、ダイエット、イライラ防止が期待できます。
しめじの栄養がすごい!1パックの栄養価と8つの効果とは?
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ビタミンB1の豊富な食べ物を30位までお伝えしました。もう一度グラフで見てみましょう。
うなぎやレバーはビタミンB1が豊富ですが、取り入れやすい食べ物としては、豚肉、紅鮭、さば缶、鮭缶、枝豆、豆腐、そして玄米や五分づきごはんですね。
ビタミンB1の多い食べ物:まとめ
ビタミンB1の効果、必要な量と私たちの摂取量、多く含まれる食べ物についてお伝えしました。
ビタミンB1の多い食べ物:
豚肉、うなぎ、レバー、玄米、とうもろこし、紅鮭、えのき、ぶり、枝豆、豆腐、エリンギ、さば水煮缶、さけ水煮缶
ビタミンB1の効果:
疲労回復、いつも元気な体に、神経のはたらきを守る、感情を安定させる、集中力を維持する、筋肉や頭脳の持久力を高める、肥満予防
不足すると?:
疲れやすい、集中力が続かない、イライラ、食欲不振、手足のしびれ、太りやすい
摂りすぎると?:
特に悪影響はありません。摂りすぎた分は尿として排出されます。
1日に必要なビタミンB1:
女性で0.9~1.1mg、男性で1.2~1.4mg
摂取量:
女性は0.86mg(0.24mg不足)、男性は1.08mg(0.32mg不足)です
体だけでなく脳のはたらきも支えているビタミンB1。
ストレスの多い人、忙しい人、お菓子やお酒が好きな人は特に、ビタミンB1の多い食べ物を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。