クセがあって好き嫌いが分かれる鶏のレバー。
あまり食べていない人も多いでしょうが、実は「栄養と健康効果の宝庫」だってこと、ご存じでしたか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 鶏のレバーはどの栄養素が多い?
- 鶏レバーの焼き鳥3本で1日の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
といったことが手に取るようにわかります。鶏のレバーの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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鶏レバーの焼き鳥3本の栄養価
鶏のレバーにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
鶏のレバーの焼き鳥は3本で100gほどなので、
鶏レバーの焼き鳥を3本食べると、
1日の栄養素の何%が摂れる?
鶏のレバーに多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。

鶏のレバーに多いビタミンは?
まずはビタミンから。
鶏レバーの焼き鳥を3本食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

鶏レバーの焼き鳥3本に多いビタミンは……
ビタミンA | 2,000% |
ビタミンB12 | 1,833% |
葉酸 | 542% |
ビオチン | 460% |
パントテン酸 | 200% |
ビタミンB2 | 150% |
女性の1日分のビタミンAの20倍とぎっしり!疲労回復のビタミンB群も豊富に含まれています。
次は鶏のレバーにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
鶏のレバーに多いミネラルは?
次はミネラル。
鶏レバーの焼き鳥3本で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

鶏レバーの焼き鳥3本に多いミネラルは……
モリブデン | 410% |
セレン | 240% |
鉄分 | 139% |
銅 | 46% |
亜鉛 | 41% |
モリブデン、鉄分、銅など貧血の予防改善に効果を発揮するミネラルが多いですね。
最後に、鶏レバーの焼き鳥3本の食物繊維の量をお伝えしてから、鶏のレバーの健康効果を紹介します。
鶏のレバーに食物繊維は多い?
鶏レバーの焼き鳥3本に食物繊維は……、ありません。
食物繊維は炭水化物の一部。レバーに限らず肉類にはあまり含まれていないのです。
では、
鶏のレバーに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
鶏のレバーに多い栄養素の効果は?

鶏レバーにはいろんな栄養素がぎっしりと詰まっています。その中で女性の1日の目標量に対して多い順に、
ビタミンA | 2,000% |
ビタミンB12 | 1,833% |
葉酸 | 542% |
ビオチン | 460% |
モリブデン | 410% |
セレン | 240% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、鶏レバーの焼き鳥3本でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ビタミンA
鶏のレバーにもっとも多いビタミンA。免疫力を高める、粘膜を守る、抗酸化などの効果があります。
鶏のレバーのビタミンAの量は?
ビタミンAの1日の推奨量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
鶏レバーの焼き鳥3本に14,000μgRAE。
これは、
女性:1日の推奨量の2,000%
男性:1日の推奨量の1,556%
さて私たちはビタミンAが摂れている?
鶏レバーの焼き鳥3本でどう補える?
女性の平均摂取量:目標の74%
鶏レバーの焼き鳥3本:2,000%
合計:2,074%
男性の平均摂取量:目標の61%
鶏レバーの焼き鳥3本:1,556%
合計:1,617%
ふだんかなり不足しているビタミンAも鶏レバーにぎっしり。ひとくち食べるだけで不足分を簡単に補えるほどです。
ビタミンAの効果は?
- 免疫を高めて感染症を予防する
- 抗酸化作用で病気や老化を予防する
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養素等摂取量」、「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
特に男性はビタミンAが大幅に不足。鶏レバーのほか、にんじん、春菊、かぼちゃ、ほうれんそう、サニーレタス、たまごなどビタミンAの多い食べ物を食べましょう。
ビタミンB12

2番目はビタミンB12。貧血予防、脂肪燃焼、寝つき改善などの効果があります。
鶏のレバーのビタミンB12の量は?
ビタミンB12の1日の目標量は
女性も男性も2.4μg。
鶏レバー3本に44μg。
1日の目標量の1,833%です。
では私たちはビタミンB12が足りている?鶏レバーでどう補える?
女性の平均摂取量:目標の238%
鶏レバーの焼き鳥3本:1,833%
合計:2,071%
男性の平均摂取量:目標の288%
鶏レバーの焼き鳥3本:1,833%
合計:2,121%
肉や魚に多い栄養素なのでふだんから十分に摂れていますね。あまり食べない人はビタミンB12不足に注意しましょう。
ビタミンB12の効果は?
- 貧血を予防する
- 神経の伝達をスムーズにする
- 疲労を回復する
- タンパク質やDNAと合成して健康な細胞をつくる
- 寝つきや眠りを良くする
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB12解説」
葉酸
鶏のレバーに3番目に多い栄養素は「葉酸」。胎児の発育促進、貧血予防などの効果があります。
鶏のレバーの葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
鶏レバー3本に1,300μg。
1日の目標量の542%です。
さて鶏レバー3本で葉酸の摂取量は……
女性の平均摂取量:目標の118%
鶏レバーの焼き鳥3本:542%
合計:660%
男性の平均摂取量:目標の123%
鶏レバーの焼き鳥3本:542%
合計:665%
お酒をよく飲む、アスピリンを飲んでいる、という人は葉酸不足になりがち。
レバー(鶏・牛・豚)、玉露、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、いちご、豆乳、納豆など葉酸の多い食べ物を意識して食べましょう。
葉酸の効果は?
- お腹の赤ちゃんの成長を守る
- 貧血を予防する
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
鶏レバーには葉酸は多いものの、ビタミンAも大量に含まれているので妊婦さんは控えたほうがいいですね。
ビオチン

4番目に多い栄養素はビオチン。ビタミンB具のひとつで、疲労回復や美肌効果があります。
鶏のレバーのビオチンの量は?
ビオチンの1日の目標量は
女性も男性も同じ50μg。
鶏レバー3本に230μg。
1日の目標量の460%です。
ビオチンは「私たちがふだんどのくらい摂れているのか」の調査がないのですが、一般的な食生活なら不足しにくく、また摂りすぎても排出されるので心配ないようです。
ビオチンの効果は?
- 皮膚、爪、粘膜、髪を健康に
- エネルギーを作る
- アトピー性皮膚炎の症状をやわらげる効果への期待
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビオチン解説」
モリブデン
鶏のレバーに5番目に多い栄養素はモリブデン。血のミネラルとも呼ばれ、貧血予防、疲労回復、有害物質の排出などの効果を発揮します。
鶏のレバーのモリブデンの量は?
モリブデンの1日の推奨量は、
女性が20μg、男性が30μg。
鶏レバー3本に82μg。これは、
女性:1日の推奨量の410%
男性:1日の推奨量の273%
モリブデンも「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただこちらも一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもまずありません。
モリブデンの効果は?
- 貧血を予防する
- 疲労を回復する
- プリン体を分解して尿酸を作って排出する
- 食べ物の消化を促進する
- 体に有毒な物のデトックス
- 余分な銅を排出する
- ダイエット
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
セレン

6番目はセレン。抗酸化作用がバツグンに高く、サラサラ効果や血栓予防に効果を発揮するミネラルです。
鶏のレバーのセレンの量は?
セレンの1日の推奨量は、
女性が25μg、男性が30μg。
鶏レバー3本に60μg。これは、
女性:1日の推奨量の240%
男性:1日の推奨量の200%
セレンも摂取量の調査がありませんが、いろいろな食べ物に含まれているので不足することはなさそうです。
セレンの効果は?
- アンチエイジング
- 動脈硬化の予防
- 有害ミネラルから守る
- 脳血栓や心筋梗塞の予防
- 男性不妊の改善への期待
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「セレン解説」、厚生労働省 eJIM「セレニウム」
鶏のレバーに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、鶏のレバーを食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
鶏のレバーの7つの効果効能

鶏のレバーにはビタミンA、B群、モリブデンや鉄分などのミネラルもぎっしり。
これらの栄養素のはたらきから、鶏のレバーに期待される効能をまとめてみました。
- 貧血を予防する
赤血球やヘモグロビンを作って、疲労や体力低下や立ちくらみを予防 - 疲労回復・ダイエット
糖質・脂質・脂肪を燃焼してエネルギーに変える - 感染症を予防する
粘膜を守ってウイルスをブロックして免疫力を高める - 動脈硬化・心筋梗塞を予防する
サラサラ効果で血栓を作りにくくする - 口内炎を予防・改善する
粘膜を健康的に維持する - アンチエイジング
抗酸化作用の高さで活性酸素を除去 - 肌・髪・爪を美しく健康に
新陳代謝を促進して健康的な細胞をたもつ
忙しくがんばる人、風邪をひきやすい人、血圧が気になる人、肌あれや髪のパサつきが気になる人などにぜひ食べてもらいたいのが鶏のレバーなのです。
鶏のレバーに多い栄養素:まとめ
鶏のレバーに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
鶏のレバーに多い栄養素:女性の1日の目標量に対して100%以上含まれているものは、ビタミンA、B2、B12、葉酸、ビオチン、モリブデン、セレン、パントテン酸、鉄分。
鶏のレバーの効能:貧血の予防、疲労回復、ダイエット、免疫力を高める、動脈硬化・心筋梗塞の予防、口内炎の予防・改善、アンチエイジング、肌・髪・爪を美しくする
栄養も効能もぎっしり詰まった鶏レバーなら、ひとくち食べるだけでも十分。
疲れがたまった時、血圧やコレステロールが気になる時、風邪をひきやすい季節など、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。