しめじはお値段も手頃で一年を通して手に入りやすい食べ物。生活習慣病の予防やダイエットの強い味方でもあるんです。
そんなしめじにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
ここで紹介する内容を読むと、
- しめじにはどんな栄養素が多い?
- しめじ1食分で1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- しめじの効能は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことがよくわかります。
しめじの栄養を上手に取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】えのきたけの栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?9つの効果効能は?
【関連記事】エリンギの栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?8つの効果効能は?
しめじ1食分の栄養価
しめじにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
しめじ100gあたりの栄養価が紹介されていますが、しめじ1パックが約100g。いしずきを取り除くと可食部は80gほど。
100g食べるためには1パック半が必要。一度に食べる量としてはちょっと多いかもしれません。
また生で食べることもないので、加熱すると栄養価も変わってきます。
そこで「生のしめじ100gの栄養価」ではなく、
しめじのバター炒めを1皿食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
しめじにはどの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1食分の量は?
しめじバター炒め1皿 (75g)。
しめじ1パックが約100g。いしずきを除くと80gに。これを油で炒めると75gほどになります。
しめじのバター炒めにかぎらず、1パック分のしめじを油で炒めた場合の栄養価としてご参考に。

しめじに多いビタミンは?
しめじのバター炒めを1皿食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、しめじのバター炒め(75g)に多いビタミンは……
ナイアシン | 42.5% |
ビタミンB2 | 11.9% |
ビタミンB1 | 11.6% |
パントテン酸 | 11.0% |
これらはすべてビタミンB群。食べ物をエネルギーに変えて、疲労回復や元気をサポートします。感情の安定や集中力を高めるはたらきもあります。
では次にしめじにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
しめじに多いミネラルは?
しめじのバター炒めを1皿食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、しめじバター炒め1皿に多いミネラルは……
カリウム | 15.8% |
リン | 10.3% |
カリウムは余分な塩分を排出したり、心臓や筋肉の動きを守る栄養素。リンは骨や歯を強くするしはたらきなどがあります。
最後に、しめじのバター炒めを1皿(75g)食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、しめじの8つの効果効能を紹介します。
しめじに食物繊維は多い?
食物繊維は2種類に分かれています。
▼水溶性食物繊維:
海藻・果物に多い。血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロールをおさえたり、固い便をやわらかくして便秘を解消する効果など。
▼不溶性食物繊維:
ポソポソした食感の繊維質で野菜・きのこ・未精製の穀物に多い。有害な物質を排出したり、便のカサを増やして便秘を解消する効果など。
ではしめじのバター炒め1皿で、女性にとって1日に必要な食物繊維の何%を摂ることができるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 21.3% |
水溶性食物繊維 | 3.8% |
不溶性食物繊維が1日に必要な量の21%。抜群に多く含まれています。
私たちは不溶性食物繊維は90%しか摂れていません。しめじで足りない分を十分に補うことができますね。
ただ、血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロールなど、生活習慣病の予防効果がとても高い「水溶性食物繊維」はまったく足りていません。
水溶性食物繊維が多い食べ物のなかには、寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要のものもたくさん。ぜひ積極的に食べるようにしたいですね。
では、
しめじに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
しめじに多い栄養素とその効果効能

しめじのバター炒め1皿で、女性にとって1日に必要な栄養素の10%以上が摂れるのはこちらの7つ。
ナイアシン | 42.5% |
不溶性食物繊維 | 21.3% |
カリウム | 15.8% |
ビタミンB2 | 11.9% |
ビタミンB1 | 11.6% |
パントテン酸 | 11.0% |
リン | 10.3% |
しめじに多い栄養素について、私たちには足りているのか、しめじのバター炒め1皿でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ナイアシン
しめじにもっとも多い栄養素はナイアシン。二日酔いの予防、疲労回復、肌荒れ・口内炎の予防などの効果があります。
しめじのナイアシンの量は?
ナイアシンの1日の推奨量は、
女性が12mgNE、男性が15mgNE。
しめじのバター炒め1皿 (75g)に
ナイアシンは5.1mgNE。これは、
- 女性:1日の目標量の42.5%
- 男性:1日の目標量の34.0%
ところで私たちはナイアシンがちゃんと摂れている?
しめじのバター炒めを1皿食べると、ナイアシンはどう増える?

女性:
平均摂取量=233%
しめじ75g=43%
合計=276%
男性:
平均摂取量=224%
しめじ75g=34%
合計=258%
しめじのほかナイアシンの多い食べ物はこちらで紹介しています。
ナイアシンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ナイアシンの効果は?
ナイアシンのおもな効果は次の4つ。
- 疲労回復:
糖質と脂質をエネルギーに変える - 二日酔いや悪酔いを防ぐ:
アルコールをすばやく分解する - シミやソバカスを改善する:
コラーゲンの生成を促進してシワを予防。またメラニンの生成をおさえてシミを予防。 - 気持ちをおだやかに安定させる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ナイアシン解説」
不溶性食物繊維

しめじに2番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。
「食物繊維」といわれてイメージする繊維質のものですね。しめじなどのきのこ類、野菜、未精製の穀物に多いです。
しめじの不溶性食物繊維の量は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
しめじのバター炒め1皿には2.55g。
女性の目標量の21.3%、
男性の目標量の18.2%になります。
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
しめじのバター炒めを1皿食べると不溶性食物繊維はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=93%
しめじ75g=21%
合計=114%
男性:
平均摂取量=84%
しめじ75g=18%
合計=102%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
ちなみに不溶性食物繊維の多い食べ物には、干し柿、柿、ラズベリー、りんご、グリーンキウイ、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、里芋、玄米などがあります。
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘の解消に効果的。
不溶性食物繊維は腸のなかで水分を吸って、数倍にも数十倍にもふくらんで腸を刺激します。これが腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消につながるのです。
なお便秘のタイプによっては、不溶性食物繊維の摂りすぎでかえって便秘がひどくなることも。
便秘解消に効果的な食物繊維の摂り方はこちらをご参考に。
食物繊維のとりすぎが便秘や下痢の原因?食物繊維の正しい摂り方は?
カリウム
しめじに3番目に多い栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効能を発揮します。
しめじのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
しめじのバター炒め1皿(75g)に
カリウムは315mg。
女性の目安量の15.8%、
男性の目安量の12.6%になります。
しめじのバター炒めを1皿食べると、カリウムはどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=111%
しめじ75g=16%
合計=127%
男性:
平均摂取量=96%
しめじ75g=13%
合計=109%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
私たち日本人は塩分の摂りすぎ。基準の1.5倍も摂っているとか。
塩分(ナトリウム)を摂りすぎていないか、こちらでチェックしてみてください。
ナトリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
ビタミンB2

しめじに4番目に多い栄養素はビタミンB2。疲労を回復、脂肪を分解して生活習慣病の予防にも効果を発揮します。
しめじのビタミンB2の量は?
ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
しめじのバター炒め1皿には0.14mg。
女性の推奨量の11.9%、
男性の推奨量の8.9%になります。
しめじのバター炒め1皿でビタミンB2摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=93%
しめじ75g=12%
合計=105%
男性:
平均摂取量=76%
しめじ75g=9%
合計=85%
男性はビタミンB2がかなり不足。しめじ1食分で9%増えても合計で85%なのでまだ足りません。
レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れるといいですね。
ビタミンB2の効果は?
ビタミンB2のおもな効果は次の7つ。
- 疲労回復
- 生活習慣病の予防
- 体にたまった有害物質を排出する
- 便秘の予防
- ダイエット(脂肪を燃焼)
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギーに変えるはたらきが、疲労回復、ダイエット、生活習慣病の予防に効果を発揮します。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB1
5番目に多い栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を支える栄養素です。
しめじのビタミンB1の量は?
ビタミンB1の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
しめじのバター炒め1皿 (75g)に
ビタミンB1は0.13mg。
女性の目標量の11.6%、
男性の目標量の9.1%になります。
では、私たちはビタミンB1が足りている?しめじ1食分でどう増える?

女性:
平均摂取量=79%
しめじ75g=12%
合計=91%
男性:
平均摂取量=74%
しめじ75g=9%
合計=83%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
それでもまだ足りません。ビタミンB1の多い食べ物は、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなど。意識して食べたいですね。
ビタミンB1の効果は?
ビタミンB1のおもな効果は次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
以上、しめじに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて、しめじの効果効能は?どんな人こそ食べるといい?についてお伝えします。
しめじの8つの効果効能
しめじは不溶性食物繊維をはじめ、ビタミンB群やカリウムなどの栄養が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、しめじに期待される効能をまとめてみました。
- 便秘を解消する:
腸の中で膨らんで便のカサを増やすので、便の回数や量が少ない人に効果的 - 血圧を下げる:
余分な塩分の排出を促進する - 疲労回復、いつも元気に:
糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変える - ダイエット:
脂肪を燃焼する - 二日酔いや悪酔いを防ぐ:
アルコールをすばやく分解する - 体にたまった有害物質を排出する
- イライラを解消して感情をおだやかに
- 集中力を高める
ということで、しめじをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそしめじを食べてほしい!
しめじをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 疲れやすい
- 便秘がち(便の量や回数が少ない)
- 血圧が高い
- イライラしやすい
- 仕事や勉強の集中力が続かない
ほかにも、
- ストレスが多い:
ビタミンB2やカリウムが不足しがち - お菓子が好き:
ビタミンB群全般が不足しがち - お酒をよく飲む:
ビタミンB群全般が不足しがち
しめじが二日酔いや悪酔いを防ぐ効果にも期待できます - よく運動する:
ビタミンB1やB2が不足しがち - 揚げ物など脂っこい食べ物をよく食べる:
ビタミンB2が不足しがち
高血圧や脂肪がたまる原因にも
いまひとつ元気じゃない、気分が安定しない、頭のはたらきが……という人はもちろんのこと、お菓子が好き、揚げ物が好き、お酒が好き、運動が好き、ストレスが多い、といった人に食べてもらいたいのがしめじなのです。
しめじに多い栄養素:まとめ
しめじに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
しめじに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ナイアシン、不溶性食物繊維、カリウム、ビタミンB2、ビタミンB1、パントテン酸、リン、葉酸、ビタミンEなど
しめじの効能:便秘解消、血圧を下げる、疲労回復、ダイエット、二日酔いを防ぐ、感情を穏やかに、集中力を高める
しめじは体だけでなく、心にも脳にも栄養と効能を届けてくれる優秀な食材。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。