かつおは春と秋に旬をむかえる魚。EPA、DHA、たんぱく質がたっぷりと含まれています。
そんなかつおはビタミンやミネラルも豊富だってこと、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- かつおはどの栄養素が多いの?
- かつおのたたき6切れで1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。かつおの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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かつお1食分の栄養価

かつおにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは1食分として食べるかつおの量を「かつおのたたき6切れ(100g)」として、
かつおのたたきを6切れ食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
かつおにはどの栄養素が多い?
どんな効能が期待できる?
について、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
1食分の量は?
かつおのたたき6切れ(100g)。

かつおに多いビタミンは?
かつおのたたきを6切れ食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、かつおのたたき6切れに多いビタミンは……
ビタミンB12 | 350.0% |
ナイアシン | 200.0% |
ビタミンB6 | 69.1% |
ビタミンD | 47.1% |
かつおにはビタミンB12とナイアシンが凝縮。ただどちらも私たちが十分に摂れている栄養素です。
逆にビタミンB6とDは不足しがちなので、かつおでしっかりと補うことができます。
次はかつおにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
かつおに多いミネラルは?
かつおのたたき6切れを食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、かつおのたたき6切れに多いミネラルは……
セレン | 172.0% |
リン | 35.0% |
鉄 | 29.2% |
カリウム | 21.5% |
銅 | 15.7% |
マグネシウム | 14.5% |
セレンはビタミンEの60倍の抗酸化力とも。であらゆる病気予防やアンチエイジングに効果を発揮します。
最後に、かつおのたたき6切れを食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、かつおの健康効果を紹介します。
かつおに食物繊維は多い?
かつおのたたき6切れで1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

かつおだけでなく、魚や貝類には食物繊維は含まれていません。
そんな食物繊維は水溶性と不溶性の2種類。私たちは不足しています。
水溶性食物繊維の多い食べ物は、海藻、大豆、豆腐、納豆、枝豆、さといも、果物など。くわしくはこちら。
水溶性食物繊維の多い食べ物ランキング75【1食分】で比較!
不溶性食物繊維の多い食べ物は、ブロッコリー、枝豆、大豆、おから、おからパウダー、さといもなど。くわしくはこちら。
不溶性食物繊維の多い食べ物ランキング75【1食分】で比較!
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
かつおでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
かつおで不足分を補える栄養素とその効果効能

かつおのたたき6切れで、女性にとって1日に必要な量の20%以上が摂れる栄養素はこちらの8つ。
ビタミンB12 | 350.0% |
ナイアシン | 200.0% |
セレン | 172.0% |
ビタミンB6 | 69.1% |
ビタミンD | 47.1% |
リン | 35.0% |
鉄 | 29.2% |
カリウム | 21.5% |
かつおはいろんな栄養素が多いですが、ビタミンB12やナイアシンなど私たちが十分に摂れている栄養素もあります。
かつおが体にいい、というのは、私たちに足りない栄養素を補えるから、ですよね?
そこで、
私たちに不足していて、かつおでしっかり補える栄養素は?
というかたちで見てみましょう。
ふだん不足しがちな栄養素がかつおのたたき6切れでどう増えるかというと……
ビタミンB6 | 99% →168% |
ビタミンD | 75% →122% |
鉄 | 112% →142% |
カリウム | 111% →133% |
マグネシウム | 81% →96% |
ビタミンB2 | 93% →108% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
では、この6つの栄養素にはどんなはたらきがあるのか。そして、かつおを食べるとどんな健康効果が得られるのか、見てみましょう。
ビタミンB6
私たちに不足していて、かつおに多い栄養素。
まず最初はビタミンB6。疲労回復、ホルモンバランスを整える、などのはたらきがあります。
かつおのビタミンB6の量は?
ビタミンB6の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
かつおのたたき6切れ(100g)に
ビタミンB6は0.76mg。これは、
女性:1日の推奨量の69.1%
男性:1日の推奨量の54.3%
ところで私たちは、ビタミンB6がどのくらい摂れている?
かつおのたたき6切れを食べるとどう増える?

女性:
平均摂取量=99%
かつおのたたき6切れ=69%
合計=168%
男性:
平均摂取量=90%
かつおのたたき6切れ=54%
合計=144%
ビタミンB6は体の中でも作られるので不足しにくいのですが、次のような人はB6不足に注意が必要です。
- プロテイン(たんぱく質)を多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などにも多く含まれています。
ビタミンB6の効能は?
- 疲労を回復して体をつくる
たんぱく質を分解してエネルギーを作り、筋肉・肌・髪・爪などを作る - 脂肪肝の予防
脂質の代謝を促進して肝臓に脂肪がたまらないように守る - 肌荒れや口内炎の予防
肌・髪・粘膜の代謝を促進する - ホルモンバランスを整える
月経前の体の悩みをやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる
- 神経伝達物質を作る
気持ちを安定させる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンB6解説」
ビタミンD

私たちに不足していて、かつおに多い栄養素。
2番目はビタミンD。骨を丈夫にしたり、免疫力を高める栄養素です。
かつおのビタミンDの量は?
ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
かつおのたたき6切れ(100g)に
ビタミンDは4μg。
1日の目安量の47%もの量です。
かつおのたたきを6切れ食べると、ビタミンDの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=75%
かつおのたたき6切れ=47%
合計=122%
男性:
平均摂取量=87%
かつおのたたき6切れ=47%
合計=134%
目標の80%前後しか摂れていないビタミンD。かつおのたたき6切れで不足分以上に補うことができます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」
ビタミンDの効能は?
- 骨を丈夫にする
カルシウムの吸収を助ける - 筋肉の動きをスムーズにする
血液中のカルシウム濃度を調整する - 風邪やインフルエンザから守る
免疫を高める
ビタミンDは日光を浴びると体内で作られますが、秋から冬にかけての日照時間が短い季節はビタミンDが不足しがち。
意識して日光を浴びたり、ビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなど)を食べるようにしましょう。
鉄分
私たちに不足していて、かつおに多い栄養素。
3つめは鉄分。骨を強くしたりウイルスから守るはたらきもあります。
かつおの鉄分の量は?
鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
かつおのたたき6切れ(100g)に
鉄分は1.9mg。これは、
女性:1日の推奨量の29%
男性:1日の推奨量の25%
かつおのたたきを6切れ食べると、鉄分の摂取量は……

女性:
平均摂取量=112%
かつおのたたき6切れ=29%
合計=141%
男性:
平均摂取量=107%
かつおのたたき6切れ=25%
合計=132%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効能は?
- 貧血の予防・改善
血液を作って全身に酸素を届ける - しなやかで動きやすい体に
コラーゲンを作って、骨、関節、筋肉、肌、粘膜などをしなやかに健康的に保つ - 骨をつくる
カルシウムとコラーゲンでできている骨。鉄分はコラーゲンを作ることで強い骨を作る。 - ウイルスや細菌から守る
ウイルスや細菌と戦うのはリンパ球や白血球。鉄分は白血球がしっかりはたらけるようサポートする。 - 美しい肌をつくる
コラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する。
1日の目標量を摂れていますが、貧血ぎみ、疲れやすい、肌荒れが気になる、風邪をひきやすい、といった人は鉄分不足かも。
レバー、豆乳、厚揚げ、木綿豆腐、さば味噌缶、そば、枝豆、大根の葉っぱなど、鉄分の多い食べ物を積極的に摂りましょう!
カリウム

4つめはカリウム。高血圧やむくみ解消に効能を発揮するミネラルですね。
かつおのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
かつおのたたき6切れ(100g)に
カリウムは430mg。これは、
女性:1日の目安量の22%
男性:1日の目安量の17%
かつおのたたき6切れでカリウムの摂取量は……

女性:
平均摂取量=111%
かつおのたたき6切れ=22%
合計=133%
男性:
平均摂取量=96%
かつおのたたき6切れ=17%
合計=113%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効能は?
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、濃い味付けが好き、という人はカリウム不足の傾向が。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べましょう。
マグネシウム
5つめはマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
かつおのマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
かつおのたたき6切れ(100g)に
マグネシウムは42mg。これは、
女性:1日の推奨量の14.5%
男性:1日の推奨量の11.4%
かつおのたたきを6切れ食べると……

女性:
平均摂取量=81%
かつおのたたき6切れ=15%
合計=96%
男性:
平均摂取量=71%
かつおのたたき6切れ=11%
合計=82%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムの効能は?
- 骨を丈夫にする
骨や歯にカルシウムを届けるとともに、しなやかな骨を保つ - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
筋肉をゆるめる - 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
動脈をゆるめて血圧を下げる - 気持ちをおだやかにする
神経の興奮をおさえてイライラをやわらげる
たとえカルシウムが十分にあってもマグネシウムは不足していると丈夫な骨は作られません。
心臓の動きを守ったり高血圧を予防するはたらきもあるマグネシウムですが、私たちにはかなりの不足。
かつおのほかマグネシウムの多い食べ物は、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類などがあります。
ビタミンB2

6つめはビタミンB2。疲労回復、脂肪分解、生活習慣病の予防にも効果を発揮します。
かつおのビタミンB2の量は?
ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
かつおのたたき6切れ(100g)に
ビタミンB2は0.17mg。これは、
女性:1日の推奨量の14.2%
男性:1日の推奨量の10.6%
かつおのたたきを6切れ食べると……

女性:
平均摂取量=93%
かつおのたたき6切れ=14%
合計=107%
男性:
平均摂取量=76%
かつおのたたき6切れ=11%
合計=87%
男性はかなりのビタミンB2不足。レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB2の効能は?
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - ダイエット
新陳代謝を高めて脂肪を燃焼する - デトックス
体にたまった有害物質を排出する - 子供の発育促進
細胞を再生する - 美肌・美髪
細胞を再生する - 生活習慣病予防
動脈硬化や老化を促進する脂質である「過酸化脂質」を防ぐ - 便秘予防
腸内環境を整える
以上、私たちの不足分を補ってくれるかつおの栄養素について紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて、かつおを食べるとどんな効能が期待できるのか、お伝えします。
かつおの8つの効果効能

かつおにはビタミンB群、D、セレン、鉄分、カリウム、マグネシウムなどの栄養素が豊富。
そんなかつおに期待される効果効能は……
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - 脂肪肝を予防する
脂質の代謝を促進して肝臓に脂肪がたまらないように守る - 高血圧を予防する
余分なナトリウムを排出し、動脈をゆるめて血圧を下げる - 骨を丈夫にする
カルシウムは少ないものの、ビタミンD、鉄、マグネシウムが骨や歯を強くする - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を予防する
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 貧血を予防する
- 筋肉をスムーズに動かす
しなやかで動きやすい体に - アンチエイジング
高い抗酸化作用で老化・病気を予防する
生活習慣病や骨粗しょう症を予防し、若々しく元気な体をサポートしてくれるのがかつおなのです。
かつおに多い栄養素:まとめ
かつおに多い栄養素や効果効能についてお伝えしました。
かつおに多い栄養素:1日の目標量に対して多い栄養素は、ビタミンB群、D、マグネシウム、カリウム、リン、鉄分、亜鉛、セレン
かつおでふだんの不足を補える栄養素:ビタミンB2、B6、D、鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛など
かつおの健康効果:疲労回復、脂肪肝の予防、高血圧の予防、骨や歯を丈夫にする、不整脈・狭心症・心筋梗塞の予防、貧血予防、筋肉をスムーズに動かす、アンチエイジング
青魚の健康効果が満載のかつお。元気で若々しい毎日のためにぜひ活用してみてはいかがでしょうか。