アジは刺身にしても焼いてもフライにしても美味しい身近な魚。EPAやDHAもたっぷりな青魚の代表です。
そんなアジにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- アジはどの栄養素が多いの?
- アジフライ2枚で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。アジの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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アジ1食分の栄養価

アジにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
100gあたりの栄養価がよく紹介されていますが、
- アジ100gって、アジ何枚?
- 加熱したら栄養価も変わるでしょ?
そこで、1食分として食べるアジの量として……
アジフライを2枚食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
アジにはどの栄養素が多い?
どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1食分の量は?
アジフライ2枚(100g)。
アジ1枚が約100g。頭や骨などを落とすと半分の約50gに。1食分をアジフライ2枚で100gとしました。
生のアジではなくフライにしたアジフライの栄養価です。

アジに多いビタミンは?
アジフライを2枚食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、アジフライ2枚に多いビタミンは……
ビタミンB12 | 312.5% |
ビタミンD | 82.4% |
ナイアシン | 68.3% |
ビタミンE | 56.7% |
ビタミンB12とナイアシンはふだんから十分に摂れている栄養素。ただビタミンDとEは不足しがちなので、アジが十分に補ってくれるのはうれしいですね。
次はアジにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
アジに多いミネラルは?
アジフライ2枚で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、アジフライ2枚に多いミネラルは……
リン | 31.3% |
カリウム | 16.5% |
カルシウム | 15.4% |
亜鉛 | 15.0% |
鉄分 | 12.3% |
マグネシウム | 12.1% |
リンはいろんな食べ物に含まれていて不足しにくい栄養素。
私たちに不足しているのはカルシウムとマグネシウム。アジでしっかりと補えます。
では、アジフライを2枚食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、アジの効果効能を紹介します。
アジに食物繊維は多い?
アジフライ2枚で1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

食物繊維は不溶性と水溶性の2種類がありますが、魚や貝類には食物繊維は含まれていません。
不溶性食物繊維は目標量の90%とやや不足ぎみ。多い食べ物は、ブロッコリー、枝豆、大豆、おから、おからパウダー、さといもなど。くわしくはこちらをご覧ください。
不溶性食物繊維が多いのはこの食べ物!1食分あたりで比較!
水溶性食物繊維は目標量の55%しか摂れていません。多い食べ物は、海藻、大豆、豆腐、納豆、枝豆、さといも、果物など。くわしくはこちらをご覧ください。
水溶性食物繊維が多いのはこの食べ物!1食分あたりで比較!
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
アジでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
アジで不足分を補える栄養素とその効果効能

アジフライ2枚で、女性が1日に必要な栄養素の30%以上が摂れるものはこちら。
ビタミンB12 | 312.5% |
ビタミンD | 82.4% |
ナイアシン | 68.3% |
ビタミンE | 56.7% |
リン | 31.3% |
ただビタミンB12など、アジにも豊富ですが普段から十分に摂れている栄養素もあります。
なぜアジが体にいいのか、といえば、私たちに足りない栄養素がしっかり補えるから。
そこで、
私たちに不足しがちだけれど、アジでしっかり補える栄養素は?
というかたちで見てみましょう。
ふだん不足しがちな栄養素がアジフライ2枚でどう増えるかというと……
ビタミンD | 75% →158% |
ビタミンE | 108% →165% |
カルシウム | 76% →91% |
亜鉛 | 96% →111% |
ビタミンB2 | 93% →106% |
マグネシウム | 81% →93% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
では、これらの栄養素にはどんなはたらきがあるのか、アジフライ2枚でどんな効果効能が得られるのか、見てみましょう。
ビタミンD
私たちに不足していて、アジに多い栄養素。
最初の栄養素はビタミンD。骨を強くしたり免疫を高める効果があります。
アジのビタミンDの量は?
ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
アジフライ2枚(100g)に
ビタミンDは7μg。
1日の目安量の82%もの量です。
μg(マイクログラム)は
100万分の1グラム。
1g=1000mg(ミリグラム)
1mg=1000μg
ところで、私たちはビタミンDがちゃんと摂れている?
アジフライを2枚食べるとどのくらい増える?

女性:
平均摂取量=75%
アジフライ2枚=82%
合計=157%
男性:
平均摂取量=87%
アジフライ2枚=82%
合計=169%
80%ほどしか摂れていないビタミンDですが、アジフライならしっかりと補うことができます。
ビタミンDの効能は?
- 骨を丈夫に
カルシウムの吸収を助ける - 筋肉の動きをスムーズに
血液中のカルシウム濃度を調整する - 風邪やインフルエンザから守る
免疫を高める
ビタミンDが不足すると骨粗しょう症のリスクが高まります。
日光を浴びると体内で作られるビタミンDですが、冬は日照時間も短いのでビタミンDが不足しがち。
冬は風邪やインフルエンザ予防のためにも、特に意識して日光を浴びたり、ビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、ぶり、しらす、たまごなど)を食べるようにしましょう。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、eJIM「ビタミンD」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンE

不足しがちな栄養素の2つめはビタミンE。
サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくしてくれる栄養素です。
アジのビタミンEの量は?
ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
アジフライ2枚(100g)に
ビタミンEは3.4mg。これは、
女性:1日の目安量の56.7%
男性:1日の目安量の48.6%
アジフライを2枚食べると、ビタミンEはどう増える?

ふだんの食生活にアジフライ2枚をプラスすると……
女性:
平均摂取量=108%
アジフライ2枚=57%
合計=165%
男性:
平均摂取量=100%
アジフライ2枚=49%
合計=149%
ふだんから目標ギリギリは摂れているようですが、血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などは十分に摂りたい栄養素です。
アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉、サバ缶、鮭、ゴールドキウイなどビタミンEの多い食べ物を意識して食べましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効能は?
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
とにかく流れをよくするのがビタミンE、ということ。そして高い抗酸化作用で若々しく元気な体をサポートします。
カルシウム
不足しがちな栄養素の3つめはカルシウム。高血圧の予防にも大切な栄養素です。
アジのカルシウムの量は?
カルシウムの1日の推奨量は、
女性が650mg、男性が750mg。
アジフライ2枚(100g)に
カルシウムは100mg。これは、
女性:1日の推奨量の15%
男性:1日の推奨量の13%
アジフライを2枚食べると、カルシウムの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=76%
アジフライ2枚=15%
合計=91%
男性:
平均摂取量=69%
アジフライ2枚=13%
合計=82%
目標の70%ほどしか摂れていないカルシウム。アジで15%ほど補えますがそれでもまだ足りません。
さば缶、しらす、厚揚げ、高野豆腐、豆腐、大根の葉、小松菜、豆乳など、カルシウムの多い食べ物をしっかり摂りましょう。
カルシウムの効能は?
- 骨や歯を作る
主成分となって骨や歯を強く丈夫にする - 筋肉をスムーズに動かす
カルシウムが筋肉をギュッと縮めてマグネシウムがフワッとゆるめることで、筋肉をしなやかに動かす - 心臓を規則的に動かす
筋肉の動きをスムーズにして心臓のリズムを維持する - 高血圧を予防する
血液中のカルシウム濃度を調整して高血圧を予防する - 止血する
- 気持ちをおだやかにする
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
亜鉛

4つめは亜鉛。味覚、免疫アップ、子供の成長に欠かせないミネラルです。
アジの亜鉛の量は?
亜鉛の1日の推奨量は、
女性が8mg、男性が11mg。
アジフライ2枚(100g)に
亜鉛は1.2mg。これは、
女性:1日の推奨量の15%
男性:1日の推奨量の11%
アジフライを2枚食べると、亜鉛の摂取量は……

女性:
平均摂取量=96%
アジフライ2枚=15%
合計=111%
男性:
平均摂取量=84%
アジフライ2枚=11%
合計=95%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
感染症の予防にも効果的な亜鉛ですが、私たちにはやや不足ぎみ。
アジのほかにも亜鉛が多い食べ物は、牡蠣、いか、さば缶、レバー、豚肉、厚揚げ、高野豆腐、アーモンドなど。くわしくはこちらをご覧ください。
亜鉛の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
亜鉛の効能は?
- 味覚を正常に保つ
- 感染症を予防する
免疫力を高めて風邪やインフルエンザなどを予防する - 生活習慣病の予防
抗酸化作用で活性酸素を除去する - 糖尿病の予防
- 美肌・美髪
コラーゲンを作るだけでなく、メラニンの代謝を促進する - 抜け毛の予防
- 有害物質を排出する
- 生殖機能を高める
精子の生成や運動を促進する
ビタミンB2
不足しがちな栄養素、5つめはビタミンB2。
疲労を回復して脂肪も分解。生活習慣病の予防にも効果を発揮します。
アジのビタミンB2の量は?
ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
アジフライ2枚に
ビタミンB2は0.15mg。これは、
女性:1日の推奨量の13%
男性:1日の推奨量の9%
アジフライを2枚食べるとビタミンB2の摂取量は……

女性:
平均摂取量=93%
アジフライ2枚=13%
合計=106%
男性:
平均摂取量=76%
アジフライ2枚=9%
合計=85%
男性はかなりのビタミンB2不足。さらに、揚げ物が好き、お酒が好き、お菓子が好き、ストレスが多い、忙しい、運動が好き、といった人は不足しがち。
レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
ビタミンB2の効能は?
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - ダイエット
新陳代謝を高めて脂肪を燃焼する - デトックス
体にたまった有害物質を排出する - 子供の発育促進
細胞を再生する - 美肌・美髪
細胞を再生する - 生活習慣病予防
動脈硬化や老化を促進する脂質である「過酸化脂質」を防ぐ - 便秘予防
腸内環境を整える
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
マグネシウム

6つめの栄養素はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
アジのマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
アジフライ2枚(100g)に
マグネシウムは35mg。これは、
女性:1日の推奨量の12.1%
男性:1日の推奨量の9.5%
アジフライを2枚食べるとマグネシウムの摂取量は……

女性:
平均摂取量=81%
アジフライ2枚=12%
合計=93%
男性:
平均摂取量=71%
アジフライ2枚=10%
合計=81%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムの効能は?
マグネシウムのおもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
カルシウムを骨や歯に届けるとともにしなやかな骨を保つ - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
筋肉をゆるめる - 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
動脈をゆるめて血圧を下げる - 気持ちをおだやかにする
神経の興奮をおさえてイライラをやわらげる
マグネシウム不足で糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクがぐんと高まると言われています。
アジフライ2枚で10%ほど補えるものの、まだ目標量には足りません。
豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、落花生、アーモンド、天津甘栗、魚介類など、マグネシウムの多い食べ物を積極的に食べましょう。
以上、アジに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて、アジにはどんな効能があるの?についてお伝えします。
アジの7つの効果効能

アジにはビタミンやミネラルがたっぷり。そんなアジに期待される効能をまとめてみました。
- 骨や歯を作って丈夫にする
- サラサラ効果で心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心臓のはたらきを守る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 感染症を予防する
- 肌や髪を美しくする
骨を強くする、生活習慣病を予防する、感染症を予防する、というのがアジに期待される効果です。
アジに多い栄養素:まとめ
アジに多い栄養素や効果効能についてお伝えしました。
アジに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンB12、ビタミンD、ナイアシン、ビタミンE、リン、カリウム、カルシウム、ビタミンK、亜鉛
アジでふだんの不足を補える栄養素:ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、亜鉛、ビタミンB2、マグネシウム
アジの効能:骨や歯を強くする、心筋梗塞や脳梗塞の予防、心臓のはたらきを守る、筋肉をスムーズに動かす、高血圧の予防、感染症の予防、美肌、美髪
青魚のサラサラ効果のほかにも効能が満載なアジ。積極的に食べてみてはいかがでしょうか。