かぼちゃは煮物やサラダだけでなく、スイーツとしても活躍する緑黄色野菜の代表。
そんなかぼちゃにはどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- かぼちゃはどの栄養が多い?
- かぼちゃの煮物2切れ食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。かぼちゃの栄養をしっかり吸収して元気な毎日を過ごしましょう。
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かぼちゃ小皿1皿の栄養価
かぼちゃに多い栄養は、ビタミンEがダントツ。その他はビタミンA、C、B群、カリウム、銅、マグネシウム、食物繊維など。
かぼちゃの効果として、動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、免疫力アップ、アンチエイジング、貧血予防、便秘解消、美肌・美髪などが期待できます。
そんなかぼちゃ。
どの栄養がどれほど豊富で、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、一度に食べる量として……
- かぼちゃの煮物を2切れ食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - かぼちゃに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてお伝えします。
かぼちゃの煮物の小皿1皿
=2切れで77g
1/4玉のかぼちゃの種を除いて煮ると309gに。これを4人分として1人分は77g。生のかぼちゃの栄養価ではなく、煮たかぼちゃ2切れの栄養価をお伝えします。
かぼちゃに多いビタミン
まずはビタミン。
かぼちゃの煮物を2切れ食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
かぼちゃ2切れに多く含まれているビタミンは次の3つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンE | 60% |
ビタミンA | 36% |
ビタミンC | 25% |
かぼちゃにダントツに多い栄養はビタミンE。わずか2切れで1日に必要なビタミンEの半分以上を摂ることができます。
抗酸化ビタミントリオの「A・C・E」を筆頭に、ビタミンB群(B6、葉酸、パントテン酸、ナイアシン)、ビタミンKも豊富。
かぼちゃを少し食べるだけで、あらゆるビタミンをたっぷり摂ることができます。
次はかぼちゃにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
かぼちゃに多いミネラル
かぼちゃの煮物2切れで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
かぼちゃ2切れに多く含まれているミネラルは次の4つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
カリウム | 17% |
銅 | 8% |
マグネシウム | 6% |
鉄分 | 6% |
ビタミンほどではないものの、カリウム、銅、マグネシウム、鉄分なども多く含まれています。
では、かぼちゃ2切れあたりの食物繊維をお伝えしてから、かぼちゃの7つの効果効能を紹介します。
かぼちゃに多い食物繊維
かぼちゃの煮物2切れで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 21% |
水溶性食物繊維 | 12% |
私たちに不足している栄養素ですがかぼちゃにはたっぷり!不溶性食物繊維は不足分をまるまる補うことができます。
ただ水溶性食物繊維は1日に必要な量の半分も不足しているので、かぼちゃを食べてもまだまだ足りません。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
では……
かぼちゃに多い栄養には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
かぼちゃに多い栄養とその効果
かぼちゃ2切れに含まれている栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンE | 60% |
ビタミンA | 36% |
ビタミンC | 25% |
不溶性食物繊維 | 21% |
カリウム | 17% |
この5つの栄養に次いで、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、水溶性食物繊維、ビタミンKなどがかぼちゃに豊富に含まれています。
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- かぼちゃ2切れでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンE
かぼちゃにもっとも多い栄養はビタミンE。血管の掃除役でサラサラ効果と高い抗酸化作用を発揮します。
かぼちゃのビタミンEの量は?
1日に必要なビタミンEは
女性が6mg、男性が7mg。
かぼちゃ2切れに3.6mg。
さて私たちは、普段からビタミンEをどのくらい摂れていて、かぼちゃを2切れ食べるとどれほど増えるのかというと……
女性が摂れている量は、108%
かぼちゃ2切れに、60%
合計で、168%
男性が摂れている量は、100%
かぼちゃ2切れに、52%
合計で、152%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンE解説」
ビタミンEの効果
ビタミンEのおもなはたらきは次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
強力な抗酸化力がコレステロールや脂肪の酸化を防ぎ、血管の細胞膜のダメージも防いで、血管を健康にしなやかに保つ栄養です。
ちなみに、かぼちゃのほかビタミンEが豊富な食べ物はこちら↓
ビタミンA
2番目の栄養はビタミンA。粘膜を守り、免疫を高めて、目の健康も守る栄養です。
かぼちゃのビタミンAは?
1日に必要なビタミンAは、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
かぼちゃ2切れに254μgRAE。
では、普段からどのくらい摂れていて、かぼちゃ2切れでどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、74%
かぼちゃに、36%
合計で、110%
男性が摂れている量は、61%
かぼちゃに、28%
合計で、89%
ビタミンAの効果
おもなはたらきは次の5つ。
- 風邪などの感染症から守る
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ウイルスによる感染症に負けない免疫力を高めるために欠かせないビタミンA。にもかかわらず私たちには大幅に不足しています。
かぼちゃならしっかり補えるものの、まだ十分ではありません。ビタミンAの多い食べ物を意識して食べましょう↓
ビタミンC
かぼちゃに3番目に多いビタミンC。ストレスに対抗する、活性酸素を除去するなどあらゆるはたらきのある栄養です。
かぼちゃのビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
かぼちゃ2切れには25mg。
かぼちゃを食べると……
女性が摂れている量は、96%
かぼちゃの煮物に、25%
合計で、121%
男性が摂れている量は、91%
かぼちゃの煮物に、25%
合計で、116%
ビタミンCは男女ともにやや不足気味。かぼちゃで不足分を十分に補うことができます。
ビタミンCの効果
おもなはたらきは次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める(ウイルスへの抵抗力を高める)
- 老化や病気を予防する(抗酸化作用)
- ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ビタミンA・C・Eは「ビタミンのエース」と呼ばれる抗酸化ビタミン。免疫アップにも活躍する栄養で、かぼちゃにはどれも豊富。野菜の優等生です。
不溶性食物繊維
4番目に豊富な栄養は不溶性食物繊維。野菜やきのこ類に多く、便秘解消やデトックスなどのはたらきがあります。
かぼちゃの不溶性食物繊維は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
かぼちゃ2切れに2.5g。
かぼちゃを食べると……
女性が摂れている量は、93%
かぼちゃには、21%
合計で、114%
男性が摂れている量は、84%
かぼちゃには、18%
合計で、102%
かぼちゃなら不溶性食物繊維の不足分もしっかり補うことができます。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘の解消
(便の量や回数が少ないタイプの便秘を解消) - ダイエット
(腸のなかで膨らんで満腹感が持続) - 有害物質の排出
ちなみに、水溶性の食物繊維もかぼちゃには豊富。1日に必要な量の10%ほど補うことができ、生活習慣病予防に効果を発揮します。
便秘解消に効果的な不溶性食物繊維ですが、便秘のタイプによってはかえってひどくなることも。くわしくはこちらで解説しています↓
カリウム
かぼちゃに5番目に豊富なカリウム。余分な塩分を体から出すだけでなく、心臓のはたらきも守る栄養素です。
かぼちゃのカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
かぼちゃ2切れに331mg。
かぼちゃを食べると……
女性が摂れている量は、111%
かぼちゃには、17%
合計で、128%
男性が摂れている量は、96%
かぼちゃには、13%
合計で、109%
「カリウムといえばバナナ」のイメージですが、バナナ1本(90g)よりかぼちゃ2切れ(77g)のほうが、カリウムの量がすこしだけ多く摂れます。
バナナのカリウムの量とほかの食べ物との比較はこちら↓
バナナ1本のカリウムの量は?ほかの食べ物と比べると?
カリウムの効果
おもなはたらきは次の4つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
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かぼちゃに多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
- かぼちゃを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
かぼちゃの7つの効果効能
かぼちゃは豊富なビタミンや食物繊維を中心にいろんな栄養が凝縮。
これらの栄養のはたらきから、かぼちゃに期待される効果をまとめてみました。
- 動脈硬化や心筋梗塞を予防する
ビタミンA、C、Eの強力な抗酸化力が悪玉コレステロールをおさえて、血管を健康にしなやかに保つ - 感染症をから守る
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックし、ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - アンチエイジング
ビタミンA、C、Eの高い抗酸化作用が病気や老化の原因となる活性酸を除去する - 貧血を予防する
ビタミンCが鉄分の吸収を高め、ビタミンEがサラサラ効果で酸素を全身に運ぶ - 便秘の解消
不溶性食物繊維が腸のなかで数倍から数十倍にふくらんで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にする - 美肌・美髪
ビタミンAとEが新陳代謝を促進して肌にハリとうるおいを与え、髪や爪を健康に保つ - ストレスから守る
ビタミンCやパントテン酸がストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する
ということで、かぼちゃをぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそかぼちゃを食べて!
かぼちゃをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 揚げ物や味付けの濃い食べ物が好き
- お腹まわりが気になる
- 血圧が高い
- 風邪をひきやすい
- 便秘ぎみ
- 肌荒れ、髪のパサつきが気になる
- ストレスを抱えて忙しい毎日を過ごしている
- 若々しく元気でいたい
あらゆる栄養がたっぷりで健康や美容に幅広い効果をもたらしてくれるのがかぼちゃなのです。
かぼちゃに多い栄養:まとめ
かぼちゃに多い栄養についてお伝えしました。
かぼちゃに多い栄養:ビタミンA、C、E、不溶性食物繊維、カリウム、ビタミンB6、葉酸、ナイアシン、水溶性食物繊維、ビタミンKなど
かぼちゃの効果:動脈硬化の予防、悪玉コレステロールをおさえる、免疫力アップ、さまざまな病気や老化の予防、流れをよくする、便秘解消、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:生活習慣病を予防したい、メタボが気になる、風邪をひきやすい、便秘ぎみ、肌荒れや髪のパサつきが気になる、ストレスが多い
かぼちゃはウイルスや活性酸素からあなたを守って、若々しく美しくしてくれる野菜。
ふだんの食生活に積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。