ビタミンAの多い食べ物でまず思いつくのは、にんじんなどの緑黄色野菜、うなぎ、レバーなどですね。
でもビタミンAが多いと言われている食べ物も「100gあたり」ではなく「1食分あたり」で見てみると、ビタミンAの含有量は本当に多いのでしょうか?
そこで身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりの含有量に換算してビタミンAの多い食べ物を30位までランキングしました。
料理不要でビタミンAがかんたんに摂れる食べ物や、たった一口でもビタミンAがたっぷり含まれている食べ物もありますよ。
【関連記事】ビタミンAが多い野菜ランキング20【1食分】で比較!
【関連記事】ビタミンAが多い果物ランキング20【1食分】で比較!
ビタミンAの効果とは?
ビタミンAの多い食べ物をご紹介する前に、まずはビタミンAの効果は?、不足したら? 摂りすぎたら? についてお伝えします。
ビタミンAの5つの効果
ビタミンAにはおもに次のような効果があるとされています。
- 風邪などの感染症の予防:
粘膜を正常に保つ - さまざまな病気や老化の予防:
抗酸化作用 - 美肌・美髪:
肌、爪、髪を丈夫に保つ - 夜盲症の予防:網膜で光を感じる物質の成分として視力を守る
- 子供の成長を促進
ビタミンAといえば、粘膜を守る、ウイルスから守って免疫を高める、目を助ける、といった効果がイメージされますね。
不足すると?
ビタミンAが不足するとどうなるかというと……
- 免疫力が低下する
- 風邪をひきやすくなる
- いろんな病気を予防するはたらきが低下する
- 肌や髪や爪が弱くなる(いたむ)
- 視力が低下する
- 暗い所での視力が弱くなる
- 子供の成長が妨げられる
摂りすぎると?
ビタミンAは摂りすぎるのも良くありません。
ビタミンAを摂りすぎると……
- 食欲不振
- 頭痛
- 吐き気
- 発疹
- 妊娠初期では胎児に障害が出る可能性も
※参考サイト:e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
不足するのも、過剰に摂りすぎるのも良くないビタミンA。
とはいえ一般的な食生活をしていて「ビタミンAを摂りすぎて悪影響が」ということはまずないでしょう。
サプリメントからの摂りすぎには注意が必要ですね。
そこでビタミンAは1日にどのくらいの量を摂るのがよいのかお伝えします。
ビタミンAの1日の推奨量
ビタミンAは1日の摂取量の目安(推奨量)は年齢によって異なります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」が定めているビタミンAの1日の推奨量はこちらです。

ビタミンAの1日の推奨量
30~64歳で見ると、
女性:700µgRAE
男性:900µgRAE
※ビタミンAの含有量は「レチノール活性当量(単位:μgRAE)」であらわされます。
ところで私たちはビタミンAをちゃんと摂れているのでしょうか?
ビタミンAはちゃんと摂れている?
私たちが実際に摂れているビタミンAの量はこちらです!
ビタミンAの実際の摂取量
女性:518μgRAE
※ 182μgRAE不足
(26%不足)
男性:552μgRAE
※ 348μgRAE不足
(39%不足)
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ビタミンA、まったく足りていません。特に男性は目標の60%ほどしか摂れていないのです。
これでは免疫力が低下してウイルスに負けてしまってもなにも不思議ではありません。感染症を予防するためにもビタミンAをしっかり摂りましょう。
では【1食分あたり】でビタミンAの多い食べ物をランキングで30位まで 紹介します。
ビタミンAの多い食べ物ランキング
ビタミンAの含有量の多い食べ物、30位までのランキングです。
ふだんの食生活で身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりに含まれるビタミンAの多い食べ物を紹介します。
1~10位
1~10位の食べ物を紹介する前に、1食分あたりで含有量の多い順に30位までグラフにまとめました。

ビタミンAの含有量はレバーやうなぎがダントツ。にんじんも1食分で1日に必要な量(推奨量)の6割から8割も摂ることができます。
チーズ、焼きのり、しらすなども、1食分はわずかな量なのにビタミンAがしっかり補給できますね。
ではこの30位までの食べ物それぞれについて、
- 1食分ってどのくらいの量なの?
- 1食分に含まれるビタミンAの量は?
をお伝えします。まずは1~10位まで。
ビタミンAの1日の推奨量
女性:700µgRAE
男性:900µgRAE
第1位:鶏レバー

【1食分】
鶏レバーの甘辛煮1皿
(鶏レバー100g使用)に
14,000μgRAE
第2位:豚レバー

【1食分】
レバニラ炒め1皿
(豚レバー100g使用)に
13,000μgRAE
第3位:うなぎ(蒲焼き)

【1食分】
うな重1食分(うなぎ100g)に
1,500μgRAE
4位:牛レバー

【1食分】
牛レバーステーキ(100g)に
1,100μgRAE
鶏・豚・牛のレバーやうなぎなら、1食分で1日のビタミンAの推奨量を超える量を摂ることができます。
5位:にんじん(しりしり)

【1食分】
にんじんしりしり小鉢一皿(80g)に
576μgRAE
1日に必要なビタミンAの82%(男性なら64%)を摂ることができます。
ビタミンA以外にも栄養が豊富なにんじん。どんな栄養が多いのかこちらでくわしく紹介しています。
にんじんしりしりに多い栄養素はこれ!7つの効果効能もご紹介!
6位:春菊(おひたし)

【1食分】
春菊のおひたし一皿(64g)に
352μgRAE
7位:すいか

【1食分】
1/8玉(375g)に
259μgRAE
すいかはカリウムをはじめ意外にも栄養の多い食べ物。こちらでもくわしく紹介しています。
すいかの栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?7つの効果効能とは?
8位:西洋かぼちゃ(煮物)

【1食分】
かぼちゃの煮物小鉢一皿(77g)に
254μgRAE
1日に必要なビタミンAの36%(男性なら28%)を摂ることができます。
9位:大根の葉(炒め物)

【1食分】
大根の葉っぱの炒め物の
小皿1皿(大根の葉50g)に
165μgRAE
大根の葉っぱは立派な緑黄色野菜。ビタミンAだけでなく、ビタミンC、葉酸、ビタミンK、カルシウム、鉄分など、いろんな栄養素がたっぷり含まれている野菜です。
大根の葉に多い栄養についてくわしくはこちらをご覧ください。
大根の葉は栄養の宝庫!どんな栄養が多い?効果効能は?
10位:ほうれんそう(サラダ)

【1食分】
ほうれんそうのサラダ一皿
(ほうれんそうを45g使用)に
156μgRAE
1日に必要なビタミンAの22%(男性なら17%) を摂ることができます。
ほうれんそうのおひたしなら小鉢一皿(33g)に149μgRAE(推奨量の20%)です。
以上、1~10位まで紹介しました。
次は【1食分あたり】でビタミンAの多い食べ物、11~20位を紹介します。
11~20位
ビタミンAの多い食べ物。
続いて11~20位です。
ビタミンAの1日の推奨量
女性:700µgRAE
男性:900µgRAE
11位:チェダーチーズ
【1食分】
チェダーチーズ40gに
132μgRAE
チーズは手軽にビタミンAが摂れる食べ物ですね。40g食べると1日に必要なビタミンAの18%ほどを補えます。
12位:小松菜(おひたし)

【1食分】
小松菜のおひたし小鉢一皿(50g)に
130μgRAE
小松菜は骨を強くするビタミンKやカルシウム、貧血予防の葉酸や鉄分なども豊富。
小松菜に多い栄養と健康効果についてはこちらでくわしく紹介しています。
小松菜の栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?7つの効果効能は?
13位:たまご(生たまごの全卵)
【1食分】
Lサイズ1個(60g)の生たまごに
126μgRAE
1日に必要なビタミンAの18%(男性なら14%)になります。
14位:ミニトマト(サラダ)

【1食分】
Mサイズ10個(150g)に
120μgRAE
ミニトマトは普通のトマトよりビタミンCも葉酸もカリウムも豊富。
ミニトマトにはどんな栄養素が多いのか、こちらでくわしく紹介しています。
ミニトマトに多い栄養素とは?8つの効果効能もご紹介!
15位:サニーレタス(サラダ)
【1食分】
サラダ一皿(1/4個:70g)に
119μgRAE
普通のレタスより栄養豊富なサニーレタス。多い栄養素と健康効果はこちらをご覧ください。
サニーレタスは栄養の宝庫!どんな栄養素が多い?8つの効果効能は?
16位:ゴーダチーズ
【1食分】
ゴーダチーズ40gに
108μgRAE
17位:プロセスチーズ
【1食分】
プロセスチーズ40gに
104μgRAE
18位:ゆでたまご(全卵)
【1食分】
Lサイズ1個のゆでたまご(60g)に
102μgRAE
1日に必要なビタミンAの15%(男性なら11%)を摂ることができます。
19位:にら(レバニラ炒め)
【1食分】
レバニラ炒め1皿
(ニラ24g使用)に
91μgRAE
ニラはほんの少量にも栄養素がぎっしり。多く含まれている栄養についてはこちらでくわしく紹介しています。
ニラの栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?7つの効果効能とは?
20位:牛乳
【1食分】
200ml入り1パックに
78μgRAE
次は【1食分あたり】でビタミンAの多い食べ物、21~30位を紹介します。
21~30位
ビタミンAの多い食べ物。
最後は21~30位です。
ビタミンAの1日の推奨量
女性:700µgRAE
男性:900µgRAE
21位:トマト水煮缶詰(ホール:食塩無添加)

【1食分】
トマトの水煮150gに
71μgRAE
22位:わかさぎ(フライ)
【1食分】
わかさぎのフライ7尾(70g)に
69μgRAE
23位:焼きのり
【1食分】
おにぎりサイズ3枚
(3切×3枚で3g)に
69μgRAE
1日に必要なビタミンAの10%(男性なら8%)が含まれています。
24位:トマト(サラダ)
【1食分】
中サイズ1個(150g)に
68μgRAE
25位:みかん
【1食分】
Mサイズ1個(80g)に
67μgRAE
手軽に食べられるみかんには栄養素もバランスよく凝縮。くわしくはこちらをご参考に。
みかんは栄養素の宝庫!みかん1個の栄養価と10の効果効能とは?
26位:柿

【1食分】
柿1個に
64μgRAE
柿はビタミンCもカリウムも食物繊維もたっぷり。柿の栄養価と効能はこちらをご覧ください。
柿の栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?6つの効果効能とは?
27位:しらす干し
【1食分】
しらす丼1杯分
(しらす30g)に
57μgRAE
28位:トマトジュース(食塩無添加)
【1食分】
200ml入り1パックに
52μgRAE
29位:ブロッコリー(温野菜)
【1食分】
ブロッコリーの温野菜一皿(72g)に
50μgRAE
30位:水菜(サラダ)
【1食分】
水菜のサラダ一皿(43g)に
47μgRAE
1日に必要なビタミンAの7%(男性なら5%)を摂ることができます。
ビタミンAの多い食べ物を「1食分あたり」で1位~30位までご紹介しました。もう1度グラフで見てみましょう。

いかがでしたでしょうか。身近な食べ物のなかに、意外とビタミンAが多い食べ物もあったのではないでしょうか?
ビタミンAの多い食べ物:まとめ
ビタミンAの多い食べ物を【1食分あたり】に換算して、ランキングでご紹介しました。
ビタミンAの効果:感染症の予防、いろんな病気や老化の予防、美肌・美髪、夜盲症の予防、子供の成長を促進
不足すると?:免疫が低下、風邪をひきやすい、肌・髪・爪が弱くなる、視力が低下、子供の成長への影響
摂りすぎると?:食欲不振、頭痛、吐き気、発疹、妊娠初期に胎児に障害が出る可能性
1日の推奨量:成人女性で650~700μgRAE、成人男性で800~900μgRAE
ビタミンAの多い食べ物:レバー、うなぎ、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、小松菜、チーズ、たまご(生・ゆで)、トマトなど
油と一緒に摂ることで吸収率が高まるビタミンA。免疫を高めるためにもビタミンAの多い食べ物を積極的に摂りたいものですね。