ニラと言えばレバニラ炒めやもつ鍋といったイメージでしょうか。
メインとしてたくさん食べる野菜ではないものの、少しの量にも栄養素がギュッと凝縮されていること、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ニラにはどの栄養素が多い?
- レバニラ炒め1皿で1日に必要な栄養素が何%摂れる?
- ニラの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。ニラの栄養をしっかり吸収して元気な毎日を過ごしましょう。
ニラに含まれる栄養素
ニラにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ニラ100gあたりの栄養価を紹介しているサイトも多いですが……
- ニラ100gも1度には食べません
- ニラは生のまま食べません
- 加熱すると栄養価は変わります
- ビタミンEが2.5mgって言われても、どのくらい多いのかわかりません
そこでこのページでは「生のニラ100gに栄養素が何mg含まれているか」ではなく、
「レバニラ炒め1皿分(1食分)のニラ」には、1日に必要な栄養素の何%が含まれているのか?
について、ビタミン → ミネラル → 食物繊維 の順にお伝えします。
▼ 1食分の量は?
レバニラ炒め1皿分のニラ24g。
ニラは1束が100gほどで、株元を除くと95g。この1/4を1食分として24g。24gのニラを使ってレバニラ炒めなどの油炒めをした場合のニラに含まれる栄養価を紹介します。

ニラに多いビタミンは?
まずはビタミン。レバニラ炒め1皿分のニラにはどのビタミンが多いのでしょうか?
ちなみに栄養素ごとに健康でいるための1日の目安の量があります。たとえばビタミンEなら……
ビタミンEの1日の目安量(目標量)
30~49歳なら、
女性:5.5mg、男性:6.0mg
50~64歳なら、
女性:6.0mg、男性:7.0mg
男性と女性とで違う場合もあれば、年齢によって違う場合もあります。
さてここでは「大人の女性の目標量に対してどのくらい?」「大人の男性の場合は?」について、それぞれ紹介していきますね。
まずは女性の場合。
レバニラ炒め1皿分には 女性にとって必要なビタミンが何%含まれているのでしょうか。

ニラ1食分に多い栄養素はビタミンの中では……
ビタミンK | 35.2% |
ビタミンE | 16.4% |
葉酸 | 14.0% |
ビタミンA | 13.0% |
わずか24gのニラの中にはビタミンKがたっぷり。サラサラ効果のビタミンE、貧血予防の葉酸、免疫力アップのビタミンAも多く含まれています。
では、男性にとって1日に必要なビタミンの量と比べてみるとどうでしょう?

栄養素によっては1日の目標量が男性と女性とで違いますが、女性同様、ビタミンK、E、A、葉酸などをしっかり摂ることができますね。
ではニラに多いビタミンにはどんな効果があるのかについてお伝えする前に、ニラにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
ニラに多いミネラルは?
ビタミンの次はミネラル。女性にとって必要なミネラルの何%が含まれているのか 見てみましょう。

男性の場合は……

ビタミンと比べるとミネラルはそれほど多くありません。その中でニラ1食分に多いミネラルは……
- カリウム:7.2%
次いでマンガン、鉄、銅、などの順に続きますが、含有量はどれも3%以下と低めです。
最後に、ニラには どのくらい「食物繊維」が含まれているのか をお伝えしてから、ニラの健康効果を紹介します。
ニラに食物繊維は多い?
最後に食物繊維。食物繊維は2種類に分かれていてそれぞれはたらきが違います。
・水溶性食物繊維:海藻のトロ~ッとした食感の部分や果物に多く含まれている水溶性食物繊維。血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防、便秘解消に効果を発揮します。
・不溶性食物繊維:ポソポソ・ザラザラした繊維質のもので野菜や穀物に豊富。有害物質のデトックス、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮します。
さて、ニラ1食分には食物繊維はどのくらい含まれているのでしょうか?
女性に必要な食物繊維の何%が含まれているのかのグラフがこちらです。

男性 の場合はこちら。

水溶性も不溶性も5%前後。わずか24gのニラに含まれる栄養価ということもあって少なめですね。
ただ日本人は食物繊維不足。
なかでも不足しているのが「水溶性食物繊維」。生活習慣病の予防に劇的な効果が期待されているにもかかわらず、女性は目標の58%、男性は51%しか摂れていません。
ニラ24gで水溶性食物繊維が5%補えますが、まだまだ不足。水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
では、
ニラに多い栄養素にはどんな効果がある?
私たちはその栄養素は摂れている?
ニラに多い栄養素にはどんな効果があるの?

女性の1日の目標量に対して、レバニラ炒め1食分のニラに多い栄養素がこちら。
ビタミンK | 35.2% |
ビタミンE | 16.4% |
葉酸 | 14.0% |
ビタミンA | 13.0% |
カリウム | 7.2% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンK
ニラにもっとも多い栄養素はビタミンK。骨を丈夫にしたり、出血した時の止血をサポートするはたらきがあります。
ニラに含まれるビタミンKの量は?
ビタミンKの1日の目標量は
女性も男性も150μg。
レバニラ炒め1皿(ニラ24g)の
ビタミンKの量は 53μg。
レバニラ炒め1食分のニラで
1日の目標量の35%を
摂ることができます。
ところで……
私たちはビタミンKが足りている?
レバニラ炒め1皿をプラスしたらビタミンKはどのくらい増える?
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=157%
ニラ1/4束24g=35%
合計=192%

男性:
平均摂取量=164%
ニラ1/4束24g=35%
合計=199%
ビタミンKはいろんな食べ物に広く含まれているので不足しにくい栄養素です。
ビタミンKの効果は?
ビタミンKのおもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫に
- 切り傷など出血した血を固める
食べ物に含まれるビタミンKは3種類に分かれますが、骨粗しょう症予防に効果的とされるビタミンKが豊富なのは納豆。
1日の目標量 | 150μg |
ひきわり納豆1パック | 372μg |
粒納豆1パック | 240μg |
ニラ1食分24g | 53μg |
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ビタミンE
ニラに2番目に多い栄養素はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用が高く、血管を若々しくしてくれる栄養素です。
ニラに含まれるビタミンEの量は?
レバニラ炒め1皿(ニラ24g)の
ビタミンEの量は1mg。これは、
- 女性:1日の目標量の16%
- 男性:1日の目標量の14%
では、私たちはビタミンEがちゃんと摂れている?レバニラ炒め1食分で摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=108%
ニラ1/4束24g=16%
合計=124%

男性:
平均摂取量=100%
ニラ1/4束24g=14%
合計=114%
ビタミンEの効果は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- サラサラ効果で動脈硬化を予防する
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血を予防する
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 肌や髪を美しく
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
ビタミンEは血管のお掃除役。高いサラサラ効果と抗酸化力で、血圧、中性脂肪、コレステロールといった生活習慣病の予防にしっかりはたらいてくれます。
葉酸
ニラに3番目に多い栄養素は「葉酸」。貧血予防やお腹の赤ちゃんの発育に大切なビタミンです。
ニラに含まれる葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
レバニラ炒め1食分のニラの
葉酸の量は34μg。
1日の目標量の14%です。
では、私たちは葉酸がちゃんと摂れている?レバニラ炒め1食分で摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=118%
ニラ1/4束24g=14%
合計=132%

男性:
平均摂取量=123%
ニラ1/4束24g=14%
合計=137%
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
妊活中~授乳中のママさんは葉酸を多めに摂ることが大切。枝豆、ほうれん草、ブロッコリーなど葉酸の多い食べ物はこちらをご覧ください。
葉酸の多い食べ物は?1食分あたりで30位まで紹介!
ビタミンA
ニラに4番目に多い栄養素はビタミンA。粘膜を健康にする、免疫を高める、そして目の健康にも大切なビタミンですね。
ニラに含まれるビタミンAは?
レバニラ炒め1皿(ニラ24g使用)の
ビタミンAの量は 91μgRAE。これは、
- 女性:1日の目標量の13%
- 男性:1日の目標量の10%
私たちの平均摂取量にレバニラ炒め1食分をプラスすると……
女性:
平均摂取量=74%
ニラ1/4束24g=13%
合計=87%
男性:
平均摂取量=61%
ニラ1/4束24g=10%
合計=71%
ビタミンAは私たちにかなり不足している栄養素。ニラ1食分で10%強も摂れますがまだ足りません。にんじん、春菊、かぼちゃなど、ビタミンAの多い食べ物を意識して食べましょう。
ただ、レバニラ炒めの「レバー」にはビタミンAが凝縮。レバニラ1食分に使う豚レバー(約100g)に、1日の目標量の20倍ものビタミンAが含まれています。
ビタミンAの効果は?
ビタミンAのおもな効果は次の5つ。
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ビタミンAといえば免疫力アップと抗酸化。粘膜を強くしてウイルスから守ってくれますが、日本人にはかなり足りない栄養素。意識して摂りましょう。
ビタミンAの多い野菜についてはこちらで具体的に紹介しています。
ビタミンAの多い野菜はコレ!【1食分】で20位まで紹介!
果物でビタミンAの多いものはこちらをご覧ください。
ビタミンAの多い果物はコレ!【1食分】で20位まで紹介!
カリウム
ニラに5番目に多い栄養素はカリウム。塩分を摂りすぎる傾向のある私たちには必須のミネラルです。
ニラに含まれるカリウムの量は?
レバニラ炒め1皿(ニラ24g使用)の
カリウムは 144mg。これは、
- 女性:1日の目標量の7.2%
- 男性:1日の目標量の5.8%
そして、私たちの平均摂取量にレバニラ炒め1皿をプラスすると……
女性:
平均摂取量=111%
ニラ1/4束24g=7%
合計=118%
男性:
平均摂取量=96%
ニラ1/4束24g=6%
合計=102%
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の4つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
余分な塩分を排出して血圧ケアをしてくれるカリウム。バナナに豊富なイメージがありますが、さといもがダントツ。じゃがいも、枝豆、豚肉にも豊富です。
ニラの7つの健康効果とは?
ビタミン類を中心に少ない量でもいろんな栄養素が豊富なニラ。
これらの栄養素のはたらきから、ニラに期待される健康効果をまとめてみました。
- サラサラ効果で動脈硬化を予防する
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 免疫力を高めて感染症を予防する
- 血圧を下げる
- 貧血を予防する
- むくみを解消する
- 肌や髪を美しくする
ということで、ニラをぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人こそニラを食べてほしい!
ニラをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 血圧が気になる
- お腹まわりが気になる
- 脂っこいものや濃い味つけが好き
- 運動不足
- 風邪をひきやすい
- 貧血ぎみ
- 肩こり、むくみ、冷え性
生活習慣病を予防したい。感染症を予防したい。コリや冷えなど巡りが悪い。といった方にぜひ食べてもらいたいのがニラなのですね。
ニラに多い栄養素:まとめ
ニラに多い栄養素についてお伝えしました。
ニラに多い栄養素:女性の1日の目標量に対して10%以上含まれているのは、ビタミンK、ビタミンE、葉酸、ビタミンA。5%以上となると、カリウム、水溶性食物繊維、ビタミンCも含まれます。
そんな栄養素にはどんな効果が?:サラサラ効果、動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、免疫力アップ、血圧を下げる、貧血の予防、むくみの解消、美肌・美髪
どんな人に食べてほしい?:血圧が気になる、お腹まわりが気になる、味の濃いものが好き、運動不足、風邪をひきやすい、貧血ぎみ、肩こり、むくみ、冷え性
ニラ独特の辛味成分には高い殺菌効果や抗酸化作用があって、感染症予防や疲労回復効果が期待されています。
忙しい毎日の疲れやストレスから守るためにも、ふだんの食生活にぜひニラを取り入れてみてはいかがでしょうか。
さて、栄養を吸収するには体の流れも大切。
疲れがとれない、体が重たい、いまひとつ体調が……というあなた、肩こり、背中がカチコチ、体が固くなっていませんか?
マッサージされて体が軽くなるように、体をほぐすことは元気でいるための基本中の基本。
41度くらいのお風呂にゆったりつかったり、お風呂あがりや寝る前にストレッチしたり。
家事や仕事の合い間に首・肩・腕をまわしたり、自分で体をもみほぐしたり。散歩などの軽い運動もいいですね。
ほかにも自分でしっかりとほぐす方法があります。自宅で簡単。時間もかけずにできるので試してみてください。
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この記事の執筆者:株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊
1995年から栄養補助食品の販売業務をきっかけに栄養学を学ぶ。以来、健康食品・健康器具の販売など10年の業務経験とともに整体師から自律神経など体のしくみを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
自然のチカラで健康になろうをコンセプトに、内科医・医学博士の堀田忠弘先生監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」、オリジナルのリラックスジェル「プアーナ」など天然由来成分100%の健康商品を販売して今年で17年目を迎える。
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※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、「カリウム」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンE解説」、「葉酸解説」