ししゃもはおかずにもおつまみにもピッタリ。下処理も不要で骨まで食べられるので栄養も満点です。
そんなししゃもにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ししゃもにはどの栄養素が多い?
- ししゃも5尾食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- 食べるといいのはどんな人?
などが手に取るようにわかります。ししゃもの栄養を活用して元気な毎日を過ごしましょう。
※からふとししゃもの栄養価について紹介します
【関連記事】わかさぎの栄養がスゴい!多い栄養素は?7つの効果効能とは?
ししゃも1食分の栄養価

「ししゃも」とは北海道で穫れるししゃものこと。減少傾向にあって値段も高くなっています。
そこで一般的に出回っているのは、ノルウェーやアイスランドやカナダで穫れる「からふとししゃも」。手頃な値段で買うことができます。
そこでこのページではこのからふとししゃもについて、
焼いたからふとししゃもを5尾(81g)食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
からふとししゃもにはどの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維についてお伝えします。
▼ 1食分の量は?
からふとししゃも5尾(81g)。
からふとししゃもの生干しを焼いたものの栄養価を紹介します
ししゃも1尾20gを焼くと16.2gに。1食分を5尾として81.0g。
「ししゃも」と「からふとししゃも」とありますが、一般的に出回っている「からふとししゃも」の栄養価を紹介します。

ししゃもに多いビタミンは?
焼いたししゃもを5尾(81g)食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、ししゃも5尾に多いビタミンは……
ビタミンB12 | 337.5% |
ナイアシン | 31.1% |
ビタミンE | 28.4% |
ビタミンB2 | 25.0% |
ビタミンB12がダントツ。牛・豚・鶏のレバーや魚類全般に含まれる不足しにくい栄養素。疲労回復や貧血予防のはたらきがあります。
次はししゃもにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ししゃもに多いミネラルは?
焼いたししゃも5尾(81g)で、女性が1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、ししゃも1食分(5尾)に多いミネラルは……
カルシウム | 47.4% |
リン | 45.6% |
ナトリウム | 24.9% |
亜鉛 | 24.3% |
鉄 | 19.9% |
マグネシウム | 18.2% |
頭も骨もまるごと食べられるししゃも。私たちに不足しているカルシウムもマグネシウムもしっかり摂れて、丈夫な骨を作るために最適な食べ物です。
最後に、ししゃも5尾で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、ししゃもの効果効能を紹介します。
ししゃもに食物繊維は多い?
では、焼いたししゃも5尾で、1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

水溶性食物繊維 | 0% |
不溶性食物繊維 | 0% |
ししゃもには食物繊維が含まれていません。
食物繊維は炭水化物の一部。魚類にはほとんど含まれていません。
でも海藻にはたっぷり。特に私たちが目標の55%程度しか摂れていない水溶性食物繊維は海藻には豊富です。
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
ししゃもでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
ししゃもで不足分を補える栄養素とその効果効能

ししゃもを5尾で、女性にとって1日に必要な量の20%以上が摂れる栄養素はこちらの8つ。
ビタミンB12 | 337.5% |
カルシウム | 47.4% |
リン | 45.6% |
ナイアシン | 31.1% |
ビタミンE | 28.4% |
ビタミンB2 | 25.0% |
ナトリウム | 24.9% |
亜鉛 | 24.3% |
ししゃもにはいろんな栄養がぎっしり。
ただビタミンB12など、ししゃもにも豊富ですが私たちが十分に摂れている栄養素もあります。
そこで、
私たちに不足しがちだけれど、ししゃもでしっかり補える栄養素は?
というかたちで見てみましょう。
焼いたししゃもを5尾食べると、不足しがちな栄養素はどう増えるかというと……
カルシウム | 76% →123% |
ビタミンE | 108% →137% |
ビタミンB2 | 93% →118% |
亜鉛 | 96% →121% |
鉄 | 112% →132% |
マグネシウム | 81% →99% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
では、これらの栄養素にはどんなはたらきがあるのか、ししゃもでどんな効能が得られるのか、見てみましょう。
カルシウム
私たちに不足がちで、ししゃもには多い栄養素。
最初はカルシウム。骨の主成分でもありますが、心臓の規則的な動きを維持するはたらきもあります。
ししゃものカルシウムの量は?
カルシウムの1日の推奨量は、
女性が650mg、男性が750mg。
ししゃも5尾(81g)に
カルシウムは308mg。これは、
女性:1日の推奨量の47.4%
男性:1日の推奨量の41.0%
ところで……
私たちはカルシウムがちゃんと摂れている?
ししゃもを5尾食べるとどのくらい増える?

女性:
平均摂取量=76%
ししゃも5尾=47%
合計=123%
男性:
平均摂取量=69%
ししゃも5尾=41%
合計=110%
目標の70%程度しか摂れていないカルシウム。
「カルシウムといえば牛乳」というイメージでしたが、乳牛の飼育環境(エサの農薬、狭い牛舎でのストレス、乳を出させるための頻繁な妊娠)を懸念する人も多いでしょう。
私個人的にも、乳製品ではなく魚・大豆・野菜などからカルシウムを摂るほうがいいと考えています。
ししゃもにも豊富ですがほかにカルシウムの多い食べ物は、わかさぎ、さば缶(水煮・味噌煮)、あじ、しらす、厚揚げ、高野豆腐、豆腐、大根の葉、小松菜、豆乳など。意識して食べるようにしましょう。
カルシウムの効能は?
カルシウムのおもな効果は次の6つ。
- 骨や歯を作る
骨や歯の主成分となって強く丈夫にする - 筋肉をスムーズに動かす
カルシウムが筋肉をギュッと縮めてマグネシウムがフワッとゆるめることで、筋肉がしなやかに動く - 心臓を規則的に動かす
筋肉の動き(伸縮)をスムーズにして心臓の鼓動をただしく維持する - 高血圧を予防する
カルシウムが不足すると骨の中のカルシウムを溶かして血液中へ過剰に補給するので、カルシウム濃度が高まって高血圧になる - 止血する
出血した時の止血を助ける - 気持ちをおだやかにする
神経の興奮をおさえる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンE

私たちに不足がちで、ししゃもには多い栄養素。
2番目はビタミンE。サラサラ効果、抗酸化作用、血管を若々しくする栄養素です。
ししゃものビタミンEの量は?
ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
ししゃも5尾(81g)に
ビタミンEは1.7mg。これは、
女性:1日の目安量の28.4%
男性:1日の目安量の24.3%
ししゃもを5尾食べるとビタミンEはどう増える?

女性:
平均摂取量=108%
ししゃも5尾=28%
合計=136%
男性:
平均摂取量=100%
ししゃも5尾=24%
合計=124%
ビタミンEはふだんから目標量をほぼ摂れていますが、生活習慣病の予防にはとても大切な栄養素。
特に、血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などはサラサラ効果は大切です。
アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、ゴールドキウイ、豚肉、アジ、サバ缶、鮭など ビタミンEの多い食べ物を意識して食べましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効能は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血管の詰まりは1分1秒をあらそう状態にもなりかねません。ビタミンEのサラサラ効果をしっかり取り入れましょう。
ビタミンB2
私たちの不足分をししゃもが補ってくれる栄養素。
3つめはビタミンB2。疲労回復、脂肪分解、生活習慣病の予防などに効果的です。
ししゃものビタミンB2の量は?
ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
ししゃも5尾に
ビタミンB2は0.3mg。これは、
女性:1日の推奨量の25.0%
男性:1日の推奨量の18.7%
ししゃもを5尾食べるとビタミンB2の摂取量は……

女性:
平均摂取量=93%
ししゃも5尾=25%
合計=118%
男性:
平均摂取量=76%
ししゃも5尾=19%
合計=95%
男性はかなりのビタミンB2不足。ほかにも、揚げ物が好き、お酒が好き、お菓子や甘いものが好き、ストレスが多い、忙しい、運動が好き、といった人は不足しがち。
ビタミンB2の多い食べ物は、レバー、魚類(さば缶、ぶり、いわし、鮭、あじ)、豚肉、納豆、たまごなど。積極的に食べましょう。
ビタミンB2の効能は?
ビタミンB2のおもな効果は次の7つ。
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - ダイエット
新陳代謝を高めて脂肪を燃焼する - デトックス
体にたまった有害物質を排出する - 子供の発育促進
細胞を再生する - 美肌・美髪
細胞を再生する - 生活習慣病予防
動脈硬化や老化を促進する脂質である「過酸化脂質」を防ぐ - 便秘予防
腸内環境を整える
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
亜鉛

4つめの栄養素は亜鉛。味覚を守り、免疫力を高め、子供の成長をサポートします。
ししゃもの亜鉛の量は?
亜鉛の1日の推奨量は、
女性が8mg、男性が11mg。
ししゃも5尾(81g)に
亜鉛は1.9mg。これは、
女性:1日の推奨量の24%
男性:1日の推奨量の18%
ししゃもを5尾食べると亜鉛の摂取量は……

女性:
平均摂取量=96%
ししゃも5尾=24%
合計=120%
男性:
平均摂取量=84%
ししゃも5尾=18%
合計=102%
やや不足ぎみな亜鉛ですが、ししゃも5尾で不足分をしっかり補えます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「亜鉛解説」
亜鉛の効能は?
亜鉛のおもな効果は次の8つ。
- 味覚を正常に保つ
- 免疫力を高める
風邪やインフルなどのウイルス感染を予防 - 生活習慣病の予防
抗酸化作用で活性酸素を除去 - 糖尿病の予防
- 美肌・美髪
コラーゲンを作る。メラニンの代謝を促進する。 - 抜け毛の予防
- 有害物質を排出する
- 生殖機能を高める
精子の生成や運動を促進する
鉄分
5つめの栄養素は鉄分。血液を作り、骨を強くし、免疫力を高めるミネラルです。
ししゃもの鉄分の量は?
鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ししゃも5尾(81g)に
鉄分は1.3mg。これは、
女性:1日の推奨量の20%
男性:1日の推奨量の17%
ししゃもを5尾食べると鉄分の摂取量は……

女性:
平均摂取量=112%
ししゃも5尾=20%
合計=132%
男性:
平均摂取量=107%
ししゃも5尾=17%
合計=124%
鉄分の効能は?
鉄分のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防・改善
血液(ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - しなやかで健康的な体に
コラーゲンを作って、骨、関節、筋肉、肌、粘膜などをしなやかに - 丈夫な骨をつくる
鉄分がコラーゲンをつくり、カルシウムと一緒になって骨を丈夫にする - ウイルスや細菌から守る
白血球がウイルスや細菌としっかり戦って感染症を予防できるよう支える - 肌を美しくする
コラーゲンを作るだけでなく、肌の内側に酸素を届けて新陳代謝を促進する。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
マグネシウム

6つめの栄養素はマグネシウム。骨を強くし、血圧を調整し、糖尿病から守るミネラルです。
ししゃものマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
ししゃも5尾に
マグネシウムは52.6mg。これは、
女性:1日の推奨量の18%
男性:1日の推奨量の14%
ししゃもを5尾食べるとマグネシウムの摂取量は……

女性:
平均摂取量=81%
ししゃもを5尾=18%
合計=99%
男性:
平均摂取量=71%
ししゃもを5尾=14%
合計=85%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムもかなり不足。カルシウムだけでは丈夫な骨は作られません。
ししゃもにも多いですが、豆腐、厚揚げ、豆乳、枝豆、そば、アーモンド、落花生、天津甘栗などマグネシウムの多い食べ物を意識して食べましょう。
【関連記事】マグネシウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マグネシウムの効能は?
マグネシウムのおもな効果は次の6つ。
- 骨を丈夫にする
カルシウムを骨や歯に届けるとともに、しなやかな骨を保つ - 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
筋肉をゆるめる - 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
動脈をゆるめて血圧を下げる - 気持ちをおだやかにする
神経の興奮をおさえてイライラをやわらげる
以上、ししゃもに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて、ししゃもの効果効能をお伝えします。
ししゃもの7つの効果効能

ししゃもには、ビタミンB群、E、カルシウム、鉄分などの栄養素が豊富。この栄養素のはたらきからししゃもに期待できる効能がこちら。
- 丈夫な骨や歯を作る
カルシウムが骨や歯の主成分となり、マグネシウムや鉄分が強く丈夫にする - 心臓を規則的に動かして不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
カルシウムやマグネシウムが心臓のはたらきを規則的に維持する - 筋肉をスムーズに動かす
筋肉がつったりけいれんするのをふせぐ - 高血圧を予防する
カルシウムが血液中のカルシウム濃度を整え、マグネシウムが動脈をゆるめて血圧を下げる - 感染症を予防する
亜鉛や鉄分が免疫力を高める - 生活習慣病を予防する
ビタミンEのサラサラ効果、亜鉛の抗酸化作用、亜鉛やマグネシウムの糖尿病予防効果 - 肌や髪を美しくする
鉄分がコラーゲンをつくり、ビタミンB2、E、亜鉛が新陳代謝を促進する
生活習慣病や骨粗しょう症が気になる40代以降の世代はもちろんのこと、成長期の子供、肌が気になる女性にもぜひ食べてもらいたいのがししゃもなのです。
ししゃもに多い栄養素:まとめ
ししゃもに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
ししゃもに多い栄養素:女性の1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンB12、カルシウム、リン、ナイアシン、ビタミンE、ビタミンB2、ナトリウム、亜鉛
ししゃもでふだんの不足を補える栄養素:カルシウム、ビタミンE、ビタミンB2、亜鉛、鉄、マグネシウム、ビタミンA
ししゃもの効能:丈夫な骨や歯を作る、不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ、筋肉をスムーズに動かす、高血圧の予防、感染症の予防、生活習慣病の予防、美肌や美髪
手頃な値段で1年を通して手に入りやすいししゃも(からふとししゃも)。ぜひ食卓に取り入れてみてください。