ごはんにのせたり大根おろしにかけたりと、料理の手間なく食べられるしらす。
そんなしらすにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- しらすに多い栄養素は?
- しらす丼1杯分(30g)で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。しらすの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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しらす1食分の栄養価

しらすにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
しらす100gあたりの栄養価が紹介されていることも多いですが……
しらす1パックは一般的に60~70gほど。一日に1パック以上も食べませんよね?
ここでは、
しらすを30g食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
しらすにはどの栄養素が多い?
どんな効能が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1食分の量は?
しらす30g。
大さじ1杯のしらすが約5g。しらす丼1杯分のしらすは約30gですね。

しらすに多いビタミンは?
しらす丼1杯分など、しらす30g(大さじ6杯分)を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、しらす30gに多いビタミンは……
ビタミンD | 42.4% |
ビタミンB12 | 40.0% |
ナイアシン | 18.8% |
ビタミンA | 8.8% |
私たちに不足しがちなビタミンDがたっぷり。骨粗しょう症の予防に欠かせないビタミンです。
次はしらすにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
しらすに多いミネラルは?
しらす丼1杯分(しらす30g)を食べると、ミネラルはどのくらい摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、しらす30gに多いミネラルは……
セレン | 73.2% |
ナトリウム | 19.4% |
リン | 18.0% |
カルシウム | 12.9% |
抗酸化作用がバツグンに高いセレンがぎっしり。カルシウムもしっかり摂れます。
最後に、しらす30gを食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、しらすの効果効能を紹介します。
しらすに食物繊維は多い?
しらす30gで1日に必要な食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

しらすだけでなく、魚や貝には食物繊維は含まれていません。
ただ食物繊維には健康効果が満載なのに、私たちはかなりの不足。野菜、きのこ、海藻などから食物繊維を摂りましょう。
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
しらすでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな効果効能が期待できる?
しらすで不足分を補える栄養素とその効果効能

しらす30g(大さじ6杯分)で、女性にとって1日に必要な量の10%以上が摂れる栄養素はこちらの7つ。
セレン | 73.2% |
ビタミンD | 42.4% |
ビタミンB12 | 40.0% |
ナトリウム | 19.4% |
ナイアシン | 18.8% |
リン | 18.0% |
カルシウム | 12.9% |
しらすにはいろんな栄養がぎっしり。ただビタミンB12など、ふだんから十分に摂れている栄養素もあります。
「しらすが体にいい」というのは「私たちに足りない栄養素を補えるから」ですよね?
そこで、
私たちに不足しがちで、しらすでしっかりと補える栄養素は?
というかたちで見てみましょう。
ふだん不足しがちな栄養素がしらす丼1杯分(30g)でどう増えるかというと……
セレン | ?% →?% |
ビタミンD | 75% →118% |
カルシウム | 76% →89% |
マグネシウム | 81% →89% |
ビタミンA | 74% →82% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
※セレンは「ふだんどのくらい摂れているか」の調査がないので「?% → ?%」としています。
では、これらの栄養素にはどんなはたらきがあるのか、しらすでどんな効果効能が得られるのか、見てみましょう。
セレン
私たちに不足しがちで、しらすに多い栄養素。
最初はセレン。抗酸化作用がバツグンに高い必須ミネラルです。
しらすのセレンの量は?
セレンの1日の推奨量は、
女性が25μg、男性が30μg。
しらす丼1杯分(しらす30g)に
セレンは18.3μg。これは、
女性:1日の推奨量の73%
男性:1日の推奨量の61%
μg(マイクログラム)は
100万分の1グラム。
1g=1000mg(ミリグラム)
1mg=1000μg

セレンは「私たちがふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただいろんな食べ物に含まれているので不足することはまずないようです。
セレンの摂りすぎに注意
セレンは不足よりも摂りすぎに注意が必要な栄養素。
女性の1日の目標量は25μg。上限はその14倍の350μg。
通常の食生活で摂りすぎの心配はありません。サプリメントで摂る場合は十分に注意しましょう。
魚類、レバー、たまご、大豆製品に多いセレン。そのほか、セレンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!を参考になさってください。
セレンの効能は?
セレンに期待される効果は次の5つ。
- アンチエイジング
抜群に高い抗酸化作用で、老化の原因の1つである過酸化脂質が作られるのをおさえる - 動脈硬化の予防
過酸化脂質が作られるのをおさえることで動脈硬化の予防にも効果を発揮 - 有害ミネラルから守る
体に入った水銀やカドミウムの毒性を弱める - 脳血栓や心筋梗塞の予防
血管を広げたり血栓を作りにくくする - 男性不妊の改善への期待
精子を作り、その活動を活発にする
抗酸化力はビタミンEの60倍ともいわれるセレン。ふだん魚を食べない人は意識して魚を食べてみてはいかがでしょうか。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、eJIM「セレニウム」
ビタミンD

私たちに不足しがちで、しらすに多い栄養素。
2番目はビタミンD。骨を強くして、感染症からも守る栄養素です。
しらすのビタミンDの量は?
ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
しらす30gに
ビタミンDは3.6μg。
1日の目安量の42%もの量です。
では、私たちはビタミンDが摂れている?しらすを30g食べるとどう増える?

女性:
平均摂取量=75%
しらす30g=42%
合計=117%
男性:
平均摂取量=87%
しらす30g=42%
合計=129%
不足しがちなビタミンD。しらすが十分に補ってくれます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」
ビタミンDの効能は?
ビタミンDのおもな効果は次の3つ。
- 骨を丈夫に
カルシウムの吸収を助ける - 筋肉の動きをスムーズに
血液中のカルシウム濃度を調整する - 風邪やインフルエンザから守る
免疫を高める
ビタミンDは日光にあたると体内でも作られますが、秋から冬の日照時間が短い時期はビタミンDも不足しがちに。
ビタミンDの多い食べ物を意識して摂りましょう。鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなどに多く含まれています。
カルシウム
私たちに不足しがちで、しらすに多い栄養素。
3番目はカルシウム。高血圧の予防や心臓を守るはたらきもあります。
しらすのカルシウムの量は?
カルシウムの1日の推奨量は、
女性が650mg、男性が750mg。
しらす丼1杯分(しらす30g)に
カルシウムは84mg。これは、
女性:1日の推奨量の13%
男性:1日の推奨量の11%
しらすを30g食べると、カルシウムの摂取量は……

女性:
平均摂取量=76%
しらす30g=13%
合計=89%
男性:
平均摂取量=69%
しらす30g=11%
合計=80%
わずか30gのしらすにカルシウムがたっぷり。ただふだんの摂取量があまりに少ないので、まだ目標量には届きません。
しらすのほか、さば缶(水煮・味噌煮)、あじ、厚揚げ、高野豆腐、豆腐、大根の葉、小松菜、豆乳など、カルシウムの多い食べ物をしっかり摂りましょう。
カルシウムの効能は?
カルシウムのおもな効果は次の6つ。
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを規則的に維持する
- 血液の状態を正常にたもつ
- 感情をおだやかにする
筋肉をスムーズに動かして心臓の鼓動を守ったり、高血圧を予防するのもカルシウムのはたらきなのです。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
マグネシウム

4つ目はマグネシウム。カルシウムと一緒に骨を強くしたり、血圧を調整するミネラルです。
しらすのマグネシウムの量は?
マグネシウムの1日の推奨量は、
女性が290mg、男性が370mg。
しらす丼1杯分(しらす30g)に
マグネシウムは24mg。これは、
女性:1日の推奨量の8%
男性:1日の推奨量の7%
しらすを30g食べるとマグネシウムの摂取量は……

女性:
平均摂取量=81%
しらす30g=8%
合計=89%
男性:
平均摂取量=71%
しらす30g=7%
合計=78%
しらすのほかにマグネシウムの多い食べ物は、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類など。積極的に食べましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムの効能は?
- 骨を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかにする
骨を強くするのも、筋肉をスムーズに動かすのも、カルシウムとマグネシウムの両方がおこなう仕事です。
いくらカルシウムをたくさん摂っても、マグネシウムが足りないと骨が作られないだけでなく、糖尿病、メタボ、不整脈、疲労、不眠、動脈硬化、尿路結石、アトピーなどのリスクが高まるとも。
意識して摂ることが大切ですね。
ビタミンA
5つ目はビタミンA。粘膜を健康にする、免疫を高める、そして目の健康にも大切なビタミンですね。
しらすのビタミンAの量は?
ビタミンAの1日の推奨量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
しらす30gに
ビタミンAは57μgRAE。これは、
女性:1日の推奨量の8%
男性:1日の推奨量の6%
しらす30gでビタミンAの摂取量は……

女性:
平均摂取量=74%
しらす丼1杯分(30g)=8%
合計=82%
男性:
平均摂取量=61%
しらす丼1杯分(30g)=6%
合計=67%
感染症を予防するビタミンA。まったく足りていません。特に男性は大幅に不足。
ビタミンAの多い食べ物はほかに、レバー、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、サニーレタス、たまご、すいかなどがあります。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
ビタミンAの効能は?
- 風邪などの感染症の予防:
粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高める - さまざまな病気や老化の予防:
活性酸素を除去する抗酸化作用 - 美肌・美髪:
新陳代謝を促進して肌や髪や爪を健康に保つ - 夜盲症の予防:
暗いところでも見えるようにするための物質を作る - 子供の成長を促進:
細胞の増殖に関わって体の成長発育を促進する
以上、しらすに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて、しらすを食べるとどんな効能が期待できるのか、をお伝えします。
しらすの7つの効果効能

しらすにはビタミンA、D、カルシウム、マグネシウム、セレンなどの栄養が豊富。
そんなしらすに期待される7つの効能はこちら。
- 動脈硬化の予防
流れをよくして血栓を作りにくくする - 骨や歯を丈夫にする
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
筋肉の動きをスムーズにして心臓のはたらきを守る - 高血圧を予防する
血液中のカルシウム濃度を調整する - 風邪などの感染症の予防
粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高める - さまざまな病気や老化の予防
高い抗酸化作用で活性酸素を除去する - 更年期障害や生理不順をやわらげる
40代を過ぎた世代にうれしい効能が詰まっていつのがしらすなのです。
しらすに多い栄養素:まとめ
しらすに多い栄養素や効果効能についてお伝えしました。
しらすに多い栄養素:1日の目標量に対して多い栄養は、ビタミンA、B12、ナイアシン、D、カルシウム、マグネシウム、セレン、クロムなど
しらすで私たちの不足を補える栄養素:ビタミンA、D、カルシウム、マグネシウム、セレン
しらすの効能:動脈硬化の予防、骨や歯を丈夫にする、不整脈・狭心症・心筋梗塞の予防、高血圧の予防、風邪などの感染症の予防、アンチエイジング、更年期障害や生理不順をやわらげる
料理の手間なくすぐ食べられて、栄養も効果効能もギュッと詰まったしらす。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。