ぶりの旬は冬。お刺身はもちろん、照り焼きにブリ大根に鍋料理にといろんな楽しみ方ができる青魚です。
そんなぶりにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ぶりはどんな栄養素が多い?
- ぶりの照り焼き1切れで1日の栄養素の何%が摂れる?
- どんな効果効能がある?
といったことが手に取るようにわかります。ぶりの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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ぶりの照り焼き1切れの栄養価
ぶりにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「生のぶり100gあたりの栄養価」ではなく、
ぶりの照り焼きを1切れ食べると、
1日の栄養素の何%が摂れる?
ぶりに多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
ぶりの照り焼き1切れ:82gほど
ぶり1切れは約100g。焼くと82gほどになります。生のぶりではなく焼いたぶりの栄養価を紹介します。

ぶりに多いビタミンは?
まずはビタミンから。
ぶりの照り焼きを1切れ食べると、女性が1日に必要なビタミンの何%を摂れるのか、グラフにしてみました。

ぶりの照り焼き1切れに多いビタミンは……
ビタミンB12 | 130% |
ナイアシン | 103% |
ビタミンD | 52% |
ビタミンE | 29% |
ビタミンB6 | 28% |
ビタミンB2 | 27% |
ビタミンB群(B2、B6、B12、ナイアシン)がたっぷり。不足しがちなビタミンDもしっかり摂れますね。
次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
ぶりに多いミネラルは?
次はミネラル。
ぶりの照り焼き1切れで、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

ぶりの照り焼き1切れに多いミネラルは……
鉄分 | 29% |
カリウム | 18% |
リン | 17% |
銅 | 12% |
ビタミンに比べるとミネラルややや少なめですが、鉄分や銅など貧血を予防して骨を強くするミネラルが豊富です。
最後に、ぶり1切れの食物繊維の量をお伝えしてから、ぶりの健康効果を紹介します。
ぶりに食物繊維は多い?
ぶりの照り焼き1切れに食物繊維は……、含まれていません。
食物繊維は炭水化物の一部。ぶりだけでなく魚介類全般には含まれていないのです。
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
ぶりでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
ぶりで私たちの不足分を補える栄養素は?

ぶりに多い栄養素をお伝えしてきました。
1位:ビタミンB12
目標量の130%も含まれます。
2位:ナイアシン
目標量の103%も含まれます。
ただこの2つ、私たちはふだんからどのくらい摂れているかというと……
ビタミンB12:
目標量の238%も摂れています。
2位:ナイアシン
目標量の233%も摂れています。
すでに十分ですね。ぶりが体にいいのは、
「不足している栄養素が補えるから」
そこでぶりの照り焼きを1切れ食べると、私たちに不足しがちな栄養素の摂取量はどう増えるか、というと……
ビタミンD | 75% →127% |
鉄分 | 112% →141% |
ビタミンE | 108% →137% |
ビタミンB6 | 99% →127% |
ビタミンB2 | 93% →120% |
ビタミンB1 | 79% →97% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
ではこれらの栄養素のはたらき、そしてぶりの効果効能をお伝えします。
ビタミンD
ぶりで私たちの不足分が補える栄養素。1つめはビタミンD。骨を丈夫にして、感染症を予防する栄養素です。
ぶりのビタミンDの量は?

ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
ぶり1切れには4.4μg。
1日の目安量の52%を補えます。
女性の平均摂取量=目標の75%
ぶりの照り焼き1切れ=52%
合計=127%
男性の平均摂取量=目標の87%
ぶりの照り焼き1切れ=52%
合計=139%
ビタミンDの効果は?
- 骨を丈夫にする
(カルシウムの吸収を促進) - 筋肉の動きをスムーズにする
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養素等摂取量」、「ビタミンD解説、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
カルシウムだけで骨は作れません。不足しがちなビタミンDやマグネシウムも意識して摂ることが大切。
ビタミンDの多い食べ物(ぶり、鮭、サバ缶、いわし、アジ、しらす、たまご)や、マグネシウムの多い食べ物(豆腐などの大豆製品、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、魚介類)を積極的に食べましょう。
鉄分
2つめの栄養素は鉄分。貧血予防、感染症予防、骨を強くするなどの効果があります。
ぶりの鉄分の量は?

鉄の1日の推奨量は、
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
ぶり1切れには1.9mg。これは、
女性:1日の推奨量の29%
男性:1日の推奨量の25%
ぶりの照り焼きを1切れ食べると……
女性の平均摂取量=目標の112%
ぶりの照り焼き1切れ=29%
合計=141%
男性の平均摂取量=目標の107%
ぶりの照り焼き1切れ=25%
合計=132%
鉄分の効果は?
- 貧血の予防・改善
- 骨を強くする
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 肌を美しくする
※参考サイト:NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、国立健康・栄養研究所「鉄解説」
ビタミンE
3つめの栄養素はビタミンE。サラサラ効果で動脈硬化や心筋梗塞から守ってくれます。
ぶりのビタミンEの量は?

ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
ぶり1切れには1.7mg。これは、
女性:1日の目安量の29%
男性:1日の目安量の25%
ぶりの照り焼きを1切れ食べると……
女性の平均摂取量=目標の108%
ぶりの照り焼き1切れ=29%
合計=137%
男性の平均摂取量=目標の100%
ぶりの照り焼き1切れ=25%
合計=125%
ビタミンEの効果は?
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
高血圧、甘いものが好き、揚げ物が好き、お酒が好き、という人はビタミンEをしっかり摂りましょう。
ビタミンEの多い食べ物は、アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉、アジ、サバ缶、鮭、ゴールドキウイなどです。
ビタミンB6

4つめの栄養素はビタミンB6。脂肪肝の予防、肌荒れや口内炎の予防、・月経前の悩みをやわらげるなどの効果があります。
ぶりのビタミンB6の量は?

ビタミンB6の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ぶり1切れには0.3mg。これは、
女性:1日の推奨量の28%
男性:1日の推奨量の22%
ぶりの照り焼きを1切れ食べると……
女性の平均摂取量=目標の99%
ぶりの照り焼き1切れ=28%
合計=127%
男性の平均摂取量=目標の90%
ぶりの照り焼き1切れ=22%
合計=112%
ビタミンB6は体内でも作られるので不足しにくいものの、次のような人は不足しがちな傾向もあります。
- プロテインを多く摂っている
- 妊娠している
- ピルを飲んでいる
- 抗生物質を長い期間飲んでいる
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果は?
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB2
5つめの栄養素はビタミンB2。疲労回復、生活習慣病の予防、便秘解消などの効果があります。
ぶりのビタミンB2の量は?

ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
ぶり1切れには0.3mg。これは、
女性:1日の推奨量の27%
男性:1日の推奨量の20%
ぶりの照り焼きを1切れ食べると……
女性の平均摂取量=目標の93%
ぶりの照り焼き1切れ=27%
合計=120%
男性の平均摂取量=目標の76%
ぶりの照り焼き1切れ=20%
合計=96%
男性はかなりのビタミンB2不足。レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB1
6つめの栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を安定させる効果があります。
ぶりのビタミンB1の量は?

ビタミンB1の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ぶり1切れには0.2mg。これは、
女性:1日の目標量の18%
男性:1日の目標量の14%
ぶりの照り焼きを1切れ食べると……
女性の平均摂取量=目標の79%
ぶりの照り焼き1切れ=18%
合計=97%
男性の平均摂取量=目標の74%
ぶりの照り焼き1切れ=14%
合計=88%
ビタミンB1が不足しやすい人は、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、白米や白いパンを食べている、といった人。
ぶりのほか、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなど、ビタミンB1の多い食べ物を意識して食べましょう。
ビタミンB1の効果は?
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ぶりが私たちの不足分を補ってくれる栄養素とそのはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、ぶりを食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
ぶりの8つの効果効能

ぶりにはビタミンB群、D、E、鉄分、カリウム、銅、EPAやDHAなどの栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、ぶりに期待される効能をまとめてみました。
- 骨を丈夫にする
ビタミンDがカルシウムの吸収を助けて、たんぱく質と鉄分がコラーゲンを作る - 貧血の予防・改善
血液(赤血球やヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を代謝してエネルギーを作る - 免疫を高めて感染症を予防する
- 心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防
悪玉コレステロールをおさえてサラサラ効果を発揮 - 精神を安定させる
- 集中力・記憶力・持続力を高める
- 肌荒れや口内炎から守る
ぶりに多い栄養素:まとめ
ぶりに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
ぶりでふだんの不足を補える栄養素:ビタミンB1、B2、B6、D、E、鉄分、亜鉛、EPA、DHAなど
ぶりの効能:骨を丈夫にする、貧血の予防・改善、疲労回復、感染症の予防、心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化の予防、精神を安定させる、集中力・記憶力を高める、肌荒れや口内炎から守る
疲労回復や貧血予防だけでなく生活習慣病の予防にも効果を発揮するぶり。ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。