小松菜は1年を通して手に入りやすい野菜。ほうれん草の2倍の鉄分を摂ることができたりと、栄養たっぷりの優秀や野菜です。
そんな小松菜。鉄分のほかにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
このページを読むと、
- 小松菜はどんな栄養素が多いの?
- 小松菜のおひたし1皿食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れるの?
- 小松菜の効果効能は?
- どんな人こそ食べると効果的?
が手に取るようにわかります。小松菜の栄養を上手に取り入れて快適な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】ほうれん草の栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?8つの効果効能は?
小松菜1食分の栄養価
小松菜にはどんな栄養素が多いのでしょうか?
100gあたりの栄養価がよく紹介されていますが、小松菜100gって、1度の食事で食べている量なのでしょうか?
ここでは小松菜100gあたりではなく小松菜のおひたし1食分に、どの栄養素がどのくらい含まれているのか、というかたちで、ビタミン→ミネラル→食物繊維の順にお伝えします。
▼ 1食分の量は?
小松菜のおひたし小鉢1皿(50g)。
小松菜を1袋買って4人で食べるイメージですね。小松菜は1袋が250gほど。茹でて株元をとりのぞくと可食部は200g。これを4人分として1食分を50gとしました。

小松菜に多いビタミンは?
まずはビタミン。小松菜のおひたし1皿にはどんなビタミンが多いのでしょうか?
栄養素にはそれぞれ「健康でいるためには1日にこのくらいの量を摂りましょう」という目安があります。
ビタミンAなら……
ビタミンAの1日の推奨量(目標量)
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
1日の目標量は栄養素によって、男性と女性とで違ったり、年齢によって違ったりします。
ここでは、大人の女性にとってはどのくらい栄養素が摂れる?、大人の男性にとっては?というかたちで紹介していきます。
まずは女性の場合。
小松菜のおひたしを1皿食べると大人の女性にとって1日に必要なビタミンを何%摂ることができるのかをグラフにしてみました。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
小松菜のおひたし1皿に多いビタミンは……
ビタミンK | 106.7% |
ビタミンA | 18.6% |
葉酸 | 17.9% |
ビタミンE | 12.5% |
ビタミンC | 10.5% |
骨を強くするビタミンKは小松菜1皿で1日の目標超えの106.7%。
免疫アップのビタミンAや貧血予防の葉酸は目標の18%前後も。ビタミンC、Eもしっかり含まれています。
ビタミンのエース(A・C・E)が多い小松菜は、免疫力アップにも抗酸化にも効果を発揮してくれます。
では 男性にとって1日に必要なビタミンの量と比べてみるとどうでしょう?

男性と女性とでは1日の目標量が違う栄養素もありますが、ビタミンK、葉酸、ビタミンA、C、E、がしっかり摂れることは変わりませんね。
次は小松菜にはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
小松菜に多いミネラルは?
小松菜のおひたし1皿にはどんなミネラルが多いのでしょうか?
まずは女性にとって1日に必要なミネラルの何%が含まれているのかのグラフから。

男性の場合は……

小松菜のおひたし1皿に多いミネラルはこちら。
鉄分 | 16.2% |
カルシウム | 11.5% |
※女性の1日に必要な量の何%が含まれているかを数値で表しています。
小松菜は鉄分が豊富。同じ量のほうれん草のおひたしと比べると、2倍以上の鉄分が含まれています。
そしてカルシウム。私たちは目標の70%ほどしか摂れていませんが、小松菜のおひたし1皿でカルシウムを10%補えます。
とはいえまだまだカルシウム不足。大根の葉、春菊、水菜などカルシウムの多い野菜を取り入れましょう。くわしくはこちらで紹介しています。
カルシウムの多い野菜ランキング20【1食分】で比較!
では最後に、小松菜にはどのくらい食物繊維が含まれているのかをお伝えしてから、小松菜の7つの効果効能を紹介します。
小松菜に食物繊維は多い?
最後に食物繊維。食物繊維には次の2種類があって、それぞれはたらきが違います。
・水溶性食物繊維:海藻や果物に多い。血圧・血糖値・中性脂肪といった生活習慣病を予防する効果、便秘の解消効果などを発揮。
・不溶性食物繊維:いわゆる「繊維質」のイメージのもので、玄米、ごぼう、さつまいもなど穀物や野菜に多い。有害物質の排出、ダイエット、便秘解消などの効果を発揮。
さて、小松菜1食分には食物繊維はどのくらい含まれているのでしょうか?
女性に必要な食物繊維の何%が含まれているのかのグラフがこちらです。

男性はこちら。

わずか50gのおひたしで7%前後を補えます。
食物繊維不足で1日の目標の70%ほどしか摂れていない私たち。ブロッコリー、里芋、枝豆、大豆など、食物繊維の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
では、
小松菜に多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素が足りている?
小松菜に多い栄養素とその効果効能

女性の1日の目標量に対して、小松菜のおひたし1皿に多い栄養素の上位4つがこちら。
ビタミンK | 106.7% |
ビタミンA | 18.6% |
葉酸 | 17.9% |
鉄分 | 16.2% |
そのほか10%を超える栄養素は、ビタミンC、ビタミンE、カルシウムの3つ。
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンK
小松菜のビタミンKの量は?
小松菜のおひたし小鉢1皿50gの
ビタミンKの量は160μg。
ビタミンKは1日の目標量が女性も男性も150μg。
なので、小松菜のおひたし1皿のビタミンKは女性にとっても男性にとっても、1日の目標量の107%です。
ところで……
「私たちはビタミンKがちゃんと摂れてる?不足してる?」
「毎日の食生活に小松菜のおひたし1皿をプラスしたら、どのくらい増えるの?」
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=157%
ほうれんそう1皿=107%
合計=264%

男性:
平均摂取量=164%
ほうれんそう1皿=107%
合計=271%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
ビタミンKのおもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫に
- 切り傷など出血した血を固める
ちなみに、ビタミンKにはいろんな種類があります。食べ物に含まれているのはその中の3種類。
そして、特に骨粗しょう症への効果が大きく期待されているビタミンKが含まれているのは「納豆だけ」と言われています。
ひきわり納豆には粒納豆をはるかに超えるビタミンK、そしてビタミンB群、鉄分、銅、食物繊維などが豊富。ひきわり納豆の栄養価と効能はこちらをご覧ください。
ひきわり納豆に多い栄養素は?1パックの栄養価と8つの効果効能
納豆が骨を強くするのに効果的な理由についてはこちらでくわしく紹介しています。
納豆はカルシウムが多い? 1パックの含有量とほかの食べ物との比較
ビタミンA
小松菜のビタミンAの量は?
小松菜のおひたし小鉢1皿に
ビタミンAは130μgRAE。これは、
- 女性:1日の目標量の18.6%
- 男性:1日の目標量の14.4%
さて私たちはビタミンAがちゃんと摂れている?小松菜のおひたし1皿をプラスしたら摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=74%
ほうれんそう1皿=19%
合計=93%

男性:
平均摂取量=61%
ほうれんそう1皿=14%
合計=75%
男性は女性よりも不足。小松菜のおひたし1皿でも合計で75%と、まだまだ足りません。
にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉っぱなど、ビタミンAの多い野菜はいろいろあります。くわしくはこちらをご覧ください。
ビタミンAの多い野菜ランキング20【1食分】で比較!効果効能も!
ビタミンAの効果は?
ビタミンAのおもな効果は次の5つ。
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ビタミンAの効果といえばやはり免疫力アップですね。粘膜を守ってウイルスが侵入するのを防いでくれます。
活性酸素から体を守る抗酸化力も高いですし、視力を守るはたらきも期待されています。
葉酸
小松菜に含まれる葉酸の量は?
小松菜のおひたし小鉢1皿の
葉酸の量は 43μg。
葉酸は1日の目標量が女性も男性も240μg。
なので、小松菜のおひたし1皿分の葉酸は女性にとっても男性にとっても、1日の目標量の18%です。
では、私たちは葉酸が足りている?

女性:
平均摂取量=118%
ほうれんそう1皿=18%
合計=136%

男性:
平均摂取量=123%
ほうれんそう1皿=18%
合計=141%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
妊婦さんや授乳期のママさんは葉酸を多めにとることが推奨されています。その量、通常の目標量の1.5倍~2倍ほど。
小松菜のおひたし1皿プラスしても136%なので、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、サニーレタスなど、葉酸の多い食べ物を取り入れてくださいね。
鉄分
小松菜に含まれる鉄分の量は?
小松菜のおひたし小鉢1皿(50g)の
鉄分の量は 1.05mg。これは、
- 女性:1日の目標量の16.2%
- 男性:1日の目標量の14.0%
私たちは鉄分がちゃんと摂れている?

女性:
平均摂取量=112%
ほうれんそう1皿=16%
合計=128%

男性:
平均摂取量=107%
ほうれんそう1皿=14%
合計=121%
小松菜とほうれん草。同じ量のおひたしで比べると、小松菜はほうれん草の2.3倍の鉄分!小松菜のほうが鉄分が豊富なんです。
鉄分の多い食べ物をこちらで具体的に紹介していますのでご参考に。
鉄分の多い食べ物ランキング35【1食分】で比較!効果効能も!
鉄分の効果は?
鉄分のおもな効果は次の5つ。
- 血液(ヘモグロビン)をつくる
- コラーゲンをつくる
- 骨をつくる
- 皮膚や粘膜をつくる
- 免疫力を高める
貧血予防に効果的な葉酸や鉄分がたっぷり含まれた小松菜。 野菜に含まれる鉄分(非ヘム鉄)の吸収率を高めるビタミンCもたっぷり。
貧血ぎみな人はぜひ取り入れてみてください。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄分不足による症状「鉄欠乏性貧血」とは?」
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このほか小松菜の多い栄養素はこちら(%の数値は女性の目標量に対しての含有量です)。
- ビタミンE:12.5%
- カルシウム:11.5%
- ビタミンC:10.5%
ビタミンEは、サラサラ効果の栄養素。動脈硬化・心筋梗塞の予防、血圧を下げる、コリや冷えをやわらげる、といった効果ですね。
カルシウムは、骨や歯を丈夫にする栄養素。高血圧の予防にも効果を発揮します。
ビタミンCは抗酸化ビタミン。ストレスから守る、免疫を高める、美肌・美白、若々しさ、といった効果です。
以上、小松菜に多い栄養素についてお伝えしました。
これらをまとめて、最後に「小松菜を食べるとどんな効果があるの?」「どんな人こそ小松菜を食べるのがいいの?」についてお伝えします。
小松菜の7つの効果効能
小松菜はビタミンK、ビタミンA、葉酸、鉄分、カルシウムなど、さまざまな栄養素が多い野菜。
これらの栄養素のはたらきから、小松菜に期待される効果効能をまとめてみました。
- 免疫力を高める(感染症の予防)
- 老化や病気の予防(抗酸化作用)
- 貧血の予防
- 肌や粘膜を整える
- 骨や歯を強くする
- 高血圧を予防する
- ストレスから守る
ということで、小松菜をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ小松菜を食べてほしい!
小松菜をぜひ食べてほしいのはこんな人。
- 風邪をひきやすい
- 貧血ぎみ
- 血圧が気になる
- 骨や歯を丈夫にしたい
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- ストレスが多い
- いつまでも若々しくいたい人
- 妊婦さん
- 授乳中のママさん
小松菜に多い栄養素:まとめ
小松菜に多い栄養素と効果効能をお伝えしました。
小松菜に多い栄養素:女性の1日の目標量に対して、ビタミンKがダントツの107%。以下、ビタミンAが19%、葉酸、鉄分、ビタミンE、カルシウム、ビタミンCが目標量の10%以上含む栄養素です。
小松菜の効果効能:免疫力アップ、老化や病気の予防、貧血予防、肌や粘膜を整える、骨や歯を丈夫に、高血圧予防、ストレスから守る
どんな人に食べてほしい?:風邪をひきやすい、貧血ぎみ、高血圧、骨や歯を丈夫にしたい、肌荒れ、髪がパサつく、ストレスが多い、妊婦さん、授乳中のママさん
ビタミンだけでなく、鉄分やカルシウムも豊富な小松菜。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。