春菊は冬が旬。鍋料理におひたしにと活躍する春菊は、冬の風邪や感染症の予防効果の高い野菜なのです。
そんな春菊にはどんな栄養素が多いのか、どんな効果効能があるのか、ご存じですか?
このページを読むと、
- 春菊のおひたしを1皿食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れるの?
- 春菊の効果効能は?
- どんな人こそ食べると効果的なの?
といったことが手に取るようにわかります。春菊の栄養を上手に摂って元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】ほうれん草の栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?8つの効果効能は?
【関連記事】小松菜の栄養価がスゴい!どの栄養素が多い?7つの効果効能は?
春菊1食分の栄養価
春菊にはどんな栄養素が多いのでしょうか?
よく生の春菊100gの栄養価が紹介されていますが、
- 100gって1回に食べる量なの?
- 生の春菊を食べるわけじゃないし……
- 茹でたらビタミンCが逃げたり栄養価って変わるでしょ?
ここでは生の春菊100gの栄養価ではなく、春菊のおひたしを小鉢に1皿食べると、どの栄養素をどのくらい摂れるのか?というかたちで、ビタミン → ミネラル → 食物繊維の順にお伝えします。
▼ 1食分の量は?
春菊のおひたし1皿(64g)。
春菊は1袋が160gほど。茹でると128gに。その半分の64gを1食分としました。

春菊に多いビタミンは?
春菊のおひたしを1皿食べると、どのビタミンを多く摂ることができるのでしょうか?
栄養素にはそれぞれ「健康でいるためには1日にこのくらいの量を摂りましょう」という目安があります。
たとえばビタミンAなら……
ビタミンAの1日の推奨量(目標量)
30~64歳なら、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
では春菊のおひたしを1皿食べると女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
春菊に多いビタミンは……
ビタミンK | 196.3% |
ビタミンA | 40.2% |
葉酸 | 26.7% |
ビタミンE | 21.3% |
春菊のおひたし1皿で1日に必要なビタミンKの2倍もの量を摂ることができます。
さらにうれしいのが私たちに不足しがちなビタミンAが豊富なこと。女性は目標の74%しか摂れていませんが、春菊のおひたしを食べれば一気に40%も補えて目標クリアになります。
春菊以外でビタミンAの多い野菜はにんじん、かぼちゃ、ほうれん草など。くわしくはこちらをご覧ください。
ビタミンAの多い野菜ランキング20【1食分】で比較!効果効能も!
次に男性にとって1日に必要なビタミンの量と比べてみるとどうでしょう?

男性にとっても、春菊のおひたし1皿でビタミンK、A、E、葉酸をしっかりと摂ることができます。
では春菊にはどんなミネラルが多いのでしょうか?
春菊に多いミネラルは?
春菊のおひたしを1皿食べると女性にとって1日に必要なミネラルの何%を摂ることができるのでしょうか?

男性は……

ビタミンKやビタミンAほど飛びぬけて多いミネラルはないですが、春菊1食分に多いのはこちら。
カルシウム | 11.8% |
鉄 | 11.8% |
銅 | 11.0% |
マンガン | 9.0% |
カリウム | 8.6% |
ただ、同じ量のおひたしで比べると……
カルシウム:
ほうれん草は春菊とほぼ同じ。小松菜は春菊の1.6倍。
鉄分:
ほうれん草は春菊の1.5倍。小松菜は春菊の2.2倍。
春菊はミネラルよりビタミンがしっかり摂れる野菜、ということですね。
では最後に、春菊のおひたしでどのくらい食物繊維を摂ることができるのかをお伝えします。
春菊に食物繊維は多い?
食物繊維は2種類。それぞれはたらきが違います。
・水溶性食物繊維:海藻のヌルヌル・ネバネバした食感の部分や果物に多い。血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防、便秘解消に効果を発揮。
・不溶性食物繊維:食物繊維というイメージとおりポソポソした繊維質のもの。野菜や穀物に多い。有害物質のデトックス、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮。
さて女性にとって1日に必要な食物繊維の何%が含まれているのかのグラフがこちら。

男性の場合はこちら。

日本人は食物繊維のなかでも生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす「水溶性食物繊維」がかなり不足。
1日の目標量に対して女性は58%。男性は51%しか摂れていません。
春菊のおひたし1皿で10%ほども補えますが、まだまだ足りません。水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して摂る必要があります。
水溶性食物繊維の多い野菜はさといも、ブロッコリー、オクラなど。くわしくはこちらをご覧ください。
水溶性食物繊維の多い野菜ランキング12【1食分】で比較!
また果物なら水溶性食物繊維を手軽に摂ることができます。多く含む果物はこちら。
水溶性食物繊維の多い果物ランキング15【1食分】で比較!
では、
春菊に多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素が足りている?
春菊に多い栄養素とその効果効能

女性の1日の目標量に対して、春菊のおひたし1皿に多い栄養素の上位5つがこちら。
ビタミンK | 196.3% |
ビタミンA | 40.2% |
葉酸 | 26.7% |
ビタミンE | 21.3% |
不溶性食物繊維 | 13.9% |
そして、
カルシウム | 11.8% |
鉄 | 11.8% |
水溶性食物繊維 | 11.7% |
銅 | 11.0% |
の4つが女性の1日の目標に対して10%以上含まれている栄養素です。
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンK
春菊のビタミンKの量は?
春菊のおひたし1皿(64g)に
ビタミンKは294μg。
ビタミンKの1日の目標量は
女性も男性も150μg。
なので、春菊のおひたし1皿分のビタミンKは女性にとっても男性にとっても、1日の目標量の196%です。
ところで……
私たちはビタミンKがちゃんと摂れている?
毎日の食生活に春菊のおひたしを1皿プラスしたら、摂取量はどのくらい増える?
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=157%
春菊のおひたし1皿=196%
合計=353%

男性:
平均摂取量=164%
春菊のおひたし1皿=196%
合計=360%
いろんな食べ物に含まれているので不足しにくい栄養素です。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果効能は?
ビタミンKのおもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫に
- 切り傷など出血した血を固める
ビタミンKにはいくつか種類がありますが、特に骨粗しょう症への効果がとても期待されているのは納豆に含まれるビタミンK。
なかでもひきわり納豆には粒納豆の1.5倍の372μgも含まれています。ひきわり納豆の栄養価と効能はこちらをご覧ください。
ひきわり納豆に多い栄養素は?1パックの栄養価と8つの効果効能
ビタミンA
春菊のビタミンAの量は?
春菊のおひたし1皿に
ビタミンAは282μgRAE。これは、
- 女性:1日の目標量の40%
- 男性:1日の目標量の31%
さて、私たちはビタミンAがちゃんと摂れている?春菊のおひたしを1皿食べると摂取量はどう増える?
女性の場合は……

女性:
平均摂取量=74%
春菊のおひたし1皿=40%
合計=114%

男性:
平均摂取量=61%
春菊のおひたし1皿=31%
合計=92%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
ビタミンAの効果効能は?
ビタミンAのおもな効果は次の5つ。
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ビタミンAは私たちにとても不足している栄養素。感染症にかからないためにもしっかりと摂りたい重要な栄養素です。
1食分あたりでビタミンAの多い食べ物はこちらをご覧ください。
次は、春菊に3番目に多い「葉酸」の効果についてです。
葉酸
春菊に含まれる葉酸の量は?
春菊のおひたし1皿(64g)に
葉酸は64μg。
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
春菊のおひたし1皿分の葉酸は1日の目標量の27%になります。
では、私たちは葉酸がちゃんと摂れているかというと……

女性:
平均摂取量=118%
春菊のおひたし1皿=27%
合計=145%

男性:
平均摂取量=123%
春菊のおひたし1皿=27%
合計=150%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果効能は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人、疲れやすい人は葉酸が不足しやすい傾向にあります。
妊婦さんや授乳中のママも葉酸を多めに摂るように気をつけたいですね。葉酸の多い食べ物はこちらで紹介しています。
葉酸の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
ビタミンE
春菊のビタミンEの量は?
春菊のおひたし1皿に
ビタミンEは1.3mg。これは、
- 女性:1日の目標量の21%
- 男性:1日の目標量の18%
春菊を1皿食べるとビタミンEの摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=108%
春菊のおひたし1皿=21%
合計=129%

男性:
平均摂取量=100%
春菊のおひたし1皿=18%
合計=118%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効果効能は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血管の掃除役でもあるビタミンEはサラサラ効果の高い栄養素。洋食が多い、濃い味が好き、お酒をよく飲む、といった方は生活習慣病の予防のためにも積極的に摂りましょう。
1食分あたりでビタミンEの多い食べ物はほかに、アーモンド、豆乳、豚肉、さば缶、鮭、かぼちゃ、ゴールドキウイなどがあります。
春菊の8つの効果効能
春菊にはビタミンK、ビタミンA、食物繊維、鉄分などあらゆる栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、春菊に期待される8つの効果効能がこちらです。
- 免疫を高める(感染症の予防)
- 活性酸素を除去する(老化や病気の予防)
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 高血圧の予防
- 貧血の予防
- 骨や歯を丈夫にする
- 美肌・美髪
春菊はビタミンAやビタミンEが多いので、免疫を高めてウイルスから守るはたらきや、抗酸化とサラサラ効果で生活習慣病を予防するはたらきが高いですね。
そして、春菊をぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
春菊を食べてほしい人とは?
春菊をぜひ食べてほしいのはこんな人。
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい、体調をくずしやすい
- 血圧が高い
- お腹まわりが気になる
- 貧血ぎみ
- 肌荒れ、髪がパサつく
- ストレスが多い
40代からの生活習慣病が気になる人、体調がいまひとつな人、感染症を予防したい人にぜひ食べてもらいたいのが春菊なのですね。
春菊に多い栄養素:まとめ
春菊に多い栄養素と効果効能についてお伝えしました。
春菊に多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンK、ビタミンA、葉酸、ビタミンE。10%以上では、不溶性食物繊維、カルシウム、鉄、水溶性食物繊維、銅、マンガン、カリウム。
春菊の効果効能:感染症の予防、老化や病気の予防、動脈硬化・心筋梗塞の予防、サラサラ効果(高血圧の予防)、貧血予防、骨を強くする、美肌・美髪
どんな人に食べてほしい?:風邪をひきやすい、疲れやすい、体調がいまひとつ、お腹まわりが気になる、高血圧、貧血、肌荒れ、髪がパサつく、ストレスが多い
春菊はウイルスからあなたを守り、生活習慣病の予防にも効果を発揮します。ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。