春菊は冬が旬。鍋料理におひたしにと活躍する春菊は、冬の風邪や感染症の予防効果の高い野菜なのです。
そんな春菊にはどんな栄養素が多いのか、どんな効果があるのか、ご存じですか?
このページを読むと、
- 春菊にはどの栄養素が多い?
- おひたしを1皿食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- 春菊の健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。春菊に詰まった栄養を上手に取り入れて元気な毎日を過ごしましょう。
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春菊のおひたし1皿の栄養価
春菊に多い栄養素は、β-カロテン、ビタミンK、E、葉酸、食物繊維、カルシウム、鉄、カリウムなど。
効果としては、感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、子供の成長促進、貧血予防、骨や歯を強くする、美肌・美髪などが期待できます。
そんな春菊。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ここでは「生の春菊100gの栄養価」ではなく、1度に食べる量として……
春菊のおひたしを1皿食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
春菊に多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?
についてお伝えします。
春菊のおひたし1皿=64g。
春菊は1袋が160gほど。茹でると128gに。その半分の64gを1度に食べる量としました。
生ではなく茹でた春菊の栄養価を紹介します。

春菊に多いビタミンは?
春菊のおひたしを1皿食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要な量に対して、春菊のおひたし1皿に多いビタミンは……
ビタミンK | 196% |
ビタミンA | 40% |
葉酸 | 27% |
ビタミンE | 21% |
春菊にもっとも豊富なビタミンK。おひたし1皿で1日に必要な量の2倍も摂ることができます。
さらにうれしいのが私たちにかなり足りないビタミンAが豊富なこと。1日に必要な量の2/3程度しか摂れていませんが、春菊1皿で不足分を十分に補うことができます。
次は春菊にはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
春菊に多いミネラルは?
春菊のおひたし1皿で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

ビタミンKやビタミンAほど飛びぬけて多くはないですが、春菊に多いミネラルはこちら。
カルシウム | 12% |
鉄 | 12% |
銅 | 11% |
マンガン | 9% |
カリウム | 9% |
なおミネラルに関しては、小松菜やほうれん草のほうが春菊よりも豊富。春菊はビタミンがしっかり摂れる野菜ということですね。
では、春菊のおひたし1皿あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、春菊の8つの効果効能を紹介します。
春菊に食物繊維は多い?
春菊のおひたし1皿の食物繊維の量はこちら。

不溶性食物繊維 | 14% |
水溶性食物繊維 | 12% |
私たちは不溶性食物繊維が1日に必要な量の10%ほど不足。春菊1皿でちょうど補えます。
ただ水溶性食物繊維は必要量の半分程度しか摂れていません。春菊だけではまだまだ不足。多く含む食べ物をしっかり食べましょう。
さて、
春菊に多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
春菊に多い栄養素とその効果

春菊のおひたし1皿(64g)に含まれている栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンK | 196% |
ビタミンA | 40% |
葉酸 | 27% |
ビタミンE | 21% |
不溶性食物繊維 | 14% |
次いで、カルシウム、鉄、水溶性食物繊維、銅などが多く含まれています。
ではこの5つの栄養素は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- 春菊でどのくらい補える?
- どんな効果がある?
についてお伝えします。
ビタミンK
春菊にもっとも多い栄養素はビタミンK。骨を丈夫にするなどの効果があります。
春菊のビタミンKの量は?
1日に必要な量は
女性も男性も150μg。
春菊のおひたし1皿には294μg。
1日の目安量の196%もの多さです。
さて私たちは、普段からビタミンKをどのくらい摂れていて、春菊のおひたしを1皿食べるとどのくらい増えるのかというと……

女性が摂れている量は、157%
春菊のおひたし1皿に、196%
合計で、353%
男性が摂れている量は、164%
春菊のおひたし1皿に、196%
合計で、360%
ビタミンKはいろんな食べ物に含まれているので不足しにくい栄養素。食生活がかたよっていたり、抗生物質を飲むことが多い人は不足しないよう注意が必要です。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果は?
おもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫にする
- 切り傷など出血した血を固める
ビタミンKにはいくつかの種類に分かれますが、骨粗しょう症への効果が特に期待されているのは納豆に含まれるビタミンK。
粒納豆よりひきわり納豆に豊富で1パックに372μgと春菊の1.3倍。ひきわり納豆の栄養価と効能はこちらで紹介しています↓
ビタミンA
春菊に2番目に豊富なビタミンA。粘膜を健康にしてウイルスから守り、目の健康も守る効果のある栄養素です。
春菊のビタミンAの量は?
1日に必要な量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
春菊のおひたし1皿に282μgRAE。
では、普段からどのくらい摂れていて、春菊を食べるとどう増えるかというと……

女性が摂れている量は、74%
春菊のおひたし1皿に、40%
合計で、114%
男性が摂れている量は、61%
春菊のおひたし1皿に、31%
合計で、92%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
ビタミンAの効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ビタミンAは私たちにとても不足している栄養素。感染症にかからないためにもしっかりと摂りたい重要な栄養素です。
春菊以外にも多く含まれている食べ物はこちらで紹介しています↓
次は、春菊に3番目に豊富な「葉酸」の効果を紹介します。
葉酸
春菊に3番目に豊富な葉酸。胎児の発育だけでなく、細胞を作って肌や粘膜を守る効果も発揮します。
春菊の葉酸の量は?
1日に必要な量は
女性も男性も240μg。
春菊のおひたし1皿には64μg。
春菊を食べると……

女性が摂れている量は、118%
春菊には、27%
合計で、145%
男性が摂れている量は、123%
春菊には、27%
合計で、150%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
おもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人、疲れやすい人は葉酸が不足しやすい傾向にあります。
妊婦さんや授乳中のママも葉酸を多めに摂ることが大切。葉酸の多い食べ物はこちらで紹介しています。
葉酸の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
ビタミンE
4番目の栄養素はビタミンE。悪玉コレステロールをおさえて動脈効果や心筋梗塞から守る効果があります。
春菊のビタミンEの量は?
1日に必要な量は
女性が6mg、男性が7mg。
春菊のおひたし1皿に1.3mg。

女性が摂れている量は、108%
春菊に、21%
合計で、129%
男性が摂れている量は、100%
春菊に、18%
合計で、118%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血管の掃除役でもあるビタミンEはサラサラ効果の高い栄養素。洋食が多い、濃い味が好き、お酒をよく飲む、といった方は生活習慣病の予防のためにも積極的に摂りましょう。
不溶性食物繊維
春菊に5番目に豊富な不溶性食物繊維。野菜、きのこ、玄米などに多く、デトックスや便秘解消に効果を発揮します。
春菊の不溶性食物繊維の量は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
春菊のおひたし1皿に1.7g。

女性が摂れている量は、93%
春菊に、14%
合計で、107%
男性が摂れている量は、84%
春菊に、12%
合計で、96%
※食物繊維の必要量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日に必要な量を上記の量としています。
やや不足がちな不溶性食物繊維ですが、春菊1皿でほぼ補うことができます。
不溶性食物繊維の効果は?
- 便秘を解消する(便のカサを増やして腸の運動を活発に)
- 有害物質を排出する(重金属、食品添加物、ダイオキシンなど)
- ダイエット(満腹感が得やすい)
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維は、便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘解消に効果的。腸のなかで大きくふくらんで、便のカサを増やしてくれます。
便が固い、いきまないと出ない、といったタイプには水溶性食物繊維が効果的。固くなった便に水分をあたえて柔らかくしてくれます。
便秘にタイプによってどちらの食物繊維が効果的なのか、こちらでくわしくお伝えしています↓
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春菊に豊富な栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- 春菊を食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
春菊の8つの効果効能
春菊にはビタミンK、ビタミンA、食物繊維、鉄分などあらゆる栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、春菊に期待される8つの効果がこちらです。
- 感染症を予防する
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫機能を高める - 老化やあらゆる病気を予防する
ビタミンAやEの高い抗酸化作用で老化や病気の原因となる活性酸素を除去する - 動脈硬化を予防する
ビタミンEがコレステロールや脂肪の酸化を防ぎ、血管の細胞膜のダメージも防いで血管を健康にしなやかに保つ - 心筋梗塞や脳梗塞の予防
ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえて善玉コレステロールを増やす - 子供の成長を促進する
ビタミンAや葉酸が細胞の増殖を促進して成長と発育を促進する - 貧血の予防
葉酸や鉄分が血液(赤血球・ヘモグロビン)を作って全身に酸素を届ける - 骨や歯を丈夫にする
カルシウムは骨の主成分となり、鉄分はもう1つの主成分であるコラーゲンをつくり、ビタミンKは骨にカルシウムを取り込むはたらきを高める - 肌や髪を美しくする
ビタミンA、E、葉酸が新陳代謝を高めて肌・粘膜・爪・髪を美しく整える
春菊は抗酸化ビタミンが豊富。免疫力を高めてウイルスから守るはたらきや、抗酸化とサラサラ効果で生活習慣病を予防する効果を発揮してくれます。
そして、春菊をぜひ食べてもらいたい人は……
春菊を食べてほしい人とは?
春菊をぜひ食べてほしいのはこんな人。
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい、体調をくずしやすい
- 揚げ物、ラーメンなど脂っこいものが好き
- お腹まわりが気になる
- 血圧が高い
- 貧血ぎみ
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
40代からの生活習慣病が気になる人、体調がいまひとつな人、感染症を予防したい人にぜひ食べてもらいたいのが春菊なのです。
春菊に多い栄養素:まとめ
春菊に多い栄養素と期待される効果についてお伝えしました。
春菊に多い栄養素:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンK、ビタミンA、葉酸、ビタミンE、不溶性食物繊維、カルシウム、鉄、水溶性食物繊維など
春菊の効果:感染症の予防、アンチエイジング、動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、子供の成長促進、貧血予防、骨や歯を強くする、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、疲れやすい、脂っこいものが好き、お腹まわりが気になる、血圧が高い、貧血ぎみ、肌荒れや髪のパサつきが気になる
春菊はウイルスからあなたを守り、生活習慣病の予防にも効果を発揮します。ぜひふだんの食生活に取り入れてみてください。