れんこんと言えば食物繊維の多い食べ物というイメージでしょう。
でも本当に食物繊維が多いのでしょうか?ほかにどんな栄養素が多いのかご存じですか?
このページを読むと、
- れんこんに多い栄養素は?
- れんこんのきんぴら1食分で、1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- れんこんはどんな人こそ食べるといいの?
などが手に取るようにわかります。れんこんに多い本当の栄養素を知って、元気な毎日にお役立てください。
【関連記事】ごぼうに多い栄養素はこれ!7つの効果効能もご紹介!
れんこんに多い栄養素
れんこんにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
よく100gあたりの栄養価が紹介されていますが、ここでは、
れんこんのきんぴら「1食分」に、どの栄養素がどのくらい含まれているのか?
というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えします。
▼ 1食分の量は?
れんこんのきんぴら1皿(80g)。
一般的なサイズのれんこんは1節が200gほど。1節の半分弱を1食分としました。小鉢に1皿分ほどの量です。

れんこんに多いビタミンは?
栄養素にはそれぞれごとに「健康でいるためには1日にこのくらいの栄養素を摂りましょう」という目安の量があります。
たとえばビタミンEなら……
ビタミンEの1日の目安量(目標量)
30~49歳なら、
女性:5.5mg、男性:6.0mg
50~64歳なら、
女性:6.0mg、男性:7.0mg
男性と女性でも目標量は違いますし、年齢層によっても違いますね。
ここでは「女性の場合は?」「男性の場合は?」についてそれぞれ紹介していきましょう。
※50~64歳のほうが目標量が多いので、こちらを基準にお伝えします。
(女性は6mg、男性は7mg)
まずは女性の場合。
れんこんのきんぴら1皿で女性の1日の目標量の何%のビタミンが摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
れんこんのきんぴら1皿に多い栄養素は、ビタミンの中では、
ビタミンC | 38.4% |
パントテン酸 | 14.2% |
ビタミンE | 8.0% |
ビタミンB1 | 7.3% |
ビタミンB6 | 6.5% |
※女性の1日に必要な量の何%が含まれているかを数値で表しています。
れんこんには意外にもビタミンCがたっぷり!1日に必要な量の40%も摂ることができるんです。
では男性の1日の目標量に対して何%のビタミンが摂れるのでしょうか?

栄養素によっては1日の目標量が男性と女性とで違うものもありますが、れんこんに多い栄養素はもちろん同じ。
ビタミンCがダントツ。次いで、E、B群(パントテン酸、B1、B6)などをしっかりと補うことができますね。
では「れんこんに多いビタミンの効果効能」についてお伝えする前に、れんこんにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
れんこんに多いミネラルは?
れんこんのきんぴら1食分で女性の1日の目標量の何%のミネラルが摂れるのでしょうか?

れんこんのきんぴら1食分に多いミネラルはこちら。
マンガン | 17.8% |
カリウム | 17.6% |
銅 | 10.3% |
リン | 7.4% |
鉄分 | 6.2% |
マンガン、カリウムがダントツ。「マンガンってなに?」って思われるでしょうが、のちほどマンガンの効果もお伝えしますね。
男性の場合はこちら。

さて、ビタミン、ミネラルとお伝えしてきました。最後にれんこんにはどのくらい食物繊維が含まれているのかお伝えします。
れんこんに食物繊維は多い?
最後に食物繊維。れんこんといえば食物繊維ですね。
食物繊維には次の2種類があって、それぞれはたらきが違います。
・水溶性食物繊維:生活習慣病予防、便秘解消など。がごめ昆布など海藻のネバネバした部分や、果物のサラサラした食感が水溶性食物繊維です。
・不溶性食物繊維:デトックス、ダイエット、便秘解消など。いわゆる「繊維質」のイメージのもので、ごぼう、さつまいもなど野菜に多く含まれています。
では、れんこんのきんぴら1食分で女性の1日の目標量の何%の食物繊維を摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 12.0% |
水溶性食物繊維 | 2.7% |
イメージ通りれんこんには「繊維質」である不溶性食物繊維が多く含まれています。
日本人は食物繊維不足。1日の目標の70%ほどしか摂れていません。
水溶性の方が目標のわずか55%とまったく足りていないのですが、不溶性の食物繊維も目標の90%前後しか摂れておらず、不足しています。
れんこんのきんぴらなら1食分に目標量の10%以上が含まれているので、食物繊維不足を補ってくれますね。
ちなみに男性はこちら。

では、
れんこんに多い栄養素の効果効能とは?
私たちはその栄養素が足りているのでしょうか?
れんこんに多い栄養素の効果効能とは?

女性の1日の目標量に対して、れんこんのきんぴら1食分に多い栄養素の上位6つがこちら。
ビタミンC | 38.4% |
マンガン | 17.8% |
カリウム | 17.6% |
パントテン酸 | 14.2% |
不溶性食物繊維 | 12.0% |
銅 | 10.3% |
では順番に、どのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンC
れんこんのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg
れんこんのきんぴら1皿(80g)に
ビタミンCは38.4mg。
1日の目標量の38.4%です。
ところで私たち、ビタミンCがちゃんと摂れている?摂れていない?
れんこんのきんぴらを1皿食べると、ビタミンCはどう増える?
女性の場合は、

女性:
平均摂取量=96%
れんこんのきんぴら1皿80g=38%
合計=134%
男性は、

男性:
平均摂取量=91%
れんこんのきんぴら1皿80g=38%
合計=129%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCのおもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める(ウイルスへの抵抗力アップ)
- 老化や病気を予防する(抗酸化)
- ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
抗酸化作用が高く、ストレスやウイルスや活性酸素から体を守ってくれるビタミンC。体内にためておけない栄養素なので、ビタミンCの多い食べ物でこまめにしっかりと摂りましょう。
果物ならいつでも手軽にビタミンCを補給できますね。ビタミンCの多い果物はこちらで具体的に紹介しています。
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
マンガン
れんこんのマンガンの量は?
マンガンの1日の目安量は、
女性が3.5mg、男性が4mg。
れんこんのきんぴら1皿(80g)に
マンガンは0.6mg。これは、
- 女性:1日の目標量の18%
- 男性:1日の目標量の16%
マンガンについては「ふだんの食生活でどのくらい摂れているか」の調査がないので、詳細はわかりません。
ただマンガンは、お茶、野菜、果物、豆、米、といった植物性の食品を中心に多くの食べ物に含まれているので、不足しにくい栄養素と考えられています。
また、通常の食生活をしている中でマンガンの摂りすぎになることもまずありません。
なお、マンガンの多い食べ物はこちらです。
マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マンガンの効果効能は?
マンガンのおもな効果は次の7つ。
- エネルギーを作る:脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化
- 骨を強くする
- 美肌:ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける
- インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
糖尿、血圧、血糖値、骨が弱くなる、疲れやすくなる、といった不調をカバーしてくれる栄養素です。
カリウム
れんこんのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
れんこんのきんぴら1皿(80g)に
カリウムは352mg。これは、
- 女性:1日の目標量の18%
- 男性:1日の目標量の14%
れんこんのきんぴら1皿食べると、カリウムの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=111%
れんこんのきんぴら1皿80g=18%
合計=129%

男性:
平均摂取量=96%
れんこんのきんぴら1皿80g=14%
合計=110%
カリウムの効果効能は?
カリウムのおもな効果は次の4つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
濃い味つけが好きな人、ストレスが多い人、よく汗をかく人、下痢ぎみな人は、体内でカリウムをたくさん消費してしまいます。
れんこんなどのカリウムの多い食べ物を意識して摂るようにしましょう。
パントテン酸
れんこんのパントテン酸の量は?
パントテン酸の1日の目標量は
女性も男性も同じ5.0mg。
れんこんのきんぴら1皿(80g)に
パントテン酸は0.7mg。
1日の目標量の14%になります。
れんこんのきんぴら1皿食べると、パントテン酸の摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=106%
れんこんのきんぴら1皿80g=14%
合計=120%

男性:
平均摂取量=121%
れんこんのきんぴら1皿80g=14%
合計=135%
パントテン酸の効果効能は?
パントテン酸のおもな効果は次の4つ。
- エネルギーを作る:
脂質・糖質・たんぱく質を分解して代謝 - ストレスに強くなる:
ストレスに対抗するために必要な副腎皮質ホルモンの分泌を促進し、免疫力も強める - 肌や髪を美しく整える:
傷ついた肌やいたんだ髪の質を良くする - 生活習慣病の予防:
善玉コレステロールを増やしてサラサラ効果
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「パントテン酸解説」
ストレスが多い、お酒が好き、コーヒーが好き、疲れやすい、頭痛が多い、髪がぱさつく、といった人はパントテン酸不足かも。パントテン酸の多い食べ物などしっかりと摂るようにしましょう。
不溶性食物繊維
れんこんの不溶性食物繊維の量は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
れんこんのきんぴら1皿(80g)に
不溶性食物繊維は1.44g。これは、
- 女性:1日の目標量の12%
- 男性:1日の目標量の10%
れんこんのきんぴら1皿食べると、不溶性食物繊維の摂取量はどう増えるのかというと……
女性:
平均摂取量=93%
れんこんのきんぴら1皿80g=12%
合計=105%
男性:
平均摂取量=84%
れんこんのきんぴら1皿80g=10%
合計=94%
不溶性食物繊維の効果効能は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- ダイエット
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」
体に有害な物質をしっかりと出してくれる不溶性食物繊維はとても頼もしい存在。腸内環境をキレイにしてあげましょう。
【関連記事】不溶性食物繊維のスゴい3つの効果と多い食べ物とは?
また便秘の解消効果ですが、便秘のタイプによっては不溶性食物繊維の摂りすぎで解消どころか逆効果になることも。
便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維についてはこちらでくわしく紹介しています。
便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維とは
銅
れんこんに含まれる銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
れんこんのきんぴら1皿(80g)の
銅の量は0.07mg。これは、
- 女性:1日の目標量の10%
- 男性:1日の目標量の8%
れんこんのきんぴら1皿食べると、銅の摂取量はどう増えるのかというと……
女性:
平均摂取量=149%
れんこんのきんぴら1皿80g=10%
合計=159%
男性:
平均摂取量=133%
れんこんのきんぴら1皿80g=8%
合計=141%
銅の効果効能は?
銅にどんな効果があるのか、ピンと来ないかもしれません。その効果はこちら。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
鉄分不足だけが貧血の原因ではなく、銅が不足することで起こる貧血(銅欠乏性貧血)も珍しくありません。
れんこんなど銅の多い食べ物を食べるようにしましょう。
特に、ストレスが多い、風邪をひきやすい、貧血ぎみ、亜鉛のサプリを飲んでいる、といった人は銅不足かもしれませんよ。
【関連記事】立ちくらみの原因は貧血じゃない!?本当の6つの原因と改善策とは?
れんこんの効果をまとめると……

ビタミンC、カリウム、食物繊維など、いろんな栄養素が多いれんこん。
これらの栄養素のはたらきから、れんこんに期待される効果効能をまとめてみました。
- 免疫力を高める
- 病気や老化の予防(抗酸化)
- ストレスから守る
- 代謝を高める
- デトックス
- 生活習慣病の予防
- 美肌・美髪
ということで、れんこんをぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
れんこんを食べてほしい人とは?
れんこんをぜひ食べてほしいのはこんな人。
- 風邪をひきやすい
- 疲れがとれない
- 生活習慣病を予防したい(血圧・血糖値・糖尿)
- ストレスが多い
- 食生活がかたよっている
- 肌荒れ、髪がパサつく
どうも体調がスッキリしない人、肌や髪のトラブルが気になる、といった方にぜひ食べてもらいたいのがれんこんなのですね。
れんこんに多い栄養素:まとめ
れんこんに多い栄養素についてお伝えしました。
れんこんに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、マンガン、カリウム、パントテン酸、不溶性食物繊維、銅など
れんこんの効果効能:免疫力アップ、病気や老化の予防(抗酸化)、ストレスから守る、代謝を高める、有害物質をデトックス、生活習慣病の予防、美肌・美髪
どんな人に食べてほしい?:風邪をひきやすい、疲れがとれない、血圧・血糖値・糖尿が気になる、ストレスが多い、食生活がかたよっている、肌荒れ、髪がパサつく
仕事に家庭にと、ストレスを抱えながらも忙しく過ごす年代にとってうれしい効果を発揮してくれるれんこん。
きんぴら、筑前煮、サラダなど、ぜひふだんの食生活に取り入れてみてくださいね。