たけのこに多い栄養素は?

シャキシャキとした食感が楽しめるたけのこ。

食物繊維が多いイメージはありますが、ほかにどんな栄養が多いのか、どんな効果効能があるのか、ご存じですか?

これからお伝えする内容を読むと、

  • たけのこはどの栄養素が多い?
  • 土佐煮など1皿食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
  • たけのこの健康効果は?
  • どんな人こそ食べると効果的?

などが手に取るようにわかります。たけのこの栄養をしっかり吸収して元気な毎日を過ごしましょう。

【関連記事】ごぼうに多い栄養素はこれ!7つの効果効能もご紹介!

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この記事は栄養補助食品の販売をはじめ健康業界に20年以上携わる健康通販(株)ナチュラルハーモニー代表の斉藤豊が執筆しました。

たけのこ1皿の栄養価

たけのこに多い栄養素は、ビタミンE、葉酸、マンガン、クロム、銅、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維など。

動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防、貧血予防、便秘解消、疲労回復、美肌・美髪などの効果が期待できます。

そんなたけのこ。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?

ここでは100gあたりの栄養価ではなく、1度に食べる量として……

たけのこを1皿食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?

たけのこに多い栄養素は何?
どんな効果が期待できる?

といったかたちでお伝えします。

たけのこの土佐煮:1皿67g
たけのこの水煮を使って作った場合の栄養価です。たけのこの水煮は1個が約200g。これを3人分として1食分を67gとしました。

たけのこの土佐煮

たけのこに多いビタミンは?

たけのこの土佐煮を1皿食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

たけのこ1皿で1日分のビタミンの何%が摂れるのかのグラフ

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース

女性が1日に必要なビタミンに対して、たけのこ1皿に多く含まれているのは……

ビタミンE11%
葉酸10%

ビタミンのなかではこの2つだけが豊富。そのほかはそれほど多くは含まれていません。

次はたけのこにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。

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たけのこに多いミネラルは?

たけのこの土佐煮を1皿食べると、1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

たけのこ1皿で1日分のミネラルの何%が摂れるのかのグラフ

たけのこ1皿に多く含まれるミネラルは……

マンガン13%
クロム7%

エネルギーをつくるはたらきのマンガンが豊富。次に多いクロムもエネルギー代謝の栄養素です。

そのほかのミネラルはやや少なめです。

では、たけのこ1皿あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、たけのこの6つの効果効能を紹介します。

たけのこに食物繊維は多い?

たけのこの土佐煮1皿67gで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

たけのこ1皿で1日分の食物繊維の何%が摂れるのかのグラフ
不溶性食物繊維10%
水溶性食物繊維6%

繊維質である「不溶性食物繊維」が比較的多いのはイメージ通りではないでしょうか。

水溶性と不溶性は1:2のバランスがよいとされています。たけのこは2種類の食物繊維をバランスよく摂ることができる食べ物と言えそうです。

では、

たけのこに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?

私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?

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たけのこに多い栄養素とその効果

たけのこの土佐煮

たけのこの土佐煮を1皿に含まれている栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、

マンガン13%
ビタミンE11%
不溶性食物繊維10%
葉酸10%
クロム7%
水溶性食物繊維6%

では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、たけのこ1皿でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。

マンガン

たけのこにもっとも多い栄養素はマンガン。食べ物をエネルギーに変える、骨を強くするなどの効果を発揮します。

たけのこのマンガンの量は?

1日に必要な量は
女性が3.5mg、男性が4mg。
たけのこ1皿に0.46mg

女性:1日の目安量の13%
男性:1日の目安量の11%

マンガンの必要量とたけのこ1皿に含まれる量のグラフ

※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「マンガン解説

マンガンは「足りているのか、足りていないのか」の調査がありませんが、一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもないと考えられています。

【関連記事】マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!

マンガンの効果は?

マンガンのおもな効果は次の7つ。

  • エネルギーを作る:
    脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化
  • 骨を強くする
  • 美肌:
    ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける
  • インスリンを作るサポート
  • 抗酸化作用
  • 生殖機能を守る
  • 愛情を高める

なじみのない栄養素かもしれませんが、疲労回復、糖尿病の予防、骨粗しょう症の予防、美肌効果などが期待される栄養素です。

ビタミンE

たけのことわかめの煮物

2番目の栄養素はビタミンE。血管の掃除役でサラサラ効果や悪玉コレステロールをおさえるはたらきがあります。

たけのこのビタミンEの量は?

1日に必要な量は
女性が6mg、男性が7mg。
たけのこ1皿に0.67mg

さて私たちは、普段からビタミンEをどのくらい摂れていて、たけのこを1皿食べるとどのくらい増えるのかというと……

ビタミンEの必要量、女性が摂れている量、たけのこに含まれる量のグラフ

女性が摂れている量は、108%
たけのこ1皿に、11%
合計で、119%

男性が摂れている量は、100%
たけのこ1皿に、10%
合計で、110%

※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査

ビタミンEの効果は?

おもな効果は次の7つ。

  • 動脈硬化の予防
  • 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
  • 心疾患や貧血の予防
  • 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
  • 美肌・美髪
  • 記憶力を高める
  • 更年期障害の症状をやわらげる

40代からの生活習慣病に気をつけたい年代には大切なビタミンですね。

たけのこのほか、ビタミンEが多い食べ物は、豆乳、トマトジュース、豚肉、かぼちゃ、さば缶、鮭、ゴールドキウイなど。

忙しくて食生活が乱れている、脂っこいものや甘いものが好き、お酒をよく飲む、といった方はビタミンEを積極的に摂りましょう。

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不溶性食物繊維

たけのこに3番目に多く含まれる不溶性食物繊維。玄米、大豆、野菜などに豊富でデトックスや便秘解消などの効果があります。

たけのこの不溶性食物繊維の量は?

1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
たけのこ1皿に1.2g

では、普段からどのくらい摂れていて、たけのこ1皿でどう増えるかというと……

不溶性食物繊維の必要量、女性が摂れている量、たけのこに含まれる量のグラフ

女性が摂れている量は、93%
たけのこに、10%
合計で、103%

男性が摂れている量は、84%
たけのこに、9%
合計で、93%

※食物繊維の必要量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日に必要な量を上記の量としています。

※参考サイト:NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー

不溶性食物繊維の効果は?

おもな効果は次の3つ。

  • 便秘を解消する(便のカサを増やす)
  • 有害物質を排出する
  • ダイエット

不溶性食物繊維が効果を発揮する便秘は、お通じの回数が少ない、便の量が少ない、といったタイプ。

体内で水分を吸って大きくふくらむので、便のカサが増えて腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にしてくれます。

葉酸

4番目の栄養素は葉酸。妊娠初期から授乳期まで特に必要なビタミンで、貧血を予防する効果もあります。

たけのこの葉酸の量は?

1日に必要な量は
女性も男性も240μg。
たけのこ1皿には24μg
1日の必要量の%です。

たけのこを1皿食べると……

葉酸の必要量、女性が摂れている量、たけのこに含まれる量のグラフ

女性が摂れている量は、118%
たけのこに、10%
合計で、128%

男性が摂れている量は、123%
たけのこに、10%
合計で、133%

※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説

妊活中~授乳期にかけては葉酸を多めにとりたいですね。葉酸の多い食べ物はこちらです。
葉酸の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!

葉酸の効果は?

おもな効果は次の4つ。

  • 妊娠中のお腹の赤ちゃんの発育を守る
  • ビタミンB12と一緒に赤血球を作って貧血を予防する
  • 細胞をつくって肌・髪・筋肉を支える
  • 肌や粘膜を守って整える

妊婦さんや授乳中のママにとっては多めに摂りたい葉酸。

たけのこの栄養素のなかでは葉酸は多め。でも同じ1食分で、枝豆にはたけのこの約8倍、いちごなら7倍、ほうれん草やブロッコリーには約4倍の葉酸が含まれています。

クロム

たけのこに5番目に豊富なクロム。魚介類や豆腐などの大豆製品に多い必須ミネラルです。

たけのこのクロムの量は?

1日に必要な量は
女性も男性も10μg。
たけのこ1皿に0.67μg

クロムの必要量とたけのこ1皿に含まれる量のグラフ

クロムは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただ一般的な食生活であれば不足や摂りすぎの心配はまずないようです。

クロムの効果は?

おもな効果はこの3つ。

  • 血糖値を下げる
  • 血液中のコレステロールや中性脂肪をおさえる
  • 糖質・たんぱく質の代謝を助ける

疲労回復、生活習慣病の予防に効果を発揮する必須ミネラルです。

※参考サイト:国立健康・栄養研究所「クロム解説」、厚生労働省 eJIM「クロミウム」

水溶性食物繊維

6番目の栄養素は水溶性食物繊維。海藻や果物に豊富な栄養素で、生活習慣病の予防効果の高さに注目が高まっています。

たけのこの水溶性食物繊維の量は?

1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
たけのこ1皿に0.34g

たけのこを1皿食べると……

水溶性食物繊維の必要量、女性が摂れている量、たけのこに含まれる量のグラフ

女性が摂れている量は、58%
たけのこに、6%
合計で、64%

男性が摂れている量は、51%
たけのこに、5%
合計で、56%

たけのこで補えるのも5%前後。私たちにあまりに不足しているためまだ全然足りません。

寒天、とろろ昆布、わかめ、もち麦、豆腐、納豆、枝豆など、水溶性食物繊維の豊富な食べ物をしっかり食べるようにしましょう。

水溶性食物繊維の効果は?

生活習慣病の予防効果が高く、具体的には次のような効果が期待できます。

  • 中性脂肪を減らす
  • コレステロールを下げる
  • 血糖値の上昇をおさえる
  • 血圧を下げる
  • 便秘を解消する
  • ダイエット

※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー:野菜・果物そして◯◯」

便秘解消については、便が固い、いきまないと出ない、というタイプの便秘に効果的。

便秘のタイプによって、摂るべき食物繊維が異なります。どちらを摂るべきなのか、こちらで詳しくお伝えしています ↓

*-*-*-*-*

たけのこに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、

  • たけのこを食べると
    どんな効果効能が得られる?
  • どんな人こそ食べると効果的?

についてお伝えします。

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たけのこの6つの効果効能

たけのこの土佐煮とわかめ

たけのこはいろんな栄養素が豊富とは言えないものの、マンガン、ビタミンE、食物繊維、葉酸などが豊富。

これらの栄養素のはたらきから、たけのこに期待される効果効能をまとめてみました。

  • 動脈硬化を予防する
    ビタミンEの強力な抗酸化作用でコレステロールや脂肪の酸化を防ぐとともに、血管の細胞膜のダメージも防いで血管をしなやかに保つ
  • 心筋梗塞や脳梗塞を予防する
    水溶性食物繊維がコレステロールをキャッチして排出し、ビタミンEが悪玉コレステロールをおさえる
  • 貧血を予防する
    葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作り、ビタミンEのサラサラ効果が血行を良くして全身に酸素を届ける
  • 便秘を解消する
    不溶性食物繊維が体内で水分を吸収して数倍から数十倍にふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、水溶性食物繊維が固くなった便に水分をあたえて柔らかくしてお通じをスムーズにする。
  • 疲労回復を促進する
    マンガンやクロムが脂質、たんぱく質、糖質の代謝を促進してエネルギーをつくる
  • 肌や髪を美しくする
    マンガンはヒアルロン酸を作るはたらきを高め、ビタミンEや葉酸は肌の新陳代謝を高めてハリとうるおいを与える

ということで、たけのこをぜひ食べてもらいたい人は……

たけのこを食べてほしい人とは?

たけのこをぜひ食べてほしい人はこちら!

  • 血圧やコレステロールが気になる
  • 疲れやすい
  • 貧血ぎみ
  • 便秘がち
  • 野菜不足
  • 洋食が多い

40歳を過ぎた人、毎日忙しい人、和食ばなれ・野菜ばなれの人にぜひ食べてもらいたいのがたけのこなのですね。

たけのこに多い栄養素:まとめ

たけのこに多い栄養素と効果効能を紹介しました。

たけのこに多い栄養素:1日に必要な量に対して多い順番に、マンガン、ビタミンE、不溶性食物繊維、葉酸、クロム、水溶性食物繊維

たけのこの効果:動脈硬化の予防、心筋梗塞の予防、貧血予防、便秘解消、疲労回復、美肌・美髪

こんな人に食べてほしい:高血圧、お腹まわりが気になる、疲れやすい、貧血ぎみ、便秘がち、野菜不足、和食が少ない

煮物に混ぜごはんにと食感も楽しめるたけのこ。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてください。

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執筆者プロフィール
株式会社ナチュラルハーモニー代表 斉藤豊

1995年から栄養学を学び栄養補助食品の販売業務に従事。以来、健康食品・健康器具の販売など10年の業務経験とともに整体師から自律神経などを学び、2006年に健康通販(株)ナチュラルハーモニーを設立。
内科医・医学博士の堀田忠弘先生監修「野菜力で輝け」、医学博士の吉村尚子先生開発の和漢の健康茶「浄活茶」、リラックスジェル「プアーナ」など天然由来成分100%の健康商品の販売で18年目を迎える。

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