きゅうりはサラダにお漬物にと、その歯ごたえとみずみずしさで楽しませてくれる夏野菜。
そんなきゅうり、どんな栄養素が多いのかご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- きゅうりはどんな栄養素が多い?
- きゅうり1本で1日に必要な栄養の何%が摂れるの?
- きゅうりって体にいいの?
- どんな人が食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。きゅうりの栄養をしっかり摂って健康な毎日を過ごしましょう。
きゅうり1本の栄養価
きゅうりにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは1本のきゅうりにはどの栄養素がどのくらい含まれているのか、について、ビタミン→ミネラル→食物繊維 の順にお伝えします。
▼ きゅうり1本の重さは?
きゅうり1本 = 98gほど
きゅうり1本は100gほど。ヘタを除くと可食部は約98g。サラダなどきゅうりを生で食べた場合の栄養素を紹介します。
きゅうりに多いビタミンは?
栄養素にはそれぞれ「健康でいるためには1日にこのくらいの量を摂りましょう」という目安があります。
たとえばビタミンEなら……
ビタミンEの1日の目安量(目標量)
30~49歳なら、
女性:5.5mg
男性:6.0mg
50~64歳なら、
女性:6.0mg
男性:7.0mg
男性と女性で目標量が違う栄養素もあれば、年齢によって違うものもあります。
ここでは「大人の女性の場合は?」「大人の男性の場合は?」についてそれぞれ紹介していきます。
まずは女性の場合。
きゅうりを1本食べると女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのかをグラフにしてみました。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
きゅうり1本に多い栄養素はビタミンの中では……
ビタミンK | 22.2% |
ビタミンC | 13.7% |
葉酸 | 10.2% |
パントテン酸 | 6.5% |
ビタミンE | 4.9% |
次いで、ビタミンA、ビタミンB群(B6、ナイアシン、ビオチン、B1)などが多く含まれています。
きゅうりは水分が多くて栄養素が少ないイメージがあるかもしれません。でも意外とビタミンがしっかりと含まれているんです。
では、男性にとって1日に必要なビタミンの量と比べてみるとどうでしょう?

男性にとっても、ビタミンK、C、B群(葉酸、パントテン酸、 B6、ナイアシン、ビオチン、B1)などをしっかりと補うことができます。
ではきゅうりに多いビタミンの効果効能をお伝えする前に、きゅうりにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
きゅうりに多いミネラルは?
きゅうり1本にはどんなミネラルが多いのでしょうか?
女性にとって1日に必要なミネラルの何%が含まれているのかのグラフがこちら。

男性の場合は……

きゅうり1本に多いミネラルはこちら。
モリブデン | 19.6% |
銅 | 15.4% |
クロム | 9.8% |
カリウム | 9.8% |
マグネシウム | 5.1% |
※女性の1日に必要な量の何%が含まれているかを数値で表しています。
モリブデン、銅、クロムなどは「どんなはたらきをしているの?」というミネラルかもしれませんね。そのはたらきは後でご紹介します。
では最後に、きゅうり1本にはどのくらい食物繊維が含まれているのかをお伝えしてから、きゅうりの効果効能を紹介します。
きゅうりに食物繊維は多い?
最後に食物繊維。
食物繊維には次の2種類があって、それぞれはたらきが違います。
水溶性食物繊維:
血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値など生活習慣病の予防、便秘解消などに効果を発揮。がごめ昆布など海藻のネバネバした部分や果物に多い。
不溶性食物繊維:
体のなかの有害物質の排出、ダイエット、便秘解消などに効果を発揮。いわゆる「繊維質」のイメージのもので、玄米、おから、ごぼう、さつまいもなど穀物や野菜に多い。
さて、きゅうり1本には食物繊維はどのくらい含まれているのでしょうか?
女性が1日に必要な食物繊維の何%が含まれているのかのグラフがこちらです。

男性の場合はこちら。

きゅうりは食物繊維が特に多いわけではないですが、食物繊維不足の私たちにとって目標の6~7%でも補えるのはうれしいですね。
ちなみに、食物繊維のなかでも「水溶性食物繊維」がかなり不足ぎみ。目標量の50~60%程度しか摂れていません。
生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす水溶性食物繊維。多く含む食べ物を意識して食べましょう。
では、
きゅうりに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素が足りている?
についてお伝えします。
きゅうりに多い栄養素とその効果効能

女性の1日の目標量に対して、きゅうり1本に多い栄養素の上位5つがこちら。
ビタミンK | 22.2% |
モリブデン | 19.6% |
銅 | 15.4% |
ビタミンC | 13.7% |
葉酸 | 10.2% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンK
きゅうりのビタミンKの量は?
きゅうり1本(98g)の
ビタミンKの量は33.3μg。
1日に必要なビタミンKの量は女性も男性も150μg。
きゅうり1本のビタミンKは1日の目標量の22.2%になります。
ところで……
「私たちはビタミンKがちゃんと摂れている?」
「毎日の食生活にきゅうり1本をプラスしたら、どのくらい増えるの?」
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=157%
きゅうり1本=22%
合計=179%
男性は……

男性:
平均摂取量=164%
きゅうり1本=22%
合計=186%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンK解説」
ビタミンKの効果効能は?
ビタミンKのおもな効果は次の2つ。
- 骨を丈夫に
- 切り傷など出血した血を固める
ビタミンKはいろんな食べ物に含まれているので不足しにくい栄養素。
ただ、食生活がかたよっている人、抗生物質を長い間飲み続けている人は不足しがちな傾向があります。
納豆、春菊、小松菜などビタミンKの多い食べ物はこちらで紹介しています。
ビタミンKの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
モリブデン

きゅうりに2番目に多い栄養素はモリブデン。血のミネラルとも呼ばれています。
きゅうりのモリブデンの量は?
きゅうり1本(98g)の
モリブデンの量は3.9μg。これは、
- 女性:1日の目標量の19.6%
- 男性:1日の目標量の13.1%
モリブデンは私たちがどのくらい摂れているかの調査ありません。ただ一般的な食生活なら不足も摂りすぎもまずないと考えられています。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
モリブデンの効果効能は?
モリブデンのおもな効果は次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
あまりなじみのないミネラルですが、食べ物の消化、エネルギーをつくる、血液をつくる、といったはたらきをしています。
銅
3番目に多い栄養素は銅。
きゅうりに含まれる銅の量は?
きゅうり1本(98g)の
銅の量は0.11mg。これは、
- 女性:1日の目標量の15.4%
- 男性:1日の目標量の12.0%
では、私たちは銅が足りている?きゅうり1本で銅の摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=149%
きゅうり1本=15%
合計=164%

男性:
平均摂取量=133%
きゅうり1本=12%
合計=145%
銅の効果効能は?
銅のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
鉄分ではなく銅が足りないことで貧血になる場合があります(銅欠乏性貧血)。
ストレスが多い人(銅が排出されてしまう)、亜鉛のサプリを飲む人(銅の吸収がジャマされる)は、銅不足になりがち。
ナッツ類、さといも、枝豆、納豆など銅の多い食べ物を食べるようにしましょう。くわしくはこちらで紹介しています。
銅の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
ビタミンC

きゅうりに4番目に多い食べ物はビタミンC。
きゅうりのビタミンCの量は?
きゅうり1本(98g)の
ビタミンCの量は13.7mg。
1日に必要なビタミンCの量は女性も男性も100mg。
なので、きゅうり1本のビタミンCは1日の目標量の13.7%です。
そして、私たちの平均摂取量にきゅうり1本をプラスするとビタミンCの量は……
女性:
平均摂取量=96%
きゅうり1本=14%
合計=110%
男性:
平均摂取量=91%
きゅうり1本=14%
合計=105%
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCのおもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ビタミンCは体内にためておけない栄養素。数時間で排出されてしまいます。
免疫力を高め、病気を予防し、ストレスから守るビタミンC。毎日の食事や果物などからしっかりと摂りましょう。
葉酸
きゅうりに含まれる葉酸の量は?
きゅうり1本(98g)の
葉酸の量は24.5μg。
1日に必要な葉酸の量は女性も男性も240μg。
きゅうり1本の葉酸は1日の目標量の10.2%です。
そして、私たちの平均摂取量にきゅうり1本をプラスすると葉酸の量は……
女性:
平均摂取量=118%
きゅうり1本=10%
合計=128%
男性:
平均摂取量=123%
きゅうり1本=10%
合計=133%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果効能は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
きゅうり1本に多い栄養素のはたらきについてお伝えしました。
そこで、きゅうりを食べることで期待できる効果効能についてまとめてみましょう!
きゅうりの7つの効果効能
きゅうりは水分が多く低カロリーなのに、意外にもいろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、きゅうりに期待される効果効能をまとめてみました。
- 高血圧の予防
- サラサラ効果、動脈硬化の予防
- むくみの解消
- 貧血予防
- 代謝や消化を助ける
- 体に有害な物を排出する
- 抗酸化作用
そこで、きゅうりをぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人にきゅうりを食べてほしい!
きゅうりをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 血圧が気になる
- 貧血ぎみ
- ストレスが多い
- 疲れやすい
- むくみやすい
- 胃腸の調子が良くない
40代からの忙しい世代には血圧やサラサラ効果などはうれしいはたらき。デトックス効果や利尿作用もむくみ解消に期待できますね。
きゅうりに多い栄養素:まとめ
きゅうりに多い栄養素と効果効能をお伝えしました。
きゅうりに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンK、モリブデン、銅、ビタミンC、葉酸、クロム、カリウム、不溶性食物繊維、パントテン酸、マグネシウム
きゅうりの効果効能:高血圧の予防、サラサラ効果、むくみの解消、貧血予防、代謝や消化を助ける、デトックス、抗酸化作用
どんな人に食べてほしい?:高血圧、貧血、ストレスが多い、疲れやすい、むくみやすい、胃腸の調子が良くない
栄養も健康効果もたっぷりなきゅうり。毎日の食生活に取り入れてみてください。