冬の果物といえばみかん。ビタミンCをはじめ栄養が豊富で、風邪の予防や免疫アップのほかにも健康効果がたくさんです。
そんなみかんを1個食べると、どんな栄養素をどのくらい摂ることができるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- みかんにはどんな栄養素が多い?
- みかん1個で1日に必要な栄養素の何%が摂れるの?
- みかんにはどんな効能がある?
といったことがはっきりとわかります。みかんの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
みかんに多い栄養素
みかんにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「みかん100gの栄養価」ではなく、
みかんを1個食べると、1日に必要な栄養素の何%を摂れるの?
どの栄養素が多いの?どんな効能が期待できるの?
というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ みかん1個=80グラム
Mサイズのみかんは1個が100gほど。房の袋(じょうのう)ごと食べる場合の可食部は80gです。

みかんに多いビタミンは?
みかんを1個食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
みかん1個に多い栄養素は、ビタミンの中では……
ビタミンC | 25.6% |
ビタミンA | 9.6% |
葉酸 | 7.3% |
ビタミンB1 | 7.3% |
みかんはビタミンCがダントツで多いですね。みかんを2個食べれば1日に必要なビタミンCの半分も摂ることができます。
ビタミンCはやや不足ぎみな栄養素。特にストレスの多い人はビタミンCの消費量が大きいので、こまめに摂りたい栄養素です。
さて、男性の1日の目標量に対しては、ビタミンは何%含まれているのでしょうか?

男性にとっても、みかん1個でビタミンC、A、B群(葉酸やB1など)を補うことができます。
では次に、みかんにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
みかんに多いミネラルは?
ではミネラルはどうでしょうか?

みかん1個80gに多いミネラルは……
- カリウム・・・6.0%
ビタミンとくらべてミネラルは少なめ。カリウム以外のミネラルはどれも3%以下です。
なお、カリウムの多い身近な果物の1食分あたりで比べてもみかんは19位。バナナ1本分のカリウムの1/3ほどしか含まれていません。
男性の場合はこちら。

ビタミン、ミネラルに続いて、食物繊維。
みかんを1個食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、みかんの10の健康効果を紹介します。
みかんに食物繊維は多い?
食物繊維は2種類に分かれていて、それぞれはたらきが違います。
では、みかんを1個食べると女性の1日の目標量に対して何%の食物繊維が摂れるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 6.7% |
不溶性食物繊維 | 3.3% |
男性の場合はこちら

日本人は食物繊維不足。特に、水溶性食物繊維は1日の目標のわずか55%ほどしか摂れていません。
みかんなら1個に約7%。さほど多くないように思えますが、1日に2個3個と食べれば13%、20%と補えているんです。
では、
みかんに多い栄養素にはどんな効果がある?
その栄養素は私たちに足りている?
みかんに多い栄養素にはどんな効果があるの?

女性の1日の目標量に対して、みかん1個に多い栄養素はこちら。
ビタミンC | 25.6% |
ビタミンA | 9.6% |
葉酸 | 7.3% |
ビタミンB1 | 7.3% |
水溶性食物繊維 | 6.7% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンC
みかんに含まれるビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCは
男女とも100mg。
Mサイズのみかん1個(80g)に
ビタミンCは25.6mg。
目標量の25.6%も含まれています。
ところで、
「私たちはビタミンCがちゃんと摂れてる?不足してる?」
「毎日の食生活にみかん1個をプラスしたら、どのくらい増えるの?」
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=96%
みかん1個=26%
合計=122%
男性:
平均摂取量=91%
みかん1個=26%
合計=117%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCは風邪予防、抗酸化、ストレス対策などいろいろなはたらきがあります。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 風邪など感染症を予防する
(ウイルスへの抵抗力を高めて免疫力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ビタミンCは体内にためておけず、数時間で体から出て行ってしまいます。
1度に2個3個と食べるよりは、朝1個、お昼に1個、など食べるタイミングを分けるのがおすすめです。
みかん以外でビタミンCの多い果物には、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、ネーブルなどがあります。くわしくはこちらをご参考に。
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
ビタミンA

みかんのビタミンAの量は?
みかん1個にビタミンAは
67.2μgRAE。これは、
- 女性:1日の目標量の9.6%
- 男性:1日の目標量の7.5%
では、私たちはビタミンAがちゃんと摂れている?みかん1個で摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=74%
みかん1個=10%
合計=84%

男性:
平均摂取量=61%
みかん1個=8%
合計=69%
ビタミンAは男女ともにかなり不足しています。
みかんのほかにビタミンAの多い果物は、すいか、柿、グレープフルーツ、ドライプルーンなど。
くわしくは「ビタミンAの多い果物ランキング20【1食分】で比較!効果効能も!」をご覧ください。
また果物以外なら、レバー、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、ミニトマトなどに豊富。積極的に食べるようにしましょう。
ビタミンAの効果効能は?
ビタミンAのおもな効果は次の5つ。
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
ビタミンAといえば免疫を高める栄養素。風邪を引きやすい人などはしっかり摂っておきたいビタミンです。
葉酸
3番目に多い栄養素は葉酸。ビタミンB群の1つで、ほうれん草から発見された栄養素です。
みかんの葉酸の量は?
1日に必要な葉酸の量は
男女ともに240μg。
Mサイズのみかん1個に
葉酸は17.6μg。
1日に必要な量の7.3%です。
では、みかんを1個食べると摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=118%
みかん1個=7%
合計=125%
男性:
平均摂取量=123%
みかん1個=7%
合計=130%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果効能は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸といえば赤ちゃんの栄養というイメージが強いですね。子供を授かりたいと思ったらしっかりと摂りたい栄養素です。
みかんのほかには、玉露、枝豆、いちご、ほうれん草、サニーレタスなどにも豊富。くわしくはこちらをご覧ください。
葉酸の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
ビタミンB1

みかんに4番目に多い栄養素はビタミンB1。エネルギーを作って体と心と脳の元気をサポートする栄養素です。
みかんのビタミンB1の量は?
みかん1個にビタミンB1は
0.08mg。これは、
- 女性:1日の目標量の7.3%
- 男性:1日の目標量の5.7%
では、みかんを1個食べるとビタミンB1の摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=79%
みかん1個=7%
合計=86%
男性:
平均摂取量=74%
みかん1個=6%
合計=80%
ビタミンB1も男女ともにかなり不足しています。
ビタミンB1の多い果物は、パイナップル、すいか、グレープフルーツ、アボカドなど。
果物以外でビタミンB1の多い食べ物は、豚肉、レバー(鶏・豚・牛)、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、枝豆、豆腐など。意識して食べるようにしましょう。
ビタミンB1の効果は?
ビタミンB1のおもな効果は次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
疲労を回復、いつも元気、ダイエット、だけでなく、脳や感情も整えてくれるのがビタミンB1のはたらきです。
水溶性食物繊維
みかんに多い栄養素の5番目が水溶性食物繊維。生活習慣病の予防に効果が期待されている注目の成分です。
みかんの水溶性食物繊維の量は?
みかん1個に水溶性食物繊維は
0.4g。これは、
- 女性:1日の目標量の6.7%
- 男性:1日の目標量の5.7%
私たちは、水溶性食物繊維がどれほど不足している?みかん1個でどこまで補える?

女性:
平均摂取量=58%
みかん1個=7%
合計=65%
男性:
平均摂取量=51%
みかん1個=6%
合計=57%
生活習慣病に劇的な効果をもたらしてくれる水溶性食物繊維。なのに目標の55%ほどしか摂れていません。
みかんのほかに水溶性食物繊維の多い果物は、干しいちじく、アボカド、いちご、グリーンキウイ、干しプルーン、りんごなど。
果物以外なら、ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦などが水溶性食物繊維の多い食べ物です。意識して食べるようにしましょう。
水溶性食物繊維の効果は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
40代からの生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載。でもみかんだけでは1日に必要な量には届きません。
お味噌汁にとろろ昆布をかける。冷凍枝豆を自然解凍して食べる。お米を炊くときにもち麦を混ぜる。
すぐできるところから始めてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】水溶性食物繊維のスゴい6つの効果と多い食べ物とは?
以上、みかん1個に多い5つの栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後にこれらのはたらきをまとめて「みかんを食べるとどんな効能が期待できる?」「どんな人こそ食べるといい?」についてお伝えします。
みかんの10の効果効能
みかんにはビタミンA、ビタミンC、食物繊維などいろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、みかんに期待される健康効果をまとめてみました。
- 風邪など感染症を予防する
(免疫力を高める) - 老化やあらゆる病気を予防する
(抗酸化作用) - 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血圧を下げる
- 疲労を回復する
- 便秘を解消する
- 目のはたらきを守る
- 子供の成長を促進する
- ストレスから守る
ということで、みかんをぜひ食べてもらいたい人は……
みかんを食べてほしい人とは?
みかんをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひきやすい、予防したい
- 中性脂肪やコレステロールが気になる
- 血圧が高い
- 疲れやすい
- 便秘ぎみ
- 妊婦さん
- お子さん
- ストレスが多い
- 若々しく元気でいたい
風邪をひきやすい冬に旬をむかえるみかん。旬のものはその時の私たちを体が欲しているものなのですね。
みかんに多い栄養素:まとめ
みかんに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
みかんに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、ビタミンA、葉酸、ビタミンB1、水溶性食物繊維、カリウム
みかんの効果効能:風邪などの感染症予防、抗酸化、中性脂肪やコレステロールを減らす、血圧を下げる、疲労回復、便秘解消、目を守る、子供の成長促進、ストレスから守る
どんな人に食べてほしい?:風邪をひきやすい、中性脂肪やコレステロールが気になる、高血圧、疲れやすい、便秘ぎみ、妊婦さん、ストレスが多い、若々しく元気でいたい
サッと手軽に食べられてビタミンや食物繊維がたっぷりのみかん。
冬の季節には毎日食べるように心がけてみてはいかがでしょうか。