みずみずしい甘さで人気のネーブルオレンジ。輸入物だけでなく国産も多く、1年を通して手に入りやすい果物です。
ネーブルオレンジはもちろんビタミンCがたっぷり。でもほかにどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
このページを読むと……
- ネーブルオレンジに多い栄養素は?
- 1個食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- ネーブルオレンジの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。ネーブルオレンジの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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ネーブルオレンジ1個の栄養価
ネーブルオレンジにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「ネーブルオレンジ100gあたり」ではなく、
ネーブルオレンジを1個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?どんな効能が期待できる?
について、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ネーブルオレンジ1個=104グラム
ネーブルオレンジは1個が約160gで可食部は104gです。たまたま1個がほぼ100gでした。

ネーブルオレンジに多いビタミンは?
ネーブルオレンジを1個食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

女性の1日の目標量の10%以上含まれているビタミンはこの2つ。
ビタミンC | 62.4% |
葉酸 | 14.7% |
次いで、
ビタミンB1 | 6.6% |
パントテン酸 | 5.8% |
ビタミンB6 | 5.7% |
ビタミンE | 5.2% |
柑橘類だけあってビタミンCがダントツ。1日に必要なビタミンCの60%以上も含まれています。ビタミンB群やカリウムや銅が15%ほど含まれている、というのも柑橘類に共通しています。
ではネーブルオレンジに多いビタミンの効果効能を紹介する前に、どんなミネラルが多いのかをお伝えします。
ネーブルオレンジに多いミネラルは?
ネーブルオレンジを1個食べると、女性にとって1日に必要なミネラルを何%摂ることができるのでしょうか。

女性の1日の目標量に対して、ネーブルオレンジ1個に多いミネラルはこちら。
カリウム | 9.4% |
銅 | 8.9% |
ミネラルはビタミンほど多くありません。その中では、血圧ケアのカリウム、免疫アップの銅が多いですね。
さて最後に、ネーブルオレンジを1個を食べるとどのくらい食物繊維を摂ることができるのかをお伝えしてから、9つの効果効能を紹介します。
ネーブルオレンジに食物繊維は多い?
ネーブルオレンジ1個で、女性の1日の目標量の何%の食物繊維を摂ることができるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 6.9% |
不溶性食物繊維 | 5.2% |
私たち日本人は食物繊維不足。水溶性食物繊維は目標のわずか55%程度しか、不溶性食物繊維は90%しか摂れていません。
生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす水溶性食物繊維を目標の半分しか摂れていない私たち。
ネーブルオレンジ1個食べても目標には遠く及びませんが、それでもなかなか摂れない水溶性食物繊維を約7%補えるのは大きいですね。
では、
ネーブルオレンジに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
ネーブルオレンジに多い栄養素とその効果効能

ネーブルオレンジ1個に含まれている栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
ビタミンC | 62.4% |
葉酸 | 14.7% |
カリウム | 9.4% |
銅 | 8.9% |
水溶性食物繊維 | 6.9% |
ビタミンB1 | 6.6% |
では、私たちはこの栄養素が足りている?ネーブルオレンジを1個食べるとどのくらい補える?どんな効果があるの?についてみてみましょう。
ビタミンC
ネーブルオレンジにもっとも多い栄養素はビタミンC。
風邪予防、ストレスから守る、美肌など、あらゆる効能のある栄養素です。
ネーブルオレンジのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg
ネーブルオレンジ1個(104g)の
ビタミンCの量は 62.4mg。
1日の目標量の62.4%になります。
ところで、
私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?
ネーブルオレンジを1個食べるとビタミンCの摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=96%
ネーブルオレンジ1個=62%
合計=158%
男性:
平均摂取量=91%
ネーブルオレンジ1個=62%
合計=153%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
私たちに不足ぎみなビタミンC。ネーブルオレンジ1個で62%も増えて一気に目標量をクリアできます。
ビタミンCの効果は?
ビタミンCのおもな効能は次の7つ。
- 風邪や感染症を予防する
(免疫力を高める) - 活性酸素を除去して老化や病気を予防
(抗酸化作用) - 鉄分の吸収を助けて貧血を予防する
- 血管・皮膚・骨を強くする
- コレステロールをおさえる
- シミを防いで美肌・美白に
- ストレスから守る
体調を崩している時やストレスが多い時はビタミンCがたくさん必要になります。
にもかかわらず、使われなかったビタミンCは数時間で排出されてしまって、体内にためておくことができません。
ビタミンCはこまめに摂ることが効果的。そこで便利なのが果物。
ネーブルオレンジのほか、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、みかん、グレープフルーツなど、ビタミンCの多い果物をぜひ活用してみてください。
葉酸

ネーブルオレンジに2番目に多い栄養素は「葉酸」。お腹の赤ちゃんの発育にも貧血予防にも大切なビタミンです。
ネーブルオレンジの葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
ネーブルオレンジ1個には35.4μg。
目標量の14.7%になります。
では、私たちは葉酸がちゃんと摂れている?ネーブルオレンジを1個食べると摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=118%
ネーブルオレンジ1個=15%
合計=133%
男性:
平均摂取量=123%
ネーブルオレンジ1個=15%
合計=138%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
また、葉酸はお腹の赤ちゃんの成長を守る栄養素。妊娠する1ヶ月以上前から、つまり赤ちゃんを授かりたいと思ったらしっかり摂るようにしましょう。
▼妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで
通常の1日240μg + 400μg
▼それ以降の妊娠中
通常の1日240μg + 240μg
▼産後の授乳期間中
通常の1日240μg + 100μg
ただしレバーや生のほうれん草は葉酸は多いのですが、この時期はおすすめしません。
レバーにはこの時期に摂りすぎてはいけないビタミンAが豊富。ほうれん草は生で食べると豊富なシュウ酸が尿路結石の原因になることも。
この時期は、枝豆、ほうれん草のおひたし、ブロッコリー、サニーレタス、いちご、マンゴー、天津甘栗、焼きのり、豆乳、納豆などの 葉酸の多い食べ物でしっかりと摂りましょう。
ちなみに葉酸は一般的な食生活なら不足しにくいものの、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は葉酸不足になりがち。意識して摂りたいですね。
カリウム
ネーブルオレンジに3番目に多い栄養素はカリウム。血圧が高い人は積極的に摂りたいミネラルです。
ネーブルオレンジのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
ネーブルオレンジ1個(104g)の
カリウムの量は187mg。これは、
- 女性:1日の目安量の9.4%
- 男性:1日の目安量の7.5%
ネーブルオレンジを1個食べるとカリウムの摂取量はどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=111%
ネーブルオレンジ1個=9%
合計=120%
男性:
平均摂取量=96%
ネーブルオレンジ1個=8%
合計=104%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
私たち日本人は塩分(ナトリウム)の摂りすぎ。目安量の1.5倍も摂っているとか。余分な塩分を出すためにカリウムをしっかり摂りましょう。
また塩分を摂りすぎていないか、チェックしてみてくださいね。
ナトリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
銅

4番目に多い栄養素は銅。貧血予防や骨粗しょう症の予防にも役立つ必須ミネラルです。
ネーブルオレンジの銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
ネーブルオレンジ1個の
銅の量は0.06mg。これは、
- 女性:1日の推奨量の8.9%
- 男性:1日の推奨量の6.9%
ネーブルオレンジを1個食べると銅の摂取量がどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=149%
ネーブルオレンジ1個=9%
合計=158%
男性:
平均摂取量=133%
ネーブルオレンジ1個=7%
合計=140%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅の効果は?
銅にはおもに次の5つの効果があります。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
貧血といえば鉄分不足と思いがち。でも銅が不足することで起こる「銅欠乏性貧血」もあります。
銅は不足しにくい栄養素ですが、ストレスが多い人や亜鉛のサプリメントを飲んでいる人は銅不足になりやすい傾向があります。
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べましょう。
水溶性食物繊維
ネーブルオレンジに5番目に多い栄養素は水溶性食物繊維。
がごめ昆布のネバネバした部分など、海藻や果物に多い食物繊維です。
ネーブルオレンジの水溶性食物繊維は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
ネーブルオレンジ1個(104g)の
水溶性食物繊維は0.4g。これは、
- 女性:1日の目標量の6.9%
- 男性:1日の目標量の5.9%
ネーブルオレンジ1個で水溶性食物繊維をどこまで補えるかというと……

女性:
平均摂取量=58%
ネーブルオレンジ1個=7%
合計=65%
男性:
平均摂取量=51%
ネーブルオレンジ1個=6%
合計=57%
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
私たちがまったく摂れていない水溶性食物繊維。目標の半分程度にしかすぎません。
ネーブルオレンジ1個で6~7%増えますがまだまだ足りません。
水溶性食物繊維が多い食べ物のなかには、寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要のものもたくさん。ぜひ積極的に食べましょう。
果物のなかで水溶性食物繊維の多いものはこちらで紹介しています。
水溶性食物繊維の多い果物ランキング15【1食分】で比較!
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。水溶性と不溶性は1:2の割合が推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を女性6g、男性7gとしました。
水溶性食物繊維の効果は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
水溶性食物繊維は生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載です。
ちなみに、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も便秘の解消をサポートしてくれますが、便秘のタイプによっては「どちらの食物繊維が効果的なのか」が変わってきます。
どちらの食物繊維が効果的なのかは、こちらを参考になさってください ↓
ビタミンB1

6番目に多い栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、そして脳や感情の安定を支える栄養素です。
ネーブルオレンジのビタミンB1は?
ビタミンB1の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ネーブルオレンジ1個の
ビタミンB1は0.07mg。これは、
- 女性:1日の目標量の6.6%
- 男性:1日の目標量の5.2%
私たちの平均摂取量にネーブルオレンジ1個をプラスすると……
女性:
平均摂取量=79%
ネーブルオレンジ1個=7%
合計=86%
男性:
平均摂取量=74%
ネーブルオレンジ1個=5%
合計=79%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1もかなりの不足。ネーブルオレンジを1個食べてもまだまだ足りません。
ビタミンB1の多い食べ物は、豚肉、レバー、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、サバ缶、枝豆、豆腐、えのき、エリンギなど。意識して食べたいですね。
ビタミンB1の効果は?
ビタミンB1のおもな効果は次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
食べたものをエネルギーに変えて疲労を回復して元気にする。気持ちを安定させて、脳のはたらきを高める。これがビタミンB1の効果ですね。
ネーブルオレンジに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後にこれらのはたらきをまとめて「ネーブルオレンジの効果効能は?」「どんな人こそ食べると効果的?」についてお伝えします。
ネーブルオレンジの9つの効能
ネーブルオレンジは抜群に豊富なビタミンCをはじめ、ミネラル、食物繊維などいろんな栄養素が豊富い。
これらの栄養素のはたらきから、期待される効果効能をまとめてみました。
- 免疫力を高めて風邪を予防する
- 活性酸素を除去して老化や病気を予防する
- 貧血を予防する
- 血圧を下げる
- 動脈硬化を予防する
- 骨・血管・皮膚を強くする
- コレステロールや中性脂肪をおさえる
- お腹の赤ちゃんの成長を守る
- 弾力のある白い肌をつくる
ということで、ネーブルオレンジをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそネーブルオレンジを食べてほしい!
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい
- ストレスが多い
- 貧血ぎみ
- 外食やお酒を飲むことが多い
- 生活習慣病が気になる
- 骨粗しょう症を予防したい
- 妊活中~産後の授乳中のママ
このような方にぜひ食べてもらいたいのがネーブルオレンジなのです。
ネーブルオレンジに多い栄養素:まとめ
ネーブルオレンジに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
ネーブルオレンジに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、葉酸、カリウム、銅、水溶性食物繊維、ビタミンB1
ネーブルオレンジの効能:風邪の予防、いろんな病気や老化の予防、貧血予防、血圧を下げる、動脈硬化の予防、骨・血管・皮膚を丈夫に、コレステロールや中性脂肪をおさえる、胎児の成長促進、弾力のある白い肌をつくる
健康にも美容にも強い味方となってくれるネーブルオレンジ。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。