夏みかんの旬は春。爽やかな酸味がフレッシュな味わいを楽しませてくれますね。
そんな夏みかん。ビタミンCが豊富なイメージはあるでしょうが、ほかにどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 夏みかんに多い栄養素はなに?
- 1個食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- 夏みかんの効能は?
- どんな人におすすめ?
といったことがよくわかります。夏みかんの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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夏みかん1個の栄養価
夏みかんにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「100gあたり」ではなく「夏みかんを1個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?」というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 夏みかん1個=192グラム
夏みかんは1個が約350g。皮も房の袋(じょうのう)もむくと可食部は192gほどです。
夏みかんを「朝に半分、夜に半分食べる」など1日に1個食べた場合にどのくらいの栄養がとれるのか、参考になさってください。

夏みかんに多いビタミンは?
では夏みかんを1個食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

夏みかん1個に多いビタミンは、
ビタミンC | 73.0% |
葉酸 | 20.0% |
ビタミンB1 | 14.0% |
パントテン酸 | 11.1% |
酸っぱい夏みかんだけあってビタミンCがダントツ。1日に必要な量の73%も摂れます。
夏みかんを半分食べるだけでも36%も摂れる、ということですね。
そのほかはビタミンB群(葉酸、B1、パントテン酸、B6、ナイアシン)、ビタミンEです。
では、男性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのか、のグラフがこちら。

では次に、夏みかんにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
夏みかんに多いミネラルは?
夏みかんを1個食べると、女性の1日の目標量に対して何%のミネラルが摂れるのでしょうか?

夏みかん1個に多いミネラルは、
カリウム | 18.2% |
銅 | 13.7% |
カリウムは血圧やむくみが気になる人にはうれしいミネラルですね。
銅は不足すると貧血にもつながる栄養素。特に、ストレスが多い人や亜鉛のサプリを飲んでいる人は不足しがちなので注意が必要です。
男性の場合はこちら。

さて最後に、夏みかんを1個食べるとどのくらい食物繊維が摂れるのかをお伝えしてから、夏みかんの7つの効果効能をご紹介します。
夏みかんに食物繊維は多い?
食物繊維は2種類。それぞれはたらきが違います。
・水溶性食物繊維:海藻のヌルヌル部分や果物に多い。血圧・中性脂肪・コレステロール・血糖値などの生活習慣病予防、便秘解消に効果を発揮。
・不溶性食物繊維:ポソポソした繊維質のもの。野菜や未精製の穀物に多い。有害物質のデトックス、便秘解消、ダイエットなどに効果を発揮。
さて、夏みかんを1個食べると、女性の1日の目標量の何%の食物繊維が摂れるのでしょうか。

水溶性食物繊維 | 12.8% |
不溶性食物繊維 | 12.8% |
男性はこちら

日本人は食物繊維不足。水溶性は1日の目標量のわずか55%しか、不溶性は85%しか摂れていません。
夏みかんを1個食べると、水溶性も不溶性も13%ほど補うことができます。ただそれでは水溶性食物繊維はまだまだ足りません。
とろろ昆布をお味噌汁に入れたり、冷凍枝豆を自然解凍して食べたり、ご飯を炊くときにもち麦を混ぜたり。
そのほか、ひじき、寒天、里芋、大豆の煮豆、豆腐、納豆など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
では、
夏みかんに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素が足りている?
夏みかんに多い栄養素とその効果効能

夏みかん1個に、女性の1日の目標量の10%以上も含まれる栄養素はこの8つ。
ビタミンC | 73.0% |
葉酸 | 20.0% |
カリウム | 18.2% |
ビタミンB1 | 14.0% |
銅 | 13.7% |
水溶性食物繊維 | 12.8% |
不溶性食物繊維 | 12.8% |
パントテン酸 | 11.1% |
この中から含有量の多い5つの栄養素について、どのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えしていきます。
ビタミンC
夏みかんのビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
夏みかん1個(192g)の
ビタミンCの量は73mg。
1日に必要な量の73.0%です。
ところで、
「私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?」
「毎日の食生活に夏みかん1個をプラスしたら、どのくらい増えるの?」
女性の場合をみてみると……

女性:
平均摂取量=96%
夏みかん1個=73%
合計=169%

男性:
平均摂取量=91%
夏みかん1個=73%
合計=164%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「葉酸解説」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCのおもな効果はこちら。
- 風邪など感染症を予防する
(免疫力を高める) - 老化やあらゆる病気を予防する
(抗酸化作用) - 血管・皮膚・骨を強くする
- コレステロールをおさえる
- 鉄分の吸収を助ける
- ストレスから守る
- シミを防ぐ
ストレスから私たちを守ってくれるビタミンCですが、体内にためておくことができず数時間で排出されてしまいます。
だからこそ、こまめに摂ることが大切。手軽に食べられる果物を活用しましょう。
ビタミンCの多い果物は、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイなど。くわしくはこちらです。
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
葉酸

夏みかんに2番目に多い栄養素は葉酸。葉物野菜にも多く含まれています。
夏みかんの葉酸の量は?
1日に必要な葉酸の量は
男女ともに240μg。
夏みかん1個に葉酸は48μg。
1日に必要な量の20%になります。
では、私たちは葉酸がちゃんと摂れている?夏みかんを1個食べると摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=118%
夏みかん1個=20%
合計=138%

男性:
平均摂取量=123%
夏みかん1個=20%
合計=143%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果効能は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
子供を授かりたい人、妊娠初期の人はもちろん、貧血ぎみの人にも大切な栄養素です。
葉酸の多い食べ物はほかにも玉露、枝豆、いちご、ほうれん草、サニーレタスなど。くわしくはこちらをご覧ください。
葉酸の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!効果効能も!
カリウム
夏みかんのカリウムの量は?
夏みかん1個(192g)に
カリウムは365mg。これは、
- 女性:1日の目標量の18.2%
- 男性:1日の目標量の14.6%
夏みかんを1個食べるとカリウムの摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=111%
夏みかん1個=18%
合計=129%
男性:
平均摂取量=96%
夏みかん1個=15%
合計=111%
【関連記事】カリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウムの効果効能は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、力がはいらない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
ビタミンB1

夏みかんに4番目に多い栄養素はビタミンB1。代謝のビタミンですね。
夏みかんのビタミンB1の量は?
夏みかん1個に
ビタミンB1は0.15mg。これは、
- 女性:1日の目標量の14.0%
- 男性:1日の目標量の11.0%
そして夏みかんを1個食べると……

女性:
平均摂取量=79%
夏みかん1個=14%
合計=93%
男性:
平均摂取量=74%
夏みかん1個=11%
合計=85%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
夏みかん1個で11~14%増えますが、まだまだ足りていません。
ビタミンB1の多い食べ物は、豚肉、レバー、(鶏・豚・牛)、玄米、とうもろこし、鮭、ぶり、枝豆、豆腐など。意識して食べるようにしましょう。
ビタミンB1の効果効能は?
ビタミンB1のおもな効果は次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
食べ物の糖質を体にためずにエネルギーに変えて体を元気にするだけでなく、心や脳の状態も整えるのがビタミンB1です。
銅
夏みかんに5番目に多い栄養素は銅。貧血予防、骨を強くするなどの効果があります。
夏みかんの銅の量は?
夏みかん1個(192g)の
銅の量は0.1mg。これは、
- 女性:1日の目標量の13.7%
- 男性:1日の目標量の10.7%
夏みかんを1個食べると銅の摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=149%
夏みかん1個=14%
合計=163%
男性:
平均摂取量=133%
夏みかん1個=11%
合計=144%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
男女とも十分摂れているように、銅は不足しにくい栄養素。ただし次のような人は銅不足に注意が必要です。
- ストレスの多い人:
銅が体から排出される量が増えます - 亜鉛のサプリを飲む人:
銅や鉄の吸収がさまたげられます
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
銅の効果効能は?
銅のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
鉄分ではなく「銅不足」で貧血になることもあります(銅欠乏性貧血)。鉄分をしっかり摂っているのに貧血ぎみ、という人は銅不足かもしれませんね。
以上、夏みかんに多い5つの栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて「夏みかんの効果効能は?」「どんな人が食べると効果的?」についてお伝えします。
夏みかんの7つの効果効能
夏みかんにはビタミンCをはじめ、ミネラル、食物繊維などいろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、夏みかんに期待される健康効果をまとめてみました。
- 風邪など感染症を予防する
(免疫力を高める) - 老化やあらゆる病気を予防する
(抗酸化作用) - 貧血を予防する
- 血圧を下げる
- 骨や血管を強くする
- 疲労を回復する
- ストレスから守る
ダントツに多いビタミンCが、風邪予防・抗酸化・ストレスに対抗する、といった効能を発揮。
そのほか、カリウムの「血圧をさげる」、ビタミンB群の「疲労を回復する」、銅の「骨や血管を強くする」といった効能が期待できます。
そこで、夏みかんをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人にこそ夏みかんを食べてほしい!
夏みかんをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひきやすい
- 体調をくずしやすい
- 疲れやすい
- 貧血ぎみ
- 血圧が高い
- 骨粗しょう症を予防したい
- ストレスが多い
夏みかんの旬は春。4月、5月ごろです。新年度による環境の変化でストレスも多くなりがち。
体調がいまひとつと感じたら、夏みかんを食べてみてはいかがでしょうか。
夏みかんに多い栄養素:まとめ
夏みかんに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
夏みかんに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、葉酸、カリウム、ビタミンB1、銅、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、パントテン酸
夏みかんの効果効能:風邪など感染症の予防(免疫アップ)、抗酸化作用、貧血予防、血圧を下げる、骨や血管を強く、疲労回復、ストレスから守る
どんな人に食べてほしい?:風邪をひいたり体調をくずしやすい、疲れやすい、貧血ぎみ、高血圧、骨粗しょう症を予防したい、ストレスが多い
ビタミンCやクエン酸の豊富な夏みかんで、毎日の元気をサポートしてもらいましょう。