はっさくの旬は冬。ビタミンCがたっぷりで風邪予防の強い味方です。
そんなはっさく。ほかにはどんな栄養素が多くてどんな効能があるのか、ご存じですか?
このページを読むと、
- はっさくにはどんな栄養素が多い?
- 1個食べると1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- はっさくの効能は?
- どんな人におすすめ?
などが簡単にわかります。はっさくの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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はっさく1個の栄養価
はっさくにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは「はっさく100gあたり」ではなく、
はっさくを1個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
どの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ はっさく1個=195グラム
はっさくは1個が約300g。皮も房の袋(じょうのう)もむくと可食部は195gほどです。

はっさくに多いビタミンは?
はっさくを1個食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
はっさく1個に多いビタミンは……
ビタミンC | 78.0% |
葉酸 | 13.0% |
ビタミンB6 | 12.4% |
パントテン酸 | 11.7% |
ビタミンB1 | 10.6% |
ビタミンCがやはりダントツ。夏みかん1個とほぼ同じ量のビタミンCが含まれています。
ちなみに、はっさく1個(195g)にはみかん3個分(240g)のビタミンCが含まれています。
男性の1日の目標量に対して何%含まれているのか、のグラフはこちら。

では次に、はっさくにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
はっさくに多いミネラルは?
はっさくを1個食べると女性にとって必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

はっさく1個に多いミネラルは、
カリウム | 17.6% |
銅 | 11.1% |
はっさくに含まれるミネラルの中ではカリウムが一番。はっさく1個でバナナ1本とほぼ同じ量のカリウムが摂れます。
男性の場合はこちら。

では最後に、はっさくを1個食べるとどのくらい食物繊維が摂れるのかをお伝えしてから、はっさくの8つの効果効能を紹介します。
はっさくに食物繊維は多い?
食物繊維は2種類。それぞれはたらきが違います。
▼水溶性食物繊維:
海藻や果物に多い。血圧・血糖値・中性脂肪・コレステロールなどをおさえたり、固い便をやわらかくして便秘を解消する効果があります。
▼不溶性食物繊維:
野菜やきのこや未精製の穀物に多い。ポソポソした食感の繊維質のもの。有害な物質を排出したり、便のカサを増やして便秘を解消する効果など。
では、はっさく1個で女性にとって1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 21.1% |
水溶性食物繊維 | 6.5% |
男性の場合はこちら。

はっさくには不溶性食物繊維がたっぷり。かんきつ類のなかでもトップの含有量です。
その反面、水溶性食物繊維は少なめ。みかんやネーブルオレンジのほうが多く含まれています。
ちなみに私たちは不溶性食物繊維より水溶性食物繊維のほうがかなりの不足。1日の目標量の55%程度しか摂れていません。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
では、
はっさくに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素が足りている?
はっさくに多い栄養素とその効果効能

女性の1日の目標量に対して、はっさく1個に多い栄養素の上位5つがこちら。
ビタミンC | 78.0% |
不溶性食物繊維 | 21.1% |
カリウム | 17.6% |
葉酸 | 13.0% |
ビタミンB6 | 12.4% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンC
はっさくのビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
はっさく1個(195g)の
ビタミンCの量は78.0mg。
1日に必要な量の78%です。
ところで、
「私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?」
「毎日の食生活にはっさく1個をプラスしたらどのくらい増える?」
女性の場合は……

女性:
平均摂取量=96%
はっさく1個=78%
合計=174%

男性:
平均摂取量=91%
はっさく1個=78%
合計=169%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCといえば風邪予防、抗酸化、そしてストレスに対抗してくれるビタミン。おもな効果は次の7つです。
- 風邪など感染症を予防する
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- 血管・皮膚・骨を強くする
- シミを防ぐ
ビタミンCは体内にためておけず、数時間で体から出ていってしまいます。
こまめに補給するには果物が便利。ゴールドキウイ、柿、いちごなどビタミンCの多い果物はこちらをご覧ください。
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
不溶性食物繊維
はっさくに2番目に多いのは不溶性食物繊維。体内の有害物質を排出するはたらきがあります。
はっさくの不溶性食物繊維の量は?
はっさく1個の不溶性食物繊維は
2.54g。これは、
- 女性:1日の目標量の21.1%
- 男性:1日の目標量の18.1%
では、私たちは不溶性食物繊維がちゃんと摂れている?はっさくを1個食べると摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=93%
はっさく1個=21%
合計=114%

男性:
平均摂取量=84%
はっさく1個=18%
合計=102%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果効能は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
水溶性食物繊維も不溶性食物繊維にも便秘を解消するはたらきがありますが、便秘のタイプによってどちらの食物繊維が効果的なのかがちがいます。
便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維についてはこちらで説明しています。
便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維とは
カリウム

はっさくに3番目に多い栄養素はカリウム。塩分とりすぎの私たちには必須のミネラルです。
はっさくのカリウムの量は?
はっさく1個(195g)に
カリウムは351mg。これは、
- 女性:1日の目標量の17.6%
- 男性:1日の目標量の14.0%
では、はっさくを1個食べるとカリウムの摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=111%
はっさく1個=18%
合計=129%
男性:
平均摂取量=96%
はっさく1個=14%
合計=110%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果効能は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
私たちは塩分(ナトリウム)を目安の1.5倍も摂っています。
濃い味付けが好きな人だけでなく、加工食品やスナック菓子などを食べる人はカリウムの多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
葉酸
はっさくに4番目に多い栄養素は葉酸。ほうれん草から見つかった栄養素で、葉物野菜やレバーにも多く含まれています。
はっさくの葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
はっさく1個に葉酸は31.2μg。
1日の目標量の13%になります。
では、はっさくを1個食べると葉酸の摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=118%
はっさく1個=13%
合計=131%
男性:
平均摂取量=123%
はっさく1個=13%
合計=136%
葉酸は不足しにくい栄養素ですが、
- お酒をよく飲む人
- アスピリンやピルを飲んでいる人
は葉酸不足になりがち。
レバー(鶏・牛・豚)、玉露、枝豆、ほうれん草、ブロッコリー、いちご、豆乳、納豆など 葉酸の多い食べ物を意識して食べるようにしましょう。
葉酸の効果効能は?
葉酸といえばお腹の赤ちゃんのための栄養素というイメージでしょうか。おもな効果は次の4つです。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんを正常に成長させる
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸不足は貧血にもつながります。野菜不足な人、お酒をよく飲む人は葉酸不足に気をつけましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
ビタミンB6

5番目に多い栄養素はビタミンB6。脂肪やたんぱく質を分解してエネルギーを作るはたらきがあります。
はっさくのビタミンB6の量は?
はっさく1個にビタミンB6は
0.14mg。これは、
- 女性:1日の目標量の12.4%
- 男性:1日の目標量の9.8%
はっさくを1個食べるとビタミンB6の摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=99%
はっさく1個=12%
合計=111%
男性:
平均摂取量=90%
はっさく1個=10%
合計=100%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6の効果効能は?
ビタミンB6のおもな効果は次の6つ。
- たんぱく質を分解:
エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る - 脂質の代謝:
肝臓に脂肪がたまらないように守る - 肌・髪・粘膜の代謝:
肌荒れや口内炎から守る - ホルモンバランスを整える:
月経前の体の悩みをやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる
- 神経伝達物質を作る:
気持ちを安定させる
食べたものからエネルギーを作るだけでなく、女性特有の悩みの解消もサポートしてくれます。
以上、はっさくに多い5つの栄養素とそのはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて「はっさくを食べるとどんな効能が?」「どんな人こそ食べると効果的?」についてお伝えします。
はっさくの8つの効果効能
はっさくにはビタミンCや食物繊維をはじめ、いろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、はっさくに期待される効果効能をまとめてみました。
- 風邪など感染症を予防する
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化やいろんな病気を予防する
(抗酸化作用) - 貧血を予防する
- 便秘を解消する
- 有害物質を排出する
- 疲労を回復する
- 肌・髪・粘膜を守る
- ストレスから守る
ということで、はっさくをぜひ食べてもらいたい人は……
はっさくはこんな人こそ食べてほしい!
はっさくをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひきやすい
- 感染症を予防したい
- 貧血ぎみ
- 便秘がち
- 疲れやすい
- 肌荒れや髪のパサつきが気になる
- ストレスが多い
- お酒をよく飲む
- 薬をよく飲む(飲んでいた)
ビタミンCがぎっしりつまったはっさく。
風邪をひきたくない、感染症になりたくない、そして、ストレスが多い。はっさくはそんな人にこそ食べてもらいたい果物です。
はっさくに多い栄養素:まとめ
はっさくに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
はっさくに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンC、不溶性食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンB6、パントテン酸、銅、ビタミンB1
はっさくの効果効能?:風邪などの感染症予防、老化や病気の予防、貧血予防、便秘の解消、有害物質の排出、疲労回復、肌・髪・粘膜を守る、ストレスから守る
どんな人こそ食べてほしい?:風邪など感染症を予防したい、貧血ぎみ、便秘がち、疲れやすい、肌荒れや髪のパサつきが気になる、ストレスが多い、お酒をよく飲む、薬をよく飲む(飲んでいた)
冬に旬をむかえるはっさくは風邪予防にぴったり。さわやかな酸味を楽しんでみてはいかがでしょうか。