びわは初夏に旬をむかえるちょっと高級なイメージの果物。
そんなびわにはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これから紹介する内容を読むと、
- びわはどの栄養素が多い?
- びわ2個で1日分の栄養素の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。びわの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
びわ2個の栄養価
びわに多い栄養素は、βカロテン、ビタミンB6、C、カリウム、マンガン、銅、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維など。
その効果として、風邪やインフルエンザなど感染症の予防、便秘の解消、血圧を下げる、中性脂肪やコレステロールを減らす、疲労回復、アンチエイジングなどが期待できます。
そんなびわ。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
ここでは、
びわを2個食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる?
びわに多い栄養素は何?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
びわ1個=35グラム
びわ1個は約50g。皮と種を除くと可食部は35gほど。びわを2個(70g)食べた時の栄養価をお伝えします。

びわに多いビタミンは?
まずはビタミンから。
びわを2つ食べると、女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性が1日に必要なビタミンに対して、びわ2個に多く含まれているのは……
ビタミンA | 7% |
ビタミンB6 | 4% |
ビタミンC | 4% |
パントテン酸 | 3% |
びわに一番多いビタミンAでも7%。びわ2個(70g)あたりの栄養価ということもあって、たっぷり摂れるというほどではありません。
次は、びわにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
びわに多いミネラルは?
びわ2つで、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?

びわに多く含まれるミネラルはこちら。
カリウム | 6% |
マンガン | 5% |
銅 | 4% |
マグネシウム | 3% |
ビタミン類よりはミネラルのほうが多め。ただこちらも「びわを2つ食べればミネラルがしっかり摂れる」というほどでもないようです。
では、びわ2個あたりの食物繊維の量をお伝えしてから、びわの8つの効果効能を紹介します。
びわに食物繊維は多い?
びわ2つで1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?

不溶性食物繊維 | 7% |
水溶性食物繊維 | 5% |
びわの栄養価のなかでは、もっとも多くふくまれる不溶性食物繊維。デトックスや便秘解消に効果を発揮してくれます。
では、
びわに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
びわに多い栄養素とその効果

びわ1個あたりの栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
不溶性食物繊維 | 7% |
ビタミンA | 7% |
カリウム | 6% |
マンガン | 5% |
水溶性食物繊維 | 5% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、びわ2個でどのくらい補えるのか、どんな効能があるのか、見てみましょう。
不溶性食物繊維
びわにもっとも多い栄養素は不溶性食物繊維。ごぼう、たけのこ、玄米などの繊維質の食べ物に多く含まれます。
びわの不溶性食物繊維の量は?
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
びわ2個に0.8g。
さて私たちは、普段から不溶性食物繊維をどのくらい摂れていて、びわ2個でどう補えるのかというと……

女性が摂れている量は、93%
びわ2個に、7%
合計で、100%
男性が摂れている量は、84%
びわ2個に、6%
合計で、90%
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
男女ともにやや不足ぎみ。びわ1つでは不足分をおぎなうまではいきません。
びわのほか、干し柿、柿、りんご、グリーンキウイ、おからパウダー、枝豆など、不溶性食物繊維の豊富な食べ物はこちらで紹介しています↓
不溶性食物繊維の効果は?
おもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
不溶性食物繊維は 便の量が少ない、便の回数が少ない、といったタイプの便秘に効果的。
腸のなかで水分を吸って大きくふくらんで便のカサが増やします。腸のぜんどう運動が活発になるのでお通じをスムーズにしてくれます。
ビタミンA

2番目の栄養素はビタミンA。粘膜を健康にし、免疫を高め、目を守る効果が期待できます。
びわのビタミンAの量は?
1日に必要な量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
びわ2個に48μgRAE。
では、普段からどのくらい摂れていて、びわ2個でどう増えるかというと……

女性が摂れている量は、74%
びわ2個に、7%
合計で、81%
男性が摂れている量は、61%
びわ2個に、5%
合計で、66%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」
私たちはビタミンAがかなりの不足。特に男性のほうが大きく不足しています。
びわのほか、すいか、みかん、柿、グレープフルーツ、ドライプルーンなどビタミンAの多い果物を積極的に食べましょう。
ビタミンAの多い果物ランキング20【1食分】で比較!効果効能も!
ビタミンAの効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
粘膜を健康的に保つことでウイルスをブロックして感染症から守ったり、抗酸化作用でいろんな病気や老化から守ってくれる栄養素です。
カリウム
びわに3番目に多い栄養素はカリウム。高血圧予防だけでなく心臓の動きを守る効果も発揮します。
びわのカリウムの量は?
1日に必要な量は
女性が2000mg、男性が2500mg。
びわ2個に112mg。
びわを食べると……

男性が摂れている量は、96%
びわ2個に、5%
合計で、101%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足が原因のひとつかもしれません。
カリウムが豊富な里芋、じゃがいも、トマトジュース、枝豆、ぶり、鮭、豚肉など、ふだんから食べているかチェックしてみましょう↓
マンガン

4番目の栄養素はマンガン。食べ物の代謝、糖尿病から守る、といった効果が期待できます。
びわのマンガンの量は?
1日に必要な量は
女性が3.5mg、男性が4mg。
びわ2個に0.2mg。
女性:1日の必要量の5%
男性:1日の必要量の5%

マンガンは、私たちがふだんどのくらい摂れているかの調査がありません。ただ、いろんな食べ物に含まれているので不足したり摂りすぎることはまずないようです。
ちなみにマンガンの多い食べ物はこちら。
マンガンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
マンガンの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- エネルギーを作る:脂質・たんぱく質・糖質の代謝に関わる酵素を活性化
- 骨を強くする
- 美肌:ヒアルロン酸を作り出す酵素のはたらきを助ける
- インスリンを作るサポート
- 抗酸化作用
- 生殖機能を守る
- 愛情を高める
疲労回復、糖尿病や骨粗しょう症の予防、肌や髪を美しくする、といったはたらきが期待される栄養素です。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マンガン解説」
水溶性食物繊維
びわに5番目に多い栄養素は水溶性食物繊維。海藻や果物に多く含まれていて生活習慣病の予防に効果を発揮します。
びわの水溶性食物繊維の量は?
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
びわ2個に0.3g。

女性が摂れている量は、58%
びわ2個に、5%
合計で、62%
男性が摂れている量は、51%
びわ2個に、4%
合計で、55%
私たちは1日の目標量の半分ほどしか摂れていません。びわで補えるのもわずか。
グリーンキウイ、りんご、アボカド、いちごなど豊富。くわしくはこちらで紹介しています↓
水溶性食物繊維の多い果物ランキング15【1食分】で比較!
食べ物全般なら、寒天、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆など、料理不要なものもたくさんあります↓
水溶性食物繊維の効果は?
生活習慣病が気になる世代にうれしい効果が満載。おもに次の6つです。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- ダイエット
ちなみに食物繊維は水溶性でも不溶性でも便秘の解消に効果的ですが、便秘のタイプによって「どちらが効能的なのか」が変わってきます。くわしくはこちらで紹介しています↓
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びわに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- びわを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
びわの8つの効果効能

びわにはぎっしりとは言わないまでも、いろんな栄養素が含まれています。
これらの栄養素のはたらきから、びわに期待される効果をまとめてみました。
- 風邪やインフルエンザなどの感染症予防
ビタミンAが粘膜を正常に保ってウイルスをブロックして免疫力を高める - 便秘を解消する
不溶性食物繊維が腸のなかで大きくふくらんで腸を刺激し、水溶性食物繊維が固くなった便をやわらかくしてお通じを促進する - 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が余分なナトリウムを排出する - 疲労回復
マンガンが脂質・たんぱく質・糖質の代謝を促進してエネルギーをつくる - 中性脂肪やコレステロールを減らす
水溶性食物繊維がキャッチして便として排出する - アンチエイジング
ビタミンAやマンガンの高い抗酸化作用で老化のもとである活性酸素を除去する - ダイエット
マンガンが代謝を高め、2種類の食物繊維が中性脂肪を減らしたり腸内環境を整える - 肌や髪を美しくする
ビタミンAが肌の新陳代謝を促進し、マンガンがヒアルロン酸づくりを助ける
ということで、びわをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそびわを食べてほしい!
びわをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 野菜や海藻やきのこ類をあまり食べない
ビタミンや2種類の食物繊維が不足しがちです - 揚げ物や味付けの濃い食べ物が好き
中性脂肪やコレステロールがたまりやすくなります - 風邪をひきやすい
免疫が低下しています - 疲れやすい
エネルギー代謝が落ちています - 便秘がち
2種類の食物繊維がお通じをスムーズにします - 子供
代謝を高めて体の成長発育を促進する - 若々しく美しくありたい
高い抗酸化作用でアンチエイジング効果を発揮します
びわは健康効果はもちろん、美容効果も高いく、元気で美しくありたい人の味方です。
びわに多い栄養素:まとめ
びわに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
びわに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、不溶性食物繊維、ビタミンA、カリウム、マンガン、水溶性食物繊維、銅、ビタミンB6、ビタミンCなど
びわの効果:感染症予防、便秘解消、血圧を下げる、疲労回復、中性脂肪やコレステロールを下げる、アンチエイジング、ダイエット、美肌・美髪
こんな人に食べてほしい:野菜・海藻・きのこ類をあまり食べない、揚げ物や味付けの濃い食べ物が好き、風邪をひきやすい、疲れやすい、便秘がち、子供
5月~6月頃しかあまり見かけないびわですが、旬の時期にはぜひ召し上がってみてください。