ビタミンAの多い食べ物といえば、うなぎ、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜、鶏や豚や牛のレバーなどが浮かびますね。
では「ビタミンAが多い果物」にはどんなものがあるのでしょうか?
感染症を予防するための免疫力を高める効果や目の健康に活躍するビタミンA。果物で手軽に摂れるのはありがたいですよね。
そこで身近な果物の中から、100gあたりの含有量ではなく【1食分あたり】の含有量に換算して、ビタミンAを多く含む果物を20位までランキングしました。
このページを読めば、どの果物を、どのくらい食べれば、1日に必要なビタミンAのうちのどのくらいを補えるのかがわかります。ぜひご参考に☆
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ビタミンAは足りてる?足りてない?
ご存じですか?1日に必要なビタミンAの量はどのくらいなのか。
そして……
あなたはビタミンAが足りていますか? それとも、足りていませんか?
1日に必要なビタミンAは?
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」にてビタミンAの1日の推奨量を定めています。
ビタミンAの1日の推奨量
成人女性:
650~700μgRAE
成人男性:
800~900μgRAE
30~64歳で見ると、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
不足しがちな日本人
では私たちは実際にビタミンAをどのくらい摂れているのかというと……
ビタミンAの実際の摂取量
成人女性:518μgRAE
※ 約200μgRAE不足
成人男性:552μgRAE
※ 約350μgRAE不足
ビタミンAは肉や魚にも豊富に含まれている。欧米型な食事になってきた日本人が不足しにくい栄養素である。
なんて書かれているものもありますが、この数字を見ると……
女性:700必要なのに200も不足。
男性:900必要なのに350も不足。
※単位はμgRAE。
けっこうな量が不足しているんです。1日に必要なビタミンAの約70%しか摂れていないんですね。
ビタミンAが不足すると?
ビタミンAが不足すると、
- 免疫力が低下して感染症にかかりやすい
- 病気や老化へのリスクが高まる(活性酸素の増加)
- 視力の低下、夜盲症
- 肌荒れ、髪のパサつき、爪が弱くなる
- 子供の発育が妨げられる
一番の影響は免疫力の低下。ウイルスが原因の感染症から守るためにはビタミンAは欠かせない栄養素です。
果物は抗酸化作用の高いビタミンC、食物繊維、酵素などの栄養も豊富に含まれている健康食材。ぜひ毎日の食生活に取り入れてください。
※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、国立健康・栄養研究所「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」、「国立健康・栄養研究所ビタミンA解説」
では身近な果物の中から、100gあたりの含有量ではなく【1食分あたり】の含有量に換算して、ビタミンAの多い果物を20位までご紹介します。
ビタミンAの多い果物ランキング
100gあたりではなく【1食分あたり】でビタミンAの多い果物をランキング。
ちなみに、果物を食べるタイミングは「食後」はNG!「食間などの空腹時」がおすすめです。
食後の果物が体に悪影響をおよぼす理由についてはこちらをご覧ください
果物を食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?(別ウインドウで開きます)
1~10位の果物
1~10位の果物を紹介する前に、【1食分あたり】でビタミンAの含有量の多い順に20位までグラフにまとめました。

ビタミンAの含有量のダントツ1位はすいか。食べられる時期は短いですが積極的に摂りたいですね。
次いで、みかん、柿、グレープフルーツ、オレンジ、キウイなど。
ではこの20位までの果物それぞれの……
- 1食分ってどのくらいの量?
- 1食分に含まれるビタミンAの量は?
について紹介します。
まずは 1~10位まで 。
ビタミンAの1日の推奨量
成人女性:
650~700μgRAE
成人男性:
800~900μgRAE
30~64歳で見ると、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
成人女性は 約200μgRAE不足。
成人男性は 約350μgRAE不足 です。
第1位:すいか

【1食分】
すいか1/8玉(375g)に
259μgRAE
果物尾の第1位はカリウムも豊富なすいか。1日に必要なビタミンAのうち女性なら37%、男性なら29%を摂ることができます。女性なら不足分をまるまる補える量ですね。
すいかのほとんどは水分というイメージですが、実はいろんな栄養が豊富な食べ物。すいかの栄養価と健康効果はこちらでくわしく紹介しています。
すいかの栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?7つの効果効能とは?
※すいかは分類上「野菜」ですが果物のように食べているものなので、このランキングに加えました。
第2位:みかん

【1食分】
Mサイズのみかん1個(80g)に
67μgRAE
1日に必要なビタミンAのうち女性なら10%、男性なら7%を摂ることができます。
果物のなかでも手軽に食べられるみかんは、ビタミンCだけでなくビタミンAも豊富。
すいか1食分と比べるとわずか4分の1ではありますが、これはみかん1個分のビタミンA。1日に2個3個と食べればビタミンAをグンと補うことができます。
第3位:柿

【1食分】
柿1個に
64μgRAE
柿はビタミンAだけでなくビタミンCが抜群に豊富な果物!
1食分あたりのビタミンCの多い食べ物ランキングでは、1位がゴールドキウイ、2位が柿です。
柿はビタミンA、C以外にも栄養豊富でかぜ予防に最適な健康果物。柿に多い栄養についてはこちらをご覧ください。
柿の栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?6つの効果効能とは?
4位:干し柿

【1食分】
干し柿2個(50g)に
60μgRAE
干し柿は食物繊維の宝庫でもあります。1食分あたりの食物繊維の多い食べ物ランキングでも第1位。干し柿2個に7gも含まれています。
食物繊維の目標量が、成人女性で18g、男性で21gのところ、6gほど不足している私たち。干し柿2個で不足分をすべて補えます。
5位:マンゴー

【1食分】
マンゴー1/2個(91g)に
46μgRAE
南国の強い日差しで育ったマンゴーは抗酸化作用だけでなく栄養素も凝縮。マンゴーの栄養価はこちらでくわしく紹介しています。
マンゴーは効能が満載!どんな栄養素が多い?9つの効果効能は?
6位:グレープフルーツ(ルビー)

【1食分】
1/2個(105g)に
36μgRAE
1日に必要なビタミンAのうち女性なら5%、男性なら4%が含まれています。
果物としてはビタミンAが6番目に多いグレープフルーツですが、その量は1日の推奨量のわずか5%です。
7位:干しプルーン

【1食分】
干しプルーン2粒(20g)に
22μgRAE
鉄分が多いイメージの干しプルーン。わずか2粒に豊富に含まれる栄養素と効能はこちらをお読みください。
ドライプルーンに多い栄養素は?7つの効果効能は?1日何個?
8位:ネーブルオレンジ

【1食分】
1個(104g)に
11.4μgRAE
9位:はっさく

【1食分】
はっさく1/2個(97g)に
8.7μgRAE
ビタミンAだけでなく、C、カリウム、食物繊維が抜群に多いはっさく。その栄養価の高さと効能はこちらで紹介しています。
はっさくの効能がスゴい!どんな栄養素が多い?8つの効果効能は?
10位:さくらんぼ(国産)

【1食分】
15粒(81g)に
8.0μgRAE
1日に必要なビタミンAのうちの1%しか含まれていません。
ビタミンAを摂るなら、緑黄色野菜、チーズ、たまごなどが効率的なのですね。
*-*-*-*-*
1食分あたりでビタミンAの多い果物を1~10位まで紹介しました。
11位以降は、ビタミンAの量がさらに少なくなりますが、せっかくなのでご紹介します。
11~20位の果物
ビタミンAの多い果物。
続いて11~20位です。
ビタミンAの1日の推奨量
成人女性:
650~700μgRAE
成人男性:
800~900μgRAE
30~64歳で見ると、
女性:700μgRAE
男性:900μgRAE
成人女性は 約200μgRAE不足。
成人男性は 約350μgRAE不足 です。
11位:きんかん
【1食分】
きんかん4個(17g)に
7.5μgRAE
きんかんはビタミンAは特別多くないですが、ビタミンC、E、水溶性食物繊維がぎっしり。その高い栄養価と効能はこちらをご覧ください。
きんかんの効能がスゴい!どんな栄養素が多い?9つの効果効能は?
12位:なつみかん
【1食分】
なつみかん1/2個(96g)に
6.7μgRAE
13位:パイナップル

【1食分】
パイナップル1/4個(200g)に
6.0μgRAE
パイナップルはビタミンもミネラルも食物繊維もたっぷり。その栄養価はこちらで紹介しています。
パイナップルの栄養価がスゴい!どんな栄養素が多い?9つの効果効能は?
13位タイ:キウイフルーツ(グリーン)
【1食分】
1個(100g)に
6.0μgRAE
グリーンキウイは「ビタミンAを摂る」ためよりも「食物繊維を摂る」のに最適な果物!
グリーンキウイ1個に2.5gの食物繊維が含まれていて、腸内環境をしっかりと整えてくれます。
寝る1時間前に、常温の水と一緒に、常温のグリーンキウイを食べる。これが腸内環境に効果的です。
グリーンキウイは食べるタイミングによって効果が大きく変わります。食べ方についてはこちらをご覧ください。
キウイを食べる時間はいつ?食べ方、量、タイミング、9つの効果とは?(別ウインドウで開きます)
15位:バナナ

【1食分】
バナナ1本(90g)に
4.5μgRAE
バナナもビタミンA目的よりは「カリウム」ですね。果物のなかでは、すいか、いちごに次いでカリウムが多いのがバナナ。
トリプトファンも食物繊維も豊富なバナナは、1年を通して手軽に手ごろに食べられるのがいいですね。
★ご参考に → バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?(別ウインドウで開きます)
16位:アボカド
【1食分】
アボカド1/2個(60g)に
3.6μgRAE
17位:キウイフルーツ(ゴールド)

【1食分】
1個(100g)に
3.0μgRAE
ゴールドキウイの栄養素といえばビタミンC。1食分あたりでビタミンCの多い食べ物ランキングでは第1位です!
ゴールドキウイ1個に140mgのビタミンC。1日に必要な量の1.4倍も含まれています。
18位:ブルーベリー
【1食分】
ブルーベリー50粒(50g)に
2.5μgRAE
冷凍のブルーベリーなら手軽に食べることができますね。
19位:いちご
【1食分】
いちご10粒(200g)に
2.0μgRAE
20位:アメリカンチェリー(米国産)

【1食分】
10粒(91g)に
1.8μgRAE
*-*-*-*-*
1食分あたりでビタミンAの多い果物を20位まで紹介しました。
では、1~20位まで、もう1度グラフで見てみましょう。

いかがでしたでしょうか。
緑黄色野菜なら、にんじん1食分に576μgRAE。かぼちゃの煮物2つに254μgRAE。
比べて果物は、2位のみかんで67μgRAE。6位のグレープフルーツで36μgRAE。10位のさくらんぼで8μgRAE。果物でビタミンAをしっかり摂るのはちょっと難しいかもしれませんね。
緑黄色野菜やたまごやチーズなどを取り入れながら、酵素やビタミンCの豊富さという点で果物を意識して摂るのがおすすめです。
では最後に、ビタミンAの効果効能について簡単にお伝えします。
ビタミンAのおもな5つの効果効能
最後にビタミンAの5つの効果効能についてです。
感染症の予防:粘膜を正常に保ってウイルスの侵入を防ぐ
病気や老化の予防:抗酸化作用であらゆる病気や老化の原因である活性酸素を除去する
美肌・美髪:肌、爪、髪を丈夫に保つ
夜盲症の予防:網膜で光を感じる物質の成分として視力を守る
子供の成長を促進:細胞の増殖を促進することで子供の健やかな発育をサポートする
免疫力を高めるだけでなく、さまざまな病気を予防し、目の健康を保ち、子供の成長をサポートしてくれるビタミンA。
必要量の30%も不足している私たちにとっては、意識して摂るべき大切な栄養素なのです。
ビタミンAの多い果物:まとめ
ビタミンAの多い果物を20位までランキングでご紹介しました。
1日の推奨量:成人女性で650~700μgRAE、成人男性で800~900μgRAE
ビタミンAは足りていない:推奨量の70%しか摂れていません。成人女性で200μgRAEが不足。成人男性で350μgRAEが不足しています。
不足すると?:感染症にかかりやすい、その他の病気や老化の原因になる、肌・髪・爪が弱くなる、視力の低下、夜盲症、子供の発育が妨げられる。
ビタミンAの多い果物:すいか、みかん、柿、マンゴー、グレープフルーツ、干しプルーン、ネーブルオレンジなど
ビタミンAの効果効能:感染症予防、病気や老化の予防、美肌・美髪、夜盲症の予防、子供の健やかな成長。
果物には、ビタミンC、カリウム、食物繊維、酵素なども豊富。特に酵素は果物と発酵食品にしか含まれていません。
毎日の食生活に果物を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。