バナナに多い栄養といえばカリウムや食物繊維、というイメージがありますが……
本当にそうなのでしょうか?本当に多い栄養素は何なのでしょうか?
これからお伝えする内容を読むと、
- バナナにはどの栄養素が多い?
- バナナを1本食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- バナナの効果効能は?
- どんな人におすすめ?
といったことが手に取るようにわかります。バナナの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
【関連記事】バナナは鉄分が多い?バナナ1本の鉄分の量と他の食べ物と比較
【関連記事】バナナは亜鉛が多い?バナナ1本の亜鉛の量と他の食べ物と比較
バナナ1本の栄養価
バナナにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
栄養価のページで「バナナ100gにカリウムが360mg含まれていて……」と書かれていたりしますが、
- バナナ100gってどのくらいの量か、わかります?
- カリウムが360mgって、多いのか少ないのかわかります?
ここでは「バナナ100gあたりの栄養価」ではなく「バナナを1本食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?」「効果効能は?」といったかたちでビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ バナナ1本の重さ:90g
一般的なバナナの重さは1本が約150g。皮をむいた可食部は約90gです。

バナナに多いビタミンは?
バナナを1本食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか。

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
バナナ1本に多いビタミンは……
ビタミンB6 | 31.1% |
ビタミンC | 14.4% |
葉酸 | 9.8% |
ビタミンB6はたんぱく質を分解してエネルギーを作る栄養素。バナナがすばやくエネルギーに変わるのはこのビタミンB6が多いからですね。
男性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるか、のグラフはこちら。

男性にとっても、ビタミンB6、C、E、葉酸などを補うことができます。
次は、バナナにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
バナナに多いミネラルは?
バナナといったらカリウムですが、本当に多いのでしょうか。
ではバナナ1本(90g)で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%を摂ることができるのでしょうか?

バナナ1本に多いミネラルは……
モリブデン | 31.5% |
カリウム | 16.2% |
銅 | 11.6% |
ダントツに多いのは代謝のミネラル「モリブデン」。カリウムも1日に必要な量の16%と、しっかり摂ることができますね。
【関連記事】バナナ1本のカリウムの量は?ほかの食べ物と比べると?
ちなみに男性の場合はこちら。

では最後に、バナナ1本でどのくらい食物繊維が摂れるのかをお伝えしてから、バナナの7つの効果効能を紹介します。
バナナに食物繊維は多い?
「○○にはバナナ5本分の食物繊維が含まれていて・・・」などと比較されるほど、バナナは食物繊維の多い食べ物の代表のはず、ですよね?
ではバナナを1本食べると、女性が1日に必要な食物繊維の何%を摂ることができるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 7.5% |
水溶性食物繊維 | 1.5% |
男性の場合はこちら。

バナナ1本に食物繊維は1g(水溶性と不溶性の合計です)。
女性が1日に必要な食物繊維は18g。バナナ1本で補えるのはその5.5%。それほど多くないんです。
【関連記事】バナナは食物繊維が少ない?【1食分】でほかの果物と比較!
ちなみに食物繊維の多い食べ物として、
干し柿2個(50g) | 7.0g |
ブロッコリー温野菜1皿 (100g) | 5.1g |
冷凍枝豆1/3袋分 (可食部65g) | 4.8g |
身近な食べ物1食分あたりで食物繊維の多い順にランキングすると、バナナは64位なのです。
では、
バナナに多い栄養素の効果効能は?
その栄養素は私たちに足りている?
バナナに多い栄養素とその効果効能

バナナ1本に、女性の1日の目標量の10%以上が含まれている栄養素は次の5つ。
モリブデン | 31.5% |
ビタミンB6 | 31.1% |
カリウム | 16.2% |
ビタミンC | 14.4% |
銅 | 11.6% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えします。
モリブデン
バナナにもっとも多い栄養素はモリブデン。
食べた物を分解・代謝してエネルギーに変えてくれる必須ミネラルです。
バナナのモリブデンの量は?
バナナ1本(90g)に
モリブデンは6.3μg。これは、
- 女性:1日の目標量の32%
- 成人:1日の目標量の21%
モリブデンは「私たちが普段どのくらい摂れているか」の調査がありません。
ただ一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることもないと考えられています。
ちなみにモリブデンの多い食べ物はこちらです。
モリブデンの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
モリブデンの効果効能は?
モリブデンのおもな効果は次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
栄養素の代謝をして、いらないものを排出する、というのがおもなはたらきですね。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
ビタミンB6
2番目に多い栄養素はビタミンB6。脂肪肝を防ぐ、肌や粘膜を整える、女性特有の体の悩みをやわらげる、といったはたらきがあります。
バナナのビタミンB6の量は?
バナナ1本にビタミンB6は
0.34mg。これは、
- 女性:1日の目標量の31%
- 男性:1日の目標量の24%
では、私たちはビタミンB6がちゃんと摂れている?バナナを1本食べると摂取量はどう増える?
女性の場合は……

女性:
平均摂取量=99%
バナナ1本=31%
合計=130%
男性:
平均摂取量=90%
バナナ1本=24%
合計=114%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンB6解説」
ビタミンB6の効果効能は?
ビタミンB6のおもな効果は次の6つ。
- たんぱく質を分解:
エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る - 脂質の代謝:
肝臓に脂肪がたまらないように守る - 肌・髪・粘膜の代謝:
肌荒れや口内炎から守る - ホルモンバランスを整える:
月経前の体の悩みをやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる
- 神経伝達物質を作る:
気持ちを安定させる
栄養素の代謝によって疲労を回復したり、筋肉や肌など体をつくるのがビタミンB6のはたらきです。
ビタミンB6は、かつお、まぐろ、鮭、さば、豚肉、いも類などに豊富。くわしくはこちらを。
ビタミンB6の多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウム
3番目に多い栄養素がカリウム。余分な塩分の排出とむくみ解消のミネラルです。
バナナのカリウムの量は?
バナナ1本(90g)に
カリウムは324mg。これは、
- 女性:1日の目標量の16%
- 男性:1日の目標量の13%
では、私たちはカリウムがちゃんと摂れている?

女性:
平均摂取量=111%
バナナ1本=16%
合計=127%
男性:
平均摂取量=96%
バナナ1本=13%
合計=109%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果効能は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
【関連記事】カリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンC
4番目に多いのがビタミンC。抗酸化作用が高く、風邪予防には必須のビタミンです。
バナナのビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCの量は
男女とも100mg。
バナナ1本にビタミンCは14mg。
1日の目標量の14%です。
そしてバナナを1本食べると摂取量は……
女性:
平均摂取量=96%
バナナ1本=14%
合計=110%
男性:
平均摂取量=91%
バナナ1本=14%
合計=105%
男女ともやや不足ぎみでしたが、バナナ1本追加することで目標をクリアできました。
ちなみにビタミンCの多い果物は、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイなど。くわしくはこちら。
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
ビタミンCの効果は?
ビタミンCのおもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ビタミンCは体内にためておけない栄養素。ストレスの多い人は目標量100mg以上にしっかりとこまめに摂ることが大切です。
銅
5番目に多い栄養素は銅。貧血や骨粗しょう症の予防効果があります。
バナナに含まれる銅の量は?
バナナ1本(90g)に
銅は0.08mg。これは、
- 女性:1日の目標量の12%
- 男性:1日の目標量の9%
バナナを1本食べると銅の摂取量は……
女性:
平均摂取量=149%
バナナ1本=12%
合計=161%
男性:
平均摂取量=133%
バナナ1本=9%
合計=142%
銅は不足しにくい栄養素。女性も男性も十分に摂れていますね。
ストレスの多い人や亜鉛のサプリメントを飲んでいる人は銅不足になることも。貧血、風邪をひきやすい、白髪が増えた、なんてことありませんか?
心当たりがあるようでしたら、銅の多い食べ物を意識してみましょう。
銅の効果は?
銅のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
バナナの7つの効果効能
バナナは1年を通して手頃で手軽に食べることのできる果物。
バナナに多い栄養素のはたらきから、期待できる効果効能をまとめてみました。
- エネルギーを作る
- 疲労を回復する
- 体をつくる(筋肉・肌・髪・爪・血液)
- 貧血を予防する
- 肌や髪を美しく
- 月経前の体の悩みをやわらげる
- 気持ちをおだやかにする
バナナにはトリプトファンも豊富。精神面の安定(落ち込まない、くよくよしない)、やる気や集中力が高まる、といった効果も期待できます。
そんなバナナはどんな人におすすめかというと……
バナナはこんな人におすすめ
バナナをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 疲れやすい人
- 運動をよくする人
- 貧血ぎみな人
- 肌荒れ、髪のパサつき、口内炎が気になる人
- 月経前の体調不良に悩む人
- イライラしやすい人、落ちこみやすい人
- ストレスの多い人
朝食の30分前に食べたり、朝食がわりにバナナを食べるのがおすすめです。
【関連記事】バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?NGなのは?
バナナに多い栄養素:まとめ
バナナに多い栄養素と効果効能についてお伝えしました。
バナナに多い栄養素:女性の1日の目標量に対して10%以上含まれている栄養素は、モリブデン、ビタミンB6、カリウム、ビタミンC、銅。
次いで7%以上含まれているものは、マグネシウム、葉酸、パントテン酸、ビタミンE、不溶性食物繊維。
バナナの効果効能:エネルギーを作る、疲労回復、体をつくる、貧血予防、美肌・美髪、月経前の悩みを軽減、気持ちをおだやかに
どんな人に食べてほしい?:疲れやすい、運動が好き、貧血ぎみ、肌荒れ、髪がパサつく、口内炎が気になる、イライラしやすい、落ちこみやすい、ストレスが多い
心と体の元気をサポートしてくれるバナナ。毎日の食生活にぜひ取り入れてみてくださいね。