りんごは体にいい果物の代表。風邪ぎみな時、お腹の調子がよくない時。まず食べておきたい食べ物もりんごではないでしょうか。
栄養豊富なイメージですが、どんな栄養素が多いのかご存じですか?
このページを読むと、
- りんごにはどの栄養素が多い?
- りんご1個で1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
- りんごの効果効能は?
- どんな人におすすめ?
といったことが手に取るようにわかります。りんごの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
りんご1個の栄養価
りんごにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
栄養価のページで「りんご100g中にビタミンEが0.3mg含まれていて……」と書かれていても、
- りんご100gって、どのくらいの量かわかります?
- ビタミンEが0.3mgって、どのくらい多いのかわかります?
そこで「りんご100gあたりの栄養価」ではなく「りんごを1個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?」について、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
りんごの効果効能もしっかりお伝えします!
▼ りんご1個:255グラム
りんご1個は約300g。皮と芯を除くと可食部は約255gになります。
りんご1個を一度に食べなくても「朝に半分食べて夜に半分食べる」など、1日にりんご1個食べた場合の栄養価として参考になさってください。

りんごに多いビタミンは?
りんごを1個食べると、どのビタミンを多く摂れるのでしょうか?
栄養素にはそれぞれ「健康のために1日にこのくらいの栄養素を摂りましょう」という目安があります。たとえばビタミンB6なら……
ビタミンB6の1日の推奨量(目標量)
18~64歳なら、
女性:1.1mg、男性:1.4mg
栄養素によっては、1日の目標量が男性と女性とで違ったり、年齢によって違ったりしますね。
では、りんごを1個を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
りんご1個に多いビタミンは……
ビタミンC | 10.2% |
ビタミンB6 | 9.3% |
この2つ以外のビタミンは、1日に必要な栄養素の5%以下しか含まれていません。
では、男性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

男性にとっても、りんご1個で多く摂れるビタミンはCとB6ですね。
では次に、りんごにはどんなミネラルが多いのかについてお伝えします。
りんごに多いミネラルは?
りんご1個で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

りんご1個に多いミネラルはこの3つ。
クロム | 25.5% |
銅 | 18.2% |
カリウム | 15.3% |
カリウムは血圧を下げたりむくみを解消したりと効果がイメージできますが、クロムや銅の効果と言われてもピンと来ませんよね?
クロムや銅は女性にうれしい効果も発揮してくれるミネラルですが、それはのちほどお伝えします。
男性の場合はこちら。

では最後に、りんごを1個食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、りんごの9つの効果効能を紹介します。
りんごに食物繊維は多い?
りんごを1個食べると、女性にとって1日に必要な食物繊維の何%が摂れるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 21.3% |
水溶性食物繊維 | 17.0% |
男性はこちら。

日本人は食物繊維不足。不溶性食物繊維は1日の目標の90%ほど、水溶性食物繊維にいたってはたったの55%ほどしか摂れていないのです。
生活習慣病の予防、便秘解消、デトックス、ダイエットなど健康効果が高いにもかかわらず、私たちにまったく足りていない食物繊維。
そんな食物繊維がたっぷり含まれているのがりんごなのです!
それでは、
りんごに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素が足りている?
りんごに多い栄養素とその効果効能

りんご1個に、女性の1日の目標量の10%以上が含まれている栄養素は次の6つ。
クロム | 25.5% |
不溶性食物繊維 | 21.3% |
銅 | 18.2% |
水溶性食物繊維 | 17.0% |
カリウム | 15.3% |
ビタミンC | 10.2% |
では順番に、その栄養素は私たちに足りてる?どんな効果がある?についてお伝えしていきます。
クロム
りんご1個のクロムの量は?
1日に必要なクロムの量は
女性も男性も10μg。
りんご1個(255g)に
クロムは2.55μg。
1日に必要な量の25.5%です。
クロムは「私たちがふだんどのくらい摂れているか」の調査がありません。ただ、一般的な食生活なら不足することも摂りすぎることも、まずありません。
ちなみにクロムの多い食べ物はこちら。
クロムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
クロムの効果効能は?
クロムのおもな効果は次の3つ。
- 糖質、脂質、たんぱく質の代謝をサポートする
- 血糖値を下げる(インスリンのはたらきを促進)
- 血液中のコレステロールや中性脂肪が増えないように調整する
食べたものをしっかりエネルギーに変えたり、生活習慣病を予防したり、といった効能ですね。
※参考サイト:厚生労働省 eJIM「クロミウム」
不溶性食物繊維
りんごに2番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。
私たちには食物繊維が2種類とも不足していますが、りんごには両方ともたっぷりと含まれています。
りんご1個の不溶性食物繊維は?
りんご1個に不溶性食物繊維は
2.6g。これは、
- 女性:1日の目標量の21.3%
- 男性:1日の目標量の18.2%
私たちに不足している不溶性食物繊維。りんご1個をプラスしたら摂取量はどこまで増えるのか、みてみましょう。

女性:
平均摂取量=93%
りんご1個=21%
合計=114%

男性:
平均摂取量=84%
りんご1個=18%
合計=102%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
ちなみに、1食分あたりで不溶性食物繊維が多い食べ物は、りんごのほかに、干し柿、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、さといも、アボカドなどです。
不溶性食物繊維の効果効能は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
不溶性食物繊維は腸のなかで水分を吸って、数倍にも数十倍にもふくれあがります。
これが腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消をサポートします。
不溶性食物繊維が効果を発揮するのは、便の回数が少ない、便の量が少ない、といったタイプの便秘です。
銅
3番目に多いのが銅。貧血予防や美肌づくりに効果を発揮します。
りんご1個の銅の量は?
りんご1個(255g)に
銅は0.13mg。これは、
- 女性:1日の目標量の18.2%
- 男性:1日の目標量の14.2%
ところで、私たちは銅が足りている?

女性:
平均摂取量=149%
りんご1個=18%
合計=167%
男性:
平均摂取量=133%
りんご1個=14%
合計=147%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅は一般的な食生活では不足しにくい栄養素。
ただし、ストレスの多い人や亜鉛のサプリを飲んでいる人は銅不足になりやすいもの。
りんごのほか、レバー、いか、ナッツ類、さといも、枝豆、納豆、豆腐など、銅の多い食べ物を意識して摂りましょう。
銅の効果効能は?
銅のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
水溶性食物繊維

りんごに4番目に多いのが水溶性食物繊維。
私たちは目標量のほぼ半分程度しか摂れていませんが、りんごにはたっぷりと含まれています。
りんご1個の水溶性食物繊維は?
りんご1個に水溶性食物繊維は
1.02g。これは、
- 女性:1日の目標量の17.0%
- 男性:1日の目標量の14.6%
私たちは水溶性食物繊維がどれだけ不足している?

女性:
平均摂取量=58%
りんご1個=17%
合計=75%
男性:
平均摂取量=51%
りんご1個=15%
合計=66%
りんごには水溶性食物繊維が多いとはいえ、目標にはまだまだ届きません。
水溶性食物繊維の多い果物は、干しいちじく、アボカド、いちご、グリーンキウイ、干しプルーンなど。
果物以外で水溶性食物繊維の多い食べ物は、ひじき、寒天、とろろ昆布、さといも、もち麦、大豆、豆腐など。意識して摂ることが大切ですね。
水溶性食物繊維の効果効能は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
生活習慣病の予防に効果を発揮してくれるのが水溶性食物繊維です。
また、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も便秘解消に効果的ですが「便秘のタイプによってどちらの食物繊維が効果的なのか」が違います。
便秘解消に効果的な食物繊維の摂り方はこちらをご覧ください。
食物繊維のとりすぎが便秘や下痢の原因?食物繊維の正しい摂り方は?
カリウム
5番目に多い栄養素はカリウム。体内の余分な塩分を出し、むくみを解消するミネラルです。
りんご1個のカリウムは?
りんご1個(255g)に
カリウムは306mg。これは、
- 女性:1日の目標量の15.3%
- 男性:1日の目標量の12.2%
私たちの平均摂取量にりんご1個をプラスすると……

女性:
平均摂取量=111%
りんご1個=15%
合計=126%
男性:
平均摂取量=96%
りんご1個=12%
合計=108%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムは男女ともほぼ目標量を摂れていますが、下痢することが多い人、食生活がかたよっている人、汗をよくかく人、ストレスが多い人はカリウム不足になることも。
さといも、じゃがいも、枝豆、トマトジュース、玉露、豚肉、アボカド、エリンギなど、カリウムの多い食べ物がおすすめです。
カリウムの効果効能は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
ビタミンC
りんごに6番目に多い栄養素はビタミンC。風邪や貧血の予防、ストレスから守る、美白などのはたらきのある栄養素です。
りんご1個のビタミンCは?
1日に必要なビタミンCは
男女とも100mg。
りんご1個にビタミンCは10.2mg。
1日に必要な量の10.2%です。
では、私たちはビタミンCがちゃんと摂れている?

女性:
平均摂取量=96%
りんご1個=10%
合計=106%
男性:
平均摂取量=91%
りんご1個=10%
合計=101%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果効能は?
ビタミンCの効果はすっかりご存じでしょう。おもに次の7つです。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
以上、りんご1個に多い6つの栄養素とそのはたらきを紹介しました。
では最後にこれらのはたらきからりんごの効果効能は?どんな人こそ食べると効果的?についてお伝えします。
りんごの9つの効果効能
りんごは2種類の食物繊維をはじめ、クロム、カリウム、ビタミンCなど、いろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、りんごに期待される効果効能をまとめてみました。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 血圧を下げる
- 有害物質を排出する
- 便秘を解消する
- 貧血を予防する
- 老化や病気を予防する
- 疲労を回復する
「りんごが赤くなると医者が青くなる」と言われるほどに、りんごには効能がたくさん。
特に、私たちが全然摂れていない水溶性食物繊維をりんごがしっかり補ってくれる、という点で、そのはたらきが十分に発揮されるのでしょう。
そして、りんごをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそりんごを食べてほしい!
りんごをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 血圧が高い
- 血糖値が気になる
- お腹まわりが気になる
- 便秘がち
- 貧血ぎみ
- 疲れがとれない
- 風邪をひきやすい
- ストレスが多い
お腹にもやさしいりんごはまさに薬のような存在。
体調がいまひとつ、といった時だけでなく、いつも元気でいられるためにも食べたい果物です。
りんごに多い栄養素:まとめ
りんごに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
りんごに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、クロム、不溶性食物繊維、銅、水溶性食物繊維、カリウム、ビタミンC、ビタミンB6など
りんごの効果効能:中性脂肪やコレステロールを減らす、血糖値をおさえる、血圧を下げる、有害物質の排出、便秘解消、貧血予防、老化や病気の予防、疲労回復
どんな人に食べてほしい?:血圧が高い、血糖値が気になる、ぽっちゃりしている、便秘がち、貧血ぎみ、疲れがとれない、風邪をひきやすい、ストレスが多い
低カロリーで栄養価の高いりんご。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。