かわいらしさと甘酸っぱいおいしさで人気のさくらんぼ。おもな成分は糖質ですが、少ないながらもいろんな栄養が含まれています。
そこで……
- さくらんぼに多い栄養素は?
- さくらんぼ15粒で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな効能がある?
- どんな人こそ食べるといいの?
についてしっかりとお伝えします。さくらんぼの栄養を上手にいかして元気な毎日を過ごしましょう。
なおアメリカンチェリーの栄養価と効能はこちらで紹介しています。
アメリカンチェリーの栄養価は?多い栄養素と7つの効果効能を紹介!
さくらんぼの栄養価
さくらんぼにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは1日に食べる量の目安を15粒として、
さくらんぼを15粒食べると、1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
さくらんぼにはどの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
というかたちで、ビタミン →ミネラル→食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 1日に食べる量は?
さくらんぼ15粒(81g)。
さくらんぼは1粒が約6gで可食部は5.4g。15粒で81gほどです。

さくらんぼに多いビタミンは?
さくらんぼを15粒食べると、女性の1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、さくらんぼ15粒に多いビタミンは……
葉酸 | 15.8% |
ビタミンC | 10.0% |
ビタミンE | 8.3% |
さくらんぼに含まれるビタミンの中ではこの3つが豊富。
葉酸は果物のなかでもさくらんぼに豊富。アメリカンチェリーにもほぼ同じ量の葉酸が含まれています。
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男性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるかのグラフはこちら。

では次にさくらんぼにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
さくらんぼに多いミネラルは?
さくらんぼを15粒食べると、女性にとって必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、さくらんぼ15粒に多いミネラルは……
カリウム | 8.5% |
銅 | 5.8% |
ミネラルも決して多くはありません。カリウムと銅がやや多めですが、どちらもふだんの食生活で摂れている栄養素。
さくらんぼには「不足分を補ってくれるミネラル」はないようです。
ちなみに男性の場合はこちら。

さくらんぼ15粒を食べるとどのくらい食物繊維を摂ることができるのかをお伝えしてから、さくらんぼの効果効能を紹介します。
さくらんぼに食物繊維は多い?
さくらんぼを15粒食べると、女性に必要な食物繊維の何%を摂ることができるのでしょうか?

不溶性食物繊維 | 7.4% |
水溶性食物繊維 | 1.4% |
不溶性食物繊維がやや多め。私たちは目標量の90%しか摂れていないので、さくらんぼで目標量に届きますね。
なお、私たちにまったく足りていないのは水溶性食物繊維。目標量の55%しか摂れていません。
ひじき、寒天、里芋、とろろ昆布、大豆の煮豆、豆腐、納豆、枝豆、もち麦など、水溶性食物繊維の多い食べ物を意識して食べましょう。
男性の場合はこちら。

では、
さくらんぼに多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
さくらんぼに多い栄養素とその効果効能

女性の1日の目標量に対して、さくらんぼ15粒に含まれている栄養素は多い順に、
葉酸 | 15.8% |
ビタミンC | 10.0% |
カリウム | 8.5% |
ビタミンE | 8.3% |
不溶性食物繊維 | 7.4% |
では順番に、私たちはこれらの栄養素が足りているの?どんな効果があるの? についてお伝えしていきます。
葉酸
さくらんぼにもっとも多い栄養素は「葉酸」。お腹の赤ちゃんの発育だけでなく、貧血予防にも大切なビタミンです。
さくらんぼの葉酸の量は?
葉酸の1日の目標量は
女性も男性も240μg。
さくらんぼ15粒(81g)の
葉酸の量は38μg。
1日の目標量の15.8%になります。
ところで、
私たちは葉酸がちゃんと摂れている?
さくらんぼを15粒食べると葉酸はどのくらい増える?
女性の場合をみてみましょう。

女性:
平均摂取量=118%
さくらんぼ15粒=16%
合計=134%
男性:
平均摂取量=123%
さくらんぼ15粒=16%
合計=139%
男女ともに目標量以上の葉酸が摂れています。さくらんぼでさらに補うことができますね。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「葉酸解説」
葉酸の効果は?
葉酸のおもな効果は次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸はお腹の赤ちゃんの成長を守る栄養素。赤ちゃんを授かりたいと思ったらしっかり摂るようにしましょう。
▼妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月
通常の1日240μg + 400μg
▼それ以降の妊娠中
通常の1日240μg + 240μg
▼産後の授乳期間中
通常の1日240μg + 100μg
ただしレバーは、葉酸は多いもののこの時期に摂りすぎ注意なビタミンAが凝縮。ほうれん草も生で食べると豊富なシュウ酸が尿路結石の原因になりかねません。
この時期は、枝豆、ほうれん草のおひたし、ブロッコリー、サニーレタス、いちご、マンゴー、天津甘栗、焼きのり、豆乳、納豆などの 葉酸の多い食べ物でしっかりと摂りましょう。
ビタミンC

さくらんぼに2番目に多い栄養素はビタミンC。
さくらんぼのビタミンCの量は?
ビタミンCの1日の目標量は
女性も男性も100mg
さくらんぼ15粒(81g)の
ビタミンCの量は10.0mg。
1日の目標量の10%になります。
では、私たちはビタミンCが足りている?さくらんぼを15粒食べると摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=96%
さくらんぼ15粒=10%
合計=106%
男性:
平均摂取量=91%
さくらんぼ15粒=10%
合計=101%
やや不足ぎみなビタミンC。さくらんぼ15粒で10%増えると目標量にまで届きます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
ビタミンCのおもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ストレスの多い時や体調を崩している時はビタミンCの消費量も多くなります。
また、ビタミンCは体内にためておくことができず、数時間で排出されてしまいます。
果物ならこまめに食べるのに便利。ビタミンCの多い果物は、さくらんぼの他に、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、柑橘類など。ぜひ活用してみてください。
カリウム
3番目に多い栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効能を発揮するミネラルですね。
さくらんぼのカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
さくらんぼ15粒(81g)の
カリウムの量は170mg。これは、
- 女性:1日の目安量の8.5%
- 男性:1日の目安量の6.8%
さくらんぼを15粒食べるとカリウムはどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=111%
さくらんぼ15粒=9%
合計=120%
男性:
平均摂取量=96%
さくらんぼ15粒=7%
合計=103%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
カリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてはいかがでしょうか。
ビタミンE

さくらんぼに4番目に多い栄養素はビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用の高い栄養素です。
さくらんぼのビタミンEの量は?
ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
さくらんぼ15粒(81g)の
ビタミンEは0.5mg。これは、
- 女性:1日の目標量の8.3%
- 男性:1日の目標量の7.1%
さくらんぼを15粒食べるとビタミンEはどう増えるのかというと……

女性:
平均摂取量=108%
さくらんぼ15粒=8%
合計=116%
男性:
平均摂取量=100%
さくらんぼ15粒=7%
合計=107%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」
ビタミンEの効果は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などはサラサラ効果は大切。
ビタミンEの多い食べ物は、アーモンド、落花生、かぼちゃ、ブロッコリー、豚肉、アジ、サバ缶、鮭、ゴールドキウイなど。意識して食べましょう。
不溶性食物繊維
5番目に多い栄養素は不溶性食物繊維。
「食物繊維」と言われてイメージする繊維質のものが不溶性食物繊維です。
さくらんぼの不溶性食物繊維は?
不溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が12g、男性が14g。
※食物繊維の目標量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、不溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
さくらんぼ15粒(81g)の
不溶性食物繊維は0.9g。これは、
- 女性:1日の目標量の7.4%
- 男性:1日の目標量の6.4%
さくらんぼを15粒食べると不溶性食物繊維をどこまで補えるかというと……

女性:
平均摂取量=93%
さくらんぼ15粒=7%
合計=100%
男性:
平均摂取量=84%
さくらんぼ15粒=6%
合計=90%
ちなみに、不溶性食物繊維の多い食べ物には、干し柿、柿、ラズベリー、りんご、グリーンキウイ、おから、おからパウダー、ブロッコリー、枝豆、大豆、里芋、玄米などがあります。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維」、「食物繊維の必要性と健康」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」、農林水産省「ビタミンと食物繊維」
不溶性食物繊維の効果は?
不溶性食物繊維のおもな効果は次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
さくらんぼに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
最後にこれらのはたらきをまとめて「さくらんぼの効果効能は?」、「どんな人こそ食べると効果的?」についてお伝えします。
さくらんぼの8つの効果効能

さくらんぼは葉酸、ビタミンC、カリウム、不溶性食物繊維などが豊富。
これらの栄養素のはたらきから、さくらんぼに期待される効能をまとめてみました。
- お腹の赤ちゃんの成長を守る
- 貧血を予防する
- 免疫力を高めて感染症から守る
- 老化や病気を予防する(抗酸化)
- 血圧を下げる
- サラサラ効果で血行を良くする
- 便秘を解消する
- ストレスから守る
ということで、さくらんぼをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそさくらんぼを食べてほしい!
さくらんぼをぜひ食べてほしいのはこちら!
- 妊活中~授乳期のママ
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい
- 貧血ぎみ
- 便秘がち
- 血圧が高い
- ストレスが多い
- 若々しく美しくいたい
さくらんぼのアントシアニン(ポリフェノールの一種)には目の疲れを癒し、視力の回復や老眼を予防するはたらきも。
パソコン仕事の多い人にもぜひ食べてもらいたいのがさくらんぼなのです。
さくらんぼに多い栄養素:まとめ
さくらんぼに多い栄養素と効果効能を紹介しました。
さくらんぼに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、葉酸、ビタミンC、カリウム、ビタミンE、不溶性食物繊維
さくらんぼの効能:胎児の成長促進、貧血予防、感染症の予防、アンチエイジング、血圧を下げる、血行を良くする、便秘の解消、ストレスから守る
こんな人こそ食べてほしい:妊活中~授乳期のママ、風邪をひきやすい、疲れやすい、貧血ぎみ、便秘がち、高血圧、ストレスが多い、目が疲れる
甘酸っぱくてかわいらしいさくらんぼ。旬の初夏にはぜひ召し上がってみてください。