夏に旬をむかえる桃。みずみずしい美味しさだけでなく、栄養も効能もぎっしりと詰まっているんです。
そんな桃にはどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- 桃はどんな栄養素が多い?
- 桃を1個食べると1日に必要な栄養素が何%摂れる?
- 桃って体にいいの?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。桃の栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
桃1個の栄養価
桃にはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは、
桃を1個食べると1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
どの栄養素が多い?どんな効能が期待できる?
というかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
▼ 桃1個=212グラム
桃は1個が約250g。皮と種を除くと可食部は212gほどです。

桃に多いビタミンは?
桃を1個を食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%が摂れるのでしょうか?

※参考サイト:文部科学省「食品成分データベース」
女性の1日の目標量に対して、桃1個に多いビタミンは……
ビタミンE | 24.7% |
ビタミンC | 17.0% |
ナイアシン | 10.6% |
サラサラ効果のビタミンEがダントツ!次いでビタミンCもたっぷり。
どちらも抗酸化作用の高い栄養素でもあり、どちらも私たちに不足しがちな栄養素です。
男性の1日の目標量に対してはこちら。

では桃に多いビタミンの効果効能を紹介する前に、桃にはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
桃に多いミネラルは?
桃を1個食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、桃1個に多いミネラルはこちら。
カリウム | 19.1% |
銅 | 15.1% |
モリブデン | 10.6% |
血圧ケアやむくみ解消のカリウム、貧血予防や抗酸化の銅、貧血予防のモリブデンなどが豊富。
そのほかのミネラルはどれも5%以下と、特別多くはないようです。
なお男性の場合は……

ビタミン、ミネラルと紹介しましたので、次は食物繊維。
桃を1個食べると食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、桃の10の健康効果を紹介します。
桃に食物繊維は多い?
食物繊維は2種類。
▼水溶性食物繊維:
昆布のトロ~ッとした部分など海藻や果物に多い。生活習慣病の予防効果や、固い便をやわらかくして便秘を解消する効果など。
▼不溶性食物繊維:
いわゆる繊維質のポソポソした食感のもので、野菜やきのこや未精製の穀物に多い。有害物質を排出したり、便のカサを増やして便秘を解消する効果など。
では、桃1個で女性の1日の目標量の何%の食物繊維が摂れるのでしょうか?

水溶性食物繊維 | 21.2% |
不溶性食物繊維 | 12.4% |
男性の場合はこちら。

食物繊維が不足している私たち。なかでも、生活習慣病の予防に劇的な効果をもたらす「水溶性食物繊維」が目標の55%しか摂れていません。
その水溶性食物繊維が桃1個に1日の目標の量の21%も含まれているんです。「水溶性食物繊維を摂るために桃を食べる」といっても過言ではないですね。
では、
桃に多い栄養素の効果効能は?
私たちはその栄養素がちゃんと摂れている?
桃に多い栄養素とその効果効能

桃1個に、女性の1日の目標量の15%以上が含まれている栄養素は次の5つ。
ビタミンE | 24.7% |
水溶性食物繊維 | 21.2% |
カリウム | 19.1% |
ビタミンC | 17.0% |
銅 | 15.1% |
では順番に、その栄養素をどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、についてお伝えしていきますね。
ビタミンE
1番多いのはビタミンE。サラサラ効果と抗酸化作用の高い栄養素です。
桃のビタミンEの量は?
ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
桃1個(212g)にビタミンEは
1.5mg。これは、
- 女性:1日の目標量の24.7%
- 男性:1日の目標量の21.2%
ところで、
私たちはビタミンEがちゃんと摂れている?
桃を1個食べると摂取量はどのくらい増える?

女性:
平均摂取量=108%
桃1個=25%
合計=133%
男性:
平均摂取量=100%
桃1個=21%
合計=121%
【関連記事】ビタミンEの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンEの効果は?
ビタミンEのおもな効果は次の7つ。
- 動脈硬化を予防する
- 悪玉コレステロールをおさえて、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ
- 心疾患や貧血を予防する
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
とにかく流れをよくするのがビタミンE、ということですね。そして高い抗酸化作用で若々しく元気な体をサポートします。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、e-ヘルスネット「LDLコレステロール」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンE解説」
水溶性食物繊維

2番目は水溶性食物繊維。
1日の目標の半分しか摂れていない水溶性食物繊維が桃にはたっぷり含まれています。
桃の水溶性食物繊維の量は?
水溶性食物繊維の1日の目標量は
女性が6g、男性が7g。
※食物繊維の目標量が女性18g、男性21g。水溶性と不溶性を1:2の割合で摂ることが推奨されているので、水溶性食物繊維の1日の目標量を上記の量として紹介しています。
桃1個に水溶性食物繊維は
1.3g。これは、
- 女性:1日の目標量の21.2%
- 男性:1日の目標量の18.2%
では、桃を1個食べると水溶性食物繊維をどこまで補える?

女性:
平均摂取量=58%
桃1個=21%
合計=79%
男性:
平均摂取量=51%
桃1個=18%
合計=69%
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
桃を1個食べるだけで20%ほども補えますが、それでも目標の70~80%。まだ全然足りません。
水溶性食物繊維の多い果物は、干しいちじく、アボカド、いちご、グリーンキウイ、干しプルーン、りんごなど。
また果物以外なら、寒天、とろろ昆布、もち麦(お米にまぜて炊くだけ)、豆腐、納豆、枝豆などが水溶性食物繊維の多い食べ物。料理不要ですぐ食べられるものがたくさんあります。
水溶性食物繊維の効果は?
水溶性食物繊維のおもな効果は次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
40代からの生活習慣病が気になる世代にとってうれしい効果が満載。便がかたい、いきまないと出ない、といったタイプの便秘にも効果を発揮してくれます。
【関連記事】便秘に食物繊維は逆効果?便秘のタイプ別、摂るべき食物繊維とは
カリウム
桃に3番目に多い栄養素はカリウム。高血圧やむくみに効能を発揮します。
桃のカリウムの量は?
カリウムの1日の目安量は、
女性が2000mg、男性が2500mg。
桃1個(212g)に
カリウムは382mg。これは、
- 女性:1日の目安量の19.1%
- 男性:1日の目安量の15.3%
では、桃を1個食べるとカリウムの摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=111%
桃1個=19%
合計=130%
男性:
平均摂取量=96%
桃1個=15%
合計=111%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
カリウムのおもな効果は次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラがはいらない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
桃のほかにカリウムの多い食べ物は、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉など。意識して食べてみてくださいね。
ビタミンC

桃に4番目に多い栄養素はビタミンC。感染症予防やストレスケアなどいろんな効果を発揮します。
桃のビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCの量は
男女とも100mg。
桃1個(212g)の
ビタミンCは17.0mg。
1日に必要な量の17%になります。
桃を1個食べるとビタミンCがどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=96%
桃1個=17%
合計=113%
男性:
平均摂取量=91%
桃1個=17%
合計=108%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果は?
ビタミンCの効果はおもにこちらの7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高めて感染症を予防する
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
ストレスが多い人はビタミンCの消費量もはげしくなります。1日の目標量100mgを摂れていてもけっして十分ではありません。
また、ビタミンCは体内にためておくことができない栄養素。数時間で排出されてしまうので、こまめに摂ることが大切。
そこで便利なのが果物。桃をはじめ、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、柑橘類など、ビタミンCの多い果物を取り入れてくださいね。
銅
5番目に多い栄養素は銅。貧血予防や骨粗しょう症予防に役立つ必須ミネラルです。
桃に含まれる銅の量は?
銅の1日の推奨量は、
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
桃1個(212g)に
銅は0.11mg。これは、
- 女性:1日の推奨量の15.1%
- 男性:1日の推奨量の11.8%
桃1個で銅の摂取量はどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=149%
桃1個=15%
合計=164%
男性:
平均摂取量=133%
桃1個=12%
合計=145%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅の効果は?
銅のおもな効果は次の5つ。
- 貧血の予防:
鉄と一緒になって血液をつくる - 骨粗鬆症や動脈硬化の予防:
骨や血管の壁を強くする - 抗酸化作用:
活性酸素を除去する - 健康な黒い髪をつくる
- 弾力のある肌をつくる:
コラーゲンの生成
銅は不足しにくい栄養素ではありますが、次のような人は銅不足に注意が必要。
- ストレスの多い人:
銅が体から排出される量が増えます - 亜鉛のサプリを飲む人:
銅や鉄の吸収がさまたげられます
桃のほかにも、レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
以上、桃に多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて「桃を食べるとどんな効果効能が?」「どんな人こそ食べると効果的?」についてお伝えします。
桃の10の効果効能
桃はビタミンC、E、カリウム、銅、水溶性食物繊維など、いろんな栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、期待される効能をまとめてみました。
- 動脈硬化や心筋梗塞を予防
(サラサラ効果) - 風邪など感染症を予防する
(免疫力を高める) - 老化やいろんな病気を予防する
(抗酸化作用) - 血圧を下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 貧血を予防する
- コリや冷え性をやわらげる
- ストレスから守る
ということで、桃をぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそ桃を食べてほしい!
桃をぜひ食べてほしいのはこちら!
- 風邪をひきやすい
- 体調をくずしやすい
- 血圧が高い
- 血糖値が気になる
- お腹まわりが気になる
- 貧血ぎみ
- 便秘がち
- 脂っこいものやお酒が好き
- ストレスが多い
- 若々しくしなやかでいたい
特に、40代を過ぎてストレスのなかで忙しく活躍されている方にぜひ食べてもらいたいのが桃なのです。
桃に多い栄養素:まとめ
桃に多い栄養素と効果効能を紹介しました。
桃に多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンE、水溶性食物繊維、カリウム、ビタミンC、銅、不溶性食物繊維
桃の効果効能:動脈硬化や心筋梗塞の予防、風邪など感染症の予防、抗酸化作用、血圧を下げる、血糖値をおさえる、中性脂肪やコレステロールを減らす、貧血予防、コリや冷え性の緩和、ストレスから守る
こんな人こそ食べてほしい:風邪をひきやすい、体調をくずしやすい、高血圧、血糖値が気になる、ぽっちゃりさん、貧血ぎみ、便秘がち、お酒や脂っこいものが好き、ストレスが多い、若々しくしなやかでいたい
たっぷりのビタミンと食物繊維で、流れのよいスッキリ軽やかな体をサポートする桃。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。