うなぎといえばスタミナ満点の食材。土用の丑など夏バテ防止に召し上がる方も多いでしょう。
その通りうなぎには栄養が凝縮。でもどんな栄養素が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- うなぎはどんな栄養素が多い?
- うなぎの蒲焼き1人前で1日に必要な栄養の何%を摂れる?
- 効果効能はなに?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。栄養価も健康効果も満載のうなぎで元気な毎日を過ごしましょう。
うなぎの蒲焼き1人前の栄養価
うなぎの蒲焼きにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
ここでは生のうなぎの栄養価ではなく、
うなぎの蒲焼き1人前を食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
うなぎに多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
▼うなぎの蒲焼き1人前:うなぎ100g
一般的にうな重の1人前のうなぎが100gほど。スーパーなどの蒲焼は1尾が150gほど。ここでは生のうなぎではなくうなぎの蒲焼き1人前(100g)の栄養価を紹介します。

うなぎに多いビタミンは?
うなぎの蒲焼きを1人前食べると、女性にとって1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、うなぎ1人前に多いビタミンは……
ビタミンD | 224% |
ビタミンA | 214% |
ビタミンB12 | 92% |
ビタミンE | 82% |
ビタミンB1 | 68% |
ビタミンB2 | 62% |
ナイアシン | 59% |
うなぎといえばビタミンAというイメージかもしれませんが、ほかにも、ビタミンB群やDがぎっしり詰まっています。
特に、ビタミンA、B1、Dは私たちに足りない栄養素。うなぎから少しの量でもしっかりと補えます。
では次はどんなミネラルが多いのかお伝えします。
うなぎに多いミネラルは?
うなぎの蒲焼き1人前で、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、うなぎ1人前に多いミネラルは……
セレン | 168% |
ヨウ素 | 59% |
リン | 38% |
亜鉛 | 34% |
カルシウム | 23% |
セレンはビタミンEの100倍もの抗酸化作用といわれるミネラル。ヨウ素は代謝の促進と強い殺菌効果を発揮します。
免疫を高める亜鉛や、私たちに足りないカルシウムもうなぎは豊富です。
最後に、うなぎ1人前で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、うなぎの健康効果を紹介します。
うなぎに食物繊維は多い?
うなぎの蒲焼き1人前の食物繊維の量はというと……

うなぎには食物繊維は含まれていません。食物繊維は炭水化物の一部なので魚介類全般にはほとんど含まれていないのです。
では、
私たちに不足しがちな栄養素の中で、
うなぎでしっかり補えるものは?
その栄養素をどれくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
うなぎで私たちの不足分を補える栄養素は?

うなぎが体にいいのは、
「不足している栄養素が補えるから」
そこで私たちが不足しがちな栄養素を、うなぎの蒲焼き1人前を食べるとどこまで補えるかというと……
ビタミンD | 75% →299% |
ビタミンA | 74% →288% |
ビタミンE | 108% →190% |
ビタミンB1 | 79% →147% |
ビタミンB2 | 93% →155% |
カルシウム | 76% →99% |
※パーセンテージは女性の1日に必要な栄養素に対する割合です。
ではこれらの栄養素のはたらき、そしてうなぎの効果効能をお伝えします。
ビタミンD
うなぎで私たちの不足分が補える栄養素。1つめはビタミンD。骨を丈夫にして、感染症を予防する栄養素です。
うなぎのビタミンDの量は?

ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
うなぎの蒲焼き1人前の
ビタミンDは19μg。
1日の目安量の224%です。
うなぎの蒲焼き1人前100gを食べると……
女性:
平均摂取量=75%
うなぎ1人前=224%
合計=299%
男性:
平均摂取量=87%
うなぎ1人前=224%
合計=311%
不足がちなビタミンDがうなぎには凝縮。わすか1切れでも不足分を補うことができます。
ビタミンDの効果は?
- 骨を丈夫にする(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉の動きをスムーズにする
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ビタミンD不足では骨や筋肉が弱くなります。日光を浴びれば体内で作ることができるものの、日照時間が短い梅雨時や冬はビタミンDが不足がち。
特に閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まるので、意識して日光を浴びたり、うなぎのほかビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなど)を食べるようにしましょう。
ビタミンA
2つめの栄養素はビタミンA。免疫力を高める、粘膜を守る、抗酸化などの効果があります。
うなぎのビタミンAの量は?

ビタミンAの1日の推奨量は、
女性が700μgRAE、男性が900μgRAE。
うなぎの蒲焼き1人前に
ビタミンAは1500μgRAE。これは、
女性:1日の推奨量の214%
男性:1日の推奨量の167%
うなぎの蒲焼き1人前を食べると……
女性:
平均摂取量=74%
うなぎ1人前=214%
合計=288%
男性:
平均摂取量=61%
うなぎ1人前=167%
合計=228%
ビタミンAの効果は?
- 風邪などの感染症の予防
- さまざまな病気や老化の予防
- 美肌・美髪
- 夜盲症の予防
- 子供の成長を促進
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンA解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
ウイルスから守って感染症を予防したり、抗酸化作用で病気や老化から守るビタミンA。特に男性は大幅に不足しています。
レバー、にんじん、春菊、かぼちゃ、大根の葉、ほうれんそう、サニーレタス、たまご、すいかなど、ビタミンAの多い食べ物をしっかり摂りましょう。
ビタミンE
3つめの栄養素はビタミンE。サラサラ効果で動脈硬化や心筋梗塞から守ってくれます。
うなぎのビタミンEの量は?

ビタミンEの1日の目安量は、
女性が6mg、男性が7mg。
うなぎの蒲焼き1人前に
ビタミンEは4.9mg。これは、
女性:1日の目安量の82%
男性:1日の目安量の70%
うなぎの蒲焼き1人前100gを食べると……
女性:
平均摂取量=108%
うなぎ1人前=82%
合計=190%
男性:
平均摂取量=100%
うなぎ1人前=70%
合計=170%
ビタミンEの効果は?
- 動脈硬化の予防
- 心筋梗塞や脳梗塞の予防
- 心疾患や貧血の予防
- 血行を良くしてコリや冷えを防ぐ
- 美肌・美髪
- 記憶力を高める
- 更年期障害の症状をやわらげる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンE解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「LDLコレステロール」
ビタミンEは血管の掃除役。血圧が高い人、脂っこいものが好きな人、お酒をよく飲む人などには必須の栄養素です。
【関連記事】ビタミンEの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
ビタミンB1

4つめの栄養素はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を安定させる効果があります。
うなぎのビタミンB1の量は?

ビタミンB1の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
うなぎの蒲焼き1人前に
ビタミンB1は0.75mg。これは、
女性:1日の目標量の68%
男性:1日の目標量の54%
うなぎの蒲焼き1人前を食べると……
女性:
平均摂取量=79%
うなぎ1人前=68%
合計=147%
男性:
平均摂取量=74%
うなぎ1人前=54%
合計=128%
ビタミンB1の効果は?
- 疲労を回復する
- 中枢神経や末梢神経を正常にはたらかせる
- 気持ちを安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
ビタミンB1不足になりやすい人は、お菓子が好き、お酒が好き、よく運動する、白いご飯や白いパンを食べる(玄米などを食べない)人など。
ビタミンB1の多い食べ物はうなぎのほかに、豚肉、レバー、玄米、鮭、ぶり、サバ缶、枝豆、豆腐、えのきたけ、エリンギなどがあります。
ビタミンB2
5つめはビタミンB2。疲労回復、生活習慣病の予防、便秘解消などの効果があります。
うなぎのビタミンB2の量は?

ビタミンB2の1日の推奨量は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
うなぎの蒲焼き1人前に
ビタミンB2は0.74mg。これは、
女性:1日の推奨量の62%
男性:1日の推奨量の46%
うなぎの蒲焼き1人前を食べると……
女性:
平均摂取量=93%
うなぎ1人前=62%
合計=155%
男性:
平均摂取量=76%
うなぎ1人前=46%
合計=122%
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変えるビタミンB2。特に男性にはまったく足りていません。
レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れてみてください。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
カルシウム
6つめはカルシウム。骨を丈夫にする、高血圧の予防、心臓の動きを守るはたらきがあります。
うなぎのカルシウムの量は?

カルシウムの1日の推奨量は、
女性が650mg、男性が750mg。
うなぎの蒲焼き1人前に
カルシウムは150mg。これは、
女性:1日の推奨量の23%
男性:1日の推奨量の20%
うなぎの蒲焼き1人前を食べると……
女性:
平均摂取量=76%
うなぎ1人前=23%
合計=99%
男性:
平均摂取量=69%
うなぎ1人前=20%
合計=89%
カルシウムの効果は?
- 丈夫な骨や歯を作る
- 筋肉をスムーズに動かす
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを規則的に維持する
- 血液の状態を正常にたもつ
- 感情をおだやかにする
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」、国立健康・栄養研究所「カルシウム解説」
うなぎが私たちの不足分を補ってくれる栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、うなぎを食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
うなぎの8つの効果効能

ビタミンもミネラルもぎっしり詰まったうなぎ。
これらの栄養素のはたらきから、うなぎに期待される効能をまとめてみました。
- 骨を丈夫にする
カルシウムの吸収を助ける - 風邪やインフルエンザから守る
粘膜を守ってウイルスをブロックして免疫を高める - 筋肉をしなやかに動かす
- 心臓の動きを守る
筋肉をスムーズに動かして心臓のリズムを正常に維持する - 高血圧を予防する
カルシウムが不足すると骨の中のカルシウムを溶かして血液中へ過剰に補給するので、カルシウム濃度が高まって高血圧になる - さまざまな病気や老化を予防する
ビタミンA、E、セレンの高い抗酸化作用で活性酸素を除去する - 疲労回復
- サラサラ効果で動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞を防ぐ
ということで、うなぎをぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人こそうなぎを食べて!
うなぎをぜひ食べてほしいのは……
- 風邪をひきやすい
- 血圧が気になる
- 生活習慣病が気になる
- 骨を強くしたい
- 揚げ物や脂っこい物が好き
- お酒をよく飲む
- お菓子や甘い物が好き
玄米や全粒粉パンを食べない、疲れやすい、お腹まわりが気になる、といった方にもぜひ食べてもらいたいのがうなぎなのです。
うなぎに多い栄養素:まとめ
うなぎに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
うなぎでふだんの不足を補える栄養素:ビタミンA、B1、B2、D、E、カルシウム
うなぎの効能:骨を強くする、感染症を予防する、筋肉をしなやかに動かす、心臓の動きを守る、高血圧の予防、抗酸化作用、疲労回復、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防
こんな人こそ食べてほしい:風邪をひきやすい、血圧が高い、生活習慣病が気になる、骨粗しょう症を予防したい、揚げ物が好き、お酒が好き、甘い物が好き
うなぎはちょっと高価な食べ物。手軽には食べられないかもしれませんが、その分栄養価はぎっしり詰まっています。
ご自身へのごほうびも兼ねて、ぜひ召し上がってみてください。