さんまには良質のたんぱく質はもちろん、DHAやEPAも豊富。動脈硬化の予防や悪玉コレステロールを減らす効果を発揮してくれます。
では、ビタミンやミネラルは何が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- さんまはどの栄養素が多いの?
- さんまの塩焼き1尾で1日に必要な栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- 食べるといいのはどんな人?
といったことが手に取るようにわかります。さんまの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
さんま1尾あたりの栄養価
さんまにはどんな栄養素が多いのでしょうか?
100gあたりの栄養価が紹介されていることも多いですが、
- さんま100gってどのくらいの量?
- 生のさんまを食べませんよね?
そこでこのぺージでは「生のさんま100gの栄養価」ではなく、
さんまの塩焼きを1尾食べると、
1日に必要な栄養素の何%が摂れる?
さんまに多い栄養素は?
どんな効能が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
さんまの塩焼き1尾=76g
さんまの中サイズ1尾が150g前後。可食部は97.5g。焼くと76gに。

さんまに多いビタミンは?
さんまの塩焼きを1尾食べると、女性が1日に必要なビタミンの何%を摂ることができるのでしょうか?

女性の1日の目標量に対して、さんま1尾に多いビタミンは……
ビタミンB12 | 507% |
ビタミンD | 116% |
ナイアシン | 89% |
ビタミンB6 | 29% |
ビタミンB2 | 19% |
この5つ、ビタミンD以外はすべてビタミンB群。なかでも貧血予防に効果的なビタミンB12が1日に必要な量の5倍以上も含まれています。
ではさんまにはどんなミネラルが多いのでしょうか?
さんまに多いミネラルは?
さんまの塩焼き1尾で、女性が1日に必要なミネラルの何%を摂れるのかというと……

女性の1日の目標量に対して、さんま1尾に多いミネラルは……
セレン | 137% |
リン | 21% |
鉄 | 20% |
銅 | 16% |
抗酸化作用がバツグンに高いセレンが豊富。リンや銅や鉄も貧血予防に効果的なミネラルです。
最後に、さんま1尾で食物繊維をどのくらい摂れるのかをお伝えしてから、さんまの健康効果を紹介します。
さんまに食物繊維は多い?
さんまの塩焼き1尾あたりの食物繊維は……、ゼロです。
食物繊維は炭水化物の一部。さんまだけでなく、魚介類全般にはほとんど含まれていないのです。
では、
さんまに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
さんまに多い栄養素の効果は?

さんまの塩焼き1尾に含まれている栄養素の中で、女性の1日の目標量に対して多い順に、
ビタミンB12 | 507% |
セレン | 137% |
ビタミンD | 116% |
ナイアシン | 89% |
ビタミンB6 | 29% |
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、さんまの塩焼き1尾でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、見てみましょう。
ビタミンB12
さんまにもっとも多い栄養素はビタミンB12。貧血予防、脂肪を燃やす、寝つきをよくするなどの効果があります。
さんまのビタミンB12の量は?
ビタミンB12の1日の目標量は
女性も男性も2.4μg。
さんまの塩焼き1尾の
ビタミンB12は12.2μg。
1日の目標量の507%もの多さです。
さて私たちはビタミンB12がちゃんと摂れている?
さんまの塩焼きを1尾食べるとどのくらい補える?

女性:
平均摂取量=238%
さんまの塩焼き1尾=507%
合計=745%
男性:
平均摂取量=288%
さんまの塩焼き1尾=507%
合計=795%
ビタミンB12の効果は?
- 血液をつくる
- 神経の伝達をスムーズにする
- 脂肪を代謝してエネルギーに変える
- タンパク質やDNAと合成して健康な細胞をつくる
- 寝つきや眠りを良くする
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「栄養素等摂取量」、「ビタミンB12解説」
貧血予防に効果的なビタミンB12。幸せホルモン「セロトニン」の材料にもなって、やる気や集中力を高めたり感情を安定させる効果もあります。
セレン
さんまに2番目に多い栄養素はセレン。抗酸化作用がバツグンに高い必須ミネラルです。
さんまのセレンの量は?

セレンの1日の推奨量は、
女性が25μg、男性が30μg。
さんまの塩焼き1尾(76g)に
セレンは34μg。これは、
女性:1日の推奨量の137%
男性:1日の推奨量の114%
私たちがセレンをどのくらい摂れているか、の調査はありません。ただセレンはいろいろな食べ物に含まれているので、不足することはまずありません。
セレンの摂りすぎに注意
セレンは不足よりも摂りすぎに注意が必要な栄養素。
とはいえ女性の上限は350μg。セレンが多いさんまでも1尾に34μg。
通常の食生活では心配ありません。サプリメントで摂る場合は十分に注意しましょう。
セレンの1日の上限、セレンの多い食べ物については、セレンの多い食べ物は?【1食分あたり】30位までランキング! で紹介しています。参考になさってください。
セレンの効果は?
- アンチエイジング
- 動脈硬化の予防
- 有害ミネラルから守る
- 脳血栓や心筋梗塞の予防
- 男性不妊の改善への期待
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「セレン解説」、厚生労働省 eJIM「セレニウム」
ビタミンD
さんまに3番目に多い栄養素はビタミンD。骨を丈夫にしたり、感染症を予防する栄養素です。
さんまのビタミンDの量は?
ビタミンDの1日の目安量は、
女性も男性も8.5μg。
さんまの塩焼き1尾の
ビタミンDは9.9μg。
1日の目安量の116%です。
では、私たちはビタミンDがちゃんと摂れている?さんまの塩焼き1尾で摂取量はどう増える?

女性:
平均摂取量=75%
さんまの塩焼き1尾=116%
合計=191%
男性:
平均摂取量=87%
さんまの塩焼き1尾=116%
合計=203%
さんまには私たちに足りないビタミンDがぎっしり。1尾で1日に必要な量がまるまる摂れますね。
ビタミンDの効果は?
- 骨を丈夫にする(カルシウムの吸収を促進)
- 筋肉の動きをスムーズにする
- 免疫を高めて風邪やインフルエンザから守る
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」、厚生労働省 eJIM「ビタミンD」
ビタミンD不足では骨や筋肉が弱くなります。特に50歳を過ぎた女性は女性ホルモンの分泌量が減って骨粗しょう症のリスクが高まります。
日光を浴びることで体内でも作られるビタミンDですが、日照時間が短い冬や梅雨の時期は不足がち。
意識して日光を浴びたり、ビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなど)を食べるようにしましょう。
ナイアシン

さんまに4番目に多い栄養素はナイアシン。糖質・脂質をエネルギーに変えたり、シミ・ソバカスを改善する栄養素です。
さんまのナイアシンの量は?
ナイアシンの1日の推奨量は、
女性が12mgNE、男性が15mgNE。
さんまの塩焼き1尾(76g)に
ナイアシンは10.6mgNE。これは、
女性:1日の推奨量の89%
男性:1日の推奨量の71%
では、私たちはナイアシンがちゃんと摂れているかというと……

女性:
平均摂取量=233%
さんまの塩焼き1尾=89%
合計=322%
男性:
平均摂取量=224%
さんまの塩焼き1尾=71%
合計=295%
ナイアシンは食べ物に含まれるトリプトファンからも作られる栄養素。目標の2倍以上も摂れています。さんまにも豊富ですが、余った分は尿として排出されるので心配はありません。
ナイアシンの効果は?
- 疲労を回復する
- 二日酔いや悪酔いを防ぐ
- シミやソバカスを改善する
- 精神をおだやかに安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ナイアシン解説」
ビタミンB6
さんまに5番目に多い栄養素はビタミンB6。脂肪肝の予防、肌荒れや口内炎の予防、月経前の悩みをやわらげるなどの効果があります。
さんまのビタミンB6の量は?
ビタミンB6の1日の推奨量は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
さんまの塩焼き1尾に
ビタミンB6は0.3mg。これは、
女性:1日の推奨量の29%
男性:1日の推奨量の23%
さんまの塩焼き1尾でビタミンB12はどう増えるかというと……

女性:
平均摂取量=99%
さんまの塩焼き1尾=29%
合計=128%
男性:
平均摂取量=90%
さんまの塩焼き1尾=23%
合計=113%
やや不足しがちなビタミンB6。特に次のような人は不足しやすい傾向があります。
- プロテイン(たんぱく質)を多く摂っている人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6の多い食べ物は肉や魚などの動物性食品。レバー、豚肉、かつお、まぐろ、鮭、ぶり、さば缶、いか、バナナ、いも類などに多く含まれています。
ビタミンB6の効果は?
- エネルギーを作る、筋肉・肌・髪・爪などを作る
- 脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 気持ちを安定させる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
さんまに多い栄養素のはたらきを紹介しました。
では最後に、これらのはたらきをまとめて、さんまを食べるとどんな効能が期待できるの?についてお伝えします。
さんまの6つの効果効能

さんまにはビタミンB群、D、セレン、鉄、銅、ヨウ素などの栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、さんまに期待される効能をまとめてみました。
- 貧血予防
ビタミンB12、鉄分、銅などが血液を作って貧血や疲労や体力低下を予防 - 骨を丈夫にする
鉄分やたんぱく質が骨の主成分のひとつであるコラーゲンを作り、ビタミンDがカルシウムの吸収を助ける - 動脈硬化の予防
EPAやセレンのサラサラ効果が悪玉コレステロールを減らして血栓を予防 - 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える - 美肌
良質なたんぱく質やビタミンB群が肌荒れ・シミ・そばかすを改善して口内炎から守る - アンチエイジング
高い抗酸化作用で老化の原因である過酸化脂質が作られないようにする
ということで、さんまをぜひ食べてもらいたいのはどんな人かというと……
こんな人こそさんまを食べて!
さんまをぜひ食べてほしいのは……
- 血圧が気になる
- お腹まわりが気になる
- 揚げ物や脂っこいものが好き
- お酒をよく飲む
- 50歳をすぎている
- シミ・ソバカス・肌荒れが気になる
- いつまでも若く美しくありたい
体の内側も外側もキレイにしたい、といった方にぜひ食べてもらいたいのがさんまなのです。
さんまに多い栄養素:まとめ
さんまに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
さんまに多い栄養素:1日の目標量に対して多い順番に、ビタミンB12、セレン、ビタミンD、ナイアシン、ビタミンB6、リン、鉄分、ビタミンB2
さんまの効能:貧血予防、骨を丈夫にする、動脈硬化の予防、疲労回復、美肌、アンチエイジング
こんな人こそ食べてほしい:血圧やお腹周りが気になる、揚げ物をよく食べる、お酒をよく飲む、肌荒れが気になる、
骨だけでなく、体をつくるたんぱく質が豊富なさんま。生活習慣病を予防したい年代はもちろんのこと、成長期のお子さんにもぜひ食べてもらいたい優秀な食材です。